概要
ゲームやアニメ「ポケットモンスター」シリーズにおいて、ポケモントレーナーは、ポケモンをモンスターボールで捕まえて育て、共にリーグ戦で強くなったり、コンテスト制覇などを成し遂げることで絆を結ぶことが出来る。
では、ポケモンを捕まえるためにはどうすればいいか?まずは捕まえたいポケモンを弱らせる必要がある。
弱らせるにはどうすればいいか?もちろんそのポケモンと勝負するのである。
また、ポケモンカードゲームもポケモンカードや、わざやアイテムのカード、近年ではメガシンカなど、カード上のポケモンを使って対戦をする。
つまり「ポケモンバトル/ポケモン勝負」とは、シリーズ全般における最も基本的なゲームシステムなのである。
名称について
なお、原作となるゲーム本編シリーズでの正式名称は「ポケモン勝負」であり、作中においてポケモンバトルという名称は極一部の例外を除き一切使用されていない。
「ポケモンバトル」は主にサトシが主人公のアニメシリーズで使用されている呼称である。
また同様にポケモンを捕まえることを指す「ゲット」も主にアニメで使われており、ゲームシリーズでは「捕まえる」「捕獲」という呼称を用いている。
ちなみに、このワードはテレビ版のオープニング主題歌ライバル!の歌詞にも使われている。
以下、原作のゲームシリーズについての記述には「勝負」、アニメについての記述には「バトル」を用いる。
種類
ポケモン勝負は大きく分けて2種類ある。
- 野生ポケモンとの勝負
- トレーナー同士での勝負(架空の存在であるバーチャルトレーナーを含む)
ゲーム内での仕様
上記のうち片方しか行うことができないというケースは珍しく(『ポケモンコロシアム』・『ポケモンGO』など)、大体の場合1つのゲームでどちらも行うことができる。
どちらも相手のポケモンを倒すことで、倒したポケモンが経験値を貰って強くなる。
トレーナーは技や交代の指示を出すだけでなく、行動1回分を消費して道具を使い、ポケモンを支援することができる。
野生ポケモンと勝負する場合、戦闘中にそのポケモンを捕まえることが可能。捕まえた場合、初代~『BW2』までは経験値が入らなかったが、『XY』以降の作品では倒した時と同様経験値が入るようになっている。
もしお目当てのポケモンでなかった場合や戦っていられる状態にない場合には、「逃げる」を選んで戦闘をこちらから終わらせることもできる。シリーズによっては相手の方が逃げることもある。
ただし捕まえたい場合、『LPLE』を除いて倒しきってしまう(相手のHPを0にする)と捕まえることができないので、0にならないように調整する必要がある。
トレーナーとの勝負は野生ポケモンに比べ経験値を多く貰える。
また、当然ながら対戦相手となるポケモンは既にそのトレーナーの手持ちであるため、相手のポケモンにボールを投げて捕まえることができない(「ひとの ものを とったら どろぼう!」というテキストと共に相手トレーナーが弾く)。
例外は『ポケモンコロシアム』『ポケモンXD』のダークポケモンで、ダークポケモン救済のために特例としてボールを投げて捕まえることができる。
多くの場合、相手のポケモンを倒した後、次に繰り出すポケモンを見てからこちらのポケモンを決める(いれかえルール)か、倒したポケモンに勝負を続投させる(かちぬきルール)かを選ぶことができる。
全て倒しきると賞金が貰え、こちらが全滅すると賞金を支払うことになる。
ポケモントレーナー同士のポリシーとして、基本的に逃げることは許されない。
LEGENDSアルセウスではポケモンバトルが一般的ではない時代設定のため賞金のシステムがない。なのでこちらが全滅しても「鍛えて挑み直そう」となってやり直しとなるのみ。
SV(同作中の他地方の施設、地域を含む)では過去作と異なり任意で自らトレーナーに近づいて話しかけなければバトルが発生しない。また、トレーナー戦でも逃げることが出来るが、その場合は負け扱いになるため間違えて話しかけてしまった時(特に吹き出しが黒い強敵トレーナー)以外に逃げるメリットはない。
つまり、ポケモントレーナー同士のポリシー上、「無償で逃げることは許されない」に変化している模様。(任意の勝負に関しては、SV以降のシリーズでもそうなのかは現時点では不明)作中のNPC(灯台からプラトタウン手前の道中)によればパルデア地方ではお互い任意でのポケモン勝負が一般的らしい。
ゲーム間での勝負(対人戦)
ゲーム内で行う勝負は、そのほとんどが上記の仕様を持つ。ところがゲーム間での勝負、つまりポケモン世界での主人公同士が通信機能を用いて行う勝負(所謂「対人戦」)では以下の点でこれと大きく異なる。
- 相手を倒しても経験値が一切入らない。
- いれかえルールは選べず、かちぬきルールになる。
- 任意のタイミングで逃げることができる。
- ほとんどのルールでトレーナーが道具を使用することができない(ポケモンに持たせてポケモン自身が使うことはできる)。
- 出場するポケモンのレベルは事前に統一されることが多い。
- 出場できるポケモンに制限が設けられることが多い。
このようになっているのは、ゲーム間での勝負が冒険の一環としてではなく、ある種の試合として行われることが多くあるためである(これらのルールの大本が公式大会であることからもそれが分かる)。特にプレイヤー層が拡大した近年では「ポケモン勝負」といえばこちらの方を連想することが多い。
レベルの差で圧倒したり、強力な1種類のポケモンを複数用意してボコボコにしたりなどができないため、ポケモンに対する知識や場の判断など、総合的な実力を試されると言ってよい。
これらの仕様はゲーム内でも対戦やり込み施設で見られる。
だが、勘違いのないように言っておくと、対人戦だけがポケモン勝負ではない。対人戦をしないからといってその人がポケモン勝負を楽しんでいないわけでは決してない。楽しみ方は人それぞれである。
ポケモン勝負はフェアに
近年では、インターネットや通信技術の発達により、ゲームボーイの頃からあった通信ケーブルを使った目に見える相手とのバトルだけでなく、ワイヤレス機能とオンライン機能(無線LANまたは有線LANを使った通信)を使って海の向こうの遠くの相手とも勝負ができるようになった。
この際、必ず最低限のマナーを守り、楽しくフェアに行う必要がある(インターネット切断や、セーブデータ改造は駄目絶対)。
もし守らない場合、相手から何を言われても文句は言えない自業自得である。
そのため、ネット対戦を行う際は多少のスルースキルと最低限のネチケットを身につけておく必要がある。
目に見える相手でもしっかりと節度を守らないとリアルファイトになりかねないため注意(元々が子供向けのゲームである以上、相手が小学生である可能性もあるため)。
逆に、最低限のマナーを守って対戦すればお互いに良い勝負ができるだろう。
そのためには、自分が相手に迷惑をかけていないかを時々でいいので振り返る必要がある。
これらのことを肝に銘じて、プレイしている方も見ている方も楽しいポケモン勝負を繰り広げる人はトレーナーの鑑といえるだろう。
※この「楽しい」とは、盛り上がりの有無ではなく、「気持ちよく」というニュアンスに近い。
※この「フェア」とは、ポケモンバトルの戦法を指す言葉では無いのに注意。相手に先手を取られ続けてボコボコにされたり、状態異常にされて負けた場合は修行不足として割り切ろう。
ゲーム『ポケットモンスター』シリーズでの主な勝負形式
その他のバトル方式
LEGENDSアルセウスのバトル方式
原則こちらは一体しか出せないが、相手が一度に二体以上出してくる事もある(セキやカイ、ワサビなど)。
野生ポケモンも同様で圏内に他のポケモンが紛れていると群れバトルよろしく複数体を相手取らなくてはならない上、両者に共通して本作には全体技がない関係上、一体一体倒していく必要がある。
リトルバトル
一番最初である進化前のポケモン限定のルールである。
詳しくは該当項目にて。
ミラクルシューター
BW(BW2)でのルール。ミラクルシューターという発射機を装着する事で、通信対戦では禁じ手とされる回復アイテムの使用が可能。
これで難易度が楽になったと思っているそこの貴方、実際はその逆。
ターンごとにエネルギーが溜まっていき、そのエネルギーに応じてアイテムを使うのでアイテムを使っている暇はないし、使ったところで無駄になるという問題だらけのシステムであった(ただしトリプルバトルのみ、三匹場に出ていないという条件を満たすとエネルギーが加速的に溜まる)。
本システム限定で味方ポケモンの持っているアイテムの効果を発動できる「アイテムコール」がある(マジックルーム使用時は無効化される)。
さしおさえの効果が適用される他、かいふくふうじされたポケモンにも回復道具が使える。
レンタルバトル
自前のポケモンではなく、NPCのポケモンをレンタルしてバトルを行う。
剣盾のバトルタワーのようにレンタルするかが任意の施設がある他、ポケモンバトルレボリューションは基本的にストレージをしない限りはこのシステムが基本となる。
システム自体は『ポケモンスタジアム』の頃からあるが、有名になったのは第3世代・第4世代の『バトルファクトリー』からであろう。理由に関しては金ネジキにて。
また、第7世代からは他プレイヤーのパーティをレンタルできるレンタルチームシステムが導入された。
ポケモンバトルレボリューションにおけるバトル方式
詳しくは該当項目にて。
ビンゴdeバトル
「ポケモンXD」のみに登場する特殊なもの。
その文字通りビンゴゲーム形式のポケモンバトル。
マスターボールがいい仕事をしている。
パネルを開いた時に出たポケモンを捕まえて次に開けるパネルのタイプの相性を考えないとクリアは難しい。
ゲーム中に特定の条件を満たせばウソハチを最初の手持ちにしてプレイできるようになる。
ポジション的にはレンタルバトルに近いもの。
バーチャルバトル
バトルディスク(たいせつなもの)に書かれた課題をクリアするものになっている。あらかじめ設定された手持ちで条件を満たしてバトルに勝利すればクリアとなる。
ちなみに、序盤でいきなりできるものは、総合研究所内のトレーニングルームのチュートリアルになる。
コロシアムではカードeリーダーで読み込んで遊べるが、シナリオモードのラスボス「ワルダック」戦クリア後となる。
オーレコロシアムのルール
アニポケでのポケモンバトル
アニポケでのポケモンバトルは、基本的にゲームと同じ設定ではあるものの、アニメならではの公式ルールや特殊ルールが存在している。ここでは今判明している段階での設定を紹介する。
キズぐすりなどの回復薬をバトル中では使わない
ゲームでは、ポケモンのダメージが酷くなったときに、キズぐすりなどを使って体力を回復させる事ができるが、アニポケではそれらの行為が描写されたことはない。ドレインキッスやじこさいせいなど、技として体力を回復させる事はできる。
恐らくキズぐすりの使用などは公式審判員のジャッジで使うか使わないを判断するのだろうと思われるが、詳細は不明。
ちなみにアニポケとは関係ないが、小野敏洋氏原作の「電撃!ピカチュウ」では、バトル中にわざマシンの使用許可を得るシーンが一度だけ存在している。
バトル終了後、賞金のやり取りの描写がない。
アニポケでは、サトシ達を始めバトル後の賞金をその場で受け渡しする描写が無い。また、一部例外を除いてお金のやり取りをする話も無い。あくまで推測であるが、身分証明書も兼ねているポケモン図鑑やそれらに代わる身分証がバトルのデータなどを記憶して、その成績をもとにトレーナーが所有する銀行口座に振り込まれるシステムであるのかもしれない。
試合中にポケモンが進化してそのまま使用するのは反則ではない。
進化の石や道具を使ったり通信交換などで進化するポケモンを除き、ポケモンはある程度トレーナーになついたり、経験値が上がると進化する。バトル中に使用ポケモンが進化した場合は、使用するトレーナーの同じポケモンとして認められ、試合続行する事が出来る。この事は無印編第22話『ケーシィ!ちょうのうりょくバトル!』内で、カスミが発言しており、その後もアニポケの公式バトル中で進化するシーンが多く描かれている。
公式戦やチャンピオンシップスには認定審判員がジャッジする。
ゲームではRPGの戦闘モードに値するため審判員が存在しない。そのためアニポケでは、公式バトルやポケモンワールドチャンピオンシップスで、ポケモンリーグ運営委員会やチャンピオンシップスに認定された審判員とドローンロトムが公平なジャッジを下す。なお、非公式でのバトルは一般のトレーナーが審判を務めるか、ゲームと同じく審判なしで執り行われる。
試合中にポケモンが戦意を失うと戦闘不能とみなされる。
ポケモンはトレーナーの信頼関係があってこそ指示に従いバトルを行うが、言う事を聞かなくなったり、心が折れてしまうと、戦意を失う事がある。この場合、審判の判断で戦意喪失とみなされ、戦闘不能と同じ状態となる。例として無印編第81話で、サトシのリザードンがサトシの言う事を聞かず寝てしまった事。新無印第7話で、バリヤードがグラエナとのバトル直前で心が折れバツ印を出した事などが挙げられる。
トレーナー自身の判断で降参を宣言する事ができる。
ゲーム内では対人戦を除き逃げる事はできないが、アニポケではポケモンの状態を見極めこれ以上戦えないと判断した場合、トレーナー自身が降参(ギブアップ)を宣言できる。ポケモンの世界ではポケモンバトルは競技の一種であるので、現実の競技と同様フェアプレイが大切であるという事を描いているのだろう。
バトルフィールドが存在する。
ポケモンリーグやバトル大会では、様々な地面や地形を使用したフィールドを使って公式バトルを行う事がある。現時点ではノーマルフィールドの他に、岩のフィールド、草のフィールド、水のフィールド、氷のフィールドなどが存在しており、試合中にフィールドチェンジを行う事もある。フィールドを活かした戦法も存在し、サトシをはじめこの戦法を得意としているトレーナーもいる。
バトル中にトラブルがあった場合は?
アニポケでは、公式バトル非公式バトル関係なくロケット団が突然乱入し、サトシのピカチュウをはじめ、トレーナーのポケモンを強奪するシーンが存在する。そうなった場合は、トラブルとしてみなされ一時休戦もしくは試合中止となる。ロケット団を撃退した後、ポケモンのダメージがそこまでひどくなかった場合はバトルを再開させるが、ポケモンやトレーナーの体調を見て、翌日に順延することもある。
ゲームとの整合性について
基本的に「アニメのバトル」としての見栄えや物語を優先して、敢えて設定に縛られ過ぎないようにしている様である。また、担当する脚本家によるゲーム関連の知識の有無や拘りにも左右されるようで、ダイパ編等ではゲームでの対人戦を意識した様な戦法を使うトレーナーの描写もあった。
関連イラスト
関連タグ
ポケモン廃人……ポケモン勝負を極めようとする場合こちらに足を踏み入れることが殆ど。