【注意】
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矛盾が生じた場合、設定資料集や公式サイト、作中で明言された設定を優先してください。
概要
2019年7月からAT-XおよびMBS、TBS、BS-TBSで放送された。AT-X以外では『アニメイズム』B1枠で放送された。
最終話は(東京都を始めとする)関東地方では『アニメリコ』の枠で放送された。これに関してはTBS(を始めとするTBS系列局)において世界陸上の生中継が入る為、放送時間がずれたものと思われる。また、MBSでも同様の理由からか放送時間の変更が行われている。
シリーズ構成は花田十輝。監督の渡邉政治、キャラクター原案の大塚真一郎、音楽の末廣健一郎は『Re:ゼロから始める異世界生活』のスタッフ。
内容を一言で表せば、「魔法少女系ロボットアニメ」という異色作。
登場ロボット「アルマノクス」のデザインは、およそ3頭身程度という「小ささ」と、曲線主体で描かれた「かわいさ」が大きな特徴。80年代末から90年代初頭の「剣と魔法の世界で低頭身ロボが活躍する冒険もの」ロボットアニメへのオマージュが溢れつつも、それらとの差別化を志向しており、女の子っぽさを意識して男の子にならない事がコンセプトである。そのため女の子らしさの表現として花のモチーフも組み込まれている。
物語においては、アルマノクスに乗る魔法少女達が最後の一人になるまで闘い合う運命が描かれていく。つまりはガンダムファイトや00年代初頭に流行したバトルロイヤルものの系譜作品でもある。
主要人物/アルマノクス
アルマノクスそのもの、及び記事がある人物・騎体についての詳細はリンク先を参照。
満月&ホワイトリリー
本作のメインヒロイン。身長154cm。
忘れ物を取りに夜の学校に戻ったことで「グランベルム」に巻き込まれ、何もかもわからないままアルマノクスに襲われていたところを新月に救われ運命的な出会いを果たす。
その後、現状把握も中途半端のまま成り行きでホワイトリリーに乗り込むハメになる。
グランベルムにおいて本来あり得ない途中参加者。
運動も勉強も別に得意ではなく、交友関係もまぁまぁな「どこにでもいるごく普通の高校生」。
頼られるとどんなこともふたつ返事で引き受けてしまう性格。
だがその実は、可もなく不可もない「なにもないわたし」に強烈を通り越して異様なコンプレックスを抱いており、前述の安請け合いも己の存在に気づいてほしいという承認欲求の裏返しである。
曰く「どこにいても、自分がいてもいなくてもたぶん同じ」「みんな優しいんだけど、きっと私がいなくても全然平気」「自分が透明人間みたい」。
故にグランベルムに願いはなく、強いて言えば優勝して世界で唯一の魔術師になることそのものが目的。
ホワイトリリー(WHITE LILY)
満月の騎体。属性は「光」(裏属性は「水」)。デザインモチーフは文字通り白百合。
平均的な万能型にして最古のアルマノクス。
武装は通常時に使用する光剣「水面の剣(みなものつるぎ)」に、光の盾「エクレール・フルール」で、盾は全方位に展開可能であり、他に一体くらいなら入れられる。本来のホワイトリリーの剣は、肩部の瞳から引き抜く先端が二又に分かれた赤い刀身の「血水の剣」であり、一説には原初の魔術師が創った超級呪術兵器と言われるが詳細不明。
魔技は頭部に2門を搭載する魔術式ビームバルカン「エタンセル」と水面の剣を振って放つ斬撃波「ミラージュ・ヴァーグ」。最大魔技は血水の剣から魔力を解放する「メルド・リュミエール」。その魔光は光の海となり、山を吹き飛ばし大陸の地形を変えるほどだが、満月が未熟なために本領は発揮できていない。使役する使い魔は魚類型の「オルカ」。光の魚雷を放ってサポートする。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of MICHAEL」。
新月&ヴィオラカッツェ
もうひとりのヒロイン。身長162cm。
物静かな外見に対して率直な物言いをするが、本人に悪気はない(そこがまた相手の怒りを煽ることも多いのだが)。
ドイツ育ちの帰国子女で、幼少期に短期間ながら日本で過ごした経験あり。「精錬の魔術師」エルネスタ家は、100年ほど前までは東欧では知らぬものの無いと称される程の名門であった。
面倒見がよく、「グランベルム」に巻き込まれた満月を放っておけず行動を共にしているうちに事実上の共闘関係となる。
天然なのか、はたまた日本の一般常識に疎いためか、日常パートでは残念な美人っぽさが目立ち、料理の腕も不器用。
かつてフーゴ家に引き取られてアンナと共に暮らしており、彼女からは魔術を教わる仲であった。
しかし、魔術で彼女を超え、アンナの母と妹からの愛情を集め、いつしかフーゴ家の養子同然となったことでアンナとの仲は悪化。「フーゴ家を乗っ取ろうとした悪魔」と強い憎悪をアンナから抱かれ、フーゴ家から失踪。二人の亀裂のきっかけとなったある行いから、アンナに対しては強い後悔と罪悪感を抱いている。
故に、グランベルムでの願いは悲劇と憎しみを生む「魔力と魔術の完全な消滅」。
「光と闇」「満月と新月」「白い機体と黒い機体」「ピンクの魔法少女と黒っぽい魔法少女」、その他人間関係など色んな意味で満月とは対になるキャラクターである。
ヴィオラカッツェ(VIOLET KATZE)
新月の騎体。属性は「闇」。デザインモチーフは菫。ドイツの魔術師一族による傑作機。
全体的に黒いカラーリングで、名前通り猫耳がある。破壊力よりもすばやさ、隠密性能を重視した騎体で、猫が9つの命を持つと言われるように、大ダメージを受けてもしぶとく生き残るジンクスがある。
武装は盾になる肩部装甲の「レーゲン・ケープ」に、刺突武器になる尻尾の「ルーヴェン・シュヴァンツ(獅子の尻尾)」。尻尾の長さは通常時が6~10mくらいで、最大で伸ばして20~30mほどになる。ほかに2挺の魔術式ショットガン型銃剣「ブリッツ・ナーゲル」があり、術者の任意によって様々な特殊弾を使い分けることができ、散弾や徹甲弾、長距離ビームを放てるほか、銃の下部からはビーム刃を展開可能。
魔技は黒い手を伸ばす「闇撫手(やみなで)」。新月は現実空間でも人間サイズの規模で使用している。最大魔技は「ブリッツ・ナーゲル」の魔力を最大解放して黒い雷とともに放つ「シャッテン・シュナイダー(切り裂く闇)」。使役する使い魔は巨大な獣型の精霊「グロウス」。その怪力や巨大ビームを駆使して戦闘を行う。新月自身はグロウスの容姿が醜いと思っており、余り使いたがらない。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of LUCIFER」。
ヴィオラカッツェFF(ファム・ファタール)(VIOLA KATZE FEMME FATALE)
ホワイトリリーとヴィオラカッツェが融合し誕生した新生アルマノクス。属性は「闇と光」、「魔糸」、「魔力の全てを操る」。グランベルムが始まって以来の完全新規の騎体。
そして、歴史史上初の2人乗りでもある。
防御特化型のニュームーンモードと攻撃特化型のフルムーンモードの二形態が存在する。肩部装甲のケープが閉じて、目の付いてる前面の前タテが縦だとニュームーン、横に回転しケープが展開するとフルムーンになる。
武装として、全身から「魔糸」を全方位に伸ばして操り、ホワイトリリーの「血水の剣」を使用する。魔技は血水の剣と同様に受け継いだ「エクレール・フルール」で、最大魔技はこの世のあらゆるもの、呪いや封印すらも断ち切れる運命の斬撃「ズィーゲル・シュナイダー」。
アンナ&アークナイトグリス
スペインの名門にして、「カーマイン・ウィッチ」の異名を持つ南欧随一の魔術師家系・フーゴ家のお嬢様。身長165cm。
後継者として英才教育を受けた、その実績と実力に裏打ちされた自信家。
だがそれは周囲の期待に応えるべくための並々ならぬ努力と鍛錬によるものである。
魔術師の名門に生まれた生粋のエリートという他所の界隈なら死亡フラグの塊ともいえる存在だが、幸か不幸か弟子が貧乏くじを引き取ってくれた模様。
新月を「フーゴ家を乗っ取ろうとした悪魔」と罵り激しい憎悪をぶつけるが、その様はもはや「フーゴ家を守るため」と「家族の愛情を奪われた嫉妬」のどちらが優先なのか定かではない。
新月を潰すためならばもはや手段を選ぶことはなく、自分の命を削って魔力に変換するという危険な行為にまで手を出している。第3話でも前回の戦いでの傷が癒え切っていないヴィオラカッツェにも容赦なく攻撃をかけている。
ただ、本来は力押しではなく合体攻撃を始めとしたロサとの連携による対新月プランをいくつも考えていた模様。実際アンナの1番強い才能は、「誰かとコンビを組んで合体魔法で戦う」という裏設定がある。しかし、彼女が脱落したことでそれらが全て企画倒れとなってしまった(脱落したロサにやたら厳しかったのはそのため)。負け方も負け方なので無理も無いかもしれないが……。
風属性のロサとは本来相性抜群で、ちゃんと訓練していれば大地を焼き尽くす山火事、炎の竜巻、果ては炎の台風(実寸)を起こすなど、驚異的な強さを発揮できていたらしい。
グランベルムに賭ける願いがあるのかは不明。仮にあったとしても、第3話にて新月さえ潰せればいいと激情のままに叫ぶほどに怒りに飲まれている。
劇中の扱いから勘違いされがちだが、魔術師としての才能は決して低くない。新月という比較対象が悪かっただけである。オリンピックに例えるなら、国の代表選手にはなっているが、金メダルを取れる程ではない、と言われているようなものと説明されている。
アークナイトグリス(ACONITE GRIS)
魔力最大値はヴィオラカッツェより上。
属性通り炎を意識したデザインで、アンナ自身も意匠に組み込まれている。
わかりやすい重騎士型パワータイプであり、攻撃力だけなら本編登場のアルマノクス中最高。武装として、ビーム刃を持つ斧槍「ハルバードインビエルノ」と盾「バラ・エスクード」を装備している。後者は魔力ビーム砲と魔力パイルバンカーの攻防一体の盾であり、魔技である貫通力の高いビームを出す「バラ・エスクード・ペネトラシオン」を放つのに使用する。
この他、魔技として魔方陣から鬼火ビームを放つ「フエゴ・ファトゥオ・グリータ(鬼火の悲鳴)」、第1話で使用した鬼火ビームの雨を撃ち出す魔技「ジュビア・デラ・カンシオン(雨の歌)」や傀儡型使い魔の「エンバーズ(火ノ仔)」などを使用する。最大魔技は「バラ・エスクード・ペネトラシオン」の魔力を最大解放して爆発力に特化したビームを放つ「バラ・エスクード・エクスプロシオン」。
装甲防御力も最硬クラスで、とある理由があったとは言え、攻撃力に劣るヴィオラカッツェでは新月の最大魔技をもってしても仕留めきれないほど。
一方で飛行は苦手としている。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of SATAN」。
デザイナーによる擬人化はこちら。
アークナイトレナータ(ACONITE RENATA)
新月に大破されたアークナイトグリスがアンナの執念により復活した覚醒アルマノクス。属性は「炎と氷(熱量操作)」。
武装は右手の「ハルバート・インビエルノ・ティソーナ」と左手のバリアも展開可能な攻防一体の盾「バラ・エスクード・ティソーナ」。魔技は炎と氷の連続魔法を放つ「レヴェルベラシオン・トルメンタ(嵐の残響)」。最大魔技は「ルシエルナーガ・トゥンバ」。使い魔の大量召喚や、一体に集約する事で巨大化も可能にしている。
寧々&ジーグァンロン
満月の妹と同じ中学校に通う、母想いな少女。風水師の家系で香港出身。身長152cm。
故郷の二人の妹からは「寧々姉(ねねねぇ)」と呼ばれているが、妹よりちんちくりん。
ある理由から妹たちより先に日本に引っ越してきた。
「私は大人なのよ!」と背伸びするも、ドジっ子なため周囲からは微笑ましく見守られている。
……と思わせて本当に社会人らしいが、さて?
上記の有様なので喧嘩しても妹に勝てない模様。哀れ。
特殊な札を使い、魔力を感知したり自らの魔力を消したりできる。
妹たちとは特殊な魔術的つながりを持っており、例外的に現実側からナビゲートという形でサポートを受けている。
グランベルムが破綻していないためルール違反には当たらなかったようだが、その分のペナルティなのか、あるいは寧々の心の問題なのか、騎体のジーグァンロンは遠距離砲撃特化型というバトルロイヤルではハズレとも言える極端な性能になってしまった。そのため「逃げ隠れながらの不意打ち狙い」という戦術を一年以上も余儀なくされている。
そんな彼女の願いは「母親のため」らしいが……?
ジーグァンロン(JI GUAN LONG/激光冠龍)
寧々の騎体。属性は「地」。モチーフは後述の理由で不明(なし)。
非人型で本編登場の他の6騎より大型、そしてあまりにも極端な騎体。
エーテル出力は次点のホワイトリリーの三倍以上だが、その反面最高速度はワースト2のドロセラノクターンの三分の一以下。後者は文字通り(悪い意味で)桁違いであり、時速1000kmを切っている(他の6騎は3000km以上)。
攻撃に使える武装の方も、最大魔技にもなる魔術式大口径超長距離ビーム砲「超級龍王如意大流星火砲」“のみ”と割り切りすぎた仕様。上空から広範囲にビーム砲をばらまく魔技「鏡球乱光(ミラーボールフィーバー)」は、単騎で戦場を掌握し得る制圧力を持つが、敵騎接近を許せば一転して窮地に陥ることに。ほかの武装として魔術式光学迷彩の「仙女羽衣」が搭載されているのと相まって、寧々が逃げ隠れせざるを得なかったのも納得の性能である。千年前にこれを作った職人は、生まれる世界と時代が違えば変態企業の社員になっていたかもしれない。
使い魔は観測機として使用するタツノオトシゴ型の「ロンガン(龍ノ仔)」。親機の直掩(第4話)や戦場の偵察行動(第3話)を受け持つ。また、触手のように敵騎に直接からみついての拘束も可能(第5話)。
デザイン時に寧々の母想いを汲んでカーネーションをデザインに組み込もうとして没になってしまった経緯を持つ。
機体名のグァンロン(冠龍)はその名残で、同時に中国ではカーネーションに「冠」の意が込められていることから命名された。
彼女の出身に合わせてわかりやすく龍を意識したデザインとなっている。
「ジー」の方は中国語で「強い光」…かもしれない。少なくとも作中世界では。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of Leviathan」。
シングァンロン(XING GUAN LONG/醒冠龍)
隠れることをやめ、「正面から闘う」と決意した寧々の意志によってジーグァンロンが変形した覚醒アルマノクス。属性は「地」と「格闘」。
半人半花とでも呼べるような異形の形態。
これにより近接戦闘能力という弱点を克服し、寧々の中国拳法らしき操縦によってホワイトリリーと互角以上に渡り合った。むしろ接近戦のほうが強いかもしれない。
武装は輝く指と手甲の「輝指手甲」と、「魔術拳法」。魔技は攻防一体の伸縮する腕による「龍牙突」。
最大魔技である「超級龍王如意大流星火砲」による砲撃戦能力も健在であり、ついにホワイトリリーを追い詰めるが……
1500年程前に数体のアルマノクスを繋ぎ合わせて建造されたという裏設定があり、シングァンロンは中枢を担っていた騎体の「斉天大聖桃王仙女」の部分が露出したものとされている。
水晶&ドロセラノクターン
フーゴ家に仕えるアンナの弟子の一人。身長164cm。
常にニコニコと微笑んでおり、本気とも冗談かわからない言動で周囲を翻弄するお調子者で口癖は「にゅ」。世渡り上手でうまくアンナの叱責をかわしており、戦闘中でもあまりやる気を出さないが、その分ロサがとばっちりを受けることも多い。
他の参加者よりグランベルムやマギアコナトスの内情に詳しく、九音の姉の四翠が床に伏せていることにも関係がある模様。
ドロセラノクターン(DROSELA NOCTURNE)
水晶の騎体。属性は呪詛。デザインモチーフはモウセンゴケ(=ドロセラ)。
シンプルに魔法使いをイメージしたデザイン。顔がないのは意図的なもの。
その見た目通り武装は「嫫母(ばくぼ)の杖」(嫫母は本来「ぼぼ」と読むが、作中世界では「ばくぼ」)のみで、打撃武器として使用するほか、先端から鬼火ビームを放つ。魔技は魔術ビームと幻惑攻撃を併用して放つ「鬼火(魔術式幻惑ビーム)」。一方で喉輪からそのまま引きずり回したりと機体性能に見合わぬアグレッシブな戦法を見せることもあり、巫女ともども謎の多い騎体。
最大魔技は他者の感情や認識などを操る「忘れられない記憶」。使役する使い魔は先端にクリスタルの棘がある大量の触手を備えた巨大な精霊「メデューサ(闇ノ仔)」で、触手や触手の先端のみの無線誘導端末状に形態変化し、ビームを放つ浮遊砲台としての運用も可能。ちなみに元々の名前案は「メドゥーザ」(ロシア語で「クラゲ」)だった。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of ASMODEUS」。
デザイナーによる擬人化はこちら。
セラドアノクターン(CELLAR DOOR NOCTURNE)
幻惑魔法である「忘れられない記憶」で常に偽っていたドロセラノクターンの真の姿。覚醒アルマノクスではない。属性は「鏡」、「呪い」、「全魔力属性」。
武装は大鎌状のビーム刃を展開する矛「カガミコノナギホコ」に、両肩部の魔石から多彩な魔法を放つ「ズィエールカラカーラ」。属性により今まで見たり、触れたりした魔技を使用する事が可能な上に、相手の魔力を吸収、放出する能力を持つが、吸収量には限界もある。
魔技は幻惑魔法の「ロジェッツクゥーカラ」。最大魔技は両肩部の魔石からあらゆる属性や呪いの魔法光線を撃つ「ハオス ドゥシャー(全ての光、魂の叫び)」。
ロサ&クレストアンス
フーゴ家に仕えるアンナの弟子の一人。水晶とコンビを組む。身長158cm。
新大陸に渡ってから頭角を現した新興の一族で、渡米に現地の魔術師と混ざり合った子孫である。アンナが家柄を背に威圧的な態度を取る上、対新月プランのために「飼われている」ことも重なって彼女を内心快く思っていない。
直情的な性格のせいで貧乏クジを引くことが多く、それは物語開始早々最悪の形で発露。ド素人相手に判断ミスで自滅し、第1話でいきなりの脱落となる。
第3話で伝説的退場をした魔法少女の先輩の最速記録をある意味、更新してしまった。故にグランベルムに賭ける願いは不明。
彼女と違い命には(多分)別状はなかったものの魔術師として完全に再起不能となり、アンナを見返すどころか見捨てられ慟哭する。
クレストアンス(CREST ANTHURIUM)
ロサの騎体。属性は「風」。デザインモチーフはアンスリウム。アルマノクスの中では最新型。
武装は持ち手部分がナックルになっている、攻防一体の巨大なブーメラン「ナジャ・ブーメラン」。魔技はブーメラン射出後に残るナックル「ナジャ・ナックル」。使役する「ストライジス(風ノ仔)」はフクロウ型の使い魔で、目からビームを放つほか、ブーメランに形態変化し、敵を切り裂くこともできる。
属性の関係上「炎」のアークナイトグリスとは相性がよく、対新月の切り札となる合体攻撃要員だったらしいが、主役機お披露目の犠牲者として第1話で早くも撃破される風属性というどっかで見たような末路を遂げた。
最大魔技「テンペスト・ダイヴ」は、光の翼を展開し急上昇、全魔力を放出(この時空気圧の変化により無数の分身が発生する)、大量の竜巻を身にまとい敵に向かって急降下突撃することで町ひとつをクレーターに変えるほどの威力を持つ。
本来は鳥の鶏冠を入れて更に鳥の様なデザインにする予定だったが、まとめることが出来ず今の形に落ち着いた。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of MAMMON」。
デザイナーによる擬人化はこちら。
九音&雪月梅花
100年ほど前まではエルネスタ家とも交流を持っていた代々続く陰陽師「土御門家」の息女。中学生。身長156cm。
家を守る宿命を受け継ぎ、現在は姉とともに大きな屋敷を預かっている。
その生い立ちゆえか、同級生たちとはあまり親しく接していない。
物静かな印象の通り、休日はよく一人で湖を眺めながらヘッドフォンで音楽を聴いている。
例外である満月と違い正式な参加者であるが、騎体の召喚に成功したのはグランベルム開始から1年(12ラウンド)以上経過した第3話が初めてである。また、現実空間では偶然か意図的か遠くから新月と満月の様子を窺っている様子がみられる。卓越して鋭い感覚を持ち、戦闘・非戦闘時を問わず優れた索敵・探知能力を有している。土御門の人間は、音に敏感でそれ以外も分かる一族と言われている。
詳細は不明だが姉がなんらかの呪いにより病床に臥せっており、グランベルムに賭ける願いは唯一の魔術師になることで姉を救うこと。
雪月梅花(SETSGETS BAIKA)
九音の騎体。デザインモチーフは梅の花。白い見た目に反して属性は「重力」。
俊敏性に優れており、ビーム扇「陰陽扇 飛梅(おんみょうせん とびうめ)」を武装として舞うように闘う。魔技は重力で周囲の敵を飛ばして地面に押しつける重力乱舞「平伏しの舞」と、掌に集めた魔力で重力球を形成、相手に叩き付ける山の舞「重力丸」。
使い魔の「跫音空谷(雪ノ仔)」はウサギ型で魔術を行使する際に補助を行う。
他の騎体が操り人形のように指先から伸びる糸で制御されるのに対し、本騎は琴のように横向きに張られた糸を奏でて操縦する。
デザインモチーフは雪“月”梅花なのでウサギ。使われない裏設定であるが、なんと木製。
マギアコナトスの認識コードは「The Queen of BELPHEGOR」。
デザイナーによる擬人化はこちら。
雪月梅花(鬼心鏡月)(SETSUGETSU BAIKA KISHIN KYOUGETSU)
姉の思いを知り、水晶の精神攻撃を跳ね除けた九音の覚醒アルマノクス。属性は「超重力」と「超高速移動」。武装と魔技は雪月梅花と同様に「陰陽扇 飛梅(おんみょうせん とびうめ)」と「平伏しの舞」、「重力丸」。
両肩から光の翼が生え、速度と攻撃力が増加しセラドアノクターンすら速度で圧倒する。
最大魔技は巨大な二つの隕石を地表に落下させる「天夢隆星」。これは姉妹の魔力で生み出しており、九音だけの天夢隆星だと恐らく隕石は一つになると説明されている。
その他の人物/アルマノクス
満月の妹。身長140cm。頼りない姉のおかげか歳の割に賢くしっかり者。
同じ中学に転校してきた寧々に色々と世話を焼いており、今ではすっかり親友である。
寧々の妹。身長170cm。
美々と占いの店を営んでおり、それっぽい衣装で看板占い師として活躍している。
ゆるふわなウェービーヘアと細目が特徴。
寧々の妹。身長156cm。作戦参謀として姉をサポートしている。
赤いフレームのメガネの似合う理性的な子。
リンフェンフェン(CV:柚木涼香)
寧々達姉妹の母親であり風水師。過去のグランベルムの参加者でありかなりの強豪だったと伝えられている。搭乗アルマノクスもジーグァンロンのような長距離攻撃特化型で、察知能力にも優れていたという。EDクレジットでの表記は「寧々の母」。
九音の姉で土御門家の後継者。年齢は20~24くらいとされる。
しかし今はほぼ寝たきりとなっており、九音にその役目を任せ、人前には姿を表さない。
妹や可愛い子のつむじやアホ毛を弄る癖がある。
楽器が得意なようで、ピアノやアコースティックギターを嗜んでおり、劇中で歌も披露している。
前回のグランベルム参加者であり、土御門の本家と分家による何らかの事情で、その際は九音とは離れていた。魔術師として優秀な能力を持っていたようで、その強さは前回のグランベルムにおいてトップ4位内は確実で、最終戦まで残った可能性がかなり高いと言われている。
牡丹灯籠(ぼたんどうろう)
土御門四翠のアルマノクス。属性は「重力」。デザインモチーフは牡丹と思われる。設定画のみの騎体で本編未登場。
狛犬や勾玉の意匠を持ち、脚部は袴の様なデザインをしている。
属性は雪月梅花と同じだが、九音と対になるように逆で、スピードは遅く、防御シールドに特化したイメージと説明されている。
武装は腕の肘部に収納された勾玉型の巨大な刃があり、設定画には「マガタマチェーンソー」と記載されている。魔技として自分の周りや相手を重くして攻撃したり、斥力を使ったりするとされる。
フーゴ家の使用人。アンナの母を公私に渡って支える。
アンナに軽んじられても淡々と執務をこなしている。
アンナの妹。母と姉に溺愛された結果、素直な良い子に育っている。
身体能力は新体操でちょっとした大会に出場できるレベル。
ナレーター(飛田展男)
次回予告のナレーションの人。なにやら回を追うごとに段々アクセルが加速していく。
というパワーワードを生み出した第6話の次回予告は見ものである。
エーデルヴァイス
オーストリアの魔術師家系のアルマノクスで本編未登場。エーデルヴァイセとも呼ばれる。デザインモチーフは恐らくエーデルワイス。
ヴィオラカッツェに対抗して作られたとされ、外見が色を除いて瓜二つである。ドイツ語で高貴な白との名の通り、全体的に白いカラーリングをしている。
儀式「グランベルム」
数年~数十年に一度、この世界に現れる「マギアコナトス」の幻影によって開催される、魔術師の子孫によるバトルロイヤル。
運営はマギアコナトスそのものの意思が行い、人間は関与しない。
参加者たる「巫女」はマギアコナトスに封印された世界中の魔力の使用権を賭け、最後の一人になるまで戦う。
戦いは月に一度、満月の夜にマギアコナトスが展開する幻想空間の内部で行われる。空間内部の地形や環境は参加者の記憶や心象から形成され、毎月変化する。
また、マギアコナトスは現れる場所はグランベルムの開催ごとに変わるが、世界各地の巨大な古代湖周辺である事が多い。
闘えるのは「月の出から、月の入りまで」という時間制限があるが、作中の描写からはそこまで長時間ではないようにも見える(現実空間とは時間の進む速さが違う?)。
正確な参加人数は不明だが、第一話の時点で一年(=12戦)以上の闘いが続いており、既に多くの参加者が脱落している模様。
勝者は「プリンセプス」「ザ・ウィッチ」といった称号で呼ばれる世界で唯一の魔術師となり、マギアコナトスの莫大な魔力を行使可能となる。
厳密には世界から魔力は完全に消滅したわけではなく、魔術師の子孫は微細な魔力を有しており些細な魔術であれば現在でも使用可能。本編中では一般人への精神干渉や花の開花を早めるといった術が登場している。
しかし封じられた魔力を用いて行えることはその比ではなく、新月曰く「本来あってはならないことを可能にし、本来存在しないことすらあったことにしてしまう」程であるという。
それ故に魔術師の子孫たちは己の存在意義を賭けてグランベルムへと挑む。
しかし、勝者は一人。
敗者は僅かな魔力をも奪われ、魔術師としての全てを失うことになる。
巫女たちはマギアコナトスという魔術の神に捧げられる生贄でもある。
なお詳細はルールの項で後述するが、バトルロイヤルそのものが儀式であるため、戦闘外での妨害工作(暗殺など)を行うと儀式が破綻し全員が敗者となる。
ルール
準備期間は1年。
グランベルムの丁度1年前に世界各地の魔術師一族の予言者や予知魔法の優れた物が同時に同じ予知夢見ることで開催が通達される。この時ばかりは各一族間で情報のすり合わせが行われる。
普通の魔術師よりも魔力の絶対量が多い者がマギアコナトスに候補者として選ばれる。
なお、絶対量が多いとはいっても参加者間で更に差があるので、魔力の絶対量が一定以上と言ったほうが正確かもしれない。
参加のための儀式を行うことで、正式な参加者「巫女」となる。
満月が極めて特殊なケースであり、本来途中参加は不可能。
九音の場合、騎体が召喚できず生身で隠れ続けていた。
参加者には戦力たる「決戦器」として、マギアコナトスが選定・最適化した最も相応しいアルマノクスが与えられる。
巫女たちが操るのはあくまでマギアコナトスに封じられた「千年前のオリジナル」を魔力で複製・最適化した騎体である。
「コクピット相当部分に内蔵されたメインの魔石の完全な破壊」により敗北となる。
言い換えれば、四肢と頭部を失うほどの損壊を受けてもコア魔石さえ無事ならば復帰が可能である。
無論、回復中にとどめを刺される可能性や復帰後のパワーダウンのリスクはある。
敗者は生来持っていたわずかな魔力を喪失し、普通の人間となる。
脱落者は参加資格に加えて生来の僅かな魔力までも失ってしまう。魔術師としては完全に再起不能である。
一方でたとえ脱落時に騎体が粉々となっても、生命に危険はない。はずだが……!?
タイムオーバー、もしくは1騎脱落した時点でその月のラウンドは終了となる。
1騎しか脱落しないわけではなく、相討ちなどで二騎以上が同時に脱落する場合もある。
幻想空間への招聘を拒んだ場合、不戦敗となり脱落する。
ただし、ちゃんと空間内に入っていれば戦わずに逃げまわり続けてもOKである。
優勝の条件は「幻想空間内でのアルマノクス戦闘による完全勝利」のみ。
非戦闘中の暗殺などを行った場合、儀式そのものが破綻し参加者全員が敗者となる。
繰り返しになるがグランベルムにおいて最も重要なルール。どこぞの魔術師殺しのような真似は絶対に厳禁である。
ただし、判定は全てマギアコナトス任せなので、その思惑一つでお目溢しされる余地は十分ある。むしろ、作中の人物にはマギアコナトスは常にグランベルム参加者達に何かしらの試練を与えていると思われている。
魔術師の子孫ではない(と第3話時点ではなっている)満月の途中参加や、現実空間側の姉妹と通信できる寧々の特殊な能力などが反則になっていないことがその例だろう。
用語
グランベルム
数年から数十年に一度マギアコナトスが主催、運営するバトルロイヤル。満月の夜に毎回開催され、マギアコナトスが作り出す参加者の記憶や心にある風景を具現化した広大な幻想空間内で、魔術師たちが召喚された魔法人形アルマノクスを駆り、最後の一人になるまで戦う。基本的にアルマノクスのコア魔石が破壊されることで敗北となる。
勝利者はマギアコナトスに封印された全ての魔力を与えられ「プリンセプス」や「ザ・ウィッチ」などの称号で呼ばれる唯一の魔術師になれるとされている。ただし、全ての魔術師の家系に参加資格があるわけではなく、グランベルムの始まる前から選出が行われ、マギアコナトスの意思により決定される。基本的に1つの家系から参加者は1人で自前の魔石を用意しなければならない。
戦闘は満月の夜ごと、月の出から月の入りまでを制限時間とし、一騎以上敗北するか時間切れを以て戦闘終了となる。これを最後の一人になるまで繰り返すのが基本ルールである。開催期間は人数の多さと開催日の条件(満月の日)から年単位はかかる。
グランベルムで使用されるアルマノクスは、マギアコナトスに封印された数百体の中から適正や家系に縁のある騎体が選ばれ、搭乗者の心象に合わせて調整された状態で召喚される。
マギアコナトス内では魔術師の魔力が生身時で数百倍、アルマノクス搭乗時は数万倍に増幅される。生身でアルマノクスに勝つ事は不可能である反面、第1話で新月が使っていた光学迷彩術など全力で隠蔽魔術を使えば戦闘から逃げ隠れる事は可能である。アルマノクスのコア魔石を破壊されると敗北となるが、時間切れで誰も脱落していない場合、参加者全員でアルマノクス一騎分の魔力が徴収される。また、生身の状態でも身に着けている魔石を破壊されるか、本人が死亡した場合は敗北となる。
勝敗はマギアコナトスが判断し、幻想空間に入る事を拒絶した場合も脱落するが、現実世界で対戦相手に直接危害を加えて殺害した場合は全員が敗者となってしまう。敗北後に復讐などしようものなら他の魔術師家系全てを敵に回し、一族郎党報復される可能性があるので普通はしない。
敗北しても死ぬことは無いとされているが、自身の魔力すら失い魔術師としての能力を喪失する。しかし、魔術師への直接攻撃などによりマギアコナトス内で死亡した場合、現実世界の歴史や記憶が改変され、死者の存在が無かったことにされるため、これまで死者はいないとされていた。
幻想空間から出る時は戦闘後に戻る場所をイメージしないと、入った時と同じ場所に全裸で戻されるという弊害がある。
マギアコナトス
世界中の魔力が封印されている場所。
1000年前、正確に言うと西暦1100年代辺りで、世界で最も魔力の強い7人の賢者が命を賭して世界中の魔力を封印して地上から魔力を消し去り、別次元にマギアコナトスが生まれたとされる。この時存在していたアルマノクスも共に封印された。
以降魔術は衰退し、有能な魔術師でも自身に内在する魔力を使って小規模の魔術を行う程度になってしまった。
今ではグランベルム開催の場でもある幻想空間であり、魔術師の家系生まれの子孫たちがマギアコナトスを呼び寄せる「儀式」を行い、出現させる。出現場所はグランベルムの開催時によって違い、世界各地で古代湖の上に現れることが多い。グランベルムの始まる1年前に、世界中の魔術師一族の予言者、予知魔法に優れた者が同時に同じ夢(予言、お告げ)を見ることで、そのお告げにより次の開催場所と日時が判る。
幻想空間の広さは最低でも1つの県くらいはあるとされ、ここに入ることができるのは通常はグランベルムで戦うために儀式を行った者のみである。幻想空間に入る際の呪文は家系に伝わる呪文であると同時に、アルマノクスの名前が頭に浮かぶように、マギアコナトスとシンクロ、トランス(チャネリング)してる状態なので、半自動的に喋ってる感じでもあると言われている。極論すれば、満月のように本来呪文を知らない者でもその時にはスラスラと口をついて出る。
マギアコナトス自体が意思を持つかのように裏で動いており、プリンセプスの魔術師に相応しい候補をグランベルム参加者の中から探すため、時には意思を持つ人形を作りだしたり、不都合な事実を魔力干渉で消し去ったりしている。
魔術師
魔力を操る人間のこと。魔力は空間に存在し、魔術師の体内にも存在する。世界中から魔力が消失した現代でも、魔術師の血族は微力な魔力をもって生まれてくる。普通の人間から魔術師になった事例はほとんど無く、世界から魔力が消失した現代ではまずいない。第1話で満月がマギアコナトスから魔石を与えられた際に、イメージの中で見た炎は魔術学者の間で「プロメテウスの火」と呼ばれ、伝説にあるプロメテウスが人類に分け与えた火とは、実は魔力であったとする説が作中世界には存在する。
魔術師の歴史は1万年ほど前から存在し、過去の地球ではありふれたものとして魔術は普通に使われていた。魔力を操る力に目覚めた一部の人間は人々から「パンドラ」と呼ばれ、魔術師の一族はその魔力技術により普通の人類より数百年文化の発展が進んでいた。しかし、次第に戦争などに利用されるようになり、1000年ほど前に7人の賢者によって世界の魔力がマギアコナトスに封印された。世界中の魔力が失われた現代では、魔術師達の中に残った微力な体内魔力で小規模の魔術を行う程度になってしまっている。魔術師は急速に力を失い魔女などと呼ばれ迫害される一族も少なくなかった。
今では魔術師は一般社会からは完全に秘匿され、普通の人間はその存在を知ることはない。魔力が封印されたとはいえ様々な術が使える分、一般人よりは優れており裕福な家系が多い。元々貴族だった家系も多いが、有名でない家系や没落した家系も存在する。現在は断絶しないように魔術師の家系同士で互いに婚姻を結び、各家が延命を図っているが、場合によっては乗っ取られるケースも存在する。
現在の魔術師は基本的に女性のみだが、マギアコナトスに世界中の魔力が封印された1000年前より以前ならば、強力な男性の魔術師も多く存在した。しかし魔力の無い世界では、魔術師の家系が弱まり数百年の間に淘汰され、根本的に魔力を多く孕んでいる女性の魔術師ばかりになった。少なくともグランベルムに出れるだけの力は女性の魔術師しか存在せず、簡単な占い師とかなら男性もいるとされている。
魔術師の家計にはそれぞれ得意な属性があり、基本的には生まれた家系の属性を引き継ぎ、同じ一族で得意な魔術系統は同じである。ただし、稀に突然変異で全く違う属性が得意な者が生まれることもある。また魔力が高い者はある程度は身体能力を強化することも可能で、水晶が高いところから飛び降りても平気なのもその為である。
魔術により記憶を操作したり、病気の治療などは可能だが、食べ物を創造など完全に無から有を生み出す事は不可能と言われている。新月は現実空間でもヴィオラカッツェの魔技である「闇撫手」を人間サイズの規模で使用しており、水晶もドロセラノクターンが使用していた幻惑魔法の一種である「忘れられない記憶」で見た目や年齢を多少は操作できると言われている。この事からアルマノクスに搭乗して使用していた魔技も、規模は縮小されるが生身の状態でも使用できるようだ。
しかし、魔力とは魔の力。呪力であり、呪力を使うという事は自らも呪われるという事である。その為、魔力を使うことでアンナのように身体が高熱を発したり、寧々の身体の成長が停滞したりなど、術者に様々な弊害が伴うこともあり、術者の命を吸っていく。
力の弱い魔術師は己の寿命を削る事によって一時的に魔力を爆発的に高めるが、その度に心身は魔力に蝕まれ少しずつ正常ではなくなっていってしまう。1000年前、地上に魔力が溢れていた頃は、魔術師が自らの生命を消費する必要はほとんど無かった。
幻想空間内で纏っている「法衣」は魔術師の心が形になったもので、魔術師の魔力を増幅する素材で出来ている。1000年前の場合は魔術師が普通に着る法衣だが、今は一族に伝わる法衣を遺伝子的に再現したもので機能はほぼ拮抗している。
グランベルムに敗れれば、体内に残っていたわずかな魔力も完全に失い、普通の人間になってしまう。二度と魔術師には戻れず、自壊した魔石はそれを表している。一説には寿命も短くなる、という噂もある。過去にグランベルムに敗れた者からでも、魔力持ちは生まれるが、弱まったり少なかったりする可能性があるとされている。
中に歯車などの機械仕掛けを一切用いず、「魔石」と「聖金属」という天然由来の物質によって建造された魔力を動力源に動く魔術兵器。現在では魔術師の意思にマギアコナトス中に満ちている魔力が反応して作り出され、アルマノクス全体がエネルギー物質の様なものとされる。「魔法人形」とも呼ばれ、魔術師から与えられる魔力を動力にして稼働し、その魔力を数万倍に引き上げる魔力増幅器。魔石や聖金属の質量を増やすほど魔力増幅率も上がる。
胴体から頭部の真芯にコア魔石を備え、騎体表面には魔法防壁が張り巡らされている。コア魔石さえ残っていれば損傷は回復魔法陣により再生することも可能だが、見た目的には全快しても魔力消費によりパワーダウンするケースも多い。
搭乗時は服装が魔力の増幅する素材で作られた専用の「法衣」姿になり、搭乗者は内部の「ミッドハート」と呼ばれる空間から「魔糸(マギスレッド)」によって騎体を操作する。魔術師が乗っている台座と後ろの部分はまとめて「アルター(祭壇)」と呼ばれ、細かい操縦方法やミッドハート内部の構造は魔術の流派によって異なるが、基本的に魔術師のイメージで操る事ができる。アンナやロサ等、体を動かした方がイメージしやすい魔術師は、武器の形状をした補助具を使用する事もある。
魔術師の前に2つ浮いているコンソールウインドウの中から魔術師とアルマノクスを繋ぐ魔糸(マギスレッド)が伸びていき、左右の奥にはアルマノクスの腕の状態をダイレクトに表す「アームフィギュア」がある。アイウインドウと呼ばれるモニターは魔術師が見たい方向に大きく広がり、魔力レーダーにより背中側の死角も魔術師には見えている。全身にある魔石が目(カメラ)なので頭部が破壊されても視界がシャットダウンする事はない。
搭乗者の分身とも言われており、その心象を反映した機能を与えられることも有り、更に心象の変化や強い想いによって生まれ変わったように急激に変化、進化するアルマノクスがいる。それらは「覚醒アルマノクス」や「新生アルマノクス」と呼ばれ、覚醒することで新たな属性が追加される。また、アルマノクスに人間のような意識はないが、感情はあるという古くからのことわざは存在する。実際のところはアルマノクスに感情はないが、乗ってる魔術師とシンクロしてるので表情は連動している。
武装は各自のイメージによって具現化を果たす。共通する装備としては、脚部に魔術ローラーダッシュと呼ばれる機能があり、飛行も可能だが搭乗者によっては不得手としている者もいる。
中枢であるコア魔石を破壊されると完全に機能停止し、コア魔石とシンクロしている搭乗者が持つ魔石も魔力を失い敗北となる。
アルマノクスがダメージを受けると、魔術師にもフィードバックされるものの通常は届かない。ミッドハート内は基本的に安全で、騎体がどれだけ激しい動きをしても搭乗者に影響はなく、騎体が完全に大破しても搭乗者は幻想空間から現実世界に転送されるだけである。ただし、強力な呪いや魔術的攻撃は搭乗者にもダメージを与えることがある。もしくは特定の条件下、例えば騎体とシンクロが強まり過ぎた状態ならば影響を受けることもあり、自分の肉体や精神の許容範囲以上の魔力と繋がろうと無理をすると、敗北したときにマギアコナトスに引っ張られ取り込まれて消滅することもある。
アルマノクスは宇宙空間でも活動可能であり、深海だろうが地下だろうがどこでも戦闘可能とされる。また通常の物理攻撃、科学攻撃は一切通用しないが、1000年前の本物のアルマノクスなら搭乗者が乗って起動する前の状態なら通常の物質と大して変わらないので、通常の物理攻撃で破壊する事は可能である。
基本的に低頭身の人型なのは、元々は魔術師が身に着ける武具だったが、強化する為に魔術師を中心に重心を上げ過ぎないようバランスを保ちつつ、可能な限りの質量を増やし巨大化していった結果、今の形状に至った。
使い魔(コントライードル)
魔術師が使役する魔力生命体。僅かながら意志があり警戒心を持っているため、寄り添うことが大事とされる。しかし、実際には本当に生命体なのかは不明瞭で、その辺りは植物に近いかもしれないとされる。人型や動物型など形は様々である。呼び名は「使い魔」のほか、「精霊」や「傀儡」、「妖精」、「イードル」など、国や流派によって異なっている。
複雑高等な命令は出せないが、自立行動が可能であり、ある程度は魔術師による思念操作も出来る。しかし、どのような精霊でも戦闘力はアルマノクスには及ばない。偵察や支援攻撃等に使えたり、中には魔術行使の際の補助が出来るものもおり、発動までの時間短縮や強化が可能。持ち主の魔力の量や質でそのサイズや数を変化させ、形態を変える事が出来る。
必ずしも必要な技能ではなく、苦手な魔術師もいるとされている。ただ、まさに使い魔として便利に使える状況があるので、魔術師達は契約し使役している。
魔石
天然由来の鉱物。採掘して入手する。アルマノクスの構成物質で、魔術師が持つペンダントに加工される。魔石はそれそのものが強力なパワーを秘めているわけではなく、魔力を溜め、増幅する性質があり、長い年月をかけて強力な魔法触媒(マジックアイテム)に育てていくものである。これにより、自分の家系の、自分が得意な属性の術が強化される。他の家系の者が他の家系の魔石を使っても上手く扱うことは出来ない。ただし、近い家系や得意な属性が近ければあるいは使える可能性がある。
自分の魔石には幼少時から魔力を入れ続けて育てていき、魔石ごとの純度や大きさはそれぞれ魔術師によって異なる。元の素材が悪くても、魔力の強い魔術師が長年かけて毎日魔力を込めて育てれば、強力な魔石に成り、逆に最高純度の魔石でも、その後ろくに育てられなければ、大した力は発揮できない。
アルマノクスのコア魔石が破壊されグランベルムで敗北すると、魔石に込められた魔力はマギアコナトスに封印され消失する。
また、グランベルムで使用する魔石は本来一人一個であり、劇中のアンナのように家宝級の魔石と合わせて二つ使うのは異例のことである。家宝級の魔石は代々受け継いで一族で育てるものであり、フーゴ家以外にも家宝級の魔石はあるものの、無い家系も存在する。
人形
マギアコナトス自身が意志を持って作り出す異形の存在。現実空間では人間との外見の区別は基本的に不可能だが、幻想空間内では状況により手が作り物になる場合があり、人間ではないことが露呈する。体を短刀で一突きされても、血すら流れず活動に支障はない。
マギアコナトスからの魔力干渉が断たれると存在が曖昧になり、徐々に周囲の人間から認識されなくなり、最後は消滅する。他の魔術師によりある程度延命させることは可能であり、もしプリンセプスの魔術師が魔力を行使すれば完全に安定させることも出来るとされる。
魔術やアルマノクスの操縦は人間の魔術師と同様にこなせる。グランベルムで勝ち残ってもプリンセプスの魔術師になる資格はないと考えられているが、中には資格があると信じている者もいる。
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アニメイズム(MBS、TBS、BS-TBSにおける放送枠)
聖杯戦争 - 戦闘システムが酷似している。
巫女 | 騎体 | 属性 | モチーフ |
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新月エルネスタ深海 | ヴィオラカッツェ | 闇 | 菫 |
アンナ・フーゴ | アークナイトグリス | 炎 | トリカブト |
林寧々 | ジーグァンロン | 地 | ? |
袴田水晶 | ドロセラノクターン | 呪詛 | モウセンゴケ |
ロサ | クレストアンス | 風 | アンスリウム |
土御門九音 | 雪月梅花 | 重力 | 梅 |
小日向満月&新月エルネスタ深海 | ヴィオラカッツェFF | 光&闇 |
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