概要
1983年に製作されたロボットアニメ作品。
正体不明の異星生命体インビットによって奪われた地球を奪還するための第2次地球降下作戦が失敗、部隊が壊滅するもなんとか地上への不時着に成功した主人公が、オートバイからパワードスーツに変形する装甲バイク「モスピーダ」に乗り、侵略者に乗っ取られた地球を舞台にある地を目指していくロードムービーアニメである。
『超時空要塞マクロス』のアニメ制作を担当したタツノコプロと『テクノポリス21C』のアートミック(ウィズコオポレイション)が共同で企画し、タツノコプロの主導で製作されたという経緯がある。そのため特に『マクロス』とは共通点が多い。
その一方で、ロードムービー的なストーリーやバイクからパワードスーツに変形し、騎手に装着する「モスピーダ」などの独自点も多く差別化もされている。
また宇宙人に支配された世界観であるため主人公たちが助ける人間が主人公をやむ得ず裏切るといった暗い展開があるのも特徴の一つである。
監督(シリーズディレクター)は元トップクラフトの演出助手であった山田勝久。シリーズ構成は富田祐弘。キャラデザは天野喜孝。メカニックデザインは荒牧伸志と柿沼秀樹。
1983年10月から1984年3月にかけて、フジテレビ系列局の一部にて放送された。
放送時間帯であった日曜朝9時台後半はローカルセールス枠であったため、フジテレビと同時ネットで放送したのは北海道文化放送と東海テレビだけであり、系列局の多くは放送せず、例え放送したとしても先の2局以外は放送日時を差し替えていた。
しかしながら関東地方・北海道・東海3県における裏番組が藤子・F・不二雄(当時は藤子不二雄名義)原作の「パーマン」だった事(しかもフジテレビ系列局でありながらこちらの放送を拒否したばかりか、よりによってその「パーマン」を、テレビ朝日と同時ネットで放送したテレビ局も存在する有様であった)もあって視聴率が苦戦、本作の暗い展開と馴染みづらい物語の題材のせいで大半の視聴者は単純明快かつ明るいパーマンにチャンネルを変えてしまった。その結果全3クールの予定が短縮打ち切りとなった。その事もあり放送当時の人気は今ひとつではあったが、その独自の特徴から固定ファンも多く、放送後も関連商品が続々と発売されるなど後年に人気をじわじわと伸ばしていくタイプの作品となった(本放送当時を揶揄し、「パーマンの6600倍の力に敵わなかった」と言う人も居た)。
日本での放映当時の散々な結果とは反し、後述する海外展開では成功しており大きな話題と人気になっている。
オープニング/エンディングアニメーションと第1話の導入部の作画に関しては金田伊功が参加している。
また、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)として 1985年9月21日にビクター音楽産業株式会社(現社名:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント。当時定価3,360円。商品番号:VDR-1086 )より『 機甲創世記モスピーダ LOVE ,LIVE ,ALIVE 』が発売された。イエローのミュージック・ビデオとしての内容で、ごく短時間ながら新作画フィルムあり。
ちなみに、海外では『ロボテック』シリーズの一つとして『マクロス』と『超時空騎団サザンクロス』と一纏めにされている他、2007年には最終話のリメイクと言えるOVA「シャドウ・クロニクル (影の年代記)」も発売されている。
後年にはタツノコプロ公式の外伝作品『ジェネシスブレイカー』も展開されており、こちらはホビージャパンで掲載中。
お蔵入りした幻のエピソード
前述した話数短縮打ち切りの影響でお蔵入りしたエピソードがあった。
それは、終盤登場した無人機のダークレギオスが暴走し、民衆や避難民に犠牲者が生じるもので、70年代の竜の子ヒーロー諸作品で問題提議のエピソードが多数あり、久々に竜の子らしいエピソードだっただけにお蔵入りが悔やまれる。
余談
次番組は後にOVA「メガゾーン23」として世に出たバニティシティ・ガリヤードが予定されていたが、スポンサーを予定していたタカトクトイスの経営が悪化した事により(その後1984年5月に倒産)敢え無くお蔵入りとなってしまった。
関連イラスト
関連動画
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超時空要塞マクロス ・超時空騎団サザンクロス ・タツノコプロ・シャドウ・クロニクル (影の年代記) アートミック
GetRide!アムドライバー:モスピーダよりも後年に放送されたアニメ。変形するバイク型パワードスーツ、濃いメインキャラクター等、様々な部分で類似性がある。