曖昧さ回避
- 第一次世界大戦でのドイツ軍のエースパイロット・リヒトホーフェン男爵の二つ名。乗機を真っ赤に塗っていたことからそう呼ばれていた。
- 1.にちなんだバイク販売・買取チェーン店の名称→こちらを参照
- ナムコのゲーム、スカイキッドの1Pキャラクター。本名はフランツ・フォン・ドーセマイナー。
- 特撮番組『スーパーロボットレッドバロン』
- 4.のリメイクアニメ。本項で解説
- 4.が特撮映画『ブレイブストーム』にて再度リメイクされた→巨大ロボットレッドバロン
- ドラゴンクエストシリーズに登場するホースデビルの転生モンスター。
概要
1994年4月から1995年3月(または4月)にかけて日本テレビほかで放送された。全49話。
特撮番組『スーパーロボットレッドバロン』のリメイクであるが、共通点は一部の固有名詞とレッドバロンのデザインのみで内容は全く異なり、ロボット格闘技(メタルファイトというロボット格闘大会)が物語の舞台である。そのため必殺兵器エレクトリッガーも放電攻撃から、電気を纏ったパンチに変更されており、ほかの技も格闘系の技で固めている。
前半は主人公の紅拳が、メタルファイトを通じ様々な人物と出会い成長していく経緯を描き、『神龍』の柳孔明、『カンフータイガー』の李仲達らの出会いから対決を経ての友情、さらには主人公がライバルと認めたシャドー操る『ゴールドバロン』との激戦など格闘アニメにありがちな設定もふんだんに織り込んでいる。それと同時にバロンを狙う秘密組織『鉄面党』の謎とバロンを付け狙う理由など、謎解きの要素が劇中に散らばめられていた。ヒロインでありバロンの開発者である冴場翔子も拳同様の立ち位置となっており、拳を通じて最初は野蛮と感じていたメタルファイトの考え方を改め、彼を支えていくことになる。そして後半は翔子を中心に物語が進行することとなる。
中盤までのゴールドバロン戦までは真っ当(?)にメタルファイトを行っていた(その割には1対3などといった完全にルールに反した行為を平気で行っていたが)。が、鉄面党が真相を現してからはメタルファイトそっちのけで物語が進行すると同時に鉄面党首相であるカイザーの正体をはじめとする本作の謎が次々と明かされることとなる(そのあたりから拳から翔子へと視線が入れ替わることとなる)。
終盤の『シグマタワー編』はかなりメチャクチャな展開、なんとレッドバロンモドキの大群が登場するのだ。
マザーバロンなるロボットが次から次へとレッドバロンを量産ならぬ出産。
電撃をつかさどる赤の巨人「ライジン」、続いて風をつかさどる青の巨人「フウジン」(やはり顔はレッドバロン似)
トドメはデビル、いや「デスバロン」(外見は別番組でレッドを名乗るロボっぽいが)なるラスボス!?どうしてこうなったのか?
(設定的にはラスボス(コンピューター)が「最も優秀なメタルファイター」であるレッドバロンを己のボディーに選んでコピーしまくった為、一応矛盾はしていない)
そのうえパイロットは拳のコピーロボットという有様。最後はやはりやぶれかぶれだったのかもしれない。終わらせ方もデスバロン軍VSレッドバロンチームと、ある意味王道的な終わらせ方なのだが、その後のメタルファイトの行く末や登場人物らに関するフォローもないまま終了したのはもはやどうしようもないといえる。
と言うのも、内容も放送時期も『機動武闘伝Gガンダム』と丸かぶりであり、ネット局数も少なかったことも相まってほぼ注目されなかった作品だったりする(ぶっちゃけGガンと共に『ストII』以降の格闘ゲームブームに乗った作品である)。一部ではGガンの裏番組と誤解されたこともあったがこれは地方局限定であり、さすがにキー局は放送時間は重複させていない。
逆に注目を浴びなかったことで「こんなのがレッドバロンを名乗るな」なんて叩かれる事が無かったのは良かったのか悪かったのか…。
いわゆる円盤のリリースも比較的遅く、それ以前で視聴できるメディアは当時発売されたVHSのみであった(LDもリリース予定だったが実現せず)。DVDとしてのリリースは実現せずに終わり、2016年にBD-BOXとしてようやく日の目を見ることとなった。それ以前にチャンネルNECOなどで放送されてはいたものの、円盤リリース以前は知る人ぞ知るアニメであった。その点でも『Gガンダム』と対照的といえるのかもしれない。
終盤の怒涛ともいえる路線変更は、玩具関連の売り上げが予想より良かったためであり、視聴率不振などによって3クールで打ち切りになるところをそれで回避された結果こうなったのである。その波に乗って続編の『マッハバロン』の企画を立ち上げたのだが、アニメ枠縮小の理由により(本作放送時にはすでにほかの夕方枠がなくなりつつあった)放送局側に却下されたため実現には至らなかった。
鉄面党壊滅後のメタルファイトや拳たちのその後についてはBD-BOXでのインタビューで語られている。映像でそれに触れなかった理由は「詰め込み過ぎて本編ではそこまでまとめる尺がなかった」とのこと。その代わりとして、最終回の最後にその後を思わせるシーンが挿入されている。
なお、日本テレビでは、阪神淡路大震災発生に伴う臨時報道体制を敷いた事に伴い、1995年1月17日放送予定だった回の放送を休止した。その為、最終回の週は2話連続放送となった。
ストーリー
風来坊メタルドライバー紅拳は、チャンピオンになるために日本にやってきた。偶然にも冴場翔子と出会い、彼女が開発したメタルファイターのレッドバロンを操縦することになった。成り行きからチームを組んでメタルファイトに出場することになるが、レッドバロンを狙う鉄面党の魔の手が彼らに忍び寄る。
登場人物
下記の通り、一部の声優が『機動武闘伝Gガンダム』(Gガン)に出演している。それをネタにされていることがほとんどだが。
紅拳(CV:山口勝平)……Gガンと関連のある声優その一。一部のファンからはサイ・サイシーと中の人が同じ事をネタにされている。スパロボでの共演が待たれるところだが…。
熊野勇夫(CV:龍田直樹)……Gガンと関連のある声優その二。Gガンではガンダムファイター役だった。
李仲達(CV:高木渉)……Gガンと関連のある、というより次回作ガンダムWと関連のある声優。実は仲達同様の中国系格闘キャラである五飛のオーディションで最終候補にまで残った人である。結局落選したが後番組でまさかの主人公に抜擢。
世界大会編
ハシミコフ(CV:菅原正志)……Gガンと関連のある声優その三。やはりガンダムファイター役(複数)。
鉄面党
アシモフ博士(CV:松尾銀三)……Gガンと関連のある声優その四。なんとクイーン・ザ・スペード役であった。
カイザー(CV:沢木郁也)……実は中の人は2年前のロボットアニメでデスバロンっぽいロボットに乗ってた人を演じていたことがあった。
主題歌
オープニングテーマ
「戦え! レッドバロン」
作詞 - 森京詞姫 / 作曲 - 小田純平 / 編曲 - 岩本正樹 / 歌 - 石原慎一
エンディングテーマ
「夢を見たかい」
作詞・作曲 - 本島一弥 / 編曲 - 藤原いくろう / 歌 - 本島一弥
OPはロボットアニメソングとしては王道で、パンチのある楽曲は聞いて損はない。
変わってEDはしっとり系で翔子の心境を歌った歌詞となっている。
メタルファイターとしてのレッドバロン
全長21.5m
重量25t
冴場翔子が開発した救助作業用ロボット。しかし操縦システムの類似点によりカテゴリ的にはメタルファイター扱いとなる。メタルドライバーである紅拳が鉄面党に追われていた翔子を助けるために搭乗、以後彼のメタルファイターとして活躍することとなる。
通常のメタルファイターと異なる点は、ドライバーの脳波シンクロ率が高いことと各部エネルギー効率の高さ、後述する機能である。
元々救助用ロボであるため繊細な動きが可能で、通常のメタルファイターよりも反応速度が速い。装甲は環境変化に対応する耐久性を実現している。これは強化チタン合金とセラミック装甲の多重サンドイッチ構造によるものである。多重構造により剛性と柔軟性を兼ね備えているが、ピンポイントのダメージには強いと言い切れない。
四肢にはコンデンサが設置されており、メインジェネレータから発生するエネルギーを常時貯蓄する。そのエネルギーを瞬間的に開放することで対象物を破壊することが可能となる。これを利用した技が『エレクトリッガー』や『ローリングサンダー』である。このような使用方法は想定外であるため、初戦後はコントロール関連の改良を行っている。
反面、繊細なコントロールシステムであるために搭乗者には膨大な負担を強いられることとなり、並みの精神力では乗りこなせない代物と化している。そのため乗り手を選ぶマシンとなってしまい、実質拳専用のメタルファイターとなっている。
レッドバロンには搭乗する際に顔面のコックピットが自動的に開くギミックがあるが、これはバロンの内蔵コンピュータが搭乗者にふさわしいかどうかを判断するシステムであり、セキュリティ的意味合いも兼ねている。現にアルティメット大会優勝後、優勝に酔いしれていた拳が乗り込もうとしてもハッチを開けようとしなかった。
フルメタルファイターレッドバロン
翔子が新たに開発したオプションパーツを装着した形態。メタルファイターとしての能力向上を補うためであるが、完成度の高いレッドバロン本体のパワーアップが実質不可能であるためオプションとして開発されたものでもある。
『アームブレード』『ショルダーアーマー』『サマーソルトブースター』『ニーインパクトパイル』の4種があり、動きに干渉しない箇所に装着される。
通常は1種、もしくは2種を状況に応じて装着するが、装着箇所が被らないため4種すべてを装着することも可能。全装備形態を『フルメタルファイター(劇中未呼称)』と呼ぶが、重量の関係上、若干動作が鈍る欠点が生じている。各パーツはコンデンサとの連動も想定しており、以下のような必殺技も繰り出すことが可能。
・アームブレード
前腕に装着されるユニット。トンファーのように用いることが多い。エネルギー伝導によりエネルギー刃を放つ『アームブレードエレクトリッガー』として使用することが可能。
・ショルダーアーマー
肩部に装着。アーマー内にバリアフィールドシステムを内蔵しており、それを用いたタックルは通常の5倍以上の破壊力とされる。
・サマーソルトブースター
脚部に装着される加速用ロケットブースター。推進力でキック力を増幅させるだけでなくジャンプ力も倍加しており、短時間の飛行も可能としている。そのジャンプ力を活かした『フライングローリングサンダー』を生み出す。
・ニーインパクトパイル(ニーキックパイル)
膝に装着されるパイルバンカー。パイルは特殊火薬で高速射出され、対象物を容易く貫通させることが可能。連続射出に耐えうる耐久性も備えている。
サイコパワー
レッドバロンに隠された機能。元は脳波コントロール向上の為に開発されたもの。
サイコパワーを発動させるためには化け物じみた精神力が必要とされ、なおかつ肉体的・精神的に追い詰められる必然性があった。レッドバロンが勝ち続けることのできた要因でもあるが、当初は人為的に発動できなかったためシステム的な問題点もあった。
後に冴場博士開発のコントロールシステムを搭載したため常時サイコパワーを使用できるようになったが、その分身体的な負担を強いられる結果となった(精神力の強い拳ですらコントロールに手間取っている)。
なお、同時に水竜(3代目神竜)、カンフータイガー、ゴールドバロンにもサイコパワーシステムを搭載しているが、レッドバロンほどのサイコパワーは備えておらず、3体合わせてようやくレッドバロンと同等の出力しか出せなかった。
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バロンシリーズ(特撮)