概要
表向きは世界中の恵まれない子供たちを救済することで知られる慈善団体、キング財団のオーナー、ドクター・キングとして知られている。
科学者でありながら慈善家として恵まれない子供のために多額の寄付をしたり、孤児を保護したりしており、スバル達が通う小学校にも修学旅行にシーサーアイランドに行かせられる程の援助をしていた。
だが、その正体は犯罪組織ディーラーのボス。モチーフはトランプのキング。
巨大なクリムゾン(ノイズが結晶化したもの)の塊でできた小惑星、メテオGを使い世界を支配しようと企む極悪人。
ウィザードを暴走させるノイズドカードを作成してウィザード暴走事件を起こし、それによって発生したクリムゾンをクインティアとジャックに回収させていた。
また、ロックマンの戦闘データからウォーロックのコピーを生み出して使役していた。
性格は冷酷非情そのもので自分以外を駒としか認識していない正真正銘の外道。
慈善活動も優秀な子供を見つけ出し、洗脳してディーラーの工作員にするためである。更には、部下であったクインティア曰く洗脳した子供達をさも当然と言わんばかりに、捨て駒の如く死地に赴かせて、そのほとんどが犠牲になっていたという事実が明らかになっている。
その振る舞いから、部下からの信頼は皆無に等しい。
暁シドウに見限られ、クインティアやジャックからは捨て駒にされた子供達の仇と見なされ、腹心だと思っていたハートレスすらもメテオGを止めようとしている星河大吾を救うために利用していたに過ぎなかったりと、歴代ロックマンシリーズでも数少ない人望のない黒幕である。
唯一自分に従うジョーカーに対しても、彼の居場所を提供する代わりに、彼の能力に着目し、彼のプログラムから自身を電波体に改造していた。更には、自分が逃げるためにあっさり自爆するように命令した。下っ端の構成員すらも彼に忠誠を誓っているメンバーは見当たらずジョーカーの方が人望のある始末である。
最終的には側近の部下であるハートレスに裏切られノイズウェーブに落とされるが、前述通り電波体となり復活しメテオサーバーでメテオGのコアと融合、さらに星河大吾を取り込むことでクリムゾン・ドラゴンとなりロックマンの前に立ちふさがる。
最期は、ロックマンによって一度クリムゾン・ドラゴンが倒された事でクリムゾン・ドラゴンから排出され、そのまま消滅して死亡した。
「この私が…こんなところでえええええ!」
本編で度々ジャックからロックマンを排除した方がいいと意見され、「自分の計画は完璧だから必要ない」と突っぱねていたが、結局は見下していたロックマンの手で引導を渡されるという、皮肉な最期を遂げた。
エグゼシリーズと合わせて、ゲーム版で最後まで改心しなかった唯一の悪役である。(漫画版やアニメ版には他にもいる。)
評価
ロックマンシリーズ全体でも屈指の人望の無さ、下劣さを誇るキャラクター。
世界征服を目論んだのも、自らの地位を狙われ疑心暗鬼になったケフェウスや恋人を戦争で失ったドクター・オリヒメはおろか、理由や過去があったり、復讐または使命のために暗躍した歴代ロックマンシリーズの黒幕と違い、優れた人間こそ愚かな人々の上に立つ存在であるという自分勝手な傲慢さからの行動である。
オリヒメの主張と似ているが、アチラは恋人を戦争で失ったことで「愚か者は大局的に物事を見れず、目先の利益や感情に振り回されて争いを止めることができない、にもかかわらず今の世界はそんな愚か者が権力を持って私腹を肥している。だから争いを自制できる優れたものが支配してやらなければ戦争はなくならない」という考えを持った為、さらに言えばそれも半分建前で、超文明を持っていたムーの技術なら恋人を甦らせることができるかもしれないという希望もあっての凶行であった。
が、キングのソレは要するに「私が一番すごいんだからお前達は私に従え!」でしかないため、中身がとてつもなく薄っぺらい。
そのため、当初はメテオGを操って全世界にノイズによる恐怖政治を行おうとしたが、ロックマン達の抵抗やハートレス達の裏切りを受けるや否や癇癪を起こし、「自分に従わない世界など滅びてしまえ」と言わんばかりにメテオGを地球に衝突させようとした。終盤の彼の行動は、小物のそれである。
しかし、上記の科学力もしかり、日本以外のWAXA壊滅、メテオGで世界征服にあと一歩まで迫っていた事もあり、優秀な人間を自称するだけの事はある。現に、大吾の妨害やハートレスの裏切りがなければ、スバル達にはどうしようもなかったのは事実である。