曖昧さ回避
- カードゲームのカード1セット。もしくは山札。トレーディングカードゲームではプレイヤーが(ルールの中で)自由に組み合わせて作る。
- 船の甲板。
- スケートボードの板の部分。
- 電車や気動車や客車といった鉄道旅客車両の出入り口付近の客室と仕切られた空間。または機関車などの車端部の乗務員乗降などのための張り出し。旧型電気機関車の多くが持っていた。
- イナズマイレブンGO2クロノ・ストーンの登場人物。→ガル
4のデッキ(画像右の機関車の前面に付いている)
TCGのデッキについて
TCGを遊ぶ上で必要なカードの束のこと。山札、デックとも。
ここからカードを引き出して手札を増やし、状況に応じて場に出す。
基本的にドロー(カードの引き出し)ができるのは自ターンの指定フェイズ(例:ドローフェイズ)だけだが、所定のタイミングでドローソース(『UNO』でいう所の「ドロー2」)と呼ばれるカード群を用いて加速的に手札を増やす事もできる。
この他にもカードの効果で指定の枚数だけ自デッキを除き、ドローやシャッフルを行う方法もあるがここでは割愛。
基本的に入れるカードは自由だが、下限枚数や上限枚数があったり(※1)、デッキに組み込んではいけないカード(いわゆる禁止カード)が存在する(スタン落ちも参照)。
デッキの組み方としてはオーソドックスな属性/種族統一の他、別々の属性を合わせた混合デッキ、低コストカードだけで構成されたウィニーなどがある。
デッキはカードを引き出す他にも0枚になれば敗北とみなされる第二のライフと見做されたり、バウンス(カードを場から除外すること)先としても使われたりとシリーズによってそのあり方は実に多様である。
初心者がTCGを始めるには予めデッキが組まれたスターター(構築済みデッキ)を購入するのが望ましいが、ブースター(拡張パック)を購入して頭数を揃えるという方法もあるが、スターターはデッキが誰でも扱いやすいように調整されているのに対し、ブースターはランダム性であることから稚拙なデッキが組み上がってしまう。経済面で言えば、ブースターだけで目当てのデッキを組もうとすれば、ソシャゲのガチャよろしく思わぬ出費をする羽目になるので、結果として構築済みデッキ単品の方が安上がりとなる。
よって初心者のデッキ構築は構築済みデッキにブースターのカードを少しずつ足して調整していく方が無難である。
一方でこのランダム性をゲーム性に昇華し、その場で解放したブースターでデッキを構築して遊ぶ「ブースタードラフト」という形式の大会も存在する。
なお、先述した稚拙なデッキの問題点としては以下のものが挙げられる。
- 属性という概念と相性が悪い
- 『ポケモンカードゲーム』では技の発動にエネルギーカードが必要となるが、属性と数が指定されている為にデッキ内容が偏っていると技が発動できず、単なるサンドバッグと化す。
- 『バトルスピリッツ』では場に出ているカードの属性を利用して同属性の召喚コストを減らす事のできる「軽減コスト」というシステムが存在し、属性が偏っていると高いコストを支払わされる羽目になる。
- 手札事故を起こす
- 手札の偏りが生じ、デッキが上手く展開しない事。
- 例を挙げると、開始時のドローで序盤では役に立たない/展開できないカードが手札に出揃う(ポーカーでいうブタ)など。
- カード同士が噛み合わない。
- TCGは召喚条件に特定のカードを要したり、特定のカードや属性と組み合わせることでシナジーを発揮できるカードが存在するのだが、デッキ内容が偏っていると真価を発揮しづらい。
- 「召喚条件:コスト〇〇のモンスターがいる」ならまだ可愛いものだが、『ポケモンカードゲーム』や『デジタルモンスターカードゲーム』では進化システムを採用している(=召喚条件が限られている)ためにデッキの偏りは致命的な弱点となる。
とはいえ、好きなキャラクターで組んだ"ファンデッキ"やネタで組んだ"ネタデッキ"もあるので実戦に耐えないからといって全てのデッキが稚拙とは言い難い点には注意されたし。
(前者の場合は入れたカード次第で実戦投入できる場合もある)
また、保管方法としては持ち運びもできる専用のデッキケースやカードボックス(キャリングケースやストレージボックスタイプなど様々である)を購入することを推奨する(カードを保護するスリーブがあるとなお良い)。
脚注
(※1)デッキの下限/上限枚数(一例)
TCGタイトル | 下限枚数 | 上限枚数 | 同名カードの上限枚数 |
---|---|---|---|
MTG | 40枚 | なし | 4枚 |
遊戯王 | 40枚 | 60枚 | 3枚 |
デュエル・マスターズ | 40枚 | " | 4枚 |
ポケモンカードゲーム | 30枚(ハーフデッキ)/60枚 | 60枚 | 4枚(エネルギーカードは無制限) |
バトルスピリッツ | 40枚 | なし | 3枚 |
カードファイト!!ヴァンガード | 50枚 | " | 4枚 |
ヴァイスシュバルツ | 50枚 | " | 4枚 |
WIXOSS | 40枚 | " | 4枚(ルリグデッキは1枚) |
ヴァイスシュバルツ | 50枚 | " | 4枚 |
デジモンカードゲーム | 50枚 | " | 4枚 |
以上は基本的なルールに基づくもの。詳細は各TCG公式サイトまたはwikiなどを参照のこと。
転じて
話し手が持つ話題・知識・返しがカードに見立て、様々な想定のもとに組み上げた会話内容を指すスラングとして「会話デッキ」が存在する(表現者風に言い換えれば「ネタの引き出し」がこれに該当する)。
組み上げたデッキの中からタイミングや状況に応じてネタを繰り出す様は確かにTCGのようである。
例えば会社の同僚が相手ならば、「天気」/「時事ネタ」/「食べ物」といったネタでデッキが組まれるといった具合(他の例ではどーすんの!?オレがわかりやすい)。
ただし、TCGに禁止カードが存在するようにデッキに入れるには相応しくないネタもあり、「下ネタ」/「アイデンティティ」などは一般的には"禁止カード"の部類と看做される。
勿論、無難に見えるカードでも場合によっては裏目に出るので注意が必要であり、本人の技量が稚拙ならば尚更である。如何に良いデッキでも使い手の技量が低ければ意味がない。デッキの組み方や運用が下手な者は実戦で泣きを見る事になるだろう。
総括すると様々な「環境」に応じてネタを使い分けなければいけない上に、本人のテクニック(表現力や洞察力など)次第で展開が如何様にも変化する戦略性などある程度TCGと共通する要素がある事から若年層に定着したとも解釈できる。
ちなみに、会話デッキの禁止カードを実在のものに置き換えるとこうなるらしい。
天気デッキ
おそらくネット上で尤も擦られているであろう会話デッキ。
このデッキの使い手とされるのは葛葉。
桜凛月(以下「りつきん」)との初コラボ事前配信に於いて会話に困らないように視聴者と相談の末に組み上げたデッキであり、ありがちな「天気」の話題を基点としたデッキであった。
しかし、葛葉はあまりにも話題の切り方がズレていた為にりつきんは困惑し、会話が上手く続かない状況が続いた(まるでカンペを見るような口調であった事も不自然さに拍車を掛けていた)。
ちなみに由来は遊戯王における天気をモチーフとしたデッキから。
どうしてこうなった
「天気」デッキという字面だけ見ると当たり障りのない、デッキのようにも思えるが、他に組み込んだカードを見てみると「温度」、「星座」、「好きな食べ物」、「朝ごはんはパン派/ご飯派」とどこかチョイスがズレている。
加えて、デッキを使用した状況がマイクラ実況であり、基点となる「今日の天気と気温」という話題に噛み合っていなかった事が困惑の最大の原因である(現実世界であったならば、もう少し上手く行っただろう)。
しかも、開始した時点でマイクラ内での天候が星空だったにもかかわらず、昼間に「星座」の話を振る始末である。タイミングが逆じゃないか?
これ以外にもツッコミどころは満載なのだが…実例を見てもらえば早いだろう。
その後
気まずい雰囲気になりつつも、会話を一生懸命に続ける姿が可愛らしく映ったのか、ネット民のみならず、同業であるにじさんじメンバーに弄られまくっている。
なお、葛葉本人曰く、殿堂入りしたから使えなくなったとの事である(参考)。