概要
実際には存在しない武器や兵器等のこと。特に巨大だったり大威力だったりするものには、超兵器タグが付いている時もある。これらは必ずしも技術的に実現不可能で奇想天外な珍兵器や超兵器の類とは限らず、技術的には実現可能な通常の兵器も含めて、現実には存在しない兵器のことを指す。
狭義では主にミリタリー系の架空戦記系作品で登場する実際に存在するものに近い兵器を指すことが多いが、広い意味では機動戦士ガンダムやマジンガーZに登場するような巨大ロボットや、宇宙戦艦ヤマトやスターウォーズに登場する宇宙戦艦、近年では艦隊これくしょん等に登場するような擬人化兵器も架空の兵器として扱われる。
創作作品における架空兵器(狭義)
以下のような事情から、架空戦記などの創作作品では現実の歴史では未登場、ないし活躍することなく消えていった兵器を登場させる展開となっている・
- 実際に計画されながら、「現在(当時)の技術では実現不可能」「作るだけの費用や運用コスト面等の予算的事情」「完成する前に戦争が終わった」「上層部の無理解」「政治的事情」で断念された兵器(代表例:アメリカの大和型戦艦と同クラスかそれ以上の戦艦。理由は技術的には可能だが、幅の大きさからパナマ運河を越えることができない、という政治・戦略的理由のため)
- 試作品は完成したが、様々な事情(試験段階で問題が発覚し中止・競争試作で他の試作案に敗北し不採用等、その他上記の事情も含めて)で量産はされなかった兵器
- 実戦投入まではされたが、大した戦果が上げられなかったり、戦果に比してのコストパフォーマンスが悪かったりなどの事情で、後継機が作られなかった兵器(代表例:爆撃飛行船、多砲塔戦車等)。
- 同型の兵器がすでに完成、運用されていて、さらに追加で増備が計画されたものの、予算や物資の不足、戦争が終わった、国際的軍縮会議で制限された、などの諸事情で建造中止となった兵器(代表例:各種艦艇の未成艦)
- 昔は主力兵器だったが時代に合わなくなり、作中年代には実質絶滅している兵器(代表例:戦艦)
- 国際法等の政治的事情で使用、所持が禁止、制限されている兵器(代表例:毒ガス等の化学兵器)
- 他の国では配備、運用されているが、その国では諸事情で使えない兵器(代表例:現代日本における核兵器、航空母艦、原子力潜水艦)
- ぼくのかんがえたさいきょうのへいき
日本の前大戦を扱った架空戦記ものでは、B29を越える超大型戦略爆撃機の富嶽や大和級戦艦を越える超々弩級戦艦や大和級航空母艦(実際は信濃は完成したのだが、実戦経験もないままに沈んだので、架空兵器扱いに近い)などが定番である。
日本でも戦時中に計画されたが、コストや原材料の入手などから断念された核兵器は、日本ではデリケートな問題ではあるが、一部作品(ゲーム提督の決断等)などでは大日本帝国軍の核兵器配備も実現可能となっている。
現実世界において
現実の軍事技術競争はまさに上記の「ぼくのかんがえた~」を地でいく「いかに架空戦記に登場した架空兵器を実現させるか」の繰り返しであり、実際20世紀初頭以前の今でいう架空戦記ものの小説では、当時はまだ存在していなかった飛行機や大量破壊兵器(後の核兵器)などが架空兵器として登場している。
比較的近年に実現した架空兵器の代表例では「ステルス航空機(F-117)」「無人偵察機(グローバルホーク)」などがあり、無人戦闘機や人型歩行兵器(ロボット)、レールガンなどは実現寸前までになっている。
逆に失敗した例でいえば、「陸上戦艦」「空中戦艦」など、これらは実際に過去に多くの国で構想されており、この点では大日本帝国軍も例外ではなく、過去には「空飛ぶ戦車」なるものが計画されたことがある。なお用途としては飛びながら戦うものではなく、主に輸送手段としてであった(詳細は特三号戦車参照)。
また現在進行形で失敗例になりそうな兵器としては、アメリカ軍が既に配備している、ステルス駆逐艦ことズムウォルト級ミサイル駆逐艦があり、上記の例で言えば「完成はしたけど運用コストがあまりに高く、これ以上の予算がつかないまま増産が見送られる」というパターンである。
現在の架空戦記に登場するような架空兵器が、将来、実際の戦場で登場する可能性はなきにしもあらずである。またズムウォルト級ミサイル駆逐艦のような、失敗に終わるかもしれない兵器が量産されて活躍する架空戦記も登場するかもしれない。
関連タグ
オリジナル武器 架空戦車 オリジナルロボット オリジナルメカ
pixivファンタジアⅢ PF3兵器 PA架空兵器 Pixiv-Army
MSV 機動戦士ガンダムシリーズにおける本編に登場しない「架空兵器」(一部は公式作品に登場もはたす)。ギレンの野望シリーズには「もしもゲルググでなくギャンが量産されたら」という設定でオリジナルのMS(ギャンキャノンなど)が登場している。