概要
『ポケットモンスター』を題材にしたカードゲームである。1996年から販売。
発売元は株式会社ポケモン。製造は任天堂が行っている(手掛けているトランプの製造ラインを利用できる為)が、かつてはメディアファクトリー(現KADOKAWA)が手掛けていた。
何気に国産の本格的トレーディングカードゲームとしては日本初のものである。遊戯王OCGより2年ほど先輩。
ただし当初の正式名称は『ポケットモンスター カードゲーム』で、裏のデザインも現在とは異なる。
名称が『ポケモンカードゲーム』に切り替わったのは2001年発売の「VSシリーズ」以降。
なお、往年のファンにお馴染みの『ポケモン言えるかな?』はこのポケモンカードの販促用に作られたものである。歌っている人も製造元の社員というおまけつき。
pixivでは、ポケモンカード風に描かれたものや、ポケモンカードを題材にしたイラストにこのタグが使われている。
基本的に使用されている設定はゲームがベースであるものの、劇場版公開記念に販売されるデッキやパックにはアニメ版の要素が取り入れられる事も少なくはない(『ポケモンカードVS劇場限定版』など)。加えてGBA世代に販売された拡張パックにはホロンと呼ばれる地域やデルタ種のようなオリジナル設定が多数登場していた。
遊び方
カードでポケモン勝負を行う。
- 事前にサイドにカードを6枚(ハーフデッキなら3枚)置いておく。
- 交互に技を出し合い、ポケモンのHPを0にして「きぜつ」させるごとに、プレイヤーはサイドに置かれたカードを1枚とる。ポケモンEX、GX、Vの場合は2枚、タッグチーム、VMAXの場合は3枚とる。2匹以上が同時にきぜつした場合は、きぜつしたポケモンの合計分とる。とれるサイドの枚数を多くするアイテムやワザ、逆に少なくするスタジアムがある。
- サイドに置いてある全てのカードを取った方が勝利する。また、山札が引けなかっり、ベンチにポケモンがいない状態でバトルポケモンがきぜつしても敗北となる。
- ポケモン以外が描かれたサポート用のカードもある。
- 現在ではかなりインフレしてきており、特性でエネルギーを自分の番に何回もつけられたり、条件を満たせばノーリスクで200を超えるダメージが叩き出せたりする。さらにベンチを8体まで出せるカードも登場した。
- トレーナーズはマチスの作戦を使った場合を除き自分の番に1回しか使えないサポート、何回でも使えるグッズに分けられる。
参考動画
タイプについて
タイプは本編と比べて簡略化されている。
ポケモンカードでのタイプ | 本編でのタイプ |
---|---|
草 | くさ / むし / どく(第3世代レギュまで) |
炎 | ほのお |
水 | みず / こおり |
雷 | でんき |
超 | エスパー / ゴースト / どく(DPレギュ~SMレギュ)/ フェアリー(剣盾レギュ以降) |
闘 | かくとう / じめん / いわ |
悪 | あく / どく(剣盾レギュ以降) |
鋼 | はがね |
ドラゴン※1 | ドラゴン(BWレギュ以降) |
フェアリー※2 | フェアリー(SMレギュまで) |
無 | ノーマル / ひこう / ドラゴン(LEGENDレギュまで) |
※2:剣盾のレギュレーションでは廃止されている。
状態異常
ポケモン本編と同じく、状態異常が存在する。ポケモンチェック(お互いの番が終わるたび)に状態異常の効果が発動する。
- どく
- やけど
旧ルールでは「コインを投げてウラならダメカンを2個のせる」という自然治癒がない仕様だった。
- まひ
- ねむり
- こんらん
(強制きぜつ)
状態異常というよりはワザの効果だが、番を終了させたり、特定のワザを受けると即座にきぜつする効果。
コイン
一部のワザやサポートなどを使う時に必要なコイントス。オモテだとワザが強化されるが、ウラだとワザが失敗、弱体化したり、自分に不利な効果が発生する博打要素。イツキを使うことによって、一度ワザ・特性・トレーナーズ使用時に裏表を選ぶことができる。また、ビクティニの「しょうりのほし」やルミナスメイズの森によってコインの結果を一度なかった事にし、投げ直すことも可能。
レアリティ
ポケモンカードを参照。
ポケカバブルとその人気
それまではまずまずの人気を誇っていたカードゲームだが、2018年後期、突如として大ブームが来ていた。
YouTubeでの宣伝、9月1日のスタン落ち(サン&ムーン以降のカードしか使えない)のレギュレーション、更にはスタートデッキで始めやすくなったことより、新規はもちろん、様々な展開についていけなくなった他のTCG勢からポケモンカードゲームを始める人間が増えるようになった。
通常スタン落ちは大抵のTCGの場合ユーザー離れを起こし、売り上げに若干影響が出るのだが、人気が落ちることなくむしろ盛り上がったのは前述の理由とポケモンのロイヤリティーがそうさせている。
これにより構築済みデッキおろか拡張パック、更にはスリーブやアクリルダメカンがショップやネットで売り切れポケモンセンターでは長蛇の列ができるようになった。お店側は後述の転売被害も防ぐため抽選販売や購入制限が掛けられるようになった。
また、あるカードの相場も最低レアでも5000以上の価格で取引されたとこもある。代表的な例がカプ・テテフGX等がある。
中古カードでもサン&ムーンのカードであれば殆ど高い値がついてしまいシングルでも売り切れることがよくあり、シングルで強化したくても強化できない状況となった。
まさに始めたいけどデッキ名がないので始められず、強化したいけどパックやシングルカードがないため強化できない。最悪の場合、転売ヤーやインターネット詐欺の餌食になると言う阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
現在のところ供給が間に合い落ち着いているが、人気の高いパックやサプライに関しては売り切れ、サン&ムーンのカードは膨大で再録されてない若しくは再販に間が空いているカードには高めの相場になっており、それもシングルでも人気の高い汎用性のあるカードが売り切れてしまうというのが実情である。
どのカードゲームでも言えることだが、カードを買う場合ネットだけでなく実際の店舗やポケモンセンターのオフィシャルショップサイトで調べたり、シングルカードの相場を多くのサイトを拝見し、見極めながら探し買うことをお勧めする。そして何より新作はできる限り早く予約すること。
ポケカの勢いに他のTCG勢が咎めたりする等の論争が問題になっている。嫉妬の気持ちはあるだろうがそれはできるだけやめていただきたい。違うカードでも楽しいことには変わりないからである。
このポケカバブルがあったからこそ、昨今の事情によりTCG冬の時代となった2020年でユーザーと大会の減少等の大損害を被ったものの、ポケモンのロイヤリティーで新規参戦したプレイヤーやポケカバブルから参加したプレイヤーのおかげで大事には至らない。むしろ高い売り上げとプレミアカードの出現等により、遊戯王と並ぶ人気のTCGに成長しつつある。
……だが現在その人気が災いしカードを店から買い占めてそれを餌にパックやBOXを高額取引を持ち掛ける業者が続出し、本来遊ぶために買おうと思っていた人が買えないという事態が発生。再び売り切れ続出で予約ができる店舗が皆無になる上、さらに前述の理由からカードの強盗、窃盗など社会問題にもなってしまっている。公式や販売店も対策を講じているが徹底に至っておらず、嫌気がさしてカードで遊ぶのをやめてしまう人も続出している。これには公式広報も謝らざる得ない状況となった。また、ポケモンに限らずカードゲーマーからは法整備も含めた転売規制を求める声が上がっている。
これによってプレイ人口が少なくなれば衰退し、様々な人のクレームが増え続けていく。最悪の場合、販売店の取り扱い中止、商品展開の延期やサービスの打ち切りになる恐れもあり、先行きは不透明。不安がる人も増え続けている。
ただポケモンカードゲームだけがポケモンの全てではないことを忘れないでほしい。例え買えなくてもしばらく待てば買えることもあるし、買えないフラストレーションを転売ヤーや株式会社ポケモン、販売店等にぶつけるのでなくポケモンカードの原点である原作ゲームやアニメなどの他のポケモンのメディアやグッズに触れてポケモンカードのモチベーションを維持することもポケカユーザーのできることの一つである。
それともし手に入れたら、株式会社ポケモン、クリーチャーズ、ポケカに関わっている人たちに手紙やメールなどで、要望よりも何らかの感謝の気持ちを伝えておくといいかもしれない。
本編への逆輸入
カードのポケモンはゲームのポケモンは使えないオリジナルの技・能力を覚えていることが多く、注目してみると面白い。
更に、そのオリジナル技・能力は後にゲーム本編で採用されることがある。特に第3世代が顕著だった。
▲特殊能力・特性が本編で技に変化したもの
○技が本編で特性に変化したもの
■技が本編で道具に変化したもの
◇道具が本編で技に変化したもの
♡特殊能力・特性が本編で性格に変化したもの
そのままの名前で採用された例
第2世代 | あくむ / あまごい / うずしお / げんしのちから▲ / こうごうせい▲ / ころがる / じたばた / スパーク / テクスチャー2 / のろい / マッハパンチ / みちづれ / みらいよち / ラッキーパンチ■ |
---|---|
第3世代 | いかく○ / おくびょう♡ / おどろかす / おにび / おんねん / カブトアーマー / このゆびとまれ / こんじょう / しおふき / シェルアーマー / じゅうでん / すながくれ○ / すなじごく / せいでんき○ / だくりゅう / だっぴ○ / ちょうはつ / てだすけ▲ / どろかけ / ひらいしん○ / ふんか / へんしょく / みずあそび / めんえき / りんぷん○ / ロックブラスト |
第4世代 | アイアンヘッド / あまいミツ■ / エアスラッシュ / エナジーボール / おみとおし / かえんだま■ / きあいだま / こおりのつぶて / さきどり / しっぺがえし / ダークホール / ついばむ / なげつける / ほうでん / ナイトメア○ / ゆうわく / リサイクル◇ |
第5世代 | あおいほのお / いやしのはどう / かえんだん / かたきうち / サイドチェンジ / じならし / ダブルチョップ / テレキネシス / ドラゴンテール / ぼうふう◇ / ほのおのまい / やきつくす / らいげき |
第6世代 | おたけび / フリーズドライ / まとわりつく |
第7世代 | かげぬい / どくのいと / じごくづき / とびかかる / つけあがる |
第8世代 | くらいつく / だいちのはどう / ダブルウイング / ねらいうち / ポルターガイスト |
若干表記が変更された例
第3世代 | とおせんぼう / ハイドロカノン |
---|---|
第8世代 | ぶちかまし / ボディプレス |
別のオリジナル技の効果と混合させて採用された例
第8世代 | クイックターン |
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余談
DP編以降のカードには原作ゲームの図鑑解説がフレーバーテキストとして掲載されるようになった。
しかし、映画10周年記念プレミアムシートに収録されたカードは原作ゲームの生態ではなく、劇場版の設定が記載されている。
ポケモン | 解説 |
---|---|
ミュウツー | ひとのてによって つくられた。にんげんをにくみ せかいをせいふくすることによって ふくしゅうを くわだてる。 |
ミュウ | せかいのはじまりのきに すむ まぼろしの ポケモン。 はじまりのきと いのちを きょうゆうしている。 |
エンテイ | しょうじょの さみしいこころに はんのうして あらわれた。けっしょうとうに でいりできる ゆいいつのそんざい。 |
ルギア | ふえのねに みちびかれ せかいのききをすくうためあらわれる。 うみのかみと よばれている。 |
セレビィ | ときをわたる ちからをもつ。 もりのまもりがみと よばれる。 |
ラティアス | みずのみやこの まもりがみと よばれる。 ひみつのにわで こころのしずくを まもっている。 |
ラティオス | みずのみやこの まもりがみと よばれる。 おおつなみによる まちのききをすくった。 |
ジラーチ | せんねんに いちどだけ めをさまして にんげんのねがいを かなえてくれるという。 |
デオキシス | じょうきょうにより さまざまなフォルムに すがたをかえる。 すぐれた じこさいせいのうりょくをもつ。 |
ルカリオ | すうひゃくねんの ふういんから よみがえった。 はじまりのきを すくうため はどうをはなつ。 |
マナフィ | うみのおうじとよばれ うみのポケモンたちの リーダーてきそんざい。 うみのしんでんに ゆいいつ たどりつける。 |
初期から製造自体は任天堂のカード生産ラインで行っているものの、任天堂自体が販売元になるのは消極的だったとされる。
ゲームソフト
関連企画
関連タグ
ポケモン ポケモンカードゲーム レギュレーション
オリカ TCG
その他のカードゲーム
遊戯王OCG / MTG / デュエルマスターズ:ポケカと共に長く続いているカードゲーム。
アンジュ・ヴィエルジュ:同じくメディアファクトリーから発売されたカードゲーム(ただしこちらは富士見書房との共同企画)。