概要
初登場は『エースコンバットX Skies of Deception』。
レサス民主共和国が開発した特殊攻撃機。空中要塞グレイプニルの技術を応用しており、光学迷彩によるアクティブステルス能力を持つ。
形式番号は長らく不明だったが、2015年5月14日の『エースコンバットインフィニティ』のアップデートにてXFA-33と新たに設定された。
アーケロン要塞に配備された機体は全機グリフィス1によって撃墜され、展示機は暴徒化したレサス国民に破壊されたことでレサスの生産した全ての機は喪失したが、オーレリア軍が回収した残骸から研究目的で再生された機体が存在している。
デッドコピー機は完全な再生は出来なかったためVTOL能力や光学迷彩などは失われており、STOL能力を持つのみとなっている。その代わり余分な機材が積まれていないためか、オリジナルの機体より運動能力が向上している。
名前の由来はフェンリルで、英語表記もFenrir。
外形
VTOL能力を持つ3発機。左右のエンジンは左右に稼動する2次元ベクタードスラストノズル付きであり、中央のエンジンがVTOL用に下90度に稼動するようになっている。
機体形状は、台形のカナード、翼端に下反角のついた主翼、少しだけ上向きの角度がついた水平尾翼のスリーサーフェイスになっている。ヨーイングは上記の推力偏向機能を使って行われる。
大型の機体ではあるが光学迷彩用に必要な電力の確保は外部電源に任せており、レサス領のアーケロン要塞からのマイクロ波送電により電力を確保している。
光学迷彩の為にコックピットはCOFFINシステムと呼ばれる密閉型全周モニター式コックピットとなっている。
兵装
- 機銃
コックピット左右側面に2門配置。
- 短距離空対空ミサイル
光学迷彩を使用するためにウェポンベイに全て格納される。
- 光学迷彩
グレイプニルに装備されたものと同じく機体表面の映像素子によって背景映像を映し出すことで視覚に対するステルス機能を発揮する。
機体ダメージの増大、もしくはアーケロン要塞のマイクロウェーブ送電施設の破壊などがあると迷彩を展開できなくなる。
- HPM(High-Powered Microwave weapons)
アーケロン要塞からの送電用マイクロウェーブを利用し、自機と要塞の2か所からのマイクロ波の照射により共鳴現象を起こし、目標のジェット燃料を急激に加熱することで爆破する。
一定時間照射する必要があり、共鳴現象を起こしているマイクロ波の交点にプラズマ状の火球が生じることから、高速で飛行していれば回避は可能になっている。またコバルトコーブからの衛星監視があるかないかで照射精度に差が生じる。
- 長距離空対艦ミサイル(LASM)
オーレリアが復元した機体に装備される。
- 高性能中距離空対空ミサイル(XMAA)
オーレリアが復元した機体に装備される。
- LSWM(Long range Shock Wave Missile=長距離衝撃波弾頭ミサイル)
グレイプニルのSWBM(Shock Wave Ballistic Missile=衝撃波弾道弾)を小型化したような兵器で、特殊な燃料気化弾頭を積んだ長射程ミサイル。広域制圧を可能とする。
超兵器ではあるがオリジナルの機体には装備されておらず、オーレリアが復元した機体で運用される。
プレイヤーの選択による変動
『エースコンバットX』ではプレイヤーの選択によってミッション内容が大きく変動する。最終ミッションに登場するラスボス機であるフェンリアも例に違わずその影響を受ける。
プレイヤーはMission12をクリアした後、Mission13もしくはMission14のどちらかを選択することになるのだが、その前のムービーで「敵のエース部隊と、フェンリア用新型兵器がアーケロン要塞に向かっており、どちらか一方のみを阻止することは可能である」という趣旨の説明が入る。
- Mission13を先に選んだ場合
Mission13Aにてレサス軍のエース部隊である「アレクト隊」の搭乗するS-32と対決することになる。
クリアすればすぐにでも最終ミッションであるMission15Aを選択することが可能になる。このときの4機編隊のフェンリアはHPMを装備しており、高速戦闘を強いられるほか、ダメージ蓄積以外に光学迷彩を解除する方法がない。
最終ミッションの前にMission14Bを選んでコバルトコーブへ侵攻し、マイクロウェーブ兵器の照射精度を下げることが可能。
- Mission14を先に選んだ場合
Mission14Aにてマイクロウェーブ兵器を積んだ輸送船とコバルトコーブの倉庫群を破壊することになる。
クリアすればすぐにでも最終ミッションであるMission15Bを選択することが可能になる。このときの4機編隊のフェンリアにはアレクト隊が搭乗しており、見えない機体を相手にレベルの高い巴戦を強いられる。また、ミッション終盤には要塞内部に5機目のフェンリアが登場する。
最終ミッションの前にMission13Bを先に選んで敵の海上戦力を削ぎ、揚陸部隊が送電施設に辿り着くまでの時間を短縮することが可能。
活躍
オーレリア軍が首都グリスウォールを奪還した後、レサス領ダナーン諸島方面へ逃走したレサス軍司令官ディエゴ・ギャスパー・ナバロの追跡任務でセントリー島へ向かっていたオータス隊のF-117を撃墜したことをきっかけに存在が明らかになる。
その後、オーレリア軍のセントリー島アーケロン工場要塞への侵攻に際して、この機のお披露目のためのセレモニーが開催され、要塞での戦闘が全世界中継されることとなる。
しかしながら、反攻作戦の中心にいたグリフィス隊やアクィラ隊を中心とした混成飛行隊との戦闘によって迎撃に出た全てのフェンリアは撃墜、防衛対象の要塞の崩壊まで含めて醜態をさらした。
それと同時にナバロがレサスへの食糧支援金を横領し軍部にスポイルしていたことが明らかとなったことでレサス国民の怒りが爆発、セレモニー会場のスタジアムに展示されていたフェンリアも国民を飢えさせた元凶として徹底的に破壊されてしまった。
以降のシリーズのフェンリア
時代設定では『3』以外の作品で最後に当たるためか、ストレンジリアル世界の作品には一切登場していない。
- 『エースコンバットX2』
特定のステージで条件を満たすと敵機として登場。
プレイヤーも使用可能で、特殊兵装は『X』での3つのほかにSFFSの搭載が可能となっている。
『X』ではできなかったカスタマイズも可能となったが専用パーツはない。
- 『エースコンバットインフィニティ』
2015年5月のアップデートで実装。
「南半球の小国の軍産複合体が技術力を誇示するために開発したデモンストレーション機で、開発拠点の陥落後に某国が研究目的で再生させた」と『X』の開発経緯を現実世界に置き換えた設定になっている。