概要
正式名称は「世界陸上競技選手権大会( IAAF World Championships in Athletics)」であり、基本的に8月に行われる。
この大会が行われるきっかけとなったのは1980年のモスクワオリンピックへの西側諸国のボイコットをもとに1983年に開始され、当初はオリンピックと同様4年に1回であったが、1991年より隔年開催される。歴史としては浅いものの、オリンピックよりも参加する国と地域の総数が多く、世界的に最も著名で権威ある陸上競技の大会とされる。
ちなみにキャスターを務める織田裕二が「たかがオリンピックですから。世界陸上が真の実力ですから」と言い放ったのもまあ……言い過ぎではないかもしれない。陸上競技選手とファンにとっては、それくらい重要な大会ということである。
略称「セリク」。現在では隔年、奇数年に開催されている。
開催地のリスト
この項目では開催地域のリストを掲載する。
開催年 | 開催国 | 開催地 | 特記事項 |
---|---|---|---|
1983 | フィンランド | ヘルシンキ | |
1987 | イタリア | ローマ | |
1991 | 日本 | 東京 | この年から隔年、9月終了 |
1993 | ドイツ | シュトゥットガルト | |
1995 | スウェーデン | イェーテボリ | |
1997 | ギリシャ | アテネ | |
1999 | スペイン | セビリア | |
2001 | カナダ | エドモントン | |
2003 | フランス | サン=ドニ | |
2005 | フィンランド | ヘルシンキ | |
2007 | 日本 | 大阪 | |
2009 | ドイツ | ベルリン | |
2011 | 韓国 | 大邱 | |
2013 | ロシア | モスクワ | |
2015 | 中国 | 北京 | |
2017 | イギリス | ロンドン | |
2019 | カタール | ドーハ | 9月開催 |
2021 | アメリカ | ユージーン (オレゴン州) | COVID-19により開催延期となった東京五輪との兼ね合いで2022年に延期開催された |
2023 | ハンガリー | ブダペスト | |
2025 | 日本 | 東京 | 9月開催予定 |
2027 | 中国 | 北京 |
日本における放送
日本国内では1997年のアテネ大会からTBS系列 がスポンサーとして独占放送するようになり(TBSは世界陸上を主催するワールドアスレチックスのメディアパートナーであり、スタジアムの壁にもTBSのロゴが入っている)、上述の織田裕二の迷言・珍言が話題を呼ぶ熱血キャスターぶりで、広くお茶の間に浸透する大会となった。
かつては試合の中継のタイムテーブルを公開せず、「このあとすぐ!」と言いつつ何時間も引っ張り続けることでも有名であり、海外、特にヨーロッパでの開催においては時差の関係上ひどいことになっていた。
(稀に天候の関係で、本当にずれ込むこともある。後述のブダペスト大会が該当)
2003年のTBS番組審議会では、委員から「織田裕二君が良かった。私も「もうすぐ」「このあと直ぐ」につられて4時半まで拝見したが、あんなに真面目に白々しいことを言うのは、役者じゃないと多分できない」という、織田裕二をほめながら番組構成を盛大に皮肉るコメントが飛び出すほどであった。
当然、視聴者からの批判も殺到したためか、2010年代に入ってからは開始予定時刻(既に競技を終えている場合は放送時刻)を記載したタイムテーブルを表記するようになった。
開催地と日本との時差の関係で深夜の放送がメインになる場合、アニメイズム、TBS木曜深夜アニメ枠、スーパーアニメイズムは開催期間中は休止するが、2019年のドーハ大会におけるグランベルムの様に放送日時を差し替えたうえで放送する事もある。
2023年のブダペスト大会では、荒天の関係でスケジュールがずれ込むという事態が発生。休止が決まってはいた深夜帯ばかりか、第2日目で日5のゾン100も休止となった。
なお、第1回大会はテレビ朝日系列で、第2回大会から第5回大会までは日本テレビ系列で放送された。
楽曲
2005年のヘルシンキ大会から2022年のユージーン大会まで織田裕二の『All my treasures』がTBS系列での中継テーマ曲に使われていた。そしてTBSがホストブロードキャスターとなった2007年大阪大会では大会公式ソングとなった。
2023年のブタペスト大会では、星野源の『生命体』が使われている。
キャッチコピー
現代においては世界的な競技会での活躍が期待される日本人選手がマラソンなどの長距離などに偏っていたことから、日本における陸上競技人気も国内国外含め選手の知名度も非常に低かった。
ところがこの大会がTV放送時に、有力選手にキャッチコピーを付け紹介したことで、多くの選手が名を知られるようになった。
※例
末續慎吾「マッハ末續」
為末大「侍ハードラー」
朝原宣治「燃える走魂」
アレン・ジョンソン「ハードルなぎ倒し男」
バージョン・ジャクソン「アメリカの小さな大ハードラー」
マルク・ラキル「ムッシュ独占禁止」
ちなみにウサイン・ボルトには2005年あたりは「カリブの怪物」というコピーがつけられていた。
しかし2009年には日本陸上競技連盟( 日本陸連、陸上競技の普及・振興を主たる目的とし日本国内の陸上競技を統括する公益財団法人)の高野進強化委員長から選手にキャッチコピーを付けるなとTBSに通達を受けた。
ついでに
「なんだか近年は織田さんがおとなしくなってしまった…」と残念がる視聴者も多いかもしれない。実はこれも上述のキャッチコピーと同様2011年に日本陸連から『大会を茶化すな!!』と通達を受けた為である。
それでも2022年には同年をもってメインキャスターを卒業した織田と中井美穂は『陸上競技の認知度向上に著しく寄与した』として日本陸連から連盟特別賞を授与された。