曖昧さ回避
ワイドショットとは、円谷プロの特撮番組『ウルトラセブン』で、ウルトラセブンが使用する必殺技である。
概要
初登場は第13話「V3から来た男」で、アイスラッガーとエメリウム光線を防いだアイロス星人に対して放ち見事に撃破した。アイロス星人を倒したほか、ペテロを吹き飛ばしたりもしている。
アイスラッガー、エメリウム光線に並ぶウルトラセブン最大の必殺技。
腕をL字型に組んで発射される、いわばセブン版スペシウム光線と言える代物だが、その威力は先の二つの必殺技と比べてもかなり強力である。その反面、非常に多くのエネルギーを消費するため、通常ほとんど制限時間が無いセブンでも使用後には活動時間1分というハンデを抱えることになる。このことから滅多なことでは使わない。
セブン最大の必殺技という触れ込みなのだが、その割には本編では円盤やロケット、はたまたウルトラガンでも倒せるユートムなど明らかに怪獣よりも貧弱そうなものを対象に発射する場面が多い。エネルギーの無駄遣いのような気がするが…。
また昭和での客演時はエメリウム光線がセブンの代表的な光線技扱いされていることが多い。ウルトラ兄弟が必殺光線を一斉に放つときでもほとんどの場合ワイドショットではなくエメリウム光線を使っており、あのグランドキングに対してすらエメリウム光線を使っている。ゾフィーがM87光線を惜しげもなく連射してる時にそれはないんじゃないか?
初登場でアイスラッガーとエメリウム光線が効かない相手を倒すなど、最初からセブン最強技として設定されてはいたものの、その後の扱いがどうにもちぐはぐで、本格的にセブン最強の光線技としての地位を確立したのは平成以降であった。
派生技として光線を三分割して撃つ「スリーワイドショット」(フック星人を撃破)と両腕を広げ通常より多めにエネルギーをチャージして放つ「ネオ・ワイドショット」(サルファスを撃破。『スーパーヒーロージェネレーション』でも使用)がある。
技名に変わりはないが、『ULTRASEVENX』では光線が分裂して敵を取り囲むように命中させたこともあった。
『ウルトラマンFighting Evolution Rebirth』ではダブルバイセップスポーズでプロテクターにエネルギーを貯めてから発射するという流れになっており、「ネオ・ワイドショット」とも一部演出が似通っている。
『ロストヒーローズ』ではアイスラッガー投擲後に発光した両腕をL字に組んで発射(光線が出るのは右腕だけだが、支えになっている左腕も発光したまま)。
なお平成以降の作品では腕を組んで発射するタイプの光線技がメジャーとなったこともあってか、昭和での出し惜しみが嘘のようにジャンジャン使用している(多い時は一度の戦闘で数回も使っている)が、その分セブンが強くなってきているという事だろうか…
セブンは当初戦闘員ではなくあくまで調査員であり、本編終了後正式に宇宙警備隊員になってから鍛え直したのかもしれない。
反面、エメリウム光線やアイスラッガーが決め手として使われることは少なくなり、どちらかというと戦闘中に繋ぎ技として使われることが多くなっていった。
通常は技名は言わないが、『ウルトラファイトオーブ』のタイラント戦ではゼロのワイドゼロショット、エメリウムスラッガーのワイドスラッガーショットと共に技名を叫びながら発射している。
なお、『ウルトラファイト』のウルトラセブンも似た構えの技を持つが、あくまでも発射するのは怪電波なので注意。
討伐怪獣目録
セブン本編
アイロス星人 ペダン星人母艦 ユートム カナン星人母艦 シャドウマン母艦 ペテロ ペガ星人母艦 ペロリンガ星人戦闘円盤×6 フック星人×3(スリーワイドショット) 第四惑星地球侵略ロケット×約15~25
(劇中描写で最初にいた9機+次に出た6機、バンクシーンの5機2ループで10機を全て倒したと仮定)
計6体+撃墜15~35機
ピット星人母艦 メトロン星人 ヴァリエル星人 サルファス(ネオ・ワイドショット) バンデラス ヴァルキューレ星人 ボラジョ ガルト星人
計7体+迎撃1機
「船」
グラキエス…圧倒的個体数のため、撃破数不明
計測不能
メビウス以降
計2体(4/3体?)
類似の技
腕をL字に組む構え方は、スペシウム光線の十字に組む構えと並び他のウルトラ戦士の光線技に使われる事が多い構え方である。基本的には十字かL字のどちらか片方ということが多いが、ティガやネクサスのように両方を持つ戦士や、コスモスやエックスのようにどちらも使用しない戦士もいる。
ここでは、L字光線、逆L字光線を
ウルトラの父 | ファザーショット | 時系列的にはこっちが先かも。 |
ゾフィー | M87光線Bタイプ | |
ウルトラマン | 名称不明のL字型光線 | 『タロウ』と『レオ』の客演時、合体光線を放つ際に使用。厳密には左腕を右肘の前に置く形 |
ウルトラマンジャック | シネラマショット | |
ウルトラマンエース | メタリウム光線 | |
ウルトラマンタロウ | タロウショット | 映画『ウルトラマン物語』で少年時代のタロウが使用した光線。 |
ウルトラマンジョーニアス | プラニウム光線B | |
ウルトラマン80 | サクシウム光線 | 左右どちらでも発射できる |
ウルトラセブン21 | レジア・ショット | |
ウルトラマンティガ・マルチタイプ、ウルトラマントリガー・マルチタイプ | ゼペリオン光線 | ティガの場合、エフェクト・発射までのポーズは異なるがパワータイプでも使用可能 |
ウルトラマンガイア | クァンタムストリーム | 正式なポーズは厳密には違いがあるが、簡易版としてL字型も使用。使用回の監督がウルトラセブンファンだったためらしい |
ウルトラマンアグル | アグルストリーム | 最終回のみL字のポーズ |
ウルトラマンネクサス・ジュネッス | オーバーレイ・シュトローム | 設定上はジュネッスブルーも、威力は落ちるが使用可能 |
マクシウムカノン | ウルトラマンマックス | 左腕のマックススパークから発射、右手はが肘下ではなく前に出ている |
ゼノニウムカノン | ウルトラマンゼノン | 逆L字 |
ウルトラマンメビウス・フェニックスブレイブ | メビュームナイトシュート | テレビ版最終回では初めはスペシウム光線と同じ構えだった。後日談であるOVのメビウス外伝アーマードダークネスでは最初からL字のポーズで使用した。 |
ウルトラマンゼロ | ワイドゼロショット | |
ウルトラマンゼロビヨンド | ワイドビヨンドショット | |
ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガー | ワイドスラッガーショット | |
ウルトラマンジード・マグニフィセント | ビッグバスタウェイ | |
ウルトラマンブル・アクア | アクアストリューム | |
ウルトラマンタイガ | ワイドタイガショット | ゼロから譲渡されたプラズマゼロレットをリードすることで使用可能 |
ウルトラマントリガー・グリッタートリガーエタニティ | グリッターゼペリオン光線 | |
ウルトラマントリガー・トリガートゥルース | トゥルーゼペリオン光線 | |
トリガーダーク | ダークゼペリオン光線 |
ULTRAMANでのワイドショット
本作では、「ウルトラマンスーツ Ver7.3」の装備の1つであり、ウルトラマン因子を持たない諸星弾のために制作された大型のスペシウム兵器という扱いになっている。
大型でやや持ち運びに難があるため、これを移送するための運用システムの開発も進められているらしい。
大型のバズーカのような形状をしており、ここからスペシウムエネルギーの弾を発射することが可能。また、スペシウムエネルギーを放出し続けることで巨大な光の刃を出現させることも可能であり、劇中ではこれで黄金の城塞をぶった切っている。
ただし、光刃形態は絶大な威力を誇る反面エネルギーの消費も激しく、劇中では使用後にエネルギーが0になってしまった。威力に比例して消耗も激しいと言う点では原典通りと言えるのかもしれない。
余談
ウルトラシリーズをあまり知らない人がスペシウム光線の真似する時、腕をクロスさせるのではなくL字にしている人をたまに見かける。 L字にするのはワイドショットなのでウルトラファンのみんなは間違えていたら優しく教えてあげよう。