HAKAISHA
はかいしゃ
体毛や鱗のようなものは一切無くなめらかな体表に六本の脚、カエルに似た鳴嚢、骨ばった顔、真っ黒な目を持つ白みの強いグレーもしくは肌色の体色をした巨大生物。アメリカ国防総省では“LSA(Large Scale Aggressor:大規模侵略生物)”のコードネームで呼ばれる。
頭部は口吻が極端に短く丸い形状をしている。口器は上下に大きく開き、硬質な唇の縁自体が鋭いギザギザの歯をなすが、口内にも別に歯が生えており、また、多くの既知の陸生脊椎動物の多くと同様よく発達したピンク色の舌が備わっている。
先述通り6本の脚を有するが、歩行は大きく長く発達した前脚と鳥脚状に屈曲している後脚による4足歩行であり、最も小さい腹部の中脚は歩行にも作業にも用いられない。
肉食性であり、クジラや人間を捕食する。
口の他に、脚の間に「体外食道」と呼ばれるチューブ状の器官があり、そこから小型生物を吸い上げて捕食することもできる。
アメリカ映画に登場する怪獣としては珍しく非常に耐久力が高く、銃撃は勿論、アメリカ軍のM1エイブラムスの砲撃やF/A-18、B-2による爆撃も通用しなかった。
その正体は過剰進化を遂げた深海生物(長らくファンの間では地球外生命体と言われていたが、制作を手掛けたJ・J・エイブラムスにより否定された)。
劇中に登場する個体の年齢は数千歳と予想されているが、それでもまだ若い個体であるとされており、非常に長命な生物であることが推測される。
ここまでの巨体に成長したのは、強い依存性と成長促進作用のある物質「海底の蜜」を大量に摂取したため。
劇中ではニューヨーク時間2009年5月22日(金)深夜11時42分頃、ニューヨーク市マンハッタン島南端沖の海中から突如として出現。
石油タンカーを転覆させ、上陸するや自由の女神の頭をもぎ取り持ち去った後、約15分後ロウワーマンハッタンで高層ビルに向けそれをぶん投げるというとんでもない行為をした後、マンハッタン島に上陸。ビル街を蹂躙しミッドタウンへと侵攻する。
その後アメリカ軍の攻撃をものともせずに破壊の限りを尽くし、最後は翌23日(土)、アメリカ政府の認可の元発動された焦土作戦「ハンマーヘッドプロトコル」によりマンハッタン島もろとも大量破壊兵器(劇中での描写から核兵器の可能性が高い)による攻撃を受け「倒された」。
なお、映画公開前のプロモーション映像によれば、映画本編に先立つ2007年12月27日、先述したタグルアト社のチュンアイ油田が崩壊した後、その残骸が海中から勢いよく吹き上げられたのだが、その際HAKAISHAの鳴き声と思わしき声が記録されている。
エンドクレジット後、ビデオテープに記録されていたと思わしき「ある音声」が流れる。これは普通は「Help us(助けて)」と聞こえるが、逆再生した場合「It's still alive(奴はまだ生きている)」になる。この音声からHAKAISHAは倒すことができなかったともとれる。
なお、映画『パシフィック・リム:アップライジング』の基地に表示された怪獣のアイコンとして少しだけ登場している。