概要
1994年4月9日から同年12月24日まで、TBS、テレビユー福島、新潟放送、伊予テレビにて全37話が放送された。また、時期は多少ずれるが、毎日放送、CBC、山陽放送、北海道放送、RKB毎日放送をはじめとしたTBS系列局の一部でも放送されている。
1994年7月9日に公開された、東宝の特撮映画『ヤマトタケル』とともにメディアミックスで展開(ただし、特撮版とのストーリー上の関連は無い)されたが、同劇場映画公開終了後にスポンサーが降板したため、当初の4クールから3クールとなり、36話に構成し直された。その後、オンエアスケジュールの変更で、後日談を交えた総集編の37話が制作された。
また、テレビシリーズ終了後の1995年11月に、15歳になったタケルの最後の戦いを描いたOVA『ヤマトタケル 〜After War〜』が発売された。
日本アニメーションにとっては『超合体魔術ロボギンガイザー』以来17年ぶりのロボットアニメである。
ロードムービー風に展開する物語は今なお評価が高く、現在では隠れた名作となっている。後半の駆け足的展開こそ評価の分かれるところだが、OVAまで主人公たちの成長を描き切った演出は見事と言えよう。
ストーリー
時は25世紀。新天地を求めて地球を出発した恒星間移民船は、ブラックホールを抜けた旅の果てに、惑星イズモに到達した。地球人達はそこで入植を開始し、イズモ人達と共存する平和な村落が発達し始めていた。それから12年後、ヤマタノオロチの復活を目論むツクヨミの配下が平和な村を襲いはじめる。少年ヤマトタケルは、戦火の中、偶然発見した魔空戦神スサノオで敵を撃退したものの、暴走するスサノオは開拓村まで焼き払ってしまう。村を追放されたヤマトタケルは、ツクヨミの野望を阻止するため旅に出るのだった。
登場人物
ヤクモ村に住む地球人の少年。13歳。ガキ大将にして、トラブルメーカーなことから、ヤクモ村のイズモ人の大人達からは疎まれているが、実際の彼は正義感が強く友情にも厚い熱血漢。腕っぷしも強く、大人に匹敵する程。
スサノオのパイロットになり、ツクヨミ軍の襲撃から村を守るために戦う。
- ロカ(CV:緒方恵美)
- オト・タチバナ(CV:かないみか)
- マ・ホロバ(CV:茶風林)
- キヌヌイ(CV:高島雅羅)
- カオン(CV:矢島晶子)
- ミカヅチ(CV:森川智之)
- オウカ(CV:安西正弘)
- キリオミ(CV:喜田あゆ美)
- ハヤミカ(CV:木藤聡子)
- アマツミ(CV:石田彰)
- クシナダ(CV:折笠愛)
- キリュウ(CV:高木渉)
- アモン(CV:古田信幸)
- ツクヨミ(CV:堀内賢雄)
- ヤマトヨシオ(CV:中田和宏)
- ヤマトカオル(CV:佐々木るん)
登場メカ
魔空戦神
魔空戦神以外
主題歌
オープニングテーマ
「真夏の扉」(1話 - 18話)
作詞・作曲 - TAKURO / 編曲 - 土屋昌巳、GLAY / 歌 - GLAY
「Flower of Desert」(19話 - 37話・OVA)
作詞 - 山中真一、濱崎直子 / 作曲 - 山中真一 / 編曲 - 矢吹俊郎、山中真一 / 歌 - 濱崎直子
エンディングテーマ
「RAIN」(1話 - 18話)
作詞 - YOSHIKI / 作曲 - YOSHIKI、TAKURO / 編曲 - YOSHIKI / 歌 - GLAY
※GLAYのデビュー曲として知られ、映画版の主題歌としても使用された。
「Twilight Songs」(19話 - 37話・OVA)
作詞・作曲・編曲・歌 - 濱崎直子
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
1 | 復活の巨人 |
2 | 大いなる災い |
3 | 未知なる世界への旅立ち |
4 | オアシスの少女 |
5 | 伝説の人マ・ホロバ |
6 | 沈黙のスサノオ |
7 | 砂漠のライオン |
8 | 宇宙船アメノウキフネ |
9 | 奇妙なライバル |
10 | 奪われたスサノオ |
11 | スサノオをとりもどせ |
12 | 伝説の剣クサナギ |
13 | 戦慄の魔神アラノオ |
14 | 謎の戦士オウカ |
15 | 海を渡るスサノオ |
16 | 哀しみのオト |
17 | 新たなるスサノオの誕生 |
18 | オウカ愛に死す |
19 | 格闘機デスリング |
20 | ミズホの掟 |
21 | 名誉と栄光のためでなく |
22 | アマツミの罠 |
23 | ミズホ最後の日 |
24 | 月に眠る人々 |
25 | 龍の揺り篭 |
26 | 月世界の地球人 |
27 | キリオミの執念 |
28 | オトの秘密 |
29 | 謎の少年カオン |
30 | 神の鳥アマノシラトリ |
31 | オロチの脱け殻 |
32 | 黄泉の国のスサノオ |
33 | 最後の試練 |
34 | ヤクモの戦い |
35 | 突入!魔空要塞 |
36 | 光る風ヤマトタケル |
37 | みんな元気 |
余談
- 前期OP「真夏の扉」とED「RAIN」は映像ソフト化の際にGLAYがメジャーになり過ぎたのとレコード会社が違っていた(ビデオの発売元はキングレコードなのに対し、GLAYの主題歌の発売元はプラチナム・レコード)ため音源が使用出来ず、後期OPとEDへの差し替え措置が取られた。ただしテレビでの再放送では前期OP・ED共にそのままとなっている。
- 終盤に登場したアマノシラトリは放送短縮のあおりを受け、皮肉にもガイオウの強化メカとなってしまった。即ち超魔空戦神スサノオになる筈が超魔空戦神ガイオウになってしまったのである。設定上はアマノシラトリはどちらの魔空戦神でも合体でき、パイロットであるオトがタケル達の元へ帰ってくる事でスサノオと合体し、超魔空戦神へと進化する予定だった。
- アメリカでは『マックスボット』というタイトルで放送された。後述の立体化投票でも海外からの投票が多かった事から、海外人気が高いことがうかがえる。
立体物
放送当時はバンダイからスサノオ(第1形態)のソフビモデル、進化形態を再現出来るフィギュア(スサノオ、タマノオ)が発売されていたが、当時の商品展開で予定されていたアイテムのいくつかが発売中止となったため、商品点数は他のロボットアニメと比べて少ない。
放送終了後は版権の複雑さ(日本アニメーションの他に東宝と小学館が著作権を持っている)ゆえに立体化に恵まれなかったが、最近になり版権関連が整理されようやく立体化の目途が付いた。そのため立体化投票でも上位に挙がっていた魔空戦神のリリースが発表されている(グッドスマイルカンパニーからMODEROIDブランドでの発売)。第1弾はスサノオ(第二形態)になる予定。
関連タグ
魔神英雄伝ワタル・サンライズ製作のアニメで、故・井内秀治が監督を務めたRPG風ロボットアニメで本作のモチーフその1。
伝説の勇者ダ・ガーン・こちらもサンライズ製作の勇者シリーズ第3作目で、森田風太こと谷田部勝義が監督を務めた本作のモチーフその2
ムカムカパラダイス・一部地域では本作の後の時間帯に放送されていた、同じ日本アニメーション製作でサンライズアニメへのオマージュ繋がり。こちらはママは小学4年生のオマージュだった。
黄金勇者ゴルドラン・勇者シリーズ第6作目にして、本作の逆オマージュ作品。声優の一部は本作にも出演していた。
神無月の巫女・日本神話をモチーフにしたロボットアニメ繋がり、本作から10年後のアニメ作品となる