概要
使役者が何らかの理由で変身できない時などに使役者に代わって怪獣・宇宙人等と戦う正義の怪獣のこと(のちの作品では悪のカプセル怪獣も登場する)。
二つ名の通り普段は小さなカプセルに収縮されている。
それぞれ異なる星の異なる生物であるため、外見や能力も全く別々である(セブンの使役するカプセル怪獣は全てM78星雲系の惑星の生まれで統一されている)。
ドラゴンボールのホイポイカプセルやポケットモンスターシリーズの元ネタになったことでも有名。ちなみに後に円谷プロはさらにポケモンの設定を逆輸入したような作品を作った。→ポケトラマン
ウルトラセブン(モロボシ・ダン)が使用するウインダム、ミクラス、アギラが有名だが初期設定では「ウルトラQやウルトラマンの時代では暴れ者だった怪獣たちもウルトラセブンの時代では地球の味方」という趣旨からペギラ、レッドキング、アントラー、パゴスが登場する予定だった。
この設定の名残か、セブン第1話でアップになったケースの中には、カプセルが五つ並んでいた。ウインダム、ミクラス、アギラ以外の“残り二つのカプセル”に入っていた怪獣については、その後も作品内では語られていない(このうち1つはイカルス星人と対峙した際に喪失してしまっている)。前述したように平成セブンでは人間を入れていた事から、もしかしたら空(あるいは予備)なのかもしれない。
なお、漫画『STORY0』では“ミンティオス”というテレビ本編には登場しなかったガス状のカプセル怪獣が登場しているほか、『ウルトラ怪獣擬人化計画 feat.POPComiccode』では、イカルス星人が上記の紛失したカプセルを秘かに回収し、最後の切り札として使用しようとするも、ゴドラ星人の妨害(?)に遭い失敗するという場面があった(こちらでは、カプセルは最終的にゴドラ星人に回収されているが、中身が何だったのかはやはり最後まで謎のままであった)。
ちなみにセブン本編ではどのカプセルに何が入っているかは特に決まっていなかったようで、基本的に出す度にカプセルの色が変わっている(特に多かったのは黄色のカプセルで、3匹全員に使われている)。
またケースに入っていなかった色のカプセルが使われたこともある。
既にカプセル怪獣として使役されている怪獣も中身の怪獣を貸し与えるという形でバトルナイザーにも収容可能である。『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEVER ENDING ODYSSEY』ではウルトラセブンがレイにミクラスを一時的に貸し与えていた。
コロタン文庫刊「ウルトラ怪獣全百科」によればセブンの使役するカプセル怪獣の出身地に住む怪獣は非常に温厚な性質らしく、動物園(というよりサファリパーク)のようなものとして利用されているらしい。
『DARKNESSHEELS-Lili-』では、戦闘員ではない恒点観測員を補助するために生み出された存在であるとされ、更には「怪獣をカプセルに封じる」という技術が後のウルトラカプセルやウルトラメダル等の「ウルトラマンの力を封じる戦闘用アイテム」の技術の開発に大きな影響を与えた可能性が示唆されている。
なお、ベリアルはカプセル怪獣について「あれは1分ほどしか持たないゴミだった」と酷評していたが、カプセル怪獣に活動制限が設けられているという設定はない。後述のセブンガーあたりと混同してしまっていたのだろうか?(もしくは戦闘力が低すぎて戦っても1分程度しか持たなかったという意味合いだったのかもしれない)
あるいは、ベリアルは光の国を追放され数万年にわたって幽閉された上に宇宙制覇のための戦いに明け暮れるあまり、最近の光の国の技術レベルを把握しきれていなかったため、彼がまだ光の戦士だった当初の記憶から語っていたとも受け取れる(無論ベリアルが光の戦士だった頃のカプセル怪獣の活動限界時間が、本当に1分だけだったのかは推測の域を出ない)。
活躍
役目は(大体ウルトラアイを落としたり盗まれたりして変身できない際の)時間稼ぎや様子見であり、敵との相性の悪さなども相まってイマイチ活躍できないケースが多い。
この関係か基本的には1体しか呼び出さず、よほどの緊急事態でもない限り複数体呼び出す事はない。『ウルトラ銀河伝説』超全集の解説では、3体を同時に召喚するのは稀と記載されている。
ただし、それから遥かな未来での『ウルトラ銀河伝説』ではこれまでの扱いが嘘だったかのような高い戦闘力を見せベリアル配下の怪獣を、『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』ではアブソリューティアンの一般兵相手とはいえ完勝してみせている。
活躍は専ら防衛チームがいない場面であったため、地球人からどう見られていたのかは長らく不明だったが、『ウルトラマンメビウス』においてちゃんと「人類に味方した怪獣」と認識されていた事が判明した(だからこそ後述するマケット怪獣に選ばれている)。
光の国以外のカプセル怪獣
ウルトラマンゼアス
Z95星雲・ピカリの国でもカプセル怪獣の技術が運用されている。劇中ではミラクロンが該当する。
ウルトラ戦士が戦えない時に代わりに戦うという扱いは同じではあるものの、この星においてはカプセル怪獣を与えられることは戦士として認められたものの証であり、特訓にも利用されるという点が光の国のカプセル怪獣との主な違いである。これとは別にペット怪獣(別名は全て「封印怪獣」)も存在し、こちらはゲーム版にてお助けアイテムとして登場した(一応は戦えるようだが、コミカルな容姿をしていてあまり強そうには見えない)。
一方で、ベンゼン星人側にもカプセル怪獣の技術が存在し、劇中ではクラオスというベンゼン星の衛星に住む怪獣を改造し、カプセル怪獣としたダークラーが登場している。
その他円谷作品におけるカプセル怪獣
ミラーマン
インベーダーの使役する悪のカプセル怪獣としてカプセル冷凍怪獣コールドンが登場。
円谷作品では初となる悪のカプセル怪獣で、ウルトラシリーズに悪のカプセル怪獣が登場するのは「ザ☆ウルトラマン」まで待たねばならない。
恐竜大戦争アイゼンボーグ
宇宙の平和を守るスペリオ星人の青年ムサシのパートナーとして銀河連邦獣ゴールダが登場。
分類こそカプセル怪獣ではなく、十字型のペンダントから出現する設定だが、ポジションはカプセル怪獣と全く同じである。戦闘力も高めで、必殺技は「腕をL字に組んで放つ光線」である。
ゴッテスとの決戦に臨むアイゼンボーと共闘するも、ゴッテスの投擲した岩石を食らって死んでしまった。主人のムサシもゴッテスの弱点を破るために絶命してしまった。
これまでに登場したカプセル怪獣
ウルトラセブンに登場
ミラーマンに登場
コールドン(カプセル冷凍怪獣)
ウルトラマンレオに登場
セブンガー(怪獣ボール)
恐竜大戦争アイゼンボーグに登場
ザ☆ウルトラマンに登場
ウルトラマンゼアスに登場
ウルトラマンSTORY0に登場
マケット怪獣
ウルトラマンメビウスに登場する、人類が扱うカプセル怪獣で超絶科学メテオールの1つ。
詳細はリンク先を参照。
ディメンションカード怪獣
ウルトラマンデッカーに登場するカプセル怪獣の亜種。
ミクラス、アギラ、ウインダムの姿が確認されている。
余談
- ウルトラマンレオではセブンが地球に常駐することになったのだが、カプセル怪獣の出番はなかった。裏設定だとダンがセブンへの変身能力を失ったことでカプセル怪獣も使用不能になったとか言われていたりはする。もっともセブンに変身できない時のためのカプセル怪獣なのにそれでは矛盾が生じてしまう、と思いきや変身能力がある上でやむを得ず変身できない場合に使用するため別に矛盾は生じないのである。
他メディアでの活躍
ウルトラ怪獣擬人化計画
ウインダム、ミクラス、アギラ、セブンガーが擬人化されている。
デザインを担当したのはVOCALOIDの動画・同人アルバムなどでイラストを手がけていることで有名な富岡二郎氏。セブンガーに関しては今のところ不明だが、恐らくこちらも富岡氏が担当している可能性が高いと言われている。
4体同時に発表されたわけではなく、最初にウインダムが、やや遅れてミクラスとアギラが発表され、その数年後にセブンガーが発表されてようやくそろい踏みするという形になった。
なお、pixiv上に富岡二郎氏本人のイラストが投稿されている。
アニメ版
公式サイトでは開設当時、LOAD画面にカプセル怪獣3体が登場していたほか、公開されたPVでもセンターを飾るなど大プッシュを受けている。このことから、ストーリーの中心的存在になるのではないかと思われていたが、後日、デザインを担当した富岡氏のツイートにより、どうやら本当にカプセル怪獣が主役に抜擢されたらしいことが判明し、カプセル怪獣ファンを喜ばせた。
その後、詳細が発表され、主人公がアギラであること、担当声優はアギラ役が飯田里穂、ミクラス役が鈴木愛奈、ウインダム役が遠藤ゆりかであることが発表された。
主題歌もこの3名がユニットを組んで担当する(ユニット名は「かぷせるがーるず」)。
この作品でカプセル怪獣が大きな注目を集めたことが、後年セブンガーの追加参戦に繋がった可能性は高い。このままセブンガーにも是非ともアニメへの登場を期待したいところだが、果たしてどうなるだろうか…。
コスプレ戦士キューティ・ナイト
ガメラがカプセル怪獣として登場した。
湯浅憲明が(『ミラーマン』への参加が叶わなかった末に)『ウルトラマン80』や『アニメちゃん』や『コメットさん』に参加していたことや(『コスプレ戦士キューティ・ナイト』でガメラの演技指導をしたのも湯浅である)、平成ガメラ3部作が『ウルトラマン80』と『ウルトラマンパワード』と『ウルトラQザ・ムービー星の伝説』や『ウルトラマンマックス』と関わりがあったり、『宇宙怪獣ガメラ』が『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』の影響を受けていたり(実相寺昭雄は平成ガメラ3部作と関係性がある『ウルトラQザ・ムービー星の伝説』と『ウルトラマンマックス』にも携わっている)、『ウルトラマンティガ』と『小さき勇者たち~ガメラ~』と『デジモンテイマーズ』が「小中ガメラ」から派生した姉妹作品であったり、平成ウルトラマン以降のウルトラシリーズと平成ライダー以降の仮面ライダーシリーズが平成ガメラ3部作の影響を受けていたり、ガメラや敵怪獣を意識したウルトラ怪獣や『ウルトラQ』のキャラクターが複数登場していたり、平成ガメラ3部作を意識した演出面のオマージュが見られるなど、製作面で何かと関係性がある。
バトルスピリッツ
アギラ、ウインダム、ミクラスがコラボブースター「ウルトラ怪獣超決戦」にて登場。
コストはいずれも3で軽減シンボルは1つ。属性は右から赤、白、青となる。
原作でのピンチヒッター設定を意識してか、ライフ減少時に手札からノーコスト召喚できるという擬似バースト効果を持っている。
乱用しすぎると自分のライフが0になるという弱点を抱えているが、この点は絶甲氷盾と組み合わせればカバーが可能。ブロッカー兼軽減シンボル要因としてカプセル怪獣を呼んだのちにライフを回復しながら、アタックステップを強制終了させるといったコンボが使えるようになる。
また、アギラとミクラスはウルトラマンエックスとも相性が良く、破壊されてもトラッシュから回収可能。
酩酊!怪獣酒場2nd
第31話でセブンに登場した三大カプセル怪獣が登場。
芸人トリオで活動しているが、カプセルから巨大化する芸を得意としているが、周囲からは「つなぎ」程度にしか思われていないという盛大な自虐ネタを披露している。
その後、電力会社にスカウトされて電線を「つなぐ」職業に就職した模様。
余談2
伝説級のクソゲーと称されるSFCのRPG『ガイアセイバー』、実はこのゲームでは攻撃アイテムとして登場するカプセル怪獣が鬼神のごとき大活躍を見せるのである。
とにかく攻撃が当たりにくいことで知られるゲームであるが、
・命中率100%
・攻撃力が高い
・回数無制限かつ誰でも使える
という強力なアイテムになっている。
そのため、最初に入手できる「アギラカプセル」さえ手に入れば後はずっと楽になってしまうのである。
後に「ウインダムカプセル」「ミクラスカプセル」も入手できるが、同時入手のため攻撃力の高いミクラスしか使う必要は無い。
ウインダムの存在価値って一体…。
さらに余談だが、データ上はセブンガーを呼び出せる「セブンガーボール」も存在する。
ゲーム中で入手手段の無い没アイテムだが、「ミクラスカプセル」よりも攻撃力が高い。