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ステルス機
13

ステルス機

13

すてるすき

「ステルス」と言っても色々な定義があるが、一般的にレーダーの反射が少なくなるように設計された航空機を指す。

概要

戦闘機攻撃機爆撃機などで、ステルス性能(レーダーに探知されにくくする機能)を持つもの。

第5世代ジェット戦闘機にはアフターバーナー無しでのスーパーソニッククルーズ(超音速巡航)と共に欠かせない機能である。

(ちなみにアフターバーナーの炎も僅かにレーダー波を反射するという)


「ステルス」の実際

『レーダーに映らない=探知されていない』と認識される事が多いステルス機であるが、実際には『レーダーに捕らえられてるが、電波の反射が小さすぎて飛行機と認識されない』というのが正しい。

通常レーダーは「電波を発信し、対象から跳ね返ってきた電波を受信」して、その跳ね返ってきた電波の量から大きさや位置を測定してレーダースクリーン上に像として表示する。

  • イメージ

ステルス機の場合、レーダーから発信された電波を吸収したり、電波が発信されたレーダーとは別方向に電波を反射させるなどで、レーダーへ戻る電波の量を少なくすることにより、実際よりも像を小さく見せている。(=小さい物に見せかけている)


すると飛行機を小さい像(=虫や鳥の群れ、もしくは「ゴースト」という)として認識してしまい、無駄を省くため(もしくは性能の限界のため)にレーダーの画面から省かれてしまう。

これがあたかも映らないように見えるのである。


いくらステルス機といえど、レーダーに近づけばそれだけ反射する量も増えるため、いつかは探知されてしまう。

航空機におけるステルスとは『レーダー探知される範囲を大幅に縮小できる機能』といえる。


逆に言えば、構造などを把握されればステルスが意味をなさないものになってしまう事から、通常の航空機よりも機密性が高く、例え一般公開されていても見張りの兵士がついていて近づけない事がざらにある。ステルス機の輸出がなかなか進まなかったのもこれが理由にある。


ゴースト

つまり、『航空機の幽霊』という事である。

航空機として探知しているのに、実際には存在しない航空機を表示する事から。

ステルスとデザイン

ステルス機は、レーダー波を吸収する、あるいはレーダー以外の方向へ跳ね返すといった手法でレーダーをかいくぐっていることはすでに述べた通りであるが、現在主流となっているものは「レーダー波をレーダー以外の方向へ跳ね返し、それが不可能な部位ではレーダー波を吸収させる」というもの。

つまりは機体の外形がキモになる。


ステルス機のデザインといえば

  • カクカクしてて凸凹(F-117)
  • いやいやツルっとしてる ミサイルも仕舞っちゃうし(B-2 F-22)
  • ハッチとか細かい部分がギザギザ

などなどの特色があるが、これらは全て「レーダー波をレーダー以外の場所へ跳ね返す」為のデザインである。

飛行中の航空機は、一般的に概ね横方向からレーダーの放射を受けることとなるが、一見全く別物のデザインに見えるF-117もB-2もこれらのデザインは全て照射されたレーダー波を全く別の方向へ向けるためのデザインであること点は共通している。

ハッチやエンジンノズル、パネルの継ぎ目がギザギザであるのも、ミサイルなどを内蔵させるのもあらゆる角度でレーダー波をまっすぐ反射させる可能性を低減させるためである。

また、「元々純粋なステルス機として開発されたわけではないYF-12(A-12 SR-71)がレーダーに映りにくかった」とする逸話は、機体と主翼が滑らかにつながる一体的な形状とするブレンデッドウィングボディや機体側面に張り出したチャインと呼ばれる張り出し部が、「横方向(つまりレーダーがある方向)にレーダー波を反射させないため」であった。


ステルス機は形状以外に、機体表面の仕上げも従来機と比べてつるりとしていて念が入っているが、例えばリベットやビスが機体表面に飛び出ている場合、この部分に放射されたレーダー波が意図しない方向、つまり敵のレーダーの方向に戻るためで、ステルス機特有の仕上げはこれを防ぐためである。


総じて、ステルス機のデザインは「どうやって敵のレーダー波を発信源以外の向きに反射させるか」という課題に基づき「レーダー波の反射をコントロールする」ためのデザインといえる。


機体にレーダー波を照射し、発信源に戻ってきたレーダー波の強さの割合、つまり簡単に言えばレーダーへの写りやすさを表す尺度をレーダー反射断面積 RCS(Radar cross-section)で表される。単位は㎡である。

Bistatic Radar

一方でステルス機は通常の「発信と受信を1台で行うレーダー」には映らないものの、バイスタティックレーダーと呼ばれるレーダーでは、発信と受信をそれぞれ離れた場所で別に行うため、ステルス機であろうと捉えることは可能となっている。

これは、先に述べた通り「ステルス機も結局レーダー波を反射している」ためで、レーダー波の発信源には戻らなくとも機体が反射してどこかにやった(筈の)レーダー波を別の場所で捉えることができれば、それによって機体の存在を明らかにできるためである。

ただしこのレーダーは技術的困難や、何よりも「2台必要になるので、レーダー施設が大がかりになる」という短所がある。

PAK-FASu-35Sでは機首だけでなく主翼にもレーダーを内蔵することで限定的ながらも実現させる(予定)。

熱センサーとステルス

航空機を探知する方法は、レーダー(電波)のみならず熱線(赤外線)という手段もある。

熱機関(エンジン)で飛行する航空機が飛んでいれば多かれ少なかれ発熱=つまり赤外線を放出しているため、これを検知できればレーダーに映らなくとも存在を明らかにできる。

特に、ジェット機であれば強烈な熱エネルギーが放射される(アフターバーナーを炊けばより甚だしくなる)ため、高性能なセンサーを使えば条件次第では比較的遠距離でも検知することが可能である。

このため、アフターバーナーを使わずに超音速飛行ができる能力は大きなアドバンテージとなる。

また、例えばB-2爆撃機の場合は飛行機雲の発生を避ける意図もあるものの、エンジン排気を「冷やす」様々な工夫がなされており、下方からの熱探知を困難にするためにエンジンの排気口を機体上面に開けている。

ステルス塗料について

フェライトのようなステルス性を付与することができる磁性塗料(電波吸収材料:RAM)もあるが、実際のところはないよりはマシ程度のものである。

また飛行後に剥離した部分を塗装し直さなくてはならない為、(空気との摩擦やらで結構剥がれる。超音速飛行だと尚ひどくなる)塗料と手間ぶんのコスト高にもなるので、基本的にステルス性能は機体構造(RCS)が大部分を占める。

(それでも塗りなおさないわけには行かず、ステルス機の整備コストの増大を招く事となる)


フェライト塗料自体も、もともとは日本の巨大つり橋(瀬戸大橋など)が船舶レーダーに巨大な像を映し出し、「橋の向こう側が判らない」という事態を抑えるためにTDKによって作られたもの(対策)であり、そもそも戦闘機用に開発されたものではない(後述)。

ちなみに瀬戸大橋は、その大きさゆえレーダーに映ってしまうことが明白だったため、元々レーダーに映りにくくなるように考慮された構造となっており、塗料はそれでも出てしまう像を抑えるために使われている。


また、ステルス塗料について「米軍が日本の塗料(上記のフェライト塗料)を使ってステルス機(F-117)を完成させた」という話を聞くこともあるだろう。

実際にそういった報道がなされたこともあったし、その報道に関して国会答弁の話題に上がったこともあったが、答弁に応じた専門家から

航空機に塗って使うような物じゃない」(要約)

ステルス性能は塗料で決まるもんじゃない」(要約)

といった答えが帰ってきている。

そもそもF-117にフェライト塗料は『使うと重くなる』という理由で使われていない

(薄いコーティングフィルムを張っているのみである)


ステルス設計の理想

設計思想としては、

  • レーダー反射断面積(RCS)を少なくする。

 主に主翼(の付け根)がRCSを大きくさせる要因である。

 主翼の付け根は胴体と形状が交わる部分のため、レーダー波をよく反射するのである。

 これは、機体の機動性向上とは逆行する。

 従って前進翼やカナード(前翼)も不利である。

 B-2爆撃機のように尾翼を無くした例もある。

 エアインテークの入り口に電波の侵入を防ぐ金網を設置したり、インテーク内の形状を変更し、コンプレッサーのファンブレードに電波が当たらないようにするといった事も行われる。

 複雑な形状のコックピット内での電波の乱反射を防ぐ為にキャノピー表面にレーダー波を反射するコーティングを施す事も行われる。

  • レーダー波を吸収する機体塗装。
  • ミサイルなどの兵器を本体の格納庫(ウェポンベイ)やウェポンポッド等に格納する。
  • 赤外線熱の放射の抑制

・・・などがある。


初期ステルス機

第二次世界大戦の頃から八木アンテナによってレーダー技術が向上し、実用化されたが、イギリスで物資不足から合板によって作られた戦闘機デ・ハビランド・モスキートが結果的に、レーダーに探知されにくいことが判明。

これを受け各国でレーダー対策として木製戦闘機の開発が急がれたが、本格的に実戦使用可能な木製戦闘機はごく一部を除いて開発されないまま終戦となった。


冷戦を通して研究開発が続いてF-117ができたが、北朝鮮朝鮮戦争で木製の複葉機を実戦投入し、戦果は上がらなかったが、レーダー探知が困難であったと米軍側が記録している。

また北朝鮮は「自国のステルス機」として木製複葉機を現代でも配備している。


主なステルス機

無印・・・純粋なステルス機として開発されたもの

○・・・RCS低減のみ意識した機体(設計思想は従来機寄りor従来機ベース)

●・・・ステルス黎明期の低RCS機(ステルス性はあくまで副産物)


アメリカ

  • YB-35 / ●YB-49 フライング・ウィング :全翼機大好きノースロップ社が第二次大戦終戦前後に開発した爆撃機。全翼機することで速度・爆弾搭載量を確保しつつライバルのB-36よりコンパクトにまとめようとした。
  • A-12 / ●YF-12 / ●SR-71 ブラックバード :マッハ3級高高度偵察機。その機体形状はブレンデッドウィングボディによる空気抵抗減少を狙ったもの。
  • F-15SE サイレントイーグル : F-15Eのステルスバージョン。コンフォーマル・タンクをウェポンベイ化して兵装を機内搭載とする等、ステルス性向上を意識した改良が施されている。
  • F/A-18 アドバンスド・スーパーホーネット :F/A-18Eのステルスバージョン。F-15SEと同じような改良が施されており、非公式に「サイレントホーネット」とも呼ばれる。
  • B-1B ランサー : 可変翼爆撃機。高高度爆撃機として開発されたが用兵思想の変化により量産されたのは低高度進入型のB-1Bのみ。B-1Aから改良するに当たりRCS低減が考慮された。
  • F-117 ナイトホーク:史上初の純・実用ステルス機。Fナンバーだが実態は攻撃機。
  • F-22 ラプター :F-15の後継機として開発された史上初のステルス戦闘機。第5世代ジェット戦闘機の方向性を決定づけた機体。
  • YF-23 ブラックウィドウII :F-22の対抗馬。ステルス性そのものはF-22の試作機YF-22を凌駕していたという。
  • X-44 / FB-22 :非公式にストライクラプターと呼ばれる、F-22をベースとしたステルス戦闘爆撃機プラン。無尾翼実験機X-44(計画中止)の機体形状を流用する案もあった。
  • X-35 / F-35 ライトニングII :F-22とハイローミックスする予定の多用途戦闘機。
  • X-32 :F-35(X-35)の対抗馬。アゴ。
  • B-2 スピリット :史上初の純・ステルス爆撃機。ステルス性のために全翼機形状を採用した、世界一高価な航空機。
  • A-12 アベンジャーII :計画中止となったステルス艦上攻撃機。はんぺん。
  • RAH-66 コマンチ :ステルス偵察・戦闘ヘリコプター。試作止まり。
  • UH-60のステルス改造型 :ウサマ・ビンラディンに投入された謎のステルスヘリ。ほむほむホーク


  • F-26 / SM-36 STALMA :ベンチャー企業「STAVATTI」が計画したアクティブステルス戦闘機。邪神

ロシア

  • 1.42 / ○1.44 :アメリカのATF計画(F-22/YF-23)に対抗して開発されたミグ製MFI計画機。資金不足でちょっと飛んだだけで開発終了。
  • S-32 / ○Su-47 ベールクト :スホーイ製MFI計画機。前進翼がステルスに向かなかったためニート化。
  • I-2000 :MFIとハイローミックスする予定だったミグ製LFS計画機。
  • Yak-201 :ヤコヴレフ製LFS計画機。Yak-141をF-35B風味にした発展型。
  • T-50 :MFI計画中止後に立ち上げられたPAK FA計画により開発されているステルス戦闘機。
  • LMFS :LFS計画の後釜となる計画。MiG-29の置換えを目指している。
  • Tu-160 ブラックジャック :ロシア版B-1B。本家と比べるとステルス性より速度性能を重視している。
  • PAK DA :ステルス爆撃機開発計画。

その他の国

共同開発


イギリス


ドイツ


フランス


ポーランド


ユーゴスラビア


日本

  • F-2 :かなり限定的なステルス性であり、原型機のF-16に比べればマシという程度のもの。
  • X-2

中国


北朝鮮


インド


イラン


UAV

UAV(UCAV)は有人機と比べて小型化・軽量化できるため、ステルス性を考慮した機種も色々と開発されている。


架空機

都市伝説


フィクション

記事のある項目のみ掲載(個人創作品を除く)。また、フィクションの世界では光学迷彩ステルス迷彩といった本記事内容とは全く異なるステルス技術が用いられることがあるので、それらの詳細は各記事を参照のこと。



関連タグ

ステルス戦闘機攻撃機爆撃機第5世代ジェット戦闘機

概要

戦闘機攻撃機爆撃機などで、ステルス性能(レーダーに探知されにくくする機能)を持つもの。

第5世代ジェット戦闘機にはアフターバーナー無しでのスーパーソニッククルーズ(超音速巡航)と共に欠かせない機能である。

(ちなみにアフターバーナーの炎も僅かにレーダー波を反射するという)


「ステルス」の実際

『レーダーに映らない=探知されていない』と認識される事が多いステルス機であるが、実際には『レーダーに捕らえられてるが、電波の反射が小さすぎて飛行機と認識されない』というのが正しい。

通常レーダーは「電波を発信し、対象から跳ね返ってきた電波を受信」して、その跳ね返ってきた電波の量から大きさや位置を測定してレーダースクリーン上に像として表示する。

  • イメージ

ステルス機の場合、レーダーから発信された電波を吸収したり、電波が発信されたレーダーとは別方向に電波を反射させるなどで、レーダーへ戻る電波の量を少なくすることにより、実際よりも像を小さく見せている。(=小さい物に見せかけている)


すると飛行機を小さい像(=虫や鳥の群れ、もしくは「ゴースト」という)として認識してしまい、無駄を省くため(もしくは性能の限界のため)にレーダーの画面から省かれてしまう。

これがあたかも映らないように見えるのである。


いくらステルス機といえど、レーダーに近づけばそれだけ反射する量も増えるため、いつかは探知されてしまう。

航空機におけるステルスとは『レーダー探知される範囲を大幅に縮小できる機能』といえる。


逆に言えば、構造などを把握されればステルスが意味をなさないものになってしまう事から、通常の航空機よりも機密性が高く、例え一般公開されていても見張りの兵士がついていて近づけない事がざらにある。ステルス機の輸出がなかなか進まなかったのもこれが理由にある。


ゴースト

つまり、『航空機の幽霊』という事である。

航空機として探知しているのに、実際には存在しない航空機を表示する事から。

ステルスとデザイン

ステルス機は、レーダー波を吸収する、あるいはレーダー以外の方向へ跳ね返すといった手法でレーダーをかいくぐっていることはすでに述べた通りであるが、現在主流となっているものは「レーダー波をレーダー以外の方向へ跳ね返し、それが不可能な部位ではレーダー波を吸収させる」というもの。

つまりは機体の外形がキモになる。


ステルス機のデザインといえば

  • カクカクしてて凸凹(F-117)
  • いやいやツルっとしてる ミサイルも仕舞っちゃうし(B-2 F-22)
  • ハッチとか細かい部分がギザギザ

などなどの特色があるが、これらは全て「レーダー波をレーダー以外の場所へ跳ね返す」為のデザインである。

飛行中の航空機は、一般的に概ね横方向からレーダーの放射を受けることとなるが、一見全く別物のデザインに見えるF-117もB-2もこれらのデザインは全て照射されたレーダー波を全く別の方向へ向けるためのデザインであること点は共通している。

ハッチやエンジンノズル、パネルの継ぎ目がギザギザであるのも、ミサイルなどを内蔵させるのもあらゆる角度でレーダー波をまっすぐ反射させる可能性を低減させるためである。

また、「元々純粋なステルス機として開発されたわけではないYF-12(A-12 SR-71)がレーダーに映りにくかった」とする逸話は、機体と主翼が滑らかにつながる一体的な形状とするブレンデッドウィングボディや機体側面に張り出したチャインと呼ばれる張り出し部が、「横方向(つまりレーダーがある方向)にレーダー波を反射させないため」であった。


ステルス機は形状以外に、機体表面の仕上げも従来機と比べてつるりとしていて念が入っているが、例えばリベットやビスが機体表面に飛び出ている場合、この部分に放射されたレーダー波が意図しない方向、つまり敵のレーダーの方向に戻るためで、ステルス機特有の仕上げはこれを防ぐためである。


総じて、ステルス機のデザインは「どうやって敵のレーダー波を発信源以外の向きに反射させるか」という課題に基づき「レーダー波の反射をコントロールする」ためのデザインといえる。


機体にレーダー波を照射し、発信源に戻ってきたレーダー波の強さの割合、つまり簡単に言えばレーダーへの写りやすさを表す尺度をレーダー反射断面積 RCS(Radar cross-section)で表される。単位は㎡である。

Bistatic Radar

一方でステルス機は通常の「発信と受信を1台で行うレーダー」には映らないものの、バイスタティックレーダーと呼ばれるレーダーでは、発信と受信をそれぞれ離れた場所で別に行うため、ステルス機であろうと捉えることは可能となっている。

これは、先に述べた通り「ステルス機も結局レーダー波を反射している」ためで、レーダー波の発信源には戻らなくとも機体が反射してどこかにやった(筈の)レーダー波を別の場所で捉えることができれば、それによって機体の存在を明らかにできるためである。

ただしこのレーダーは技術的困難や、何よりも「2台必要になるので、レーダー施設が大がかりになる」という短所がある。

PAK-FASu-35Sでは機首だけでなく主翼にもレーダーを内蔵することで限定的ながらも実現させる(予定)。

熱センサーとステルス

航空機を探知する方法は、レーダー(電波)のみならず熱線(赤外線)という手段もある。

熱機関(エンジン)で飛行する航空機が飛んでいれば多かれ少なかれ発熱=つまり赤外線を放出しているため、これを検知できればレーダーに映らなくとも存在を明らかにできる。

特に、ジェット機であれば強烈な熱エネルギーが放射される(アフターバーナーを炊けばより甚だしくなる)ため、高性能なセンサーを使えば条件次第では比較的遠距離でも検知することが可能である。

このため、アフターバーナーを使わずに超音速飛行ができる能力は大きなアドバンテージとなる。

また、例えばB-2爆撃機の場合は飛行機雲の発生を避ける意図もあるものの、エンジン排気を「冷やす」様々な工夫がなされており、下方からの熱探知を困難にするためにエンジンの排気口を機体上面に開けている。

ステルス塗料について

フェライトのようなステルス性を付与することができる磁性塗料(電波吸収材料:RAM)もあるが、実際のところはないよりはマシ程度のものである。

また飛行後に剥離した部分を塗装し直さなくてはならない為、(空気との摩擦やらで結構剥がれる。超音速飛行だと尚ひどくなる)塗料と手間ぶんのコスト高にもなるので、基本的にステルス性能は機体構造(RCS)が大部分を占める。

(それでも塗りなおさないわけには行かず、ステルス機の整備コストの増大を招く事となる)


フェライト塗料自体も、もともとは日本の巨大つり橋(瀬戸大橋など)が船舶レーダーに巨大な像を映し出し、「橋の向こう側が判らない」という事態を抑えるためにTDKによって作られたもの(対策)であり、そもそも戦闘機用に開発されたものではない(後述)。

ちなみに瀬戸大橋は、その大きさゆえレーダーに映ってしまうことが明白だったため、元々レーダーに映りにくくなるように考慮された構造となっており、塗料はそれでも出てしまう像を抑えるために使われている。


また、ステルス塗料について「米軍が日本の塗料(上記のフェライト塗料)を使ってステルス機(F-117)を完成させた」という話を聞くこともあるだろう。

実際にそういった報道がなされたこともあったし、その報道に関して国会答弁の話題に上がったこともあったが、答弁に応じた専門家から

航空機に塗って使うような物じゃない」(要約)

ステルス性能は塗料で決まるもんじゃない」(要約)

といった答えが帰ってきている。

そもそもF-117にフェライト塗料は『使うと重くなる』という理由で使われていない

(薄いコーティングフィルムを張っているのみである)


ステルス設計の理想

設計思想としては、

  • レーダー反射断面積(RCS)を少なくする。

 主に主翼(の付け根)がRCSを大きくさせる要因である。

 主翼の付け根は胴体と形状が交わる部分のため、レーダー波をよく反射するのである。

 これは、機体の機動性向上とは逆行する。

 従って前進翼やカナード(前翼)も不利である。

 B-2爆撃機のように尾翼を無くした例もある。

 エアインテークの入り口に電波の侵入を防ぐ金網を設置したり、インテーク内の形状を変更し、コンプレッサーのファンブレードに電波が当たらないようにするといった事も行われる。

 複雑な形状のコックピット内での電波の乱反射を防ぐ為にキャノピー表面にレーダー波を反射するコーティングを施す事も行われる。

  • レーダー波を吸収する機体塗装。
  • ミサイルなどの兵器を本体の格納庫(ウェポンベイ)やウェポンポッド等に格納する。
  • 赤外線熱の放射の抑制

・・・などがある。


初期ステルス機

第二次世界大戦の頃から八木アンテナによってレーダー技術が向上し、実用化されたが、イギリスで物資不足から合板によって作られた戦闘機デ・ハビランド・モスキートが結果的に、レーダーに探知されにくいことが判明。

これを受け各国でレーダー対策として木製戦闘機の開発が急がれたが、本格的に実戦使用可能な木製戦闘機はごく一部を除いて開発されないまま終戦となった。


冷戦を通して研究開発が続いてF-117ができたが、北朝鮮朝鮮戦争で木製の複葉機を実戦投入し、戦果は上がらなかったが、レーダー探知が困難であったと米軍側が記録している。

また北朝鮮は「自国のステルス機」として木製複葉機を現代でも配備している。


主なステルス機

無印・・・純粋なステルス機として開発されたもの

○・・・RCS低減のみ意識した機体(設計思想は従来機寄りor従来機ベース)

●・・・ステルス黎明期の低RCS機(ステルス性はあくまで副産物)


アメリカ

  • YB-35 / ●YB-49 フライング・ウィング :全翼機大好きノースロップ社が第二次大戦終戦前後に開発した爆撃機。全翼機することで速度・爆弾搭載量を確保しつつライバルのB-36よりコンパクトにまとめようとした。
  • A-12 / ●YF-12 / ●SR-71 ブラックバード :マッハ3級高高度偵察機。その機体形状はブレンデッドウィングボディによる空気抵抗減少を狙ったもの。
  • F-15SE サイレントイーグル : F-15Eのステルスバージョン。コンフォーマル・タンクをウェポンベイ化して兵装を機内搭載とする等、ステルス性向上を意識した改良が施されている。
  • F/A-18 アドバンスド・スーパーホーネット :F/A-18Eのステルスバージョン。F-15SEと同じような改良が施されており、非公式に「サイレントホーネット」とも呼ばれる。
  • B-1B ランサー : 可変翼爆撃機。高高度爆撃機として開発されたが用兵思想の変化により量産されたのは低高度進入型のB-1Bのみ。B-1Aから改良するに当たりRCS低減が考慮された。
  • F-117 ナイトホーク:史上初の純・実用ステルス機。Fナンバーだが実態は攻撃機。
  • F-22 ラプター :F-15の後継機として開発された史上初のステルス戦闘機。第5世代ジェット戦闘機の方向性を決定づけた機体。
  • YF-23 ブラックウィドウII :F-22の対抗馬。ステルス性そのものはF-22の試作機YF-22を凌駕していたという。
  • X-44 / FB-22 :非公式にストライクラプターと呼ばれる、F-22をベースとしたステルス戦闘爆撃機プラン。無尾翼実験機X-44(計画中止)の機体形状を流用する案もあった。
  • X-35 / F-35 ライトニングII :F-22とハイローミックスする予定の多用途戦闘機。
  • X-32 :F-35(X-35)の対抗馬。アゴ。
  • B-2 スピリット :史上初の純・ステルス爆撃機。ステルス性のために全翼機形状を採用した、世界一高価な航空機。
  • A-12 アベンジャーII :計画中止となったステルス艦上攻撃機。はんぺん。
  • RAH-66 コマンチ :ステルス偵察・戦闘ヘリコプター。試作止まり。
  • UH-60のステルス改造型 :ウサマ・ビンラディンに投入された謎のステルスヘリ。ほむほむホーク


  • F-26 / SM-36 STALMA :ベンチャー企業「STAVATTI」が計画したアクティブステルス戦闘機。邪神

ロシア

  • 1.42 / ○1.44 :アメリカのATF計画(F-22/YF-23)に対抗して開発されたミグ製MFI計画機。資金不足でちょっと飛んだだけで開発終了。
  • S-32 / ○Su-47 ベールクト :スホーイ製MFI計画機。前進翼がステルスに向かなかったためニート化。
  • I-2000 :MFIとハイローミックスする予定だったミグ製LFS計画機。
  • Yak-201 :ヤコヴレフ製LFS計画機。Yak-141をF-35B風味にした発展型。
  • T-50 :MFI計画中止後に立ち上げられたPAK FA計画により開発されているステルス戦闘機。
  • LMFS :LFS計画の後釜となる計画。MiG-29の置換えを目指している。
  • Tu-160 ブラックジャック :ロシア版B-1B。本家と比べるとステルス性より速度性能を重視している。
  • PAK DA :ステルス爆撃機開発計画。

その他の国

共同開発


イギリス


ドイツ


フランス


ポーランド


ユーゴスラビア


日本

  • F-2 :かなり限定的なステルス性であり、原型機のF-16に比べればマシという程度のもの。
  • X-2

中国


北朝鮮


インド


イラン


UAV

UAV(UCAV)は有人機と比べて小型化・軽量化できるため、ステルス性を考慮した機種も色々と開発されている。


架空機

都市伝説


フィクション

記事のある項目のみ掲載(個人創作品を除く)。また、フィクションの世界では光学迷彩ステルス迷彩といった本記事内容とは全く異なるステルス技術が用いられることがあるので、それらの詳細は各記事を参照のこと。



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