概要
ロックマンエグゼシリーズに登場する記録媒体。
PETに差し込むことで効果を発揮し、ネットナビの戦闘を支援する。
戦闘中には使えないが回復効果等を行えるものは「サブチップ」と言われる。
どのメディアでも共通でチップ自体の性能を一枚絵で表しており、いわゆるネットバトルでのリザルトで手に入るチップには各ウイルスやナビの一枚絵で示されているのでチップの名前よりそのイラストで何のチップか理解しているプレイヤーも多い(「ロール」を初め作品毎でイラストが異なるものから「アタック+10」のように事実上一貫しているチップもある)。
ロックマンエグゼアドバンスドコレクションでは、作品内で入手出来る全てのチップを高解像度で閲覧出来る。
一般的な(というよりほとんどの)バトルチップの色は
灰色の枠(バトルチップスタジアム等では名前の欄は黄色)となっているが、後述のメガクラスは青色・ギガクラスは赤色等、稀少性の高いチップは異なる色の枠となる。
なお、アニメ版では通常は紫色(または黒色)のダークチップを一般的なバトルチップと同じ色である灰色にしてカモフラージュしていた為、加工で変えることが出来ないわけではない模様。
ロックマンエグゼ5DSにはチームナビを別バージョンの物に入れ替えられる「TSチップ(トランスポーターチップ)」がある。
また、アニメ限定には派生として、ネットナビと融合することで人間をクロスフュージョンさせる「シンクロチップ」等もある。
ゲーム版
ゲーム版においてはフォルダ編集やライブラリ(手に入れたバトルチップの一覧を見れる図鑑)ではバトルチップの説明文が記載されている(勿論、作品によっては戦闘中も説明を見る方法はある)。
ライブラリの登録状況がゲーム進行に関わることもあり、裏シナリオ攻略にはスタンダードコンプは必須。
チップの種類は概ねウイルスなどのデータから入手できることが多い「通常のチップ」とナビの攻撃を再現した「ナビチップ」に分けられるが、エグゼ3からは「スタンダード」・「メガクラス」・「ギガクラス」のクラス分けが登場した。
通常のチップはほとんどスタンダードクラスに、メガクラスにはナビチップやスタンダードより強力な性能を誇ったチップが割り振れ、地球外生命体(ラスボス)や強力なナビの必殺技のデータなど一枚で戦局を覆せるカードはギガクラスに振られる。
他にも、強力な効果を発揮する代わりにナビが不利になる副作用が発動する「ダークチップ」も存在しており、こちらも個別のクラスとして分けられる。
バトルチップにはA〜Z、そして*(アスタリスク)のコードが付いており、基本的に同じ名前もしくは同じコードのバトルチップをカスタム画面で選択して戦闘で使用する。また*はトランプでいうワイルドカードの役割を果たし、どのバトルチップとも組み合わせることが可能。
メガクラス・ギガクラスなど強力なバトルチップになる程チップコードが揃えづらくなり、複数枚選ぶのが難しくなっている。
ゲームではフォルダに入れられるチップは基本的に、以下の制約がある。
・エグゼ6ではスタンダードチップの容量(MB)ごとに同名のチップを入れられる枚数が決まっている
・メガクラスは初期状態で5枚まで(同一のチップは1枚のみ)
・ギガクラスは初期状態で1枚
・ダークチップは最大3枚(エグゼ5のみ)
もちろん、メガクラス・ギガクラスの枚数制限を上げる方法はある。
また、特定の組み合わせでプログラムアドバンスという必殺技が発動可能。
アニメ版
概ねゲーム版と一緒だが、コードの概念やデッキにおける枚数制限が無い。
アニメ版においてはほとんどのチップの色が灰色であり、ナビチップのクラス分けについても明確にされていない。(BEASTの背景等で存在の示唆はされている。)
オリジナルチップも多い為か大体は解説してくれるキャラはいるのだが、ダークチップ等作品で明らかにゲーム版よりも凶悪なチップになってしまったバトルチップも一定数存在する。散々危険性が強調されるのに、使用したデメリットが一時的なバグとほんの少しの摩耗(最大HP永続1減少)では緊張感が無いため仕方ないのだが……。
アニメ版ではウイルスを召喚する攻撃用バトルチップもあれば(ダッシュアタックやバウンドノート)、エグゼ3のように単純にウイルスを召喚するチップ「ウイルスチップ」も存在する。また、ナビ固有の技を発動させる際にもバトルチップを使用する場面がある(ガッツマンの「ガッツハンマー」など)。
ソウルユニゾンや獣化にも専用のチップが存在する他、人間とネットナビの融合であるクロスフュージョンの際はシンクロチップという専用のものを使用する。クロスフュージョンなどの対策を持たないネット警察は、実体化したナビやウィルス対策としてディメンショナルエリア内でバトルチップの力を具現化する周辺機器「プログレスチップゲート」を使用している。
また、第1期47話ではレース中にマシンをカスタマイズする「アクセサリーチップ」も登場している。
他にも、1期ではスロットイン時に「攻撃用バトルチップ」などの枕詞を付けている。
バトルカード
流星のロックマンシリーズに登場するバトルチップに相当する記録媒体。
形状はICカードに似ているためか、サイズはバトルチップに比べ大きめ。
その代わりか、無印版を見る限りかなり薄いらしく「バトルチップよりもイラストが大きく見易くなっている」「(エグゼシリーズでは謎になっていた)持ち運びがいわゆるトレーディングカードゲームのデッキのように携帯出来るので自然になった」と見受けられ、「電波によって便利かつ誰にでも使えるように発展した」という世界観的な背景を把握できる。
流星シリーズではナビがあまり登場せずネットバトル(ウェーブバトル)もエグゼ時代ほど流行ってはいない為、主に電波変換した電波人間達(というか専らロックマン)が使用する。
が、一般人でもナビを介さずに端末(1では「ウェーブトランサー」、2では「スターキャリアー」、3では「ハンターVG」)から直接使用出来るようになった為か電波ウイルス対策として存在自体は主流なようで、一見ウイルスバスティングとは無関係そうな人間でも、バトルカードの所持者は全員バトルカードの「ホワイトカード」や「ベストコンボ」を設定したりしている。
更に、流星のロックマン3からはネットナビに変わる存在としてウィザードが出現した為、ウェーブバトルも一般的になったようだ。また、明確にバトルカードのものと思われる攻撃を多様するボスも現れた。
クラスはエグゼと同じくスタンダード、メガ、ギガの3クラスが存在。
が、バトルチップとは違いコードが存在しない。カスタム画面では選んだバトルカードの位置によって使用できるバトルカードが異なる。ただしバトルチップ同様、同じ名前のバトルカードは組み合わせることが可能である。
3ではバトルカード選択画面でのサイズという概念が追加され、ランクが高くなるほどカードのサイズが大きくなり、カードが重なっていると下になっているカードはシングルユーズ(単体選択)かサポートユーズ(属性毎に決められたサポートカードに変換)でしか使えなくなるため、単純に強いカードだけを入れれば良い…というものでなくなった。
ホワイトカード
*の代わりには「ホワイトカード」と言う概念が存在しており、最初から白色のカードしかないスタンダードクラスのカードの他、1・2は好きなカードをホワイトカードに設定(メガ・キガは各1種類まで)でき、3ではゲーム中のウェーブステーションやノイズ改造ギアからダウンロードできる。
ギャラクシーアドバンス
2までプログラムアドバンスに相当するシステムは存在しなかったが、3からギャラクシーアドバンスというシステムが実装されている(プログラムアドバンス参照)。
ブラザーカード・コンボ
しかし、バトルチップと最も異なるのは「ブラザー(フォース)カード」の存在だろう。
前置きがとても長くなるので詳細は割愛するが、このカード自体はブラザーの使っているカードか(初代のスターフォースを除き)条件を満たせば特定の変身(及びその変身の派生)を行えるカードであり、前者は強力なギガクラスカードやメガクラスカードを引き当てる可能性もあり得ること、後者は戦闘を有利に出来る状態に変身を能動的に行えるのである。
故に、結果としてブラザーありきだと攻略がとても捗るものの、ブラザーバンドを結ぶことのないプレイヤー達は(クリアはとにかく)通信対戦で苦境に立たされることになった。
また、初代は変身の代わりに「1度使うとなくなるが、使用するブラザーの登録したレジェンドコンボを繰り出す」という機能があった。
そして、極端にやりこんだプレイヤーは明らかにオーバーキルしかねないダメージを与えるレジェンドコンボを作って登録していることもザラであった。
その為、ブラザーカードのコンボを使われ開幕1ターンであっさりデリートされる…といったことが頻発する問題もあった(一応、このレジェンドコンボの使用自体は切り替え可能なので、ハンデ云々ではなく普通に楽しみたい人はオフにしてただろうが)。いずれにしても戦闘面への進化に拘ってきたことに代わりはない。
2は「ベストコンボ」カードとしてブラザーカードとは別になった他、ロックマンブライやブライノイズ等と言ったソロプレイ用の変身もできた為、格差問題はある程度解消されている。
バスティングレベル
ウイルスとネットナビとのネットバトル及び電波ウイルスや電波人間等のウェーブバトルにおいては、その戦闘の内容によって1~10、そして11に相当するSランクを含めた11段階に評価されることがある。これは「バスティングレベル」と称される。
その中でも、基本的に敵からチップやカードを入手する為にはバスティングレベル7、8以上が必要とされる。チップの場合は、レベルによって入手出来るコードが違う場合もある。
特に、V3やSP等の通常ボスの最上位バージョンから同等の力を持ったチップ及びカードやコード*のチップを手に入れる為には、バスティングレベルS(最低でも10)を狙わなければならない。(逆に、同じく最上位ボスから手に入るが高過ぎず低すぎないバスティングレベルを要求されるV2やEXの方が取りにくい…という人も少なくないが。)
更に、エグゼ1やエグゼ2においてはナビチップ以外のチップを持っているボスもいた為、場合によっては何度も戦う必要がある。エグゼ3まではチップが確定ドロップではなく、1・2ではナビカスタマイザー、1ではエネミーサーチすらなかった為、人によっては苦行に捉えかねられないレベルで時間を掛けさせられるであろう。
なお、レアなウイルスを含んだ複数グループとの戦闘の場合はこの限りではなく、バスティングレベルSを取る=レアチップを入手できる…ということでは無い。作品によっては加点の方式やドロップするテーブル、倒したターンによっては高過ぎないレベルを狙った方がレアなウイルスのチップが入手しやすい場合も多い。
欲しいレアチップは落ちないのに、ドロップ優先度の高いメットールやキャノーダム系の*チップは意図せずとして溜まっていく…なんてこともザラにある。
類似するチップとカード
バトルチップの中には名前や一部効果を変えてバトルカード化されたものやよく似た演出の物も存在する。
ソードやキャノン、シラハドリ、ムラマサブレード、サンダーボール、ホーリーパネル、ドリルアームのように名前が変わらなかったものもある(ただし、キャノンの場合はグレード毎に付けられる冠詞が変わっている)。
なお、ここでは元ネタと名称が全くの同一であるものは取り上げない。
エグゼ1
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
アースクエイク | ヘビードーン |
エリアスチール | エリアイーター |
コールドパンチ | フリーズナックル |
シャークマン | シャークカッター |
ショックウェーブ | グランドウェーブ |
ステルスマイン | アトミックマイン |
スプレッドガン | エアスプレッド |
属性系ソード/ブレード | リュウエンザン/スイゲツザン/ライメイザン/タイボクザン(1)、エレキスラッシュ/ウッドスラッシュ/ファイアスラッシュ(2以降) |
ダッシュアタック | ジェットアタック(1、3)、ジェットスキー(2) |
パネルアウト3 | ディバイドライン |
パネルリターン | パネルフォーマット |
ハンマー系 | ハンマーウェポン |
ミニボム/エナジーボム | ミニグレネード |
エグゼ2
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
ウズシオ系 | ブラックホール、ダークネスホール(3) |
ナビスカウト | ウラギリノススメ |
バッドメディスン | ドクリンゴ |
バブル系 | チェインバブル |
ブラックボム | ボボボンボム |
ラビリング | プラズマガン |
リュウセイグン | ゼツメツメテオ |
エグゼ3
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
オウエンカ系 | パワーソング、クエイクソング、トリップソング |
コピーダメージ | シンクロフック |
ブーメラン | オロロンハット(2)、シュリシュリケン(3) |
ポーン | ガーディアン |
マグナム(+キラーセンサー) | ボルテックアイ |
マグマキャノン | ファイアバズーカ |
エグゼ4
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
エアホッケー(+アイスウェーブ) | アイススピニング |
バルカン | ガトリング(1)→マッドバルカン(2以降) |
ハヤブサギリ/Zセイバー | ソードファイター |
フウジンラケット | ウィンディアタック |
ワイドショット | ワイドウェーブ |
エグゼ5
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
イナズマキング | イナズマヘッド |
サムライソード | エドギリブレード |
シード系 | アイスグレネード/グリーングレネード |
ファイアパンチ | ヒートアッパー |
エグゼ6
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
エアレイド | ステルスレーザー |
エレキパルス | ゴーストパルス(1)、パルスノイズ(2) |
エレメントラップ | セイレイノヒカリ |
カーネルアーミー | フクヘイパネル |
ホワイトカプセル | マヒプラス |
ブリザードボール | スノーボール |
ヘルズバーナー | テイルバーナー(1)、ダバフレイム(2)、マシーンフレイム(3) |
L.o.N
元のバトルチップ(エグゼ) | バトルカード(流星) |
---|---|
ブレイクソード | ブレイクサーベル |
余談
- バトルチップ・バトルカードにはトレーディングカードよろしくレア度が設定されており、シリーズで一貫して5段階に設定されている。攻撃力や効果の大きいチップほど当然レア度は高く、入手難易度は増加する(アニメ版エグゼだと高レア度チップの中でも未使用チップは非常に価値が高く、一度でも使用すると価値が激減するらしい)。
- アニメ「ロックマンエグゼ」の初期作品ではこのレア度が密接に関わっており、当初熱斗はレア度の低いショットガンやソード、ミニボム等を主軸にした戦法を取らざるを得なかった(ゲーム版のようにウイルスからチップデータを入手するのではなく、誰かからデータを貰ってチップにコピーするか、店で買う、譲ってもらう等しか入手方法がないため、小学生の熱斗には高レア度のチップを入手する手段は限られている)。
- エグゼ後期及び流星シリーズではレア度が高いチップやカードを使用する場面があったため、レア度はあまり関係なくなった模様(星河スバルはともかく、熱斗の場合、ネットセイバーの任務の為にネット警察や伊集院炎山が会社を務めているIPCからの支給品を使っている解釈も出来る)。
- ホビー版も形状はアニメやゲームのものに準拠しているが、形状の関係上、基盤が剥き出しかつ単体で購入した場合は保管ケースなどがついていないことが多いため、放置していると端子が錆びて使い物にならなくなる。
- ゲーム版とアニメ版とでは効果が異なるチップも存在し、『エリアスチール』は瞬間移動、『カンケツセン』(『AXESS』第30話より)は発動に穴パネルが必要がなく、『サラマンダー』(劇場版より)は火炎竜への化身、『アクアワール』(『BEAST』第4話より)は渦潮の発射ではなく、渦潮に変化して体当たり、『マグマシード』(『BEAST』第16話より)はフィールド変化ではなく、単なる炎属性の爆弾(『流星』のヒートグレネードそのまま)、『アカツナミホール』(『BEAST』第16話より)は海水を巻き上げての攻撃(一応、事前にマグマシードは使っている)になっているなどの差異がある。
- 主人公達が作品が変わる毎に今までのバトルチップやバトルカード、及びその他のパワーアップパーツを捨てるのをよくツッコまれることがあるが、これはチップを使うPETやカードを使う端末の規格が作品毎に切り替わる影響であると思われる(実際、バトルチップの形は作品毎にちょっと変化している)。故に、真に突っ込むべきは主人公達ではなく、生活必需品の機器を半年か1年ぐらいのペースで「データの引き継ぎが出来ない」かつ「互換性の無い」機種へ乗り換えさせる世界観の方かもしれない。