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核兵器

かくへいき

大量破壊兵器のひとつで、原子核反応によるエネルギーを破壊に用いる兵器。
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核兵器 とは 原子核反応核分裂核融合)で発生する高エネルギー破壊に用いる兵器の総称。

"The indefinite combination of human fallibility and nuclear weapons will lead to the destruction of nations." - Robert McNamara
核兵器と人間の愚かさとの曖昧な組合せは、国家を破滅に導くだろう。 ―― ロバート・マクナマラ

概要

  • 核物質を積んだ弾頭の部分と、それを運搬するための部分から成り立つ。
  • 原子核反応によって高熱爆風放射線が発生し、それらを破壊に用いる。
  • その恐るべき破壊力は、互いに撃ち合う核戦争となれば確実に共倒れどころか世界が滅びる相互確証破壊という脅威を生み、結果的にその緊張が大国同士の軍事衝突を回避させる核抑止という概念をもたらした。
  • 実戦では第二次世界大戦アメリカ合衆国日本に対して使った2例のみである。(広島長崎
  • 核戦争想定の演習でも使用されており、アメリカ以外にもイギリスや旧ソ連中国からの参加兵士も被爆しているものと思われ、アトミックソルジャーと呼ばれている。
  • ダイナマイトのような発破に利用する「平和的核爆発」の研究も行なわれたが、汚染問題があり研究は中止されている。
  • 高高度で爆発させるなどすると人を直接殺傷はしないが、電磁パルスが発生してコンピュータ類が死ぬ。


分類

原理別

核分裂原子爆弾
核融合水素爆弾
放射線強化型中性子爆弾


運搬手段・形態別

  • 核爆弾 - 航空機から投下することを前提に造られたもの。
  • ミサイル - ミサイルの先っぽに核弾頭を仕込んだもの。
  • 砲弾 - 砲弾の炸薬として核弾頭を仕込んだもの。
  • 魚雷 - 魚雷の炸薬として核弾頭を仕込んだもの。
  • 爆雷 - 爆雷の炸薬として核弾頭を仕込んだもの。
  • 地雷 - 地雷の炸薬として核弾頭を仕込んだもの。
  • 核爆破資材 - 工兵が使用する爆薬の炸薬が核弾頭に置き換わったもの。人の手で持ち運ぶ核爆弾。


用途別

  • 戦略核兵器

都市、軍事基地等の戦略的目標に対して使用される核兵器。多くの人が核兵器と聞いて思い浮かべるのはこれだろう。
概して威力が大きく、ミサイル、爆撃機への搭載等、遠距離への攻撃が基本である。
広島と長崎への原爆投下は戦略核攻撃とみなす事ができる。

  • 戦術核兵器
戦場において「滅茶苦茶強い通常兵器」といった感じで使用されるもので、射程は短く、比較的威力は弱め。
冷戦期において、北大西洋条約機構ワルシャワ条約機構の対立が決定的になったとき、兵力で劣る北大西洋条約機構側が人海戦術で押し込んでくるであろうワルシャワ条約機構軍を足止めするために考案したのが始まり。
使い方としては、敵軍が攻め込んできたとき、まず核地雷を仕掛け爆弾のごとく炸裂させて敵軍を足止め、それでも止まらないようなら核砲弾を大量にぶちこんで敵軍を足止め、それでも止まらないようなら最後はデイビー・クロケットのような超短距離核弾頭を大量にぶちこんで敵軍を足止めする…というような感じである。
さらに核爆破資材を敵中へ隠密裏に仕掛けて炸裂させ、敵軍を混乱に陥れるような運用も想定された。
海においても、核爆発の威力の大きさから、核魚雷、核爆雷、艦砲用の核砲弾が製造された。

なお、勘違いされやすいが戦略核と戦術核の違いは威力ではない。米ソ間の核軍縮条約においては射程500km以上を戦略核、それ未満のものを戦術核としていた。つまり、威力ではなく使用目的と運用方法によって分類している。
威力が大きな核弾頭を、そのまま地中へ埋めて核地雷にしてしまうような使い方も見受けられるため、『威力が大きい=戦略核兵器』という括りにはならないのである。

核兵器ではない放射能兵器

  • 汚い爆弾(ダーティーボム) - 通常爆弾の爆発で放射性物質を拡散させ、放射線によって被害を与える。放射性物質どころか放射能汚染物質さえ手に入れば簡単に製作できるので、テロリストによる利用が懸念されている。


核保有国の意識

現在の核保有国は、アメリカ合衆国中国イギリスフランスロシア(旧ソ連)、インドパキスタン北朝鮮イスラエルは核保有を肯定も否定もしない政策を取っており、一般的には核保有国とみなされている。一度核兵器を保有したが手放した国は南アフリカ共和国だけである。
また、NATO加盟国の一部は、アメリカと核兵器を共有する「ニュークリア・シェアリング」を行っている。

広島や長崎に核兵器を使用したアメリカだが、当のアメリカ人の核兵器に対する意識は、高いとは言えない。例として、アメリカ映画に登場する宇宙人にはとりあえず通用しない。(例:『インデペンデンス・デイ』、『マーズ・アタック』など)また、映画『トゥルーライズ』に至ってはキスシーンの背景が核爆発である。

1950年代、アメリカは核軍拡を行っていた。その陰で広島や長崎の惨状は隠蔽され、放射能の影響などは知られていなかった。

これは公開されていなかった事と、単純に調査が進んでいなかった事の両方である。冷戦期にはアメリカでも核戦争を想定した演習が何度も行われ、中には核爆発直後の侵攻を想定した実験・演習も行われた。ネバダ核実験場で行われた「バスター・ジャングル作戦」は平行して「デザート・ロック」演習が行われている。核爆発直後の放射能汚染された土地に投入された兵士たちは後に放射能障害を多発し、彼らは『アトミック・ソルジャー』とよばれたが、その実態が明らかになるのははるかに後のことである。当時は『放射能汚染は爆発で発生するチリによるものなので、チリを払えば大丈夫』と考えられていた。実際にはそう簡単なものではなく、吸い込んだ空気や、土地の残留放射能により体を汚染される者が続出した。これはアメリカ合衆国ばかりではなく、核保有国の人々(反核運動が盛んなイギリスを除く)で原爆や核実験被害の実態を知っている人は少ないのが実情である。

同様の演習や核実験場の除染作業等で被害を受けた兵士は旧ソ連や中国にも居るものと推測されているが、実際には全く明らかになっていない

日本における意識

日本でも被爆直後から核兵器の恐ろしさが知られていたわけではない。占領下では広島・長崎の原爆被害の実態を公にすることはGHQに禁止されていたからである。原爆被害の惨状の写真が初めて公刊されたのは『アサヒグラフ』1952年8月6日号(朝日新聞社刊)であり、これにより初めて原爆被害の実相が知られるようになり、多くの日本人に核の恐怖を植え付けた。

その1年半後の1954年3月1日、ビキニ環礁で行われた水爆実験「ブラボー実験」で、第五福竜丸ほかの日本漁船が水爆の死の灰を浴び、乗員全員が放射線障害を発症、無線長だった久保山愛吉が死亡した。アメリカは日本に核実験の被害を報道しないよう圧力をかけ日本政府もこれに従って資料を公開せず隠蔽しようとしたが、日本の新聞は従わず、核実験の被害が世界で初めて広く知られるようになった。日本にとって広島・長崎に次ぐ3番目の核被害となったこの事件は日本を恐怖のどん底に叩き込み、映画「ゴジラ」が制作されるきっかけにもなっている。

なお、この「ブラボー実験」で水爆実験で放射性降下物を浴びた漁船は数百隻にのぼるとみられ、これにはじまる一連のビキニ環礁での核実験の被曝者は2万人を越えると考えられているが、アメリカ政府はまともな調査を行わず被害を隠蔽したため、その被害の全容はいまだに明らかではない。

その後も「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という非核三原則を作るなど、表向きは唯一の被爆国として核兵器反対の立場を取っている日本だが、核保有国である中国やロシア、北朝鮮と隣合わせな以上、実際の核政策はアメリカの核抑止力(いわゆる核の傘)に依存している状態であり、日本も核武装するべきという核武装論は現在に至るまで度々起きている。
この問題は書くと長くなる上に政治的にデリケートな話題でもあるので、気になる人は各自で調べてみて欲しい。

禁止への動き

現在、中南米・アフリカ・中央アジア・オセアニア・南極は核兵器をさまざまな条約により禁止した非核兵器地帯となっている。

1970年に発効した核拡散防止条約は、核軍縮を目指すと同時に当時保有していた5か国(アメリカ、中国、イギリス、フランス、旧ソ連)以外の核保有を禁止するものだが、結局冷戦終了まで核軍拡を止める力とはならなかったどころか、未加盟だったインドとパキスタン、そして脱退した北朝鮮の核開発を許す事となった。

2017年には核兵器の全廃と根絶を目的として核兵器禁止条約が採択されており、81の国と地域で署名されているが、批准したのはその中の36か国で、条約が発効する50か国にはまだ達していない。当然ながら核保有国は参加していない。日本も、表向きは核兵器反対の立場を取りつつもアメリカの核の傘があるため非参加という複雑な立ち位置にいる。

関連タグ

 原子核反応 放射線 原子爆弾 水素爆弾 広島 長崎 デイビー・クロケット

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