概要
『ブロッカー軍団IVマシーンブラスター』の縁で日本アニメーション預かりという形でテレビ朝日系列で放送された、葦プロの第2作目。全28話。(本放送26話+未放送2話)
当時は超能力や初代引田天功の大脱出がブームとなっており、それに影響されて主人公たちはゴードー博士から「超常マジック」というタネの無いマジックを教わっており、普段は基地「マジカルベース」に併設されている遊園地で手品ショーや遊具管理をしている描写がある。
また、ロボットアニメとしては珍しいロードムービー調の物語や、主人公がメタフィクション的な反応をする一風変わった構成を取った。
ギンガイザーへ合体のインパクトはあるものの、当時の視聴者にはカッコ良いとは思われず、裏番組に『まんが日本昔ばなし』があったこともあり、人気は低迷。最終回も敵がギンガイザーの強さを認めてあっさり去っていくという異例の展開を見せた。
あらすじ
太古の昔地球にやってきたサゾリオン帝国が復活、絶大な力を持つと言われるアンターレス大魔玉(だいまぎょく。「大魔王」の誤植ではない)を探して日本に魔の手を伸ばした。サゾリオンと古来から敵対していたプラズマン族の生き残りゴードー博士によって集められた白銀ゴロー達「超常魔術団」(別名:マジカルコマンド)は巨大ロボット「ギンガイザー」でサゾリオン帝国と戦う。
登場人物
マジカルコマンド
- 白銀ゴロー(しろがね ゴロー)
CV:井上和彦
ギンガイザーチームのリーダーで、銀河号の操縦士&グランファイターのパイロット。
マジックランドでは一流のマジシャンとして活躍しており、日本巡回及びショーや戦闘において超常マジックの腕を遺憾なく発揮する。
ミチと共に銀河号でアンターレス大魔玉を探しつつ、行く先々でマジックショーを行う。
ロボットアニメでも珍しい角刈りの主人公で、当時としては珍しい視聴者やナレーション(CV:田中祟)に対して会話をするキャラでもある。
ミッチー共々13年前にサゾリオン帝国復活の際の実験に伴う飛行機事故で両親と離れ離れになり、ゴードー博士に救出された際にテレポート耐性を見出された事から、博士に超常マジックを教え込まれた。
井上和彦氏の初主演作なのだが、作品の知名度が低いためかほとんど知られていない。
- 秋津ミチ(あきつ ミチ)
CV:古賀ひとみ
ギンガイザーチームの紅一点で、通称「ミッチー」。
銀河号の副操縦士&アローウイングのパイロット。ショートヘアの勝ち気な女性で、勝手にどこかでさぼるゴローにしばしば雷を落とす。
マジックショーではゴローのアシスタントを務めつつ、一緒に旅をする。第1話では遊園地の場内アナウンスも彼女が担当していた。
一度サロメの洗脳を受け、チームと敵対した事がある。
- 南三太(みなみ さんた)
CV:丸山裕子
マジックUFO&スピンランサーのパイロット。メンバーの中では最年少で、関西弁を喋る。小柄で素早い。トラジローとペアでコメディリリーフを務める。私服はガクランと下駄だが学校に行っているのかは不明。
普段はトラジローと共に、本拠地「マジカルベース」がカモフラージュしている遊園地の整備と遊戯設備(遊具)の操作、インストラクターなどを担当しているが、時折博士の目を盗んで2人で出動してはトラブルに遭う。
- 荒波トラジロー(あらなみ トラジロー)
CV:西村知道
ジャンボコースター&ブルゲイターのパイロット。
巨漢で、力自慢だが優しい。普段は遊園地の整備と遊戯設備(遊具)の操作、インストラクターなどを担当している。動物好きでゴローのマジックで呼び出される動物達の飼育も担当しており、第3話で出会った地底生物ヌメーラの親が蘇生獣に変えられた際に倒すことに抵抗した。
常に吊りズボンを履いている。三太共々コメディリリーフで、超常マジックの腕は未熟なために、博士には三太共々修行のために留守番を言い渡されているが二人で逃げ出すのがお約束。
こちらも西村知道氏の初レギュラーである。
- ゴードー博士
CV:小林清志
ギンガイザーメカとマジカルベースを造った科学者で、4人のマジックの師でもある司令官。
魔法使いのような外見をしている。
2万年前にサゾリオンと共に地球に移住した異星人プラズマン族の最後の生き残りで、飛行機事故の際同席していたゴローとミッチーを助け、同時に超能力の素質を見出して来るべき戦いに備えさせた。
第1話では「剛堂博士」とテロップが流れた。
サゾリオン帝国
- 帝王カインダーク
CV:森功至
サゾリオン帝国の支配者で、ゴードーの因縁の宿敵。
第1話及び2話ではすだれの内側に姿を隠していたが、第3話でその姿を表した。
美形悪役的なポジションで、2万年前の戦いで仮死状態になっていたために姿はほぼ変わらない。
- 将軍ガバーラ
CV:徳丸完
帝国の前線指揮官。左手がサソリの鋏状なのが特徴。
短気かつ短絡な性格で責任を他の者に押し付けるため、カインダークからの評価が徐々に下がっており、ネクローマやサロメはもとより兵士にまで軽視されている。一方でゴロー達を抹殺しないと大魔玉入手が遠のくと提言するもカインダークには一蹴されるなど、組織の中では苦労人。
- 大僧正ネクローマ
CV:緒方賢一
帝王の側近。「トウカイリンリンソクチョウ~」の呪文で「サゾリカオス」を発生させ、蘇生獣を造ることが出来る。
ガバーラに八つ当たりされることもあるため、いつか失墜させようと考えている。
- 女占師サロメ
CV:有馬瑞子
帝国の妖術師。蘇生獣の素体となる古代生物の選抜や大魔玉探索のための予言を担当、その的中率は高いためにカインダークからの信任も厚く、搦手を使う。前線に出ると小言が多いためにガバーラにうっとおしがられている。
地位はガバーラ>ネクローマ>サロメの順。
- サゾリオン兵士
帝国の戦闘員。ガバーラの乗るサソリ型母艦の指揮のもと、UFOを操縦する。
メカニック
グランファイター、ブルゲイター、スピンランサーの三体メカと戦闘機アローウイングの総称、及びこの四体の合体形態。
- マジカルベース
マジカルコマンドの本拠地。
普段は遊園地「マジカルランド」にカモフラージュしている。司令塔は「マジックキャッスル」と呼ばれる。武装は設定上あるが、博士やゴローが所在地の機密保持を徹底させているため一度も攻撃されたことがない。
非戦闘員の科学者たちも所属しており、第10話では銀河号のメンテナンスを行っている。
- 蘇生獣
大僧正ネクローマが妖術で帝国上空にある「サゾリカオス」を注ぎ込むことで誕生する怪獣。
多くは太古に帝国が作って日本各地に配置してあるものを大魔玉捜索に当たって近場のものから復活させる形で出現させるが、急を要する場合は手近にいる古代生物(のみならず凧や天狗のミイラなども)を蘇生獣に仕立てることもある。
- アンターレス大魔玉(だいまぎょく)
サゾリオンがプラズマンとの戦いに終止符を打つべく、太古に作り上げた物質。
蠍座からエネルギーを導き、「土」「水」「火」の3つの玉が全部揃うと地上を地獄に変えるという。が、暴走してサゾリオンとプラズマンが移住した「アトラス大陸」(アトランティスではない)を沈没させ、2つは日本のどこかに流れ着いた。これ自体が意志があるかのように移動してしまうため、マジカルコマンドもサゾリオンも探索を繰り返している。
余談
- 本放送時のテレビ朝日(当時名"NET")(関東地区)では、この番組の直後に同じトランプモチーフの『ジャッカー電撃隊』が放送されていた(奇しくも主題歌もどちらもささきいさお氏が歌っていた)。
- 武装の命名者は高千穂遙であり、その風味が如実に現れているのがブルゲイターの武装"トゲバット"と"トゲボール"。
- 原デザインと本編版のデザインが違い過ぎた為、メカデザインの宮武一貴が「クレジットから外して欲しい」と言った程だった。
- ヒロインの元ネタは実は『ダーティペア』つまり『クラッシャージョウ』と共通の人物。
- 『UFO戦士ダイアポロン』、『合身戦隊メカンダーロボ』、『ブロッカー軍団IVマシーンブラスター』とのコラボ企画『ミラクルロボットフォース』が始動。
- 『ロボットガールズZオンライン』にギンガイザーこと「ギンガちゃん」(CV:矢野妃菜喜) が登場!