概要
流星のロックマン3に登場するアイテム、及び現実に販売されていた商品。
ゲーム上では2種類に分けられ前者が敵組織が使用する物、後者は主人公が扱える物として登場し、いずれもトランプをモチーフとしている。
「ディーラー」のカード
作中に登場するキーアイテムで、ディーラーの使用する兵器の1つ。
電波体に悪影響を与える「ノイズ」が大量に含まれており、これをクインティアやジャックがウィザードに突き刺して取り込ませることでノイズを注ぎ込んで凶暴な姿に強化変身、暴走させることができる。
なお、この暴走体がウェーブバトルでデリートされた場合、元の電波体は無事なままノイズの抜け切ったカードだけが排出される為、ダメージはノイズドカードの方に還元される模様。
元々、ノイズは暴走前のウィザード等の電波体からも微量に放出されているのだが、暴走ウィザードが発するノイズ量は通常のそれとは比べ物にならない量になる。
ディーラーはこの性質を利用して、暴走ウィザードを使い周囲の「ノイズ率」を上昇、ノイズの塊である「クリムゾン」を自然発生させ機会を見てそれらを回収。ついでに、ロックマンの近くで事件を起こさせることで彼の力量を見極める&暴走個体を処理させる…と言った行為を繰り返している(この影響により、ロックマンの身体は徐々にノイズに蝕まれていくことになるのだが……?)。
なお、このディーラーが使う物の中にも「通常のカード」と「称号付き」の2つの種類のカードがある。
通常版
赤地にディーラーのマークが刻まれたデザインをしている汎用カード。
主に、一般的なウィザードに投げ付けられるカードであり、彼らを「ノイズドウィザード」に変貌させることができる。
また、電波変換を経験した人間に投げ込むことで電波体を復活させて強制的に電波転換できる機能もあるらしく、劇中ではジャックが彼に投げ込むことでとあるFM星人が復活し、強制電波変換させていた。
ノイズドウィザード
暴走した男性型汎用ウィザードで、青色のウィザードが変貌した「ノイズドウィザードB」と赤色の「ノイズドウィザードR」が存在。また、ランダムエンカウントのエネミー限定で銀色の「ノイズドウィザードS」も存在する。
主な武装は右腕のワイドソードとマッドバルカンらしきバルカン砲。
前々作の「ジャミンガー」や前作の「エランド」に位置する存在の1種だが、彼らと違い撃破すればバトルカードを入手できる可能性がある他、野生の電波ウイルスの要領でランダムエンカウントすることも可能。
ちなみに、本作には同ポジションのキャラに「ヒールウィザード」と「ウォーロックコピー」も存在するが、後者はバトルカードを落とさずウォーロックの技である「ビーストスイング」のカードも入手できない。
入手するカード名はそのまま「ノイズドウィザード」で、これは「ヒールウィザード」も同様。ジャミンガーのカードと同じく、使用すると彼らが暗転無しで召喚される。攻撃方法は「相手側の一番後列のマスよりも後ろの方から、ワイドソードで斬り付ける」という一風変わった範囲である。
ちなみに、ノイズドウィザード自体は厳密には「ノイズドカードで変貌した存在」ではなく「高濃度のノイズにより変貌を遂げたウィザード」である為、何らかの方法で周囲のノイズ率を上昇させればカード無しで暴走させることも可能。物語後半に登場するノイズドウィザードは大体このタイプになり、カードを使う必要が無い為か大量に出現するようになる。
称号付き
モチーフとなったトランプと同じくスートマークのいずれが描かれた物。劇中では青色のスペード・黄色のダイヤ・緑色のクラブの物が登場しているが、ハートモチーフは人名に使われている為か登場しない(下記の「ノイズ改造ギア」のものを見るに、ハートの称号は赤色と思われる)。また、「全体数が少ない」からなのか「強力な分ノイズか濃くて耐え切れるウィザードが稀」なのかは不明だが、通常版よりも使用回数は少ない。
ウィザードにスートと同じ「称号」を与えることで、ただの暴走ウィザードよりも強力かつ大量のノイズを放つ存在に変貌させる。
なお、ゲーム中では明言されていないが言葉の意味自体は通じるので、称号付きの暴走ウィザードも「ノイズドウィザード」の一種と言えるかもしれない。
こちらのノイズドカード及びそれによる暴走体は、言わば今での作品に登場したFM星人やムーの電波体とそれにより電波変換したボスのポジションであり、ストーリー前半の章ボスとして登場する。
時にはウィザード本人の願望を盗み聞きしたディーラーがそれを利用する形で暴走させることもある。その為、理性を失って常に暴走しているノイズドウィザードと違い、暴走中でも元の人格がある程度保っている場合がある(勿論、元々電波体のウィザードが変身しているので、「電波変換」ではない)。
(シリーズ毎度恒例の再戦ボスラッシュの都合か)一度顕現した暴走ウィザードの再現体を作り出す能力もあるらしく、劇中の一例としては暴走していないマグネッツ本人がいる前でスペードのカードを使い、彼の暴走体の再現であるスペード・マグネッツV2を生み出した。
この状況は、前々作における双葉ツカサとジェミニ・スパークEXの物と似通っている為、セルフオマージュなのかもしれない(ちなみに、マグネッツ本人はツカサと違い自分が過去に暴走していたことすら覚えていないので、何が起こったのか終始把握できていなかった)。
「ノイズ改造ギア」のカード
流星のロックマン3発売当時、同時期にトレーディングカードゲームの要領で実際に発売されていた「ノイズ改造ギア」の一種類で、前シリーズの「改造カード」にあたるロックマンの強化アイテム。
ディーラーの物と同じくトランプの意匠が組み込まれている…と言うよりトランプと同じくスートに加えて1~13(K)までの数字も割り振られており、加えてジョーカーに値する物に流星マークのカードも5種類存在。更にはスートと数字が全く同じの重複カードもいくつかある。この為、現実の基本のトランプ54枚よりも遥かに種類が豊富。
カードにはスートと数字の他に、流星シリーズの1~3までの電波ウイルス及びボス(歴代ラスボスや裏ボスどころか、本作のラスボスや裏ボスまで含まれるネタバレ上等仕様)が描かれており、カードを入力することでそのボスのノイズに因んだ能力を取得できる(例として、スペードの10のカードである「スペード・マグネッツノイズ」からは電気属性のバトルカードの威力を20上げる「エレキ+20」を得られる)。
ちなみに、カードを入力するとディーラーの関係者と思しきシルエットの人物から通信が入り、カードの使い方について手取り足取り教えてくれる。このことから、本カードも上記の「ディーラーが使用するノイズドカード」と性質自体はさほど変わらない可能性がある。
なお、彼の普段の活動や終盤の動向を見るにこんなことをしている暇では無いと思われるが、通信時はスバル個人を認識している訳ではなさそうである為、本人ではなく自動音声でも使っているのだろうか?(ギャグ時空とは言えユーモアワードでも通信に割り込んでくることもあるので、案外暇なのかもしれない。)
ノイズドカードの組み合わせにはルールがある他、いくらノイズに耐性のあるロックマンといえど特定の組み合わせでなければ悪影響を受けてしまう。
ルールは以下の通り。
- カードは最大で5枚まで入力することが可能。なお、スートと数字が両方同じカードを、2つ以上使用することはできない。また、流星マークのカードも1枚ずつしか使用できない。
- 異なるスートのカードを混ぜて使用するとノイズが活性化し、戦闘中のロックマンにHPバグ等のデバフが掛かる。ただし、下記の「ノイズハンドボーナス」を組めればこれは回避可能。流星マークのカードがあれば下記の理由から自然に回避出来る。
- チャージショット等重複が不可能な一部の効果は、後に入力した方が有効。重複が可能なものは効果が加算される。
ノイズハンドボーナス
所謂ポーカーの役であり、違うスートのノイズドカードを組み合わせた時のデメリットを帳消しできる他、ボーナスによる追加効果が得られることもある。1つでも組めればデメリットを回避可能だが、強力な役を組めば組む程追加効果も強力になっていく為、それらも考慮した上で組むと効率的に強化できる。なお、カードの役が複数ある場合は強い方が優先される。
また、流星マークのカードはワイルドカードとしても運用できる為、これがあれば少なくともワンペアが完成してデメリットが回避可能になる。流星マークのカードは入手手段が限られる上に、2024年現在はそもそも「ノイズ改造ギア」自体が絶版になっている為中々手に入らないとは思うが、いずれも強力な効果を持つので是非1枚は使っておきたいところ。
役の追加効果はゲーム中においては発動されるまで説明がないが、ノイズドカードの運用上重要な要素であるので「ポーカーの役などさっぱり」と言う人も攻略サイト等を参考に組んだ方が良いであろう。
暴走体一覧
初登場話数 | 名称 | 属性 | 電脳 |
---|---|---|---|
称号付き | |||
第1話 | スペード・マグネッツ | 電気 | ロケットの電脳2 |
第2話 | ダイヤ・アイスバーン | 水 | とくせつステージの電脳3 |
第3話 | クラブ・ストロング | 木 | かんきょうシステムの電脳3 |
通常版 | |||
第1話 | ノイズドウィザードB | 無 | 現実世界(スピカモール) |
第2話 | ノイズドウィザードR | 無 | 現実世界(コダマタウン) |
第2話 | オックス・ファイア | 炎 | 現実世界(オクダマスタジオ) |
余談
流星のロックマンシリーズのボスはプログラムアドバンスが無い代わりにラスボスや裏ボスなどの特殊な例を除いて、ストーリーに登場する者(1の無属性ボスは除く)はバトルカードが2種類存在するのが通例となっており、ノイズドカードのボス達もそれは同様である。
しかし、今までのボスの2種目のカードは必殺技カードとしてギガクラスになることが通例だったのに対し、ノイズドカードのボス達3体のみ2種目もメガクラスカードとなっている。
流星3はイリーガルカードシステムで過去作のギガクラスカードがほぼ全て入手できる上に、これら2種目のカード自体もそもそもイリーガルカードである他、更にはプログラムアドバンスの代わりに「ギャラクシーアドバンス」が登場、それによりこれらのカードの再現も出来るようになった為、恐らく数調整の為にこのような処置になったと思われる。
また、2枚目のカードにブレイク性能があるという点も3体で被っており、変形して突進するスペード・マグネッツの「アクシスジェット」はともかく、特にダイヤ・アイスバーンの「Bアイスハンマー」とクラブ・ストロングの「ストロングスイング」は得物がハンマーという点も被っている。