概要
初出は第7世代『ポケットモンスター サン・ムーン』。
バトル形式といっても対人戦は一切なく、野生ポケモン戦でのみ発生する特殊な状態のことを差す。
野生ポケモンと戦っている時に、ターンの終わりに野生ポケモンが他のポケモンを呼び出すことがある。
呼び出しに成功すると、隣から新しくポケモンが出て(乱入して)くる。
だがこちらが新しくポケモンを出すことはできず、野生ポケモンと2VS1でバトルせざるを得なくなる。
この状態を便宜上「乱入バトル」と呼んでいる。
ぬしポケモンとの戦闘では必ず乱入バトルが起きる。
通常の野生ポケモン戦ではイリマの試練を達成した後にランダムで乱入バトルが起きる。
ただしぬしポケモンは「仲間を呼ぶ」で、通常の野生ポケモンは「助けを呼ぶ」である。呼び出すこと自体に違いはないが。
実装当初は、
- 「捕まえたいポケモンがいるのに連続で助けを呼ばれて手持ちが疲弊してしまった。こっちももう1匹出させろ!」
- 「ボールを投げようとしたらポケモンが2匹いて狙いが定まらないとか言われた。普通に狙えるだろ!」
- 「相手同士が攻撃し合って捕まえたいポケモンが倒されてしまった。理不尽!」
- 「ぬしポケモンの弱点を突こうとしたら対策ポケモンを呼ばれて返り討ちに遭った。
などかなり不評だったが、仕様が判明するにつれて様々な可能性を秘めていることが判明し、現在では活用方法がいくつか確立されている。
以下、主に通常の野生ポケモンとの乱入バトルについて解説する。
呼び出しの仕様
基本的には、呼んだポケモンと同種のポケモン(レベルや性別などはランダム)が登場する。
呼び出しが起きやすくなる条件
- 呼び出すポケモンの残りHPが少ない
- 自分がアイテム「ビビリだま」を使っている
呼び出しが成功しやすくなる条件
- 自分が特性「いかく」「プレッシャー」「きんちょうかん」のポケモンを出している
- 呼び出されたポケモンが効果抜群の攻撃を受けて倒れた
- 前のターンにポケモンを呼び出している
- 前のターンにポケモンを呼び出したが、失敗した
呼び出しが起きなくなる条件
- 呼び出すはずのポケモンが状態異常にかかっている
- 呼び出したポケモンと呼び出されたポケモンとの系列が異なり、呼び出し元を倒してしまった(例えばサニーゴがヒドイデを呼んできた時にサニーゴを倒してしまった場合など)
- 呼び出しを一切行わないポケモンだけが場に残っている(例えばメテノは呼び出しを一切行わない)
呼び出し連鎖
呼び出しは1回2回ではなく、条件さえ満たせば何回も起きる可能性がある。
この時、野生ポケモンが呼び出された回数のことを連鎖と呼ぶ(当然呼んでも来なかった分はカウントしない)。
1回呼び出されると1連鎖、2回呼び出されると2連鎖……といった具合。
連鎖が途切れる条件は、上記「呼び出しが起きなくなる条件」を1つでも満たすこと。逆にこれを1つも満たさなければ、互いの技のPPが許す限りいくらでも連鎖できる。
この「乱入バトルで起こる連鎖」は様々な呼称が使われており、「ビビリだま連鎖」「仲間呼び連鎖」「呼び出し連鎖」など一定していない。
本項では「呼び出し連鎖」(あるいは単に「連鎖」)の呼称を採用する。
ただし『USUM』では野生ポケモンに限り「ビビリだま」を使っていない時は1度しか仲間を呼ばない(ぬしとの戦闘は除く)。
2回以上呼び出して欲しい場合は「ビビリだま」を使う必要がある。
呼び出し連鎖時の注意点
誤解されやすいが、最初に出現した野生ポケモンを倒すと呼び出し連鎖が途切れるわけでは決してない。同系列の味方が隣に残っていれば連鎖は続くのだ。
例えば、最初に出現したコラッタAがコラッタBを呼び出して、コラッタAの方を倒しても、コラッタ自体の連鎖は途切れない。条件を満たせばコラッタBが新しいコラッタCを呼び出すことになる。
効率よく呼び出し連鎖を行うには野生ポケモンのHPを減らす必要があるが、1匹に無理して呼び出させ過ぎると「わるあがき」で自滅してしまうので、呼び出し元は適宜変えるとよい。
また、「ビビリだま」は1回しか使えず、かつ1回使えばそれだけで全連鎖に有効。2回目以降使おうとしてもターンがスキップされるだけになる。
ただし「ターンがスキップされる=こちらのPPが減らない」なので、呼び出しが起きるまでの時間稼ぎとして「ビビリだま」を選んで使おうとし続けるのは非常に有効。
ちなみに「ビビリだま」は自分のポケモンに使っている扱いになるらしく、「さしおさえ」の状態にされた場合は一時的に使えなくなる。
もっとも「使う」段階の話であり、一旦使ってしまえば「さしおさえ」を使おうとも無効化はされないし、「さしおさえ」状態自体もポケモンを交替すればすぐ解除できる。「さしおさえ」を使ってくる野生ポケモンもワルビル(ガバイトの呼び出しに利用する)ぐらいしかいないのでそこまで注意する必要もない。
呼び出し連鎖を中断させてポケモンを捕まえる場合上記にある通り1匹だけの状態でないといけない。
だがHPを減らすとまた新たに呼び出しかねないので、先に状態異常をかけて呼び出しを止めるとよい。
乱入バトルの活用
高個体値の入手
一定連鎖以上行うと、能力のどれかに必ず個体値31(ジャッジでいう「さいこう」。以下Vと記す)を含むようになる。
- 5連鎖以上:1ヶ所にV確定
- 10連鎖以上:2ヶ所にV確定
- 20連鎖以上:3ヶ所にV確定
- 30連鎖以上:4ヶ所にV確定
30連鎖から更に連鎖を続けても確定するVの数は4つで変動がない。
主にこの方法でしか高個体値が手に入らないメタモンの呼び出し連鎖に活用される。
なお、あくまで高個体値になるのは呼び出された側なので注意すること。間違えて呼び出し元を捕まえないように。
隠れ特性の入手
10連鎖以上行うと、呼び出されたポケモンが通常とは異なる隠れ特性を持っていることがある。
ただし普通に戦闘して隠れ特性が分かることは稀で、多くの場合何かしらの技を使うか、何かしらの小細工をして特性を割り出す必要がある。
「スキルスワップ」「なかまづくり」「なりきり」「なやみのタネ」「シンプルビーム」などを使うとよい。
その他、「きもったま」持ちを探すためにゴーストタイプを攻撃させるなどの特殊な方法もある。
色違いの発見
連鎖を行い続けると、色違いの遭遇確率も上昇する。70連鎖以上で通常の3倍となる。
ただし当然捕まえるには色違いのポケモンだけを残す必要があり、また色違いのポケモンも助けを呼ぶ可能性があるので、場合によっては色違いが色違いを呼んできたせいで色違い2匹のうち片方をどうしても倒さなければいけないという悲しい状況になることもある。要注意。
珍しいポケモンの発見
何とこの乱入バトルでしか出現しないポケモンが何種族か存在する。
基本的には同じポケモンが呼ばれるが、中には進化形や進化前を呼ぶことがある。進化形は進化前と比べて高い種族値のおかげで攻略要員に役立つ場合もあるので、出て来るまで粘るのも1つの手。
冒険の初めの方で「図鑑には出てくるって表示されてるのにピカチュウが全然出てこないよ!ピチューばっかりだよ!どうなってるんだ!」となった人が続出したが、それもそのはず、ピカチュウは呼び出し限定で出現する。普通に探しても一切出てこない。
『SM』ではこれについて一切の事前情報がなく混乱するトレーナーが続出したが、『USUM』では分布画面において呼び出し限定のポケモンの場合「ビビリだま」のアイコンが表示されるようになったため、分かりやすくなった。
なお、呼び出されたポケモンが呼び出したポケモンの進化形や進化前であれば、呼び出し元を倒しても基本的には連鎖が続くので安心されたい。
(呼び出しを行わないジャラランガなど一部例外はあるが)
そして時々全く異なった系列のポケモンが呼ばれることがあり、しかもその中で通常の野生出現すらしない(呼び出し限定)ポケモンもいる。
中には上記イラストのように呼び出し元の天敵にあたり、呼び出し元を攻撃するなんてケースもある。
当然、異なった系列が呼ばれた時に呼び出し元を倒してしまうと呼び出し連鎖は途切れてしまうので注意!
特に隠れ特性の判別は慎重を要する。
「乱入バトル限定出現」かつ「呼び出し元とは異なった系列」のポケモン(全国図鑑順)
- ラッキー(呼び出し元:ピィ、エレキッド、リオル)
- ヤミラミ(呼び出し元:メレシー ※呼び出し元を攻撃)
- ポワルン(呼び出し条件:特定マップで戦闘中の天候が「あめ」「あられ」「すなあらし」のいずれか)
- ピンプク(呼び出し元:ピチュー、ウソハチ、ゴンベ、ププリン)
- ガバイト(呼び出し条件:ハイナ砂漠で戦闘中の天候が「すなあらし」)
- バニプッチ(呼び出し条件:カプの村で戦闘中の天候が「あられ」)
- バニリッチ(呼び出し条件:ラナキラマウンテンで戦闘中の天候が「あられ」)
- ヌメラ(呼び出し条件:特定マップで戦闘中の天候が「あめ」)
- ヌメイル(呼び出し条件:特定マップで戦闘中の天候が「あめ」)
- ヒドイデ(呼び出し元:サニーゴ ※呼び出し元を攻撃)
努力値(基礎ポイント)稼ぎ
乱入バトルが1回(1連鎖)でも発生すると、その瞬間に倒した時に加算される努力値が通常の2倍になる。
例えばヨーテリー(HP+1)を乱入バトルでない状態で2匹倒すと「1+1=2」のHP努力値がもらえるが、乱入バトルの時に場にヨーテリーが2匹並んでいる状態で2匹とも倒すと「(1+1)×2=4」の努力値をもらうことができる。
これを利用し、「ポケルス(努力値2倍)」と「パワー○○」系アイテム(倒したポケモンとは別に該当する能力の努力値が+8される)を駆使することで1匹倒すだけで最低でも36の努力値が手に入るという凄まじい効率になる。
これを7回行えば努力値252、つまり条件を整えて該当ポケモンを7匹倒すだけで努力値が極限まで振り切れるということになる。歴代最高効率である。
なお勘違いされやすいが「乱入バトルが起これば必ず努力値が2倍になる」ので、最初に出現した(呼び出されていない)ポケモンであっても乱入バトルの最中は努力値が2倍になる。
補足
戦闘時に特別な効果をもたらす以下の特性については、通常と異なる仕様が確認されている。
「ふくがん」
呼び出されたポケモンがアイテムを持っている確率が上がるのはこの特性を持ったポケモンを自分が戦わせている時のみ。控えに置いても、勿論「ひんし」にさせても効果は一切ない。
「シンクロ」「メロメロボディ」
同様、呼び出されたポケモンがこの2つの特性の影響を受けるのはこの特性を持ったポケモンを自分が戦わせている時のみ。
加えて、参照する性格・性別はパーティの一番左上にいるポケモンの性格・性別となる(この特性を持ったポケモンとは限らない)。
例:パーティの左上にピカチュウ♂がいる状態でヤトウモリと戦い、乱入バトルが起きた時に、
途中で「メロメロボディ」のプリン♀を繰り出してヤトウモリを倒し、その状態で新たにヤトウモリが呼び出された場合。
「メロメロボディ」は有効となるが、参照する性別はパーティの左上のピカチュウ♂なので、呼ばれたヤトウモリは「メロメロボディ」によって♀が多くなる。
乱数調整
2023年12月時点で乱入バトルの乱数調整は確立されてはいるが、極一部のどうしても欲しい個体のパターンを狙う場合を除いて全く効率的ではない。