概要
PETは「PErsonal Terminal(パーソナルターミナル)」の略称で、現代でいうところの携帯電話やスマートフォンなどの情報端末である。
開発会社は日本においてはI.P.C(伊集院ペットカンパニー)が大手。
国外ではクリームランドが新型のPETを開発するなど国家事業として開発している土地もある模様。
PET内には擬似人格プログラム「ネットナビ」を始めとした様々な機能がインストールされており、劇中では翻訳機能システムやガスチェック機能などが登場した。
価格は「3」での依頼イベントによると、ネットナビを含めて8000ゼニー程度で購入出来るらしく、結構リーズナブルなようである。
また、エグゼ5ではモブキャラのおじさんが10個で100ゼニーのPETを購入していたが、こちらは時計機能などが度々狂う粗悪品だった。
プラグイン端子は3までのPETは基本的には有線で、4以降のPETはナビを赤外線に乗せてプラグインする無線タイプである。
また、作品ごとにPETのモデルチェンジが行われており、大抵のPETはオペレーターによりカラーリングやナビマークが違う。(熱斗は青、炎山は赤など)
(シリーズ「1」、「2」は同一モデルと思われるため、以下の項目では同一モデルとみなして解説を行う)
現実世界のスマートフォンの先駆けとなった端末だが、『2』などの描写を見る限りではカメラ機能はない模様。
1作目、2作目
公式イラストのデザインによると折りたたみ式であり、向かって左側にディスプレイとグリップ(バッテリーも兼ねている)、右側にキーボードやチップスロットがあり、プラグイン端子のケーブルは上から伸ばすタイプである。
「2」では前述の通り、オプションパーツとしてワイヤレス端子が登場した。
(ただし、受信側の端子をプラグインする穴に挿しこまないと機能しないため、熱斗はこれを端子穴に投げつけて使用した。)
他にも、飛行機など一般人のPETの持ち込みが禁止されている場所で渡されるネットナビが入っていない「ミニPET」なるものもある。
3作目
アニメ「ロックマンエグゼ」と同モデルのPET。(ただし、アニメ第1作の公式サイトTOPのイラストでは1〜2時代のPETを持った熱斗が描かれている。)
全体的に丸みを帯びたデザインになっており、右側面上部にチップスロットと下部にプラグイン端子がある。
使用後のチップは背面から排出される。
また、左側面のパーツは下方向にスライドさせることにより、グリップとなる。
カラーリングはアニメ版等では基本的に水色のみだが、「バトルチップGP」ではほかのカラーリングのPETも登場した。
ゲームではホルスターの代わりにPETケースといった収納アイテムがあり、PETを浸水や衝撃から守ってくれている。
劇中ではネットナビなどのデータを一時的に避難させるオレンジ色のサブPETが登場したが、こちらは通常のPETとは違いプラグインはできない。
また、時系列上1と2の間であるロックマンエグゼトランスミッションでは何故かこちらのPETが使用されている。(恐らくトランスミッションの一部設定がアニメ準拠だからと思われる。)
ちなみに玩具はプラグインPETの名称でバンダイから発売されていた。
4作目
名称「アドバンスドPET」
形状は縦長で右部にグリップが付いている。
下部をスライドさせると上部のカバーが開き、上面部にチップスロットと下部に操作キーが現れる。
歴代PETの中で唯一縦方向にチップスロットが付いているモデルでもある。
プラグイン端子は下部にあり、このモデルから無線タイプ(赤外線)になった。
(あさだ版の漫画では引き続き有線端子を使用している)
アニメ「ロックマンエグゼAxess」では中盤で熱斗のPETが破壊されたため、白と青を基調とした新型のPETにモデルチェンジしている。(4.5作目でも確認できる)
『Axess』以降の作品ではPETが各人に合わせたカラーリングになった事に伴い、各シーズンのベースとなった作品では登場しなかったキャラクターのPETのカラーリングが見られるのが魅力。
玩具は前作とは異なり、以降の作品もタカラから発売されている。
玩具化されたのはロックマンカラー、ブルースカラー、フォルテカラーの3つ。
なお、玩具版のPETの版権の都合なのか、アニメ本編で過去の回想が入る場面でも前機種のプラグインPETではなくアドバンスドPETが登場している。
5作目
名称「プログレスPET」(アニメではPETスリーの名称もある)
形状は横長で、向かって左側に操作キーと右側面にカバーで覆われたプラグイン端子とチップのスロットがある。
グリップやスコープ、チップホルダーなどのオプションパーツを装着することによりPETの機能を強化することができる。DS版の下画面はこのPETの画面という設定である。
また、アニメでは3Dパネル(空中に浮かぶディスプレイ)が投影されタッチすることで直接操作でき、表示されるチップデータをナビにドラッグ&ドロップすることにより、チップを直接入れずにナビにチップデータを送ることができる。チップデータは25枚入っているとのことで、このPETの登場によりクロスフュージョン時のチップ装填やチップ切れの心配が無くなった。
アニメ版では他のPETに比べると普及率は低めのようで、Streamの時代になってもアドバンスドPETを使用するゲストキャラが目立っている。過去の時代の人物であるバレル大佐もこのPETを所持しているが、これはワイリーが過去のバレルにデータを転送したからである(なので、規格の合わない過去の時代でプラグインする際には専用の端子を使用している)。
タカラトミーからはロックマンカラー、ブルースカラー、フォルテクロスロックマンカラーの三色が玩具化されている。
6作目
名称「リンクPET_EX(エクシード)」
形状は丸みを帯びた縦長の箱状で、ボタンは左側、ディスプレイは下部に、チップのスロットは右側面にある。
また、タッチペンが付属しており3Dパネルやディスプレイをタッチペンで操作する。
プラグイン端子はチップスロットの隣にある。
PETのホルダーは二の腕にバンドで固定するタイプ。
その他にもアニメではリンクゲートがビヨンダードでのPETの役割を果たしている。
またアニメ版第5期では熱斗のPETのカラーがロックマンを思わせる青からゲーム4.5作のような白と青を基調とした物に代替わりしている。なお、タッチペンにトリルを収容できたり、クロスチェンジシステムを使う際にはタッチペンを使って他人のPETからナビのデータを転送しているなどゲームではあまり活用されていなかったタッチペンが活躍するシーンも多い(ゲームでのタッチペンの出番はプラグイン時にエグゼのマークを描く時ぐらいである。DSではなくGBAで販売したのだから仕方がないような気もするが)。
更に、掌サイズのネットナビのホログラムが投影される機能まであり、よりナビと人間の距離が近くなっている。
またスリープモードも搭載されており、エネルギー切れから回復する際や睡眠時にナビが一枚の板のようなデータになる。
玩具化もされ、ジャケットやエンブレムの組み替えで外観をカスタマイズ出来た(ロックマン(水色/青/BEAST+版)、ブルース、グレイガビースト、ファルザービースト、チャージマン、トマホークマン、アクアマン、キラーマン、ヒートマン、グランドマン、ダストマン、エレキマン、スラッシュマン、テングマン、フォルテ、サーチマンが確認できる)。
理由については後述するが、『流星のロックマン』ではドリームアイランドで大量に廃棄されている光景が見れるが、現実でも端末がすぐ代替わりする事を考えれば、200年以上も運用されていたのは余りにも凄いと言わざるを得ない。
「リンクゲート」
ゲーム周辺機器として商品化された時の名称は『ビーストリンクゲート』。アニメ版限定要素の一つ。ビヨンダードにおける携帯端末で、グレイガカラーとファルザーカラーの二種が確認されている。
プラグインは本体右上部分のナビマークから赤外線を飛ばして行う。
こちらもネットナビのホログラムを投影する事ができる。(ただし熱斗達の世界とは異なり、チャージマンはデカイままだったが。)
一応、バトルチップ挿入スロットはあるものの、アニメでは使用されなかった。
ちなみに所持しているカラーと原作でキャラクターが登場したバージョンは一致しない事が多い。(例を挙げるとパクチー・ファランは原作ではグレイガバージョンに登場したが使用するリンクゲートがファルザーカラーになっている事など。)
周辺機器としての性能はかつて発売されていた、4のバトルチップゲートや5のプログレスチップゲートに近く、GBAと接続すればロックマンが常に獣化、ナビデータチップをスロットインするとチップに描かれたナビをオペレートできるというメリットもある(ちなみに6ではリンクナビに選ばれなかったブルースもこれでオペレート可能で、彼だけはバトルの時のみ参戦するという扱いである)。
流星のロックマンにも登場しているが、「昔の通信端末」としてドリームアイランドのゴミ捨て場に廃棄処分された姿が確認できる。
廃棄された理由は、後述のウェーブトランサーが発明されたことでリンクPET_EXから移行していったためである。
流星のロックマンシリーズに登場する端末
インターネット技術が電波技術へと発展していく中で、携帯端末も独自の進化を辿るようになっていった。
『絆』をテーマにした本作ではどの端末にも一貫して、友達や家族と友好関係を結ぶブラザーバンド機能が備わっている(ブラザーバンドを結んだ相手を『ブラザー』と呼ぶ)。
仕様自体はSNSの友達機能をよりアップグレードしたようなものだが、その意味合いは非常に重いものとなっており、「本当に信頼できる、何をおいても大切にしたい相手」とのみ結ばれ、ちょっとした知り合いや顔馴染み、仕事付き合いの相手程度では滅多に結ばれない。
中にはブラザーバンドを悪用して、他人の研究成果を横取りする輩もいるため、一長一短である。この経験から他人を信用できなくなった人物もいたほど。
端末を更新する度に毎度の様にフォーマットされては結び直しているのはご愛嬌。
このブラザーバンドは光熱斗がロックマンと世界を救ってきた経験に基づく、『キズナ理論』がベースになっている。
このブラザーバンドシステムは通信したプレイヤーのデータを登録する事でキズナリョクを増やし、ゲーム内で装備できるアビリティや変身形態を増やす事が出来た(後者は流星2と流星3で適用される)。故にぼっちには厳しいとして賛否両論を呼んだが、ゲーム内でもオートブラザーシステムとしてNPCとブラザーバンドを結んで最低限のキズナリョクは獲得できる上、流星3ではぼっちプレイヤー専用のブライノイズが登場した為、格差は減りつつある。
ウェーブトランサー
リンクPET_EXの後継機で、電波社会に適応した携帯端末。左腕に装着して使用する。
カラーリングは主に青/赤/緑の3つ存在(マークは各サテライトに対応したものになっている)するが、南国ケンが持っているものは白、五陽田ヘイジが持っているものは青緑であるなど実際はカラーリングが豊富なようである。
PETと同じく通信機器としての役目を持つ他、教科書の役割も果たす。また、カードの読み込み機能があり、ナビカードを読み込ませて状況に合わせたナビを呼び出したり、バトルカードを読み込ませてウイルスバスティングを行う機能もある。
ウェーブスキャナー
アニメ版で登場した小型端末。機能はトランサーと全く変わりないが、イヤホンが付いているのが特徴。
玩具版はロックマンを育成する液晶ゲーム機として販売され、ニンテンドーDSのGBAスロットに差し込んでロックマンの強化が出来る周辺機器としての面も持つ。また、『ウェーブバトルカード』という改造カードに相当するカードのスキャンも可能。
次回作以降は周辺機器が無くても改造カード系のアイテムが使えるようになった。
スターキャリアー
トランサーの後継機に当たる端末。流石にトランサーが操作しにくかったのか、PETと同じ小型携帯端末に回帰している。最大の違いは人格プログラムを持つ電波を道具として実体化させる「マテリアルウェーブ」が搭載されている点である。当初のカラーリングは青だが、トライブオンに覚醒後は各トライブに対応したカラーリングに変化する。現代で生まれた機器かに思われていたが、実際は原型となる端末がムー文明の時代には既に存在していた。
アニメではビジライザーと同じく電波空間を目視する機能が付けられている他、バトルカード・プレデーションよりも早い速度でバトルカードの発現が可能。アニメ1期の後半から早くも登場している。
タカラトミーから玩具化もされ、ゲームとの連動も可能だが、こちらにはGBAスロットに対応した端子部が存在せず、液晶に表示された数値と同じコマンドをゲームに入力する事でロックマンの強化が可能。やっていることは改造カードポジションのウェーブコマンドカードと同じ方式である。
マテリアルウェーブ一覧
マテリアルウェーブ | 個体名 |
---|---|
スカイボード | オーリー |
掃除機 | すいたろう |
スキー | ボーゲン兄弟 |
大食いマシーン | まんぷくまる |
美術館ガイド | シャベクリン |
潜水マシーン | ブクボン |
調理マシーン | おりょうりまる |
映写機 | フィルノーズ |
スポーツカー | なし |
スクーター | なし |
サーフボード | なし |
警備員 | なし |
潜水艦 | なし |
クルマ | なし |
テント | なし |
ハンターVG
CV:柿原徹也
周囲の電子機器の操作やネットナビの発展型である電波体ウィザードを呼び出す機能が追加されたスターキャリアーの後継機。電波変換機能もデフォルトで搭載されているが、サテラポリスからトランスコードを発行された者のみが解禁できる機能となっている。画面はディスプレイ表示でポップアップ機能がある。
また、ウィザードは一人につき一体という訳では無く、アダプターを差し替える事で他者のウィザードを借り受けることも可能である。ちなみに、各ハンターVGにはPET同様に各々のエンブレムが入っている。
流星シリーズ末期であった為、唯一玩具化はされなかった。
余談
作中では、ナンバリングタイトルの間は長くても数か月しかないが、前述の通りバトルチップを含めて数回モデルチェンジがなされている。
科学省やIPCに伝手のある熱斗はシリーズが変わるたびにモデルチェンジしているが、一般の人にとってはなかなかに厳しいと思われる。
エグゼ6でもリズミカルポエムの中に「気が付けば熱斗のPETはいつも新型」とあるように公式からもネタにされている。