概要
ムーの電波体であるファントムと人間のハイドが電波変換した姿。
シルクハットにマント、杖を持った紳士のような出で立ちをしている。また仮面舞踏会のマスクでもイメージしているのか、目元まわりには白い装飾が見られる。
身長193cm、体重は「幽霊のように実態がない」として不明とされている。
英語名「Dark Phantom」。
記念すべき最初のボスだがHPは500と高く、また無属性なので弱点がない。
常にフワフワと浮いており、穴パネルでも移動できる「エア」性能、パネル効果を受けない「フロート」の特性を持つ。そしてロックマンとは攻撃時以外は同列に並ばないように動いているため、基本は「ファントムクロー」で硬直したスキを突くことになるが、グランドウェーブ・オロロンハットなど別の列からでも攻撃できる技にでも「マヒプラス」でシビレさせてその隙に立て直し・反撃するのも有効。
使用技一覧
- ファントムクロー
マントを広げ、胴体から黒い腕を伸ばして攻撃する。ブレイク性能、対インビジ性能(点滅無敵でも当たる)持ち。ファントムクローの直後は1秒くらい動きを止めるので反撃のチャンス。
- ステッキソード
ロックマンの目の前に現れ、ステッキで斬りつける。ソード性能持ち。
たまに2回連続で使うため、油断は禁物。ガードできるが回避した方がいいかもしれない。
- ファントムスラッシュ
2ではEX以降が使用する。ロックマンの前の列に現れ、体を回転して竜巻を発生させる技。風属性性能持ち。
必ず中央のマスで使うので回避は不可能な上(インビジは有効)、最初が当たるとあとの4発も連続で受けることになる。マントを構えるしぐさを見たら素早く防御すること。
- イービルクロー
3でのみ使用する技。ロックマンの前の列の1マスから、腕を伸ばして攻撃する。ブレイク性能が付加されている。
バトルカード
メガクラスカード『ファントムブラック(ファントムクロー)』、ダイナソー限定のギガクラスカード「ファントムスラッシュ」が存在する。
ファントムクローの対インビジは健在だがガードブレイクはないので注意(というかメガでブレイク性能が健在なのはジェミニ・スパークの黒い方が撃つパンチとオリガ・ジェネラルだけ)。
流星のロックマン2
本作で最初に戦うボスキャラクター。直接戦う回数は少ないものの全編を通してロックマン達の前に立ちふさがる。
初登場時にはお化け型電波ウィルス「オロロン」を大量に引き連れ、ロッポンドーヒルズにあるTKタワーを襲った。バトル後はオリヒメからの「あまり無理をするな」という命により一時撤退。
以降は各地で暗躍。最終的にはムー大陸の復活に必要な「オーパーツ」の入手に成功し、オリヒメに献上した。
終盤にはオリヒメから力を与えられてパワーアップし、ムー大陸に続くスカイウェーブ「天空の大階段」でロックマンと対峙。
しかし再び敗北。オリヒメにもう一度とチャンスを乞い力を授かるもブライが参入、自身の目的を見抜かれた挙句一騎打ちで敗北。「わらわに無能な部下は必要ない」とオリヒメに見限られ、エンプティーによってトドメを刺され倒れた(しかし武士の情けというやつなのかデリートまではされず)。
以降はその場にダウンしたままで、話しかけても「ぐっ…」と呻くだけ。ウォーロックによると「その様子じゃもう戦えない」らしい。
ハイドは元々力のない男であり、オリヒメから力を授かったことで彼女にとって必要な存在であり続けなければならないと本人は語っている。しかし本心はオリヒメから見切りを付けられて手に入れた力を失わないようにするために従っているだけである。
そのあり方を孤高に生きる道を選んでいるブライから「自分のための間違いじゃないか?」と指摘され、さらには「まるで寄生虫」だと扱き下ろされたが、「ならばここでロックマンを倒せばワタシは最強の寄生虫だ」とか開き直っている。
ファントム・ブラックIF
クリア後のストーリー「もうひとつのミライ」ではアポロン・フレイムの部下として登場。
スバルの元に差出人不明でメールを送り、彼にパラレルワールドと自身の世界を繋ぐキーアイテムを取りに行かせた。
じげんのハザマ1でロックマンを待ち構え、自身の目的を明かした後「もうキミたちの出番はすでに終わっている」と語る。バトル後は今後ロックマンを襲う絶望のシナリオに嘲笑いながら消滅した。
パラレルワールド「もうひとつの未来」は人類が滅びた世界線なので、この世界にいるIFと本編のキャラクターとは別人で口調も違うのだが、彼だけは本編と同じ口調で話している。
流星のロックマン3
シナリオ4に登場。
本作のメインの敵である「ディーラー」とは一切関係がない第三勢力として登場。また、作中は常に電波変換の姿で活動しており、ハイドは姿も名前も見せていない。
ムーの電波体であるファントムもウィザードとして姿を現さないため、スバルたちはファントム・ブラックを「ファントム」と呼んでいる時がある。
2にてムーを滅ぼされたことにより全てを失った自分自身のためにロックマンへの復讐を行う。また、ノイズの力に目を付け、エースPGM/ジョーカーPGMを手に入れようと企んでいる。
サテラポリスからは第一級犯罪者として扱われている。
ロックマンである星河スバルがシーサーアイランドに再びやってきた時から彼の動向を監視しており(実際サテラポリスウィザードやデンパくんに目撃されている)、コスモウェーブにてノイズで苦しんでいるタイミングで強襲、電波ウイルスを放った。しかしノイズチェンジの力に目覚めたロックマンの手で倒される。だがこれも脚本の内だと言い、その場を去った。
その後、ヨイリー博士とキザマロを人質にとり、オックス・ファイアとハープ・ノートを攻撃。スバルに電波変換をしていない状態でメインコンピュータルームの前まで来いと脅す。
スバルはみんなを傷付けたくないという想いで渡そうとするが、ウォーロックを初めとしたみんなの説得により、その脅しに逆らい全員で戦う決意をする。
その状況にファントムは酷く動揺し、メインコンピュータの電脳に逃げ込んだ。
メインコンピュータの電脳で追い詰めた時には酷く焦燥していた彼は、自身の脚本をことごとくロックマンに邪魔されていることに怒り、全てがうまくいかないのは彼らが自身の脚本を読んでくれないから、全てはロックマンのせいと怒号を浴びせバトルへと突入。
再びロックマンに負けたことで自身を見失い、おぼつかない足取りのままウェーブロードから落下した。
その後の生死は不明だが、「脚本家」を気取って立ち回るその実態は、どこまでも他人にすがってばかりの道化であった。
ファントム・ブラックR
クリア後のストーリーでシリウスによって再構築された。彼には特徴的な口癖や笑い方、物言いは一切見られない。更には「ナルシズムに満ちた振る舞いは戦いの妨げにしかならない」と発言しており、オリジナルのファントム・ブラックは真の力を発揮できていなかったと評している。
アニメ版
cv.松本大
トライブ第1話から登場。ゲームの発売よりも先にアニメが放送されていたため、こちらが世で初めて登場したことになる。
本作ではオリヒメの部下ではなく、オリヒメの意志とは無関係にオーパーツを狙う1人で、イエティ・ブリザードとはライバル関係にあたる。互いの正体も知っていて、電波変換をしていない時でも競争心を燃やしていた。
使用技はゲーム版(2)と同じだが、ファントムクローを自分の体から以外でも放てるようになっており、一度に2つ以上出現させている場面もある。
ファントム
電波の神と称されるラ・ムーが生み出した古代の電波体。不気味な笑顔の仮面をつけたピンクのお化けのような姿をしている。
ゲーム版
イタズラ好きの子供のような口調で、「キャキャキャ!」と笑うのが特徴。2でハイドから、お化けのウイルスであるオロロンたちの「ボス」とも紹介されている。
ナンスカの地上絵によると、ムーの栄えた時代は軍師の役割を担っていたとされている。
ハイドが何度敗北を喫しても彼を見限る事なくハイドと共にいる為、オリヒメにも見放された彼にとっての唯一の「絆」とも解釈できる。
アニメ版
CV:鈴木勝美
ゴーストという名前で登場。「永遠の命が欲しい」と願うハイドの元に現れた。
シノビのオーパーツを手に入れた際は背中に背負っている。マイペースなハイドに呆れるところもあるが、お互いに良い関係を築いている。
漫画版
「さあそろそろ開演の時間だ。」
「it's show time!!!」
板垣雅也氏の漫画『TRIBE 流星のロックマン武闘外伝』では第2話から登場。ムー大陸1Fのフロアマスターでブライの右腕的立場にある。作中では度々F・Bと省略されている。
「戦闘は苦手」と語っており、最後まで主人公のベルセルクと直接戦闘することはしていない。ステッキの先で触れた人物のコピーを影で作る能力を待っており、自身のフロアにベルセルクが来た時は彼のコピーを作り戦わせていた。全く同じ能力にコピーをすることで永久に2人を戦わせるのを狙っていたが、最後には「大昔の自分と一緒にするな」とベルセルクにコピーを斬られてしまう。生成してから短期間で成長をしている彼に興味を持ち、次のフロアへの道を開けた。
以降は影の姿で彼の戦いを見張っている。口を出すことはあるがフロアマスターとベルセルクとのバトルに参入することはしていない。
最終話で再び実体の姿で登場。過去話では流星のR一族(ベルセルク達の一族)に最強の戦士「トライブキング」がいることをブライに吹き込み、R一族と戦わせるように仕向けていた。
F・Bの本当の目的は「ブライとR一族を戦わせ共倒れさせることで、強いものがいない世界の支配者に自分がなる」こと。ブライにはその目的を見抜かれていたが、F・Bはそれを一部否定した。そして、自身にふさわしいのは「神」だと言い、仕掛けていた爆弾でムー大陸のエンジンルームを破壊し自身は飛行船で逃走。さらに爆弾でベルセルクの兄弟ともども倒そうとしたが、ブライの投げた剣が腹部に刺さり爆弾もその場で爆発。そのまま消滅した。
最終話になるまでベルセルクに名前を覚えてられておらず、ようやく名前を覚えてくれていた時には感動していた。また、帽子の下のことについてかなり気にしており、その話題に触れられると怒る。
余談
ストーリー上で戦うことは何度かあるが、戦闘不能になるだけで電波変換が解除されたり消滅したりということは一度もない。彼の登場しない期間はサテラポリスでは行方不明として扱われている。
また、間接的ではあるが2のトライブオンと3のノイズチェンジというロックマンの2つの強化システムの覚醒に関わってしまっている。
ノイズチェンジは意図して起こすように電波ウイルスを放ったがトライブオンはそうではなく、元々オヒュカス・クイーンとの戦闘で疲弊したロックマンをエランドにトドメを刺させる算段で白金ルナを攫い彼を誘き寄せていたのだ。
そしてトライブオンに関わるオーパーツやノイズチェンジの要となるノイズは本来ロックマンやウォーロックの身体や精神に異常をきたす存在でもあったのだが、それらがきっかけで適応し、新たな力を覚醒させていた。完全な悪手とも言い切れないが、最終的には自身の首を絞める結果になってしまっている。