「初めて……だったんだ……わたしを……――って……言ってくれた人……だから……」
「うん、作れたんだ。とても大切な友達……銀色の髪がとても綺麗で……
まるで月の光みたいなその子の名前は――」
「『絶対に諦めない』」
「きっとその人はそう言うだろうから」
「どうするのが正解なのか……なんて何もわからないけど、たったひとつだけ方針を決めたよ」
「世界も『誰か』も必ず取り戻す!!」
プロフィール
日常においても戦闘においても合理性を好む。
概要
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』に登場するキャラクター。
本編『Fate/stay night』には登場しない『プリズマ☆イリヤ』オリジナルキャラクター。
クラスカード回収任務を行うイリヤたちの前に突如現れたもう1人のカレイドの魔法少女。
イリヤと初めて邂逅した次の日、同じ小学校の同じクラスに転校してきた。
ルヴィアがカレイドステッキ・マジカルサファイアに見捨てられた後、新たなサファイアの契約者としてルヴィアの前に突然現れ、クラスカード回収任務を引き継ぐ代わりに衣食住と戸籍、居場所が欲しいとルヴィアに頼み込む。その後、ルヴィアの義妹として「エーデルフェルト」姓を貰い、屋敷でメイドとして働くことで養ってもらっている(後に凛が後輩になった)。ルヴィアに拾われる前の経歴は一切不明だが、イリヤの義兄である衛宮士郎にそっくりな兄がいたらしい。
ちなみに転身時の衣装のイメージはイリヤが「鳥」なのに対して、美遊は『蝶』となっている。
人物
一人称は「わたし」。
無口で無表情でクールな性格の女の子。表情が読み取れないので、たまに何を考えているのかわからない。「海へ行ったことがない」「誕生日を祝ったことがない」「運動会に参加したことがない」となぜか周りの子たちとズレまくっている(本人は真面目なので周りもツッコミづらい)。
当初はたいした覚悟もなしにクラスカード回収任務に臨むイリヤに対し、不快感を示し拒絶するなど険悪な雰囲気だったが戦いを通じて徐々に「自分にないもの」を持っているイリヤのことを認めるようになっていった。イリヤが恐怖で任務から逃げ出した時はイリヤをこれ以上戦いに巻き込まぬように、一人で全てを背負おうと必死になるほど大切な存在となっていく。
二人でクラスカード7枚全てを回収したことでイリヤとは親友同士の間柄になるが、今度は「わたしの友達は生涯イリヤだけ」「他の人なんてどうでもいいでしょ?」とベッタリになるなど、過剰ともいえる友情を見せるようになってしまった。これは今まで人付き合いが殆ど無かったから。
クラスメイト達には「あなたたちと友達になった覚えはない」などクールで固い態度を貫いていたが徐々にそれも薄れていき、自覚はしていないが態度や表情がやわらかくなってきている。
最初は目的の為に冷淡な態度や言動が目立っていたが、イリヤと親友になってからは徐々に感情的になる場面が増えている。しかし使命感が強いと言う点に関しては変わっていない。
能力
学力・芸術・運動・料理(※)全ての面で小学生レベルを逸脱した天才ぶりを発揮する完璧超人。周りにはドン引きされるほどの才能を持っているが、本人には全く自覚が無く世間知らずである。
※ 料理は後に士郎にそっくりな兄に教えられていたことが過去の物語で判明する。
どんな戦況でも冷静に対応し、ステッキやカードの力を早いうちに使いこなすなど戦闘においての基本性能はとても優秀。ただし魔法少女において重要な発想力や想像力に乏しいという大きな欠点がある。空を飛ぶ必要が出たときは「人間は空を飛べない」という常識に囚われて、飛行訓練中に何度も墜落や転倒を繰り返すなど魔法少女としては少し残念な結果となった。その後、イリヤやルビーからアドバイスを貰い方針転換。イリヤが「空を飛ぶ」のに対し、美遊は魔力を固め空中に足場を作り、その上を走ったりジャンプを繰り返す「空を跳ぶ」方法で空中移動を克服した。
ルヴィアの家でメイドとして働いた分の給料が数百万円あるため、財力は超小学生級。必要な時にルヴィアから店ごと買い取れるほどの金額を使える「虹色に輝くカード」を預けられることも。
『FGO』では、サファイアにブレードを形成して斬りつける、地を這う斬撃波を飛ばす(巨大な一発と連射の2種類がある)、巨大な魔力弾から光線を発射する、クー・フーリンのゲイ・ボルクで背後から刺突する、神稚児の魔法陣を展開して魔力砲を放つなどの攻撃を見せる。
夢幻召喚
英霊アーサー王と一時的に同化し、セイバーの宝具とスキル、戦闘技術を会得する。
美遊が夢幻召喚した場合の衣装は、姫騎士姿だったイリヤと違い、従来のセイバーに近いデザインである。ただし甲冑姿ではあるが肩と胸部のアーマーがなく、へそが見えている。
英霊クー・フーリンと一時的に同化し、ランサーの宝具とスキル、戦闘技術を会得する……のだが、ランサーの宝具は必中の槍なのでスキルや技術は必要無く、特殊な状況でも無ければ確実にトドメを刺せるので、夢幻召喚するメリットが少ないため、いつも限定展開(インクルード)で宝具だけ実体化させて使っている。あまりの使い勝手の良さから普段から美遊が必殺技として使うことが多く『FGO』でもコンボ技で使用しているなど、不遇な扱いが多い本家よりも活躍している。
英霊メドゥーサと一時的に同化し、ライダーの宝具とスキル、戦闘技術を会得する。
ライダーの時の美遊は黒いドレスを身に纏い、白い天馬に乗っている。
英霊ギルガメッシュと一時的に同化し、ツーピース状の黄金の鎧と『王の財宝』を得る。
こちらもセイバーの時同様、腹部が大きく空いておりへそが見えている。なお、一時的に同化した際マジカルサファイアを弾き飛ばされたうえ、ジュリアン・エインズワースにクラスカードを引き抜かれるまで自我の強すぎるギルガメッシュに精神を乗っ取られてしまった。
Fate/Grand Order
クラス | キャスター |
---|---|
出典 | Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ |
地域 | 日本・冬木市 |
属性 | 秩序・善・人 |
好きなもの | イリヤ、お兄ちゃん、ルヴィア、サファイア |
嫌いなもの | イリヤに手出しする人 |
「こんにちは初めましてゲイ・ボルク」
コラボイベント『魔法少女紀行 プリズマ・コーズ』にて登場。
2016年9月開催の初回版では所謂「囚われのヒロイン」な立場でシナリオのみの登場だったが、2019年1月開催の『プリズマ・コーズ −Re-install−』に際して追加参戦となった。クラスはキャスターでレアリティは☆4。以降のイベントでも主にイリヤ・クロとセットで登場するようになった。
霊基再臨での衣装変化は小学校制服→魔法少女服と変わるのはイリヤと同様だが、第3再臨では巫女風の衣装となり、真名も変化する(巫女服は後に原作に逆輸入された)。
人間関係でイリヤ第一なのは相変わらず。コミュニケーション能力は園児以下と評価されている。
主人公に対しては人理のために戦う姿に感じ入るものがあったのか、願いが叶うように祈りを向けている。その一方でイリヤに手を出すようなら即座に嫌いになるとも言っている。
カルデアでもイリヤと一緒に居られることを喜んでいて、相部屋を希望するだけでなく、ベッドまで共用にしようとするなどわりと積極的。クロも美遊にとって大切な友達だが、イリヤを取り合うライバル(?)という側面もあるため「好きな人」のカテゴリーにはギリギリ入っていない模様。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | E | D | C | A | C | A |
保有スキル
対魔力(B) | 転身中の美遊に付与される強力な魔術障壁。詠唱三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法などは防げない。また、転身状態はこの他物理保護、治癒促進、身体能力強化など各ステータスに影響を及ぼしている。 |
---|---|
無限の魔力供給(B) | カレイドステッキ(サファイア)から文字通り無限の魔力が供給される。しかしその出力は術者本人の魔術回路の性能に制限される。 |
愉快型魔術礼装(妹)(A) | ヘンテコステッキの妹の方。ハイテンションな姉に比べ、落ち着いていて理性的。が、やはり人工天然精霊の性か。マスターを振り回し面白おかしい事態を引き起こしてしまうやっかいさはあまり変わらない。なお、契約者のコスチュームはなぜか姉に比べてやや露出が多くなる傾向がある。……むっつり? |
少女の意地(B) | 美遊の意志の強さがスキルへと昇華したもの。高潔な決意は生半なことでは揺るがず、致命傷を受けてもなお戦闘続行を可能とする。これは生来のものではなく、様々な経験を経て獲得した精神性である。だがもしかしたらその頑固っぷりは、兄に似たのかもしれない。 |
神稚児の願い(EX) | 自他の区別なく願望を実現してしまう性質を、ごくわずかに開放するスキル。彼女の願いは、きっと天に届くだろう。 |
催眠電波(A) | サファイアに搭載されている、謎の機能。強力な催眠効果のある電波を撒き散らし、周囲の人間の記憶や認識を書き換える。悪用すれば一国が滅びかねないスキルだが、ルビーとは違い面白半分で乱用したりはしないので、そこはご安心いただきたい。なお、脳に負荷がかかるためか催眠にかかった人間のIQは1低下する。(FGOでは使用されない) |
宝具
星天を照らせ地の朔月(ほしにねがいを)
- ランク:EX
- 種別:対人〜対界宝具
- レンジ:1〜???
- 最大補足:???
「それが……あなたの望みなら。」
「地に瞬(またた)く願いの光。落ちた月は、無垢なる輝きを束ね、天を望む――『星天を照らせ地の朔月(ほしにねがいを)』!!」
神稚児としての性質を一時的に制御し、限定的に願望を実現させる。「人理を守りたい」というマスターの願いのみに焦点を当てることで成り立つ宝具なため、何よりも信頼関係が大事となる。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
スキル構成はイリヤに似ているが、性能はサポーター型。
宝具の性質から、簡単に言えば「ダウングレード版のマーリン」である。
マーリンとの大きな違いとして、宝具で味方に直接バフをかけるのではなく「自分を介してバフをかける」形になっている。これにより、強化無効・強化成功率ダウンのデバフ状態にある味方にも効果を及ぼすことができるが、反面美遊自体にこれらのデバフがかけられていると宝具の性能を発揮できない。宝具を使うたびに3000ものHPを削ることになるため、迂闊に連発できないという欠点もあった。だが2021年8月に強化クエストが実装され、デメリット効果が削除されると共にHP回復量の倍加と味方全体の攻撃力アップ効果の追加が行われた。これにより耐久面の問題が解消され、さらに毎ターン攻撃バフをばら撒けることから重ね掛けするメリットが大きくなった。
ただ、HP回復量と攻撃バフの両方が宝具レベルによって上昇するため、スキルレベルよりも宝具レベルが重要という『FGO』のサポーターとしては珍しい存在となっている。
「神稚児の願い」はNP増量値と強化成功率のターンが同ランクの蘭陵王の「勢い破竹の如し」を上回る性能であり、これもまたイリヤを含めた確率強化スキルの補助に役立つ。とはいえ宝具の持続ターン・HP回復量は共にマーリンに劣り、全体への防御バフを持たないため、その対策が必要。
おすすめの編成メンバーとしては、やはり確率による強化を持つ(例)サーヴァント。彼女より前の強化成功率up持ちのサーヴァントは若干サポーターとしては扱いにくかったり本人も強化が確率に左右される面もあったりと若干クセがあったが、彼女はそのような面がない為成功率補助要員としては扱いやすい。また彼女が倒れたり強化解除されたら一巻の終わりである為、回復と強化解除への対策ができるサーヴァントも重要。前述の全体大幅回復の宝具・スキル持ちに加え、強化解除耐性を他者に付与できるサンタ婦長などがおすすめ(詳細は強化解除耐性が同じく求められる彼女の欄を参照)。彼女にそもそも攻撃を当てさせないターゲット集中持ちも有効である。
ちなみに肝心のイリヤとは(当然というべきか)相性が良く、あちらの「あやしい薬」で自身の生存の可能性を上げつつ宝具の回転に難のある彼女をNPバフで支えることができる。
関連人物
プリズマ☆イリヤ
自分に距離感ゼロの美遊に対して「気持ちが重い」と困ったような顔をする時もあるが、不器用な性格の美遊のためにクラスメイトとの仲を取り持ったり、積極的に遊びに誘ったりと、持ち前のコミュニケーション能力を発揮している。そして居場所や友達を求めていた美遊にとっては明るく自分を照らしてくれる『月の光』のような存在である。『FGO』だと、本編の時よりイリヤに対しての愛情が重くなっている。※ 詳細→イリみゆ
イリヤから分離したもう1人のイリヤであり自称姉。
初めはイリヤを巡って強く敵視し、一旦和解したあともしばらく警戒していたが、現在はイリヤと同じく大切な友達と思っている。ちなみに分離前までイリヤと記憶を共有していたクロは、初めから美遊に対して敵意を抱いていなかった(むしろ好感を持っていた)。
美遊の魔法少女の相棒。お互いクールで口数が少ないのでとても息が合うよう。先代のマスターであるルヴィアには辛辣なのに対して、美遊には出会ったときからとても忠実で気を遣っている。
転身時にサファイアが着せる衣装はルビーが着せる衣装よりも露出度が高く、クロや美遊の兄からは「えっちな趣味」「破廉恥な格好」と評価されている(美遊はあまり気にしていない様子)。
マジカルサファイアの先代マスターにして主人。
自分を戸籍上の義妹として迎え、衣食住や居場所も与えてくれた保護者。
普段の迷惑者ぶりには呆れているが、ぎこちないながらも義姉として信頼し、慕っている。
イリヤの相棒。サファイアの姉。
空が飛べず悩んでいるのを呆れられ「ルビーデコピン」をくらう。「そんなコチコチ頭では魔法少女は務まらない」と指摘されてから『人が空想できることは起こりうる魔法事象』とアドバイスをもらう。当時の美遊は「あまり参考にはならなかった」と答えていたが、運動会で披露する予定のダンスが上手く踊れなくて困っていたとき(アニメ版OVA)に、楽しく踊っているイメージをステッキの力で表現して克服するなど、イメージ力の大切さを認識するようになる。
マジカルルビーの先代マスターでルヴィアのライバル。
後に同じくルヴィアの家でメイドとして働く同僚になる(こちらが事実上の先輩)。
美遊が初めてイリヤの家を訪ねたときに自分以外に家族が居ないかのような発言をしていたが、しばらくしてから兄が居たことが判明。見た目はイリヤとクロの義兄である衛宮士郎とよく似ているらしい。士郎と初めて顔を合わせたときは、まるで幽霊にでも会ったかのような表情で驚き、その胸に飛び込んだほど。イリヤは美遊の過去について興味を持つがルヴィアに注意され、さらに美遊が抱えている秘密に触れれば元の関係に戻れないのではないかとの心配から棚上げに。
彼の正体が判明するのはさらに時間が経ってから(『ドライ!!』以降)となった。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
イリヤに手を出したら嫌いになると言いつつも、人間性には好感を抱いている。
突然戦いに巻き込まれた一般人という点で通じるところがあるのかもしれない。
関連イラスト
『FGO』
関連タグ
フェイト・テスタロッサ:別作品の魔法少女。当初は主人公のライバルとして登場、特殊な出自の持ち主、クールで冷たい印象からだんだんと年相応な性格になる、主人公と和解後はかけがえのない親友になる、変身時コスチュームがぴっちりスーツタイプであるなどポジションが似通っている。ちなみに中の人は『FGO』では別役で出演済みである。
彼女の事情(※ ネタバレ注意!)
彼女の正体は平行世界のイリヤとも言うべき聖杯そのもの、あの英雄王をして「生まれながらにして完成された聖杯」「世界が生んでしまったバグ」と言わしめる破格の力の持ち主であった。
聖杯としてギルガメッシュ本体に取り込まれる直前に、イリヤに自分ごと破壊するように頼む。
マジカルルビーとマジカルサファイアの同時使用によるツヴァイフォームを発動させたイリヤが子ギルを打ち破り救出に成功するが、直後に平行世界からやってきたエインズワース家の手の者により自身の世界へと連れ戻され監禁されてしまった。元の世界でイリヤの兄である士郎を自身の兄と間違えたのも道理で、実は美遊の兄(正確には義兄)もまた「美遊の世界の衛宮士郎」だった。
※ アニメ版では『ツヴァイヘルツ』で1度は日常に戻り、連れ去られるのは『ドライ』1話。
この他詳しい事は朔月美遊を参照。