概要
地下深くに潜み身体を揺することで大地震を引き起こすとされる巨大な鯰(なまず)の姿をした伝説の化け物。地震鯰とも呼ばれる。
大鯰に限らず、地震を起こす魚の伝説は中東からアジアにかけてよく見られ、その由来はバハムートやベヒモスであるという説もある。
湖や沼の主ともされており、鯰に関する伝承は各地に伝わっているが、有名どころでは鹿島神宮の祭神武甕槌大神(たけみかづちのかみ)と香取神宮の祭神経津主神(ふつぬしのかみ)の二柱が要石で押さえつけているというものであろうか。
ちなみに、「地震が起こるのは鯰の仕業」という考え方が主流になったのは江戸時代になってからで、もともとは鯰ではなく日本列島の下に横たわった龍、あるいは列島を取り囲む地震虫という名の生き物の仕業だと考えられていたらしい。
また、ほかの地域にも地震を起こす怪物たちの話が残っており、北海道には大アメマス、ヨーロッパにも街の下に眠るドラゴン、などがある。ギリシャ神話ではタルタロスという奈落に封じられたティーターン、北欧神話ではラグナロクの日まで封じられたロキが原因だと語られている。
何故、ナマズが地震の原因と考えられたのかについては謎が多いが、魚は振動に非常に敏感な生き物である。例えば釣り場近くで駆け抜けたりすれば、その振動を魚が感じ取って逃げ出すというのは有名な話であり、科学的な側面から解明しようとする動きも見られる。
なお、「大鯰」とは単に大きいナマズを指す名称でもあり、ビワコオオナマズやメコンオオナマズなどの種が「オオナマズ」の名を冠している。
ゲゲゲの鬼太郎
大なまずを参照。
仮面ライダー響鬼
オオナマズ(魔化魍)を参照。
関連タグ
ナマズン:大鯰の伝承を反映して、『LEGENDSアルセウス』では地震の原因と勘違いされたというエピソードが語られたほか、本家では「りゅうのまい」を習得する。
ミミズ(すずめの戸締まり):アニメ映画『すずめの戸締まり』に登場する災いの通称。大鯰や地震虫の伝承が設定の下地になっている。