扉の向こうには、すべての時間があった───
概要
すずめの戸締まり(英題:Suzume)とは、2022年11月11日に公開された新海誠監督による長編アニメーション映画である。
九州の港町に暮らす少女・岩戸鈴芽(すずめ)が、列島の各地に開いてしまう「災いの扉」を閉めるために旅をするロードムービー。
メディアミックスも展開されており、新海誠自身の手による小説版が2022年8月24日に角川文庫から出版されている。また、甘島伝記によるコミカライズ版も同年10月25日から『月刊アフタヌーン』にて連載が開始され、単行本も2023年3月23日から順次発行されている。
新海誠監督は、本作を制作するきっかけとなったのは多くの要望であると語っている。同氏の作品は物語の舞台が実在の場所をモデルにしているほか、緻密(ちみつ)で美麗な描写が特徴となっており、これまでの作品の人気にあわせてさまざまな方面から「次回作は是非私たちの地域を舞台にしてほしい」という要望が多かったという。そこで、ひとつの土地だけでなくさまざまな土地を巡るロードムービーとして描かれることになった。
また、物語の要素である「災い」も、現実世界で世界を未だに覆っている「コロナ禍」が反映されており、『君の名は。』(2016年)で東日本大震災が、『天気の子』(2019年)で異常気象や気候変動が制作の出発点となったものと同じである。とりわけ本作では、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)を含む震災について、真正面から切り込まれている。
さらに、人々の営みや賑わいが失われてしまった廃墟を地鎮祭のように悼(いた)み、鎮めるような物語を作ることを考え、物語の構造上さまざまな土地を巡ることになり、そこに上記のテーマである大震災やロードムービーが合わさって本作が生まれたという。
作品情報
スタッフ
監督・原作・脚本 | 新海誠 |
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音楽 | RADWIMPS、陣内一真 |
キャラクターデザイン | 田中将賀 |
作画監督 | 土屋賢一 |
美術監督 | 丹治匠 |
演出 | 徳野悠我、居村健治 |
CGチーフ | 竹内良貴 |
撮影監督 | 津田涼介 |
助監督 | 三木陽子 |
音響監督 | 山田陽 |
音響効果 | 伊藤瑞樹 |
企画・プロデュース | 川村元気 |
エグゼクティブプロデューサー | 古澤佳寛 |
プロデューサー | 岡村和佳奈、伊藤絹恵、伊藤耕一郎 |
音楽プロデューサー | 成川沙世子 |
制作会社 | 『すずめの戸締まり』製作委員会、コミックス・ウェーブ・フィルム |
制作プロデュース | STORY inc. |
配給 | 東宝 |
公開日 | 2022年11月11日〜2023年5月27日 |
Blu-ray&DVD発売日 | 2023年9月20日 |
小説版
著者 | 新海誠 |
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初版発行 | 2022年8月24日 |
発行者 | 堀内大示 |
レーベル | 角川文庫 |
ISBN | 978-4-04-112679-0 |
コミカライズ版
作画 | 甘島伝記 |
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連載 | 月刊アフタヌーン |
連載開始 | 2022年10月25日〜2023年12月25日 |
単行本出版社 | 講談社 |
単行本発売日 |
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ストーリー
九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、
「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太に出会う。
彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけたのは、
ぽつんとたたずむ古ぼけた扉。
なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。
扉の向こう側からは災いが訪れてしまうため、
草太は扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として旅を続けているという。
すると、二人の前に突如、謎の猫・ダイジンが現れる。
「すずめ すき」「おまえは じゃま」
ダイジンがしゃべり出した次の瞬間、
草太はなんと、椅子に姿を変えられてしまう───!
それはすずめが幼い頃に使っていた、脚が1本欠けた小さな椅子。
逃げるダイジンを捕まえようと3本脚の椅子の姿で走り出した草太を、
すずめは慌てて追いかける。
やがて、日本各地で次々に開き始める扉。
不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、
日本列島を巻き込んでいくすずめの”戸締まりの旅”。
旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所で
すずめを待っていたのは、
忘れられてしまったある真実だった。
(公式サイトのストーリー紹介より引用)
登場人物
主要キャラクター
岩戸鈴芽(いわと すずめ)
CV:原菜乃華 / 三浦あかり(幼少期)
九州の静かな港町で、叔母と二人で暮らす17歳の女子高生。
広大な廃墟のなか、幼い自分が草原をさまよい歩く不思議な夢をよく見る。
「閉じ師」の青年・草太と出会い、日本各地で開いてしまう「災いの扉」を閉める旅をする。
宗像草太(むなかた そうた)
”災い”をもたらす扉を閉めることを使命とする「閉じ師」の青年。
日本各地に現れる扉を探す旅をしており、扉のある廃墟に向かう途中で鈴芽と出会う。
そののち、謎の猫・ダイジンの呪いを受けたことで、鈴芽が幼いころに使っていた子供用の椅子に姿を変えられてしまい、3本脚の椅子の姿でダイジンを追いかけることになる。
CV:山根あん
鈴芽と草太の前に突如現れた、人間の言葉を話す謎の白い猫。
扉が開く場所に出没し、鈴芽たちを翻弄する。
岩戸環(いわと たまき)
CV:深津絵里
鈴芽の叔母。彼女が幼いころから一緒に暮らしており、現在では地元の漁業協同組合で働いている。
鈴芽の成長を見守る一方で、過保護なあまりつい口うるさくなってしまう一面も。
岡部稔(おかべ みのる)
CV:染谷将太
鈴芽の地元の漁業協同組合に勤めている男性で、環の同僚にあたる。
独身の環に対して好意をアピールしているものの、ことごとく空回りしている。
海部千果(あまべ ちか)
CV:花瀬琴音
鈴芽が旅の途中で出会う、愛媛に暮らす元気な少女。
坂道でみかんを落とした際に鈴芽に助けてもらったことをきっかけに、彼女と仲良くなる。
また、実家は小さな民宿を営んでおり、泊まるところがない鈴芽を気前よく招いている。
二ノ宮ルミ(にのみや るみ)
CV:伊藤沙莉
鈴芽が旅の途中で出会う、神戸のスナック「はぁばぁ」のママ。
女手ひとつで幼い双子を育てており、愛媛でヒッチハイクをしていた鈴芽を神戸まで連れていく。
芹澤朋也(せりざわ ともや)
CV:神木隆之介
鈴芽が旅の途中で出会う、草太の親友の大学生。
口ぶりや振る舞いは乱暴だが、根は友達思いな青年。
愛車は赤いスポーツカー。
宗像羊朗(むなかた ひつじろう)
CV:松本白鸚
草太の祖父で、彼に「閉じ師」の使命を授けた師匠でもある。
東京のとある病院の一室で、鈴芽と話を交える。
鈴芽が旅の途中で出会う、人間の言葉を話す謎の黒い猫。
明確な目的を持って鈴芽の前に現れ、彼女の旅に加わることになる。
岩戸椿芽(いわと つばめ)
CV:花澤香菜
鈴芽の母親。
手先が器用で、料理や工作が得意。環の姉でもある。
その他の登場人物
絢(あや)
鈴芽が通う高校の同級生。黒髪のボブヘアと眼鏡が特徴で、鈴芽と古い付き合いのある友人でもある。
登校の途中で鈴芽と合流し、草太との出会いによって顔を赤らめている彼女を気にかけている。
マミ
鈴芽が通う高校の同級生で、学校を遅刻してきた彼女を笑いながら迎えている。
鈴芽が廃墟から立ち昇る災いを目にした際に、その災いが見えなかったことから絢とともにいぶかしんでいる。
花(はな)と空(そら)
ルミの双子の子供たちで、花が姉で空が弟。
ともに4歳であり、しょっちゅう勝手な振る舞いをして母親のルミを怒らせている。
ミキ
CV:愛美
スナック「はぁばぁ」のアルバイト。ルミとともに客に接待している。
絹代(きぬよ)
草太が暮らしているアパートの大家である老齢の女性。
アパートの1階にあるコンビニエンスストアでも働いており、草太のアパートを訪れた鈴芽に彼の部屋の鍵を貸している。
キャロル
草太のアパートの1階にあるコンビニエンスストアで働いている外国人の女性。
絹代に助けてもらって意思疎通を図っているほか、彼女とともに草太のイケメンぶりにときめいている。
シゲ
CV:西村知道
稔や環と同じ漁協に勤める初老の漁師。
岩戸一家の様子や稔の恋路を温かく、あるいは冷ややかに見ている。
楽曲
主題歌
作詞・作曲 - 野田洋次郎 / 歌 - 十明(とあか)
- 「カナタハルカ」
作詞・作曲・歌 - RADWIMPS
サウンドトラック収録曲
- 「Tamaki」
作詞・作曲・歌 - RADWIMPS
- 「すずめの涙」
作詞・作曲・歌 - RADWIMPS
作中に登場する楽曲
(ルミのスナックで流れる昭和歌謡として登場)
(新神戸駅の列車到着音として登場)
(芹澤が鈴芽と環を乗せてドライブするなかで流した曲として登場)
用語解説
後ろ戸(うしろど)
人々の暮らしが失われてしまった場所に開く、この世の裏側「常世(とこよ)」につながっている扉。
扉の向こう側には常世の景色が広がっているものの、何度そこに入ろうとしても決して踏み入ることはできず、扉の反対側に出てしまう。
また、開いてしまった扉の向こうからは災いが流れ込み、その土地一帯に甚大な被害をもたらしてしまう。
後ろ戸の向こう側から噴き出てくる、災いをもたらす赤黒い奔流(ほんりゅう)の通称。
この世の裏側「常世」を目的も意思もなくうごめく巨大な力であり、ひとたび後ろ戸を通って現れると、その土地一帯の地気(ちき)を吸い上げて膨張し、そのまま大地に倒れ込んで巨大な地震を引き起こす。
常世(とこよ)
人々の生きる世界である現世(うつしよ)の裏側に存在する、過去・現在・未来のすべての時間が同時にある世界。見る者によって広がる景色は異なり、鈴芽の目には満天の星が輝く草原が見えている。
また、その存在を知る者からは「死者の赴く場所」とも呼ばれており、現世に生きる者が足を踏み入れてはいけない場所として語り継がれている。
辺土(リンボ)
椅子の姿になった草太が夢のなかで行き着いた、常世よりもずっと深い場所にある孤独な世界。
波に打ち上げられた数多の骨と、古びた扉がぽつんと立っているほかは何もない広大な海辺であり、音も色も温度もなく、奇妙に甘やかな無感覚だけがその世界を支配している。
要石(かなめいし)
数百年に一度来るような巨大な災いを封じ込めるために、はるか昔から日本列島の西と東に祀られ続けている不思議な力を持った石像。
時代の流れや人々の宇宙観の変化に伴い、その時々に応じて必要とされる場所に移し替えられ、数十年から数百年の長きにわたって災いを鎮めている。
閉じ師(とじし)
人々がいなくなってしまった場所に開く災いの扉「後ろ戸」を閉めることを使命とする特別な存在。
閉じ師の鍵を握り、その場所にかつてあった人々の営みを想うことによって扉に鍵穴を浮かび上がらせ、祝詞(のりと)を唱えながら鍵を閉めることで災いを封じ込めることができる。
草太の一族は代々閉じ師の仕事を生業としており、草太自身も日本各地に現れる後ろ戸を閉めるために全国を旅して回っている。
鈴芽が幼いころに母親に作ってもらった、背板に目の彫られた小さな黄色い椅子。
現在は脚が1本欠けており、3本脚になっている。
ダイジンの呪いを受けた草太がこの椅子の姿に変えられてしまい、3本脚で歩き出すようになる。
上之浦(かみのうら)
劇中に登場する宮崎県内の架空の地名。
鈴芽たちが暮らす地域の郊外の山中にあり、そこにあった集落・門波町はかつては温泉街として賑わっていたものの、現在では廃墟が残されるのみとなっている。
草太を追ってたどり着いた鈴芽がこの地で立て続けに不思議な出来事と巡り会い、「戸締まりの旅」を始めるきっかけとなった。
街並みの描写は、熊本県や大分県などに実在する温泉街をモデルにしている。
その他
鑑賞にあたっての注意点
- 地震にまつわる描写があることが公開前から告知されており、2022年10月22日には公式サイトにおいて「映画『すずめの戸締まり』ご鑑賞予定の皆様へ」という文面を掲載している。そこでは映画の完成に関するお知らせとともに「本作には、地震描写および緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがございます。警報音は実際のものとは異なりますが、ご鑑賞にあたりましては、あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます」という旨の注意喚起が行われている。2024年4月5日の金曜ロードショーにおける地上波初放送の際にも同様のテロップが表示された。
- 公開3日前の11月8日にも、公式サイトにて「本編中に登場する、または関連のある場所への訪問をされる皆様におかれましては、近隣住人の方々へのご配慮、および節度のある行動、マナーに十分心がけながらお過ごし頂きますようお願い申し上げます」というコメントを発表している。おそらく、本作の鑑賞にて新たに増えるであろうSixTONESのファンをはじめとする新規ファンに向けた注意喚起であり、本作に廃墟などが登場することも考慮に含めた上でのものと思われる。
- 本作において鈴芽と草太が旅のなかで訪れた地域は過去に震災の被害に遭った地域であり、時代に幅はあるものの、上述の地震描写にはトラウマを刺激される人が多いであろうことが推察される。特に、愛媛県と兵庫県神戸市は、どちらも「芸予地震」(2001年)と「阪神・淡路大震災」(1995年)という地震災害に見舞われているほか、鈴芽のかつての実家がある岩手県は特に「東日本大震災」(2011年)の主要な被災地であり、直接被害を受けた人はかなり覚悟する必要がある。また、鈴芽の現住所である宮崎県では「えびの地震」(1968年)、草太が住む東京都は「関東大震災」(1923年)という地震災害に見舞われた地域でもある。
興行収入・人気
2022年11月11日から同月13日にかけての3日間のオープニング成績は、観客動員数133万人、興行収入18億8421万5620円を記録している(参考記事)。これは『君の名は。』の興収比の150%超にあたり、『天気の子』のオープニング興収(16億4360万円)を超える好スタートとなっている。
公開1ヶ月後にあたる12月12日までの累計は、観客動員数636万人、興行収入85億9000万円となっている(参考記事)。あわせて、本作のドルビーシネマ版の上映が同月24日から全国6館の劇場で上映されることも発表されている。
公開から45日が経過した同年12月26日には、観客動員数745万人、興行収入が大台の100億円を突破したことが発表された(参考記事)。これにより、監督の新海誠は3作品連続で興収100億円を突破したアニメーション監督として、宮崎駿とともに名を連ねることになった。
公開から2ヶ月が経った2023年1月10日には、観客動員数912万人、興行収入121億円に達したことが発表されている。(参考記事)。
同年2月6日には、観客動員数が1000万人を突破したことが発表され、公開87日間で観客動員数1009万人、興収134億円を記録している。(参考記事)
また、日本国内での人気に乗ずる形で、2023年から世界各地で本作の公開が行われている。同年4月14日にはクランチロールの配給で全米公開が開始され、批評家・観客の双方から非常に高い評価を得たほか(参考記事)、欧州やオーストラリア、ブラジルといった各国でも同月12日〜14日にかけて順次公開されている。
あわせて、同年3月8日には韓国で、同月の24日には中国でそれぞれ公開が開始されている。韓国では公開から4週連続で興行収入1位を記録したほか(参考記事)、中国でも上映開始からわずか10日で興行収入が6.11億元(約117億円)に達するなど(参考記事)、いずれも前々作『君の名は。』を凌ぐほどの大人気ぶりを博している。
余談だが、公開された当初の映画館のなかには、一日の上映スケジュールの半数以上が本作というところもある。これにより、同日公開の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』がとばっちりを受けるという、某400億稼いだ漫画原作のアニメ映画と似たようなことが起きている(ちなみに、こちらの方はコロナ禍の影響で洋画の上映が延期になっていた2020年の話である)。
ノミネート
2023年1月23日には、「第73回ベルリン国際映画祭」のコンペティション部門に本作が正式に出品されることが発表されている。同映画祭に日本のアニメーション作品が選出されるのは、2002年の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりとなる。(参考記事)
同年2月16日から開催された同映画祭において、『すずめの戸締まり』は惜しくも金熊賞(最高賞)の受賞を逃したものの、新海誠監督は本作が世界中の人々から注目されたことの意義や、同映画祭に引き続いて行われる欧州各地での上映に向けた意気込みなど、前向きなコメントを発信している。(参考記事)
また、同年4月には本作が第54回星雲賞のメディア部門にノミネートされたことが発表されており、同月13日から5月31日にかけて第61回SF大会参加者による投票審査が行われる。
それは同年に映画が公開された『シン・ウルトラマン』や『地球外少年少女』との賞レース争いとなっただけでなく、映画作品外のメディア部門ノミネート組の『TAROMAN』や『リコリス・リコイル』とも争う形となっている。
2024年3月には、アメリカのアニメ配信会社大手・クランチロールの主催による「クランチロール・アニメアワード2024」において、『すずめの戸締まり』は最優秀長編アニメ賞を受賞している。同賞は、世界中の200以上の国と地域に住むアニメファンからの3400万票を超える投票の結果であり、新海誠監督も自身のX(旧Twitter)アカウント上で栄光への感謝を明かしている。(参考ポスト)
入場者プレゼント
- 映画の公開にあわせて入場者プレゼントも企画されており、第1弾として小冊子『新海誠本』が公開日から全国合計300万人限定で配布されている。同冊子には、物語の構想や作品の意図などに触れた新海監督自身のロングインタビューや、主演者の原菜乃華と松村北斗を交えた鼎談(ていだん)などが掲載されている。(参考記事)
- 2022年12月3日には、第2弾として小冊子『新海誠本2』が全国合計150万人限定で配布されている。主演者の原菜乃華と松村北斗、音楽を担当する野田洋次郎(RADWIMPS)が新海監督について語るコーナーや、劇中にちりばめられた謎に関するQ&A、そして劇中に登場する全国各地の印象的なシーンを追体験できるビジュアルページなどが掲載されている。(参考記事)
- 同月24日には、第3弾として新海誠監督自身の手によるスピンオフ掌編小説『小説 すずめの戸締まり~環さんのものがたり~』が配布されている。主人公の鈴芽の叔母にあたる岩戸環の視点から、彼女が鈴芽に対して抱いている想いを明かす内容となっている。(参考記事)
- 2023年1月28日には、第4弾として新海誠監督自身の手によるスピンオフ掌編小説『小説 すずめの戸締まり〜芹澤のものがたり〜』が配布されている。草太の親友である芹澤朋也の視点から、草太との関わりや悩み多き日々が綴(つづ)られていることが紹介されている。(参考記事)
コラボレーション
- auとのコラボレーション企画『すずめと旅する日本』が2022年10月28日に開始されている。「地域とともに、おもしろいほうの未来へ。」をキャッチフレーズとするこの企画は、映画の公開とあわせてコンテンツを順次追加する予定となっている。
- マクドナルドは『ほんのハッピーセット』シリーズの新企画として、本作の公式スピンオフ(外伝)絵本である『すずめといす』(文:新海誠、絵:海島千本)を販売することを発表している。販売開始は2022年11月4日で、約8週間にわたり販売されている。また、コラボレーションCMとして、芹澤朋也役の神木隆之介が出演する『大人もハッピーセット』や、ビッグマックがフィーチャーされた『ビッグマックと、すすめ』が公開されている。
- 2022年11月2日には、日本の全都道府県にある47の企業とタイアップした『日本の戸締まりプロジェクト』が開始されている。ビジュアルを使用した宣伝を通して日本各地から本作を盛り上げるほか、コラボCMなども順次公開される予定となっている。
余談
- 本作は独立した世界線のなかで物語が展開されるため、これまでの作品のように過去作のキャラクターたちがカメオ出演することはない。しかしながら、作中には過去作で用いられたBGMが一部で使用されていたり、『天気の子』の登場人物たちが被っていたバイク用ヘルメットと同じものが登場するなど、新海誠監督作品のセルフオマージュを見つけることができる。
- 作中における時期設定は明言されていないものの、「(東日本大震災から)12年が経った」「100年前に関東一帯に大きな災害が起きた」などの登場人物の台詞から、舞台が2023年であることがわかる。また、小説版の冒頭に9月と書かれているほか、物語の始まりから5日目には「9月29日(金)」という表示が登場している。以上のことから、この物語は2023年の9月25日(月)から9月30日(土)にかけて繰り広げられていたことがわかる。
- 2023年5月12日から同月27日にかけて、終映記念として「『すずめの戸締まり』終映記念-最後の戸締まり上映-」と銘打った特別版が上映されている。同版は、今後発売される予定のBlu-rayなどのためにリテイクがなされたものであるほか、期間内に鑑賞した来場者にはキービジュアル第3弾の「おかえりなさいビジュアル」がデザインされた特製ポストカードがプレゼントされている。(参考記事)。
- 2023年9月20日には、本作のBlu-rayとDVDが発売されている。とりわけ、ブルーレイディスク5枚入りの「コレクターズ・エディション」には、キャストによるビジュアルコメンタリーや制作を追ったドキュメンタリー映像、縮刷(しゅくさつ)版台本、これまでに映画館で配布されたスピンオフ掌編小説などが特典として封入されている。(参考記事)
- 2023年9月20日から10月5日にかけて、本作のBlu-rayとDVDの発売とあわせた「おかえり上映」が全国100館の映画館で実施されている。この企画は、作中の「戸締まりの旅」が2023年9月25日から同月30日にかけて繰り広げられたことにもあやかっているほか、来場者特典にはブルーレイの「コレクターズ・エディション」に使用された特製イラストのクリアファイルが配布されている。(参考記事)
- 2024年4月1日エイプリルフールツイート『たぬきの戸締まり』。
関連イラスト
関連動画
『すずめの戸締まり』特報(2022年4月)
『すずめの戸締まり』予告(2022年7月)
『すずめの戸締まり』予告②(2022年9月)
行ってきますPV(2022年11月)
終映記念 - 最後の戸締まり上映 開催決定!(2023年4月)
関連タグ
総合 | アニメ アニメ映画 新海誠 |
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ジャンル | ガールミーツボーイ ロードムービー セカイ系 |
キーワード | 扉 廃墟 災害 東日本大震災 |
カップリング | 草鈴 芹環 |
舞台 | 宮崎県(日南市) 愛媛県(八幡浜市 予讃線) 明石海峡大橋 兵庫県(神戸市 新神戸駅) 東京都(御茶ノ水駅 聖橋) 岩手県 |
評価タグ | すずめの戸締まり100users入り→すずめの戸締まり500users入り→すずめの戸締まり1000users入り→すずめの戸締まり5000users入り→すずめの戸締まり10000users入り |
表記ゆれ | すずめの戸締り |
摩多羅隠岐奈:後ろ戸に関連している『東方Project』のキャラクター。