「電波変換!星河スバル、オン・エア!!」
「トランスコード!シューティングスター・ロックマン!」
概要
流星のロックマンシリーズに登場する変身機能であり、前作のアニメシリーズに登場したクロスフュージョンやゼクスシリーズのロックオンに次ぐ、合体変身ヒーロー(及び特撮怪人)の流れを汲む要素である。
シリーズによって詳細は異なるが、「特別な力を持った電波体により、人間が進化した電波体(電波人間)に変身する」という点は大体同じ。
変身後の電波体は通常の電波体と同じく実体を持たず、通常の人間には見ることも触れることもできないが、特定の条件下では現実世界に干渉できる場合もある。
電波体を見ることのできるゴーグル型端末「ビジライザー」でも勿論視認が可能。
なお、(ゼクスにおける「ロックマン」やかの有名な変身ヒーロー等のような)これらの変身した姿を総称する名称は具体的には設定されていない。故に、本記事では「電波変換体」、他記事では「電波人間」という表記を仮使用する。
変身時の掛け声は「電波変換![変身者名]、オン・エア!!」だが、トランスコードを経由する場合は独自の物に変わる(後述)。
全ての電波変換体がメインストーリーに関わる訳では無いが、総じて本作のボスキャラクターを務めている。ただし、必ずしも「全てのボスキャラクターが電波変換体」という訳でもなく、各作品において(ラスボス除いた場合でも)該当しなかったり、そもそも電波変換しているどうかすら分からないボスがいくつか存在する。
ネーミング
(電波変換しないボス含む)彼らの名称はXシリーズやゼロシリーズの8ボス達と同じく中点区切りであり、主に『[電波体名]+[能力名及び特徴名]』と言った形になるのが大半。ちなみに大半が変身者どちらかの自称である為か、8ボスよりシンプルな物が多い。
名前と能力で順番が固定されておらず個体毎に異なるのも8ボス(特にミュートスレプリロイド)と同様で、また主人公である「シューティングスター・ロックマン」の自称部分は「ロックマン」のみであり、「シューティングスター」はトランスコード取得後に付けられた後付けである。
宇宙人の電波変換
主に流星のロックマン1に登場。
AM星人とFM星人に備わった機能だが、AM星とFM星は兄弟星である為、大体の特徴も共通していると思われる。
FM星人
FM星人は地球から遠く離れたFM星からやってきた電波体の宇宙人であり、1の者達は王たるケフェウスの名を受け、アンドロメダの鍵と呼ばれるアイテムの奪還と奪った張本人であるウォーロックの追跡、そして侵略の為にやってきた(彼らの口調や態度から、恐らく1の者達はウォーロックと同じく兵士層が大半であると思われる)。
彼らは人間を電波体に変換できる能力を持っており、人1人ぐらいなら自力で変化させられる他、「デンジハボール」というアイテムを使って周囲の人間をまとめて電波化することも可能。
合体としての「電波変換」は主に戦力増強の手段として用いられ、悩みや心の闇を抱えた人間の心の隙間に入り込んで融合合体、利用して何かの電脳に潜り込み事件を起こす…の流れが基本。なお、融合後も各々の意識は別個に存在しており、「変身した人間が話す」際は顔アイコンが電波変換後の姿、「電波体が話す」場合は元の電波体の顔アイコンがそのまま表示される。
しかし、従来の目的とは関係なく地球人と意気投合した結果任務放棄し、私用や地球人の都合で電波変換している者達もそこそこいる。中には上記の一悶着が終わってからもそのまま地球に移住している者や、地球とFM星が和解した後の時期に地球にやってきた者達までいる為、全員が全員好戦的な気質という訳でもないようだ。(ただ、流星3の2体はFM星でも有名な悪党だったらしく、ウォーロックとも顔馴染みだった)。
特に、一般人の尾上十郎が変身するウルフ・フォレストは「ウルフと電波変換できるようになってからは血が疼くようになった」と語っていた為、1の頃はウルフの影響による暴走かと思われていたのだが、3のメインストーリーで子供達を守る為に電波変換した際の暴走時、当のウルフ本人もそんな尾上の姿を見て軽く呆れていたことから、実はウルフとは関係なく尾上自身の体質だったことが判明する。
なお、人間と融合するにはある程度の条件が必要なようで、ロックマンとウォーロックの場合は現実世界と電波世界の狭間にある「ウェーブホール」が必要であり、1の時点では移動にも電波世界にあるウェーブロードを渡る必要がある(技術が発達した2以降は現実世界も歩けるようになった)。
ただ、FM星人は一度変身できればその記憶を元に単体変身が可能なようで、ロックマンシリーズ恒例の復活したボスとの再戦時やアニメでは、2回目以降の電波変換をFM星人単体のみで成功している。
ちなみに、電波ウイルスと人間が電波変換したジャミンガーという者も存在しているが、彼らは元の人間の人格を封じられた半ば暴走状態にあり、実質的にFM星人の傀儡と化している。
AM星人
一方、AM星は過去にFM星との戦争(と言うのは名ばかりで、実態はFM星からの一方的な裏切りに近い)により滅亡しており、残るAM星人も現在は地球のサテライトの管理者である「AM三賢者」のペガサス・マジック・レオ・キングダム・ドラゴン・スカイの3名を残すばかりであり、現在は使用者が存在しない…と、思われていたのだが……(リンク先、1終盤のネタバレ注意!!)。
ムーの電波体の電波変換
主に流星のロックマン2に登場。
正体は現代は滅亡したとされる古代文明「ムー」の浮遊大陸、ムー大陸で生まれた存在で、いわばムー文明の兵士と言える存在。FM星人達と違い量産化されていることが明言されている為、彼らよりも戦闘狂的な気質が高く、各々の命の価値をあまり重要視していない。
同じくムー文明の遺産である「古代のスターキャリアー」に潜むことができ、ハイドはドクター・オリヒメの命令を受けて彼らの入ったスターキャリアーを世界各地の人間に配り電波変換させ、事件を起こしている。また、ハイド自身もファントム・ブラックに変身する。
2には現実と電波が曖昧になるエリア「ビジブルゾーン」の概念が存在しており、ここにいる間は通常の人間でも電波体の視認が可能。その為、作中世界では「UMAの伝承の正体はムーの電波体をたまたま目撃してしまった人間達が広めたものに尾ひれが付いたもの」とされている。
ちなみに、古代ムー人の生き残りの末裔であるソロは例外的に電波体を介せずともブライへの電波変換が可能であり、ビジライザーを使わなくても電波体を視認できる。
更に、彼が後に入手した謎のウィザード「ラプラス」も変身には関係せず主に武器に変形されて運用されており徹底的に道具として扱われ、時にはブン投げて使われている(そして、ロックマンからもバトルカード「ダンシングブレード」として雑に投げられ続けている)。
電波変換のハードルはFM星人よりも低いようで誰にでも変身できる可能性がある他、なんと実体を持たない電波体であるムーの量産兵士「エランド」を素体とすることでも電波変換が可能。
エランドは一応、本作におけるジャミンガーのポジションだが、扱いは「電波変換の素体」と「電波変換後の姿」と言う点で真逆となっている。
トランスコードの電波変換
流星のロックマン3に登場。
本作における電波変換はサテラポリスに管理されているのが基本であり、「バトルウィザード」及び「トランスコード」と言う概念が関わってくる。
バトルウィザード
今作は前シリーズのネットナビのポジションである「ウィザード」が登場し、それらにスポットが当てられている。
ウィザードは電波体でありながら実体を持っている「リアルウェーブ」の一種であり、一般人の肉眼でも視認することや触れることが可能(一応、2の時点でも実体のある電波体「マテリアルウェーブ」が登場していた為、それらの技術の応用と思われる)。
そして、このウィザードの中でも戦闘能力に特化したものは「バトルウィザード」と呼ばれており、更に電波変換能力を持った電波体は、変身者が新型情報携帯端末「ハンターVG」を入手した際にこの「バトルウィザード」に置き換えられる(現にストーリー中でも、3冒頭でもスバルがハンターVGを手に入れた時にウォーロックは大量のデータを口の中から流し込まれて気持ち悪そうにしていた)。
トランスコード
更に、ハンターVG入手後に電波変換をするとそれをサテラポリスが感知するらしく、直後にサテラポリスから「トランスコード」が発行される。
このトランスコードがあればどこでも電波変換が可能になるかつ電波変換中でもウィザードが単独行動できるようで、例えばロックマンの場合は「腕のロックバスターがウォーロックとは独立とした存在となり、ロックマンが活動中でもウォーロックは自身の必殺技である『ビーストスイング』や『エリアイーター』等によるサポートが可能」…と言った具合になった(3の後日談では腕バスタースタイルに戻っており、その姿のウォーロックを見た熱斗から「うでナビ」と呼ばれていた為、任意で戻すことも可能と思われる)。
コードで変身した場合はウィザードと同じように視認及び物理的な干渉が可能になるらしく、ロックマンは変身していない仲間と現実世界で会話するシーンが増えた他、ブライは現実世界のコダマ小学校の床を破壊して下の階に降りている(一方、ゲームの仕様上シナリオイベント中以外の変身時やビジライザー使用時は、人間の姿が見えなくなってしまうようになったが)。
また、トランスコードは、現在進行形で変身できなくても過去に電波変換の経験があれば入手可能らしく、ハンターVGがキグナスをバトルウィザードとして自動的に再構築したパターンのキグナス・ウィングや、ノイズドカードにより復活し後に正式にバトルウィザードとなったオックスのオックス・ファイアにも発行されている。
他には、FM星人やムーとは無関係のトランスコード所持者として「アシッド・エース」と「グレイブ・ジョーカー」が存在しており、前者はウォーロックを元に作られサテラポリスが作成した現代人としては史上初の人工的な電波変換を可能とした人工バトルウィザード「アシッド」と「暁シドウ」の合体、後者は後述のクインティアとジャックと同じくディーラー所属の「ジョーカー」がブライのように単体変身しており詳細は不明…だったのだが、物語後半にその実態が明かされた(ネタバレ注意!!)。
口上
トランスコードを用いた場合の変身は従来の電波変換から口上が変更され、「トランスコード[番号]、[電波変換体の登録名称]!」となる(例えば、ハープ・ノートが電波変換する場合「トランスコード004、ハープ・ノート!」となる)。
ただし、ロックマンの場合サテライトから発行された登録名称が「シューティングスター・ロックマン」とかなり長い為、上記の通りコードナンバーの方は省略している(或いは、「シューティングスター」自体がトランスコードとしても機能しているのであろうか)。ちなみに、ブライは元々単独変身できるかつクールなキャラの為かこちらの口上を用いて変身した様子が見受けられない。
また、この「シューティングスター・ロックマン」はこれ以降「他シリーズのロックマン」との区別の為の名称に使われるのが定番となっており、公式でも「SSロックマン」等の略称が使われることがある。
なお、クイーン・ヴァルゴとジャック・コーヴァスは犯罪組織所属でコードが発行されなかったのか、両者とも電波変換の際は通常の口上を述べていた(変身シーンをよく見ると、スバルのペンダントのような外部アイテムも使用しているのが見受けられる)。
ファントム・ブラックもサテラポリスから第一級犯罪者として認定されているので、同様にコードを所持していない可能性があるが、こちらは3において電波変換するシーンが存在しない為、詳細不明。この例で言えば同じくオリヒメと関わりのあったブライも犯罪者認定されそうであるが、彼はサテラポリスの一人が「サテラポリス遊撃隊」として仲間に引き入れるつもりだったので、もしかしたら特例的にコードが発行されたのかもしれない。
トランスコードの法則・規則
コードの数字はサテラポリス独自の割り振りになっているらしく、数値の規則性は現状不明。3初出のアシッド・エースが「001」で2初出のブライが「002」、ロックマンが「003」であることを見るに本編時系列の登場順でないのは確定であるが、「003~005」の連番は3本編中における初変身順と一致している為、単純に「トランスコードシステム樹立後に変身すると順番に割り振られる」のかもしれない。
グレイブ・ジョーカーが「000」でキグナス・ウィングが「020」の為、少なくとも21体分は発行されていると思われるが、3までに登場した電波変換体は合計22体である。
故に、もし仮にそれら全員にトランスコードが用意されているとするなら、トランスコードも「021」まではあるかもしれない。
電波変換体一覧(仮)
宇宙人
- ロックマン(星河スバル+ウォーロック)
- オックス・ファイア(牛島ゴン太+オックス)
- キグナス・ウィング(宇田海深佑+キグナス)
- ハープ・ノート(響ミソラ+ハープ)
- リブラ・バランス(育田道徳+リブラ)
- オヒュカス・クイーン(白金ルナ+オヒュカス)
- ジェミニ・スパーク(双葉ツカサ/双葉ヒカル+ジェミニ)
- キャンサー・バブル(挟見千代吉+キャンサー)
- ウルフ・フォレスト(尾上十郎+ウルフ)
- クラウン・サンダー(ジャン・クローヌ・ヴェルモンド・ジョルジョワーヌ14世+クラウン)
ムーの電波体
※全て2からの登場であり、3でも再登場キャラのみで新規キャラは追加されなかった。
- ファントム・ブラック(ハイド+ファントム/ゴースト)
- イエティ・ブリザード(五里門次郎+イエティ)
- ブラキオ・ウェーブ(キュー・出間崎+ブラキオ)
- コンドル・ジオグラフ(ナンスカ・オサ・アガメ+コンドル)
- オリガ・ジェネラル(エランド+オリガ)
- アポロン・フレイム(エランド+アポロン)
その他
おまけ
トランスコード一覧
判明しているトランスコードのみ記載。
番号 | 登録名称 |
---|---|
000 | グレイブ・ジョーカー |
001 | アシッド・エース |
002 | ブライ |
003 | シューティングスター・ロックマン |
004 | ハープ・ノート |
005 | オックス・ファイア |
011 | ウルフ・フォレスト |
020 | キグナス・ウィング |