概要
長距離走の代表格で、日本では特に、世界的な大会でもメダルが期待される陸上競技として人気が高く、視聴率でもトップクラスを誇る。
オリンピックの金メダリストに高橋尚子(元世界記録保持者)、野口みずき等がいる。
数kmから半分の21km距離を「ハーフマラソン」、42km以上の長距離を「ウルトラマラソン」と呼んだりする。そのため42.195kmの正式なマラソンは「フルマラソン」とも呼ばれる。
比喩として、長時間に及ぶ作業や行事をマラソンと称することもある。
名前の由来
「マラソン」名称は古代ギリシアの戦争「マラトンの戦い」を由来とする。
マラトンでの勝利をアテナイに伝える伝令に選ばれたフィディピディスという兵士はマラトンからアテナイまでのおよそ40kmの距離を重装備のまま駆け抜け、勝利を伝えた後に息絶えたと伝わる。
ちなみにマラトンの戦いは史実であるが、伝令が40kmを走り抜け息絶えたという伝説は後世の作り話という説が有力である。
歴史
1896年第1回アテネオリンピックでマラソンが採用された際もマラトンからアテネまでが競技コースとなっている。
日本では明治42年(1909)3月21日、神戸の湊川埋め立て地から大阪の西成大橋東端まで、約32キロを走る「マラソン大競走」という大会が開かれた。これが日本で初めて「マラソン」という競技名が使われた事例とされる。
ちなみに、江戸時代には、安中藩(現在の群馬県安中市)で、武士の鍛錬のため、安政遠足(正式には、安中御城内御諸士御遠足)という競技が開かれていた。これが日本初のマラソンという考えもある。
このときの距離は約30キロだが、ゴールが碓氷峠の山頂にある熊野権現神社としたことから、出発地からの標高差は1000メートル近くになっている。
ちなみに、現在のマラソンでは、記録の公認に「スタート地点とゴール地点との標高差はレース距離の1000分の1(約42メートル)を超えてはならない」というルールがある。
1975年より、安中市の主催で、この史実に因んだ「安政遠足侍マラソン」が開かれている。
42.195kmの理由
マラソンが始まった当初は約40kmという決まりだけで、大会ごとに距離はまちまちであった。
第4回ロンドンオリンピックで市街地42km+競技場トラック1周弱になる42.195km(26マイル385ヤード)が採用され、後の第8回パリオリンピック以降はこれが正式となった。
イギリス王室の姫が目の前でゴールが見たいから自分の席の前までゴールを延ばせ、と言ったという逸話もあるが真偽は不明。
記録
2023年10月現在の情報です。随時追記・修正お願いします。
世界記録
(男子)2時間00分35秒/ケルビン・キプタム
(女子)2時間11分53秒/ティギスト・アセファ
日本記録
(男子)2時間04分56秒/鈴木健吾
(女子)2時間19分12秒/野口みずき
いつの日か人類が2時間の壁を突破することに大いに期待したい。
なお、最遅記録は54年8ヶ月6日5時間32分20秒3。
日本の選手(金栗四三)が1912年から1967年にかけて記録している。
また、鈴木健吾・一山麻緒夫妻が2022年の東京マラソン「同一大会での夫婦合計タイムの世界記録」がギネス記録で認定された。(鈴木が2時間5分28秒で4位、一山は2時間21分02秒で6位。いずれも日本人トップで2人の記録の合計は4時間26分30秒。)
主なマラソンランナー
猫ひろし:リオデジャネイロオリンピックにカンボジア代表で出場。