データ
開発元 | エストバキア先進企業連合 |
---|---|
全長 | 24.04m |
全幅 | 14.58m |
全高 | 5.03m |
重量 | 18,500kg |
エンジン | Marte type 11×2基 |
概要
初出は『エースコンバット6(以下AC6)』。正式名称は「CFA-44 ノスフェラト(Nosferatu)」。愛称のノスフェラトとは不死者や吸血鬼の意で、ルーマニア語が由来とされるが、実際のルーマニア語にはそのような意味の言葉は存在せず、様々な語源が唱えられている。
AC6でプレイヤーが使用出来る機体の中では唯一の架空機。
アネア大陸東部の連邦国家・エストバキア連邦の国営軍需企業「アルバストル・エレクトリチェ(Albastru-Electrice)」を中心とする先進企業連合が開発した次世代ステルス艦上戦闘機。
開発が開始されたのは2005年だが、その2年後にエストバキアが内戦に突入。開発プロジェクトそのものは東部軍閥が引き継いだが、ただでさえユリシーズ落着や内戦で国土が甚大な被害を被る中で莫大な予算が投じられて進められたためにマスメディアの非難の的となる。
しまいには愛称から「国民の血税を啜る吸血鬼」などと揶揄されたが、東部軍閥の支配下に置かれたエストバキアには言論の自由なるものは存在しなかったため、多くのジャーナリストが行方不明となったという。
機体自体はステルス機らしく全体的に扁平で垂直面を持たない形状を有しており、カナードはステルス性へ影響を与えないよう、小型の短冊状のものが主翼前縁と平行に取り付けられている。主翼形状はクランクト・カイトと呼ばれるもので、形状そのものはF-22などで採用された菱形翼に近いが、外延部がより外側に突き出ているのが特徴(例えるならF-117などが近い)。なお空母艦載機であるので、翼端部は折り畳み機構が設けられている。
また、F-18HARVやX-31、ATD-X 先進技術実証機のような三枚パドル式左右独立推力偏向ノズルを持つ。なおノズルについての設定は作品ごとに異なり、二次元式とも三次元式ともされている。
最高速度、加速性能、旋回性能の全てが高水準な機体で、普通に旋回するだけで他の機体のハイGターン並の急角度で方向転換が可能。
兵装も充実しており、カナード基部に航空機関砲を2基装備し、主翼下の半格納式パイロンにミサイルを搭載する他、機体上下三箇所の専用ウエポンベイに格納する最大12目標を同時攻撃可能な多目的ミサイル(ADMM)、レールガン(EML)、電子戦システムなど強力な特殊兵装を有する。さらに、CPU限定の機能であるが、多数のUACVとしてUAV-45「Malebolge」を単独のパイロットで管制する事もでき、同時にECMを展開する事も可能。
このように非常に優れたアビオニクスを有することから第6世代ジェット戦闘機の先駆け的存在とされている他、UAV-45とデータリンクすることでクラウドシューティングを実現し、空飛ぶアーセナルシップとして単独で戦線を支えることも可能。
唯一の欠点は安定性の低さであり、ハイGターンをするとボタンを離しても一定時間減速し続け急激に失速する。なお、設定上は当初レールガン運用を前提に安定性最優先で開発されていたが、開発途中にエースパイロット向けに大幅な改造がなされた結果、安定性を犠牲に速度と運動性の向上が行われたとされている。
また、それ故にパイロットにも高い適性を求める機体でもある。
難易度ハード以上のキャンペーンモードをクリアする事で入手できる隠し機体であり、その性能は他の機体とは比べ物にならない。
特にADMM装備時の殲滅能力は群を抜いており、敵が大量に出現する本作において非常に有難い。
その殲滅能力の高さから、オンラインではADMMの使用は不可能となっている。
エースコンバットシリーズの隠し機体の特殊兵装では初となるレールガンも、圧倒的な弾速と高い威力、意外に大きい当たり判定で慣れれば空の戦いが楽しくなるだろう。
特殊兵装の発射コードはADMMは「ドライブ」、EMLは「スラッシュ」。
ADMMは上下に撃ちだされてしばらくしてから誘導され軌道を変える為、地面付近やトンネル内などでは誘導出来ずに発射直後に障害物にぶつかるということが多く、使用の際には注意したい。
敵としての登場は、キャンペーンのミッション13後半にエストバキア軍エースのパステルナーク少佐が搭乗しガルーダ隊に戦いを挑んでくる時のみ。
ボスとしては耐久力が低いものの、強力なECM影響下で多数の無人機による波状攻撃に晒されながらパステルナーク少佐の驚異的な操縦能力により翻弄されるため苦戦は必至。間違いなく本作最強の敵である。
仲間を撤退させるため空に散ったパステルナーク少佐の最期と共に、プレイヤーの記憶には強く残る機体であろう。
DLCの最高難易度ACE of ACESでは度々ミッション最終局面で登場し、キャンペーン同様の強さを見せる。なおこの難易度の場合はパステルナーク少佐だけでなくヴォイチェク中佐が駆る形で登場する場合もある。
またUACVだけでなくアイガイオンの支援下であったり、Su-33との編隊で登場するステージもある。
各兵装の固有名はADMM「インフェルノ」、EML「プルガトーリョ」、IEWS/ECM「コキュートス」となっており、UAV-45「マーレボルジェ」を含めすべて地獄からの引用となっている。
コトブキヤのプラモデルにおいてはUAV-45を4箇所ある主翼下兵装ステーション部に専用パイロンを介して搭載可能であることが新たに設定され、1箇所につき3機懸架可能となった。
他シリーズにおいて
アサルトホライゾン
有料ダウンロード機として発売されている。
Windows版では最初から使用可能。
以下ダウンロード説明による説明文。
- 最新鋭の技術を結集して開発された、次世代ステルス艦上戦闘機。
左右に独立した2次元推力偏向ノズルによる圧倒的な運動性能に加え、
脅威の射程と威力を誇る汎用レールガンユニット、全方位多目的ミサイルなど、
戦時中に突貫でロールアウトしたユニークな試作兵器を搭載している。
「ノスフェラト(不死者)」の名が示す通り、その飛行特性に習熟したエースパイロットが扱えば、戦局を一気に覆す性能を持っている。
アサルトホライゾンではマルチロック関係のシステムが過去作とは変わったため、6とは違うADMMの扱い方が必要になっている。
また、EMLはリロード時間が大幅に延長され、6のような連射が不可能になっている。
マスターファイルASF-X
NATOコードネームは「ファンダンス(Fandance)」。
80年代に原型機と見られる機体がルーマニア黒海付近の衛星画像で発見され、ファンダンスと命名された。90年代には多くの衛星画像で捉えられるようになり、アフリカで墜落機の残骸がNATO軍により回収され、CFA-44の名前が明らかとなった。
2002年にはCFA-44と思われる2機の国籍不明機が日本への領空侵犯を行う「同時多発領空侵犯事件」を引き起こし、後にASF-Xが開発される要因のひとつとなっている。
イカロス・イン・ザ・スカイ
共和国の不死部隊専用機として登場する。
共和国が独自に開発した機体と言われているが、同国の技術を超えた高度なステルスなどにより高水準な機体になっていることから、第三国の技術流入の可能性が指摘されている。
艦載機として開発されたものの、失速しやすい欠点があったため不採用となり、改修されたものを空軍が少数採用したことで不死部隊の専用機となった。
自衛隊が米軍と共同で開発している無人戦闘機Q-X(クオックス)に関わる事件でASF-X震電Ⅱと交戦する。
未完成ながらEML(直撃しなくとも電子機器を破壊するEMP弾頭も装填されていた)の搭載は確認できたが、ADMMの搭載やUAVの管制が可能かは不明。
インフィニティ
キャンペーンモードミッション05『Far Eastern Front 極東戦線』にてカーミラと呼ばれるCFA-44が登場する。
初登場時には6の時と違い大量ではないが無人機を引き連れており、ADFX-01/02と同型のTLS(戦術レーザーシステム)を背部に積んだ無尾翼全翼機の無人機(MQ-90L Quox bis)を率いている。
MQ-90LはCFA-44の周辺を飛ぶ際はミサイルの迎撃を行い、編隊飛行中の撃墜はほぼ不可能。
無人機は遠隔操作ではなく、CFA-44から制御していることからパイロットは「蝶使い」と呼ばれる。
この「蝶使い」は若い女性のようで無邪気な言動が目立つが、戦闘中にもかかわらず楽しそうに鼻歌を歌い、後述にもあるようにベイルアウトしたパイロットをも撃ち殺すという残酷極まりない性格をしている。また、彼女が口ずさんでいる鼻歌はマッピー(1983年にナムコが発表したアーケードゲーム)のBGMであり、この事から戦いをゲームとして楽しんでいるような節が見受けられる。
その為か、テログループ構成員からは「ゲイマー」とも呼ばれている。
ADMMやEMLといった強力な武装は積んでいないが、随伴するMQ-90LのTLSによりミサイルが迎撃され、桁違いの超機動もあって撃墜は困難。
ただ、何らかの理由から超機動は短時間しか維持できないようで、一定時間経過すると機動力は大幅に落ちる。
MQ-90LのTLSはミサイルの迎撃以外に一定範囲内のパイロットのフライトヘルメットのバイザーに反応して照射するようになっており、ベイルアウトしたパイロットも無差別に攻撃する。
劇中ではこれにより、リッジバックス隊の1番機であるスラッシュが被弾によるベイルアウトの直後にレーザーにより殺害されるという悲惨な末路を向かえている。
東京上空で交戦したリーパーにより撃墜され、乗員は脱出することなく機体は爆散したがミッション終了後に流れるムービーにおいて生存が仄めかされている。
そしてミッション07の『Area B7R 円卓の鳥』にて再登場。MQ-90Lのレーザーで国連軍部隊を一掃した後にボーンアロー・リッジバックス両隊と交戦する。交戦の末に再び撃墜されるが、戦闘中での会話や捕虜となったテログループのパイロットからの証言によりこの機体の正体が判明する。
この機体はQFA-44 “カーミラ”という名称で、CFA-44の改良型にして派生機にあたり、この機体もまた無人機である。「蝶使い」はこの機体を低軌道衛星を中継して遠隔操作している。
彼女はAIらしきクヴァシルと共にパピヨン・プロジェクトのマーキングが施された人工衛星から遠隔操縦しており、コフィンシステムと神経接続を用いていると思われる特殊な操縦システムを用いている。
東京上空で初登場した際も、よく見るとキャノピー内のコックピットはコフィンシステムのように複数のカメラが備え付けられた装置で完全に覆われており、特殊な機体であることがわかる。
制限時間も中継衛星の軌道の都合から通信半径が制限されており、更に通信ラグの問題があるからと思われる。
撃墜された際の「蝶使い」の発言に「一機減った~」、「もう一回コンティニュー」等があるが、これは蝶使い当人がゲーム感覚で交戦していることに加え、無人機という事も意味している事が判明した。
未だに謎も多く、リーパーを遊び相手と見定めていることもあり、今後のストーリーにも関わってくると思われる。
なお、ミッション01『迷い蝶 Lost Butterfly』にてMQ-90との交戦の際、無線に鼻歌のようなノイズが混線しており、作戦後に高空で所属不明機が確認されていることからこの時点で無人機を操っていたと考えられる。
オンライン協同ミッションではモスクワ、エリアB7R、アドリア海の緊急ミッションでランダムに登場。
また、非常召集の最高難易度(通称『黒』)でも登場し、
キャンペーンミッション07と同様に大量のMQ-90Lを率いているが、遊んでいるキャンペーンと違い本気モードのようで無人機の数は倍以上に増えており、更に桁違いの高機動を見せ、特殊兵装としてADMMを搭載している。
鼻歌はマッピーではなくスカイキッドとなっている。
2015年6月期の期間限定ドロップの特別機体CFA-44-Strigon Leader-として先行登場。
カラーリングは6に登場した新生シュトリゴン隊隊長イリヤ・パステルナーク少佐の仕様固定で、尾翼のエンブレムも固定となっている。
通常機体ツリーには2015年9月18日のアップデートにて追加。
特殊兵装はADMM、EML、ECMの三種から変更なし。
ADMMは12発発射可能だが、ロックオン可能なのは6目標まで。
誘導性能も押さえ気味となっている
前作までにあったハイGターン時の急激な失速は比較的抑えられており、高コスト機体に見合う高性能機となっている。
通常機体はツリー右端だけあって入手コストは高価となっているが、特別機体と比べると比較的強化コストは安価となっている。
特別機体は入手コストは低いが、強化コストは膨大なものとなっている。
QFA-44及びCFA-44プロトタイプカラーは2015年9月時点では入手不可能。
蝶使いのエンブレム「バタフライマスター」は期間限定イベント上位入賞もしくは殊勲飛行メダル交換により入手可能。
二種類あるが、特殊効果以外の違いは無い。
MVP取得時のBGMとしてマッピー(#1)またスカイキッド(#2)の鼻歌が流れる特殊効果を持つ。
7
エースコンバット シリーズ25周年記念DLCの追加機体として2020年10月28日に配信。
機体特性は6に近く、安定性が少し低く失速からの回復がしづらい機体。
兵装はADMMが『6』仕様の12発一斉発射を持って1発とする弾数でなく予め決められた弾数からロックした数まで最大12発発射する方式に変更、EMLは威力が他機体の半分となった代わりに2連射できる方式に、ECMがIEWS(Integrated Electronic Warfare Syetem:統合電子戦システム)へと強化改修が施されECMとESMを同時に展開する兵装となっている。IEWSの使用で一定時間広範囲の敵ミサイル誘導能力を低下させ、自機のミサイル誘導能力の強化を行う。
機体カラーは灰色を基調としたオーシアスキンと上面は青系迷彩で機体下面はグレー単色のエルジアスキンの他、オーシアスキンを基としたメイジスキン・スペアスキン・ストライダースキン、6に登場したパステルナーク機カラーを再現したシュトリゴンスキン・プロトタイプカラーを再現したスペシャルスキンを用意。
後に別のDLCを購入することで、インフィニティに登場した蝶使いのスキンを使用することができる。
余談
機体名の「CFA」とは「Carrier Fighter Attacker(艦上戦闘攻撃機)」の略称。残りの「44」は搭載する2基のレールガンを.44マグナム弾を使用する二丁拳銃に見立てて名付けられた。
デザインこそ先に決まったがSu-27などの大型機と比較するとボリューム不足が感じられたため、全長24mという大型戦闘機としてスケールアップされたが、後に『7』に実装する際はそれが仇となってハンガーに入らないという懸念が生じてしまったという(なお結局はギリギリで収まった)。