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イッシュ地方

いっしゅちほう

イッシュ地方とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場する架空の地名。
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概要編集

ポケットモンスター ブラック・ホワイト』(第5世代)で初登場した地方。

『ブラック・ホワイト』及び『ブラック2・ホワイト2』、アニメ版シリーズ『ベストウイッシュ』の舞台となっている。


ゲームフリーク取締役開発部長増田順一氏の「このゲームによって、『ポケットモンスター』は革新的に生まれ変わる」という弁を反映して、地理的に今まで登場したカントー地方ジョウト地方からは遠く離れた地方となっている。

その為か、この四地方に棲息していない種が約150種も確認されている。


『大都市を中心に周囲に自然や道路を敷き詰めた地形』と『地方のほぼど真ん中にある「ハイリンク」というパワースポットを中心にした六角形』を基調としており、計5つの巨大な桟橋が街や道路を互いに結んでいる。

それまでの作品では「そらをとぶ」を駆使しつつあらゆるところへ飛び回りながら冒険しなければいけないことが多かったが、今回はクリアしやすさ向上のため、直線的な冒険ルートを想定して設計されている。

グラフィックが進化している分、マップは歴代地方でもジョウトと並んで狭い。


シリーズの初の試みとして、四季の概念が導入されているのが特徴。

1月→ 2月→ 3月→ 4月→ 5月→ …といったように1か月ごとに季節が移り替わり、特定の季節にしか出会えないポケモン、発生しないイベント、行けない場所などが存在する。

これまでも局所的には、雪が降りしきる地域や常夏のようなエリアはあったが、いずれも局所的に固定されているに過ぎない気候だった。

対してイッシュ地方では、場所による程度の差こそあれどどこもある程度は景色が移り変わる。特に冬には雪が積もったり池が凍り付いたりといったマップ移動に関する変化が強く、一部のこおりタイプのポケモンも冬にしか出現しなかったりする。


まったく新しいポケモンということで、『ブラック・ホワイト』では初めてのエンディングまでに登場するポケモンは全て本作から初登場した新ポケモンのみとなっている。

これにより、旧作を遊んだプレイヤーでも新鮮な気持ちで冒険を楽しむことができる。

『ブラック・ホワイト』から2年後の世界を描いた続編『ブラック2・ホワイト2』では町や道路の数が増加。イッシュ図鑑も全体的に改められ、冒険の序盤からお馴染みのポケモンとも出会えるようになっている。


また、イッシュ地方は他の地方と比べて車や飛行機といった現実世界でも見られる乗り物が広く交通手段として使われている地方のようで、ホドモエのはね橋で一定時間待った際に鳴る効果音からヘリコプターも利用されているらしい事がわかる。

ちなみにそらをとぶタクシーを担当しているポケモンはエアームド


シンオウ地方がまだヒスイ地方と呼ばれていた頃には、既にイッシュ地方という名称で呼ばれていた模様。


モデル編集

イッシュ地方はアメリカ合衆国ニューヨーク、もっと言えばマンハッタン島の一帯がモデルとなっている。

日本国外がモデルとなったのはシリーズ初(外伝作品ではこれ以前にあった)である。

モデルが日本ではないという推測は製作陣による明言より前から挙げられており、ニューヨーク以外では上海説も有力視されていた。


『南北に流れる2つの川によって東西に3つに分断されている』という現実と同様の地形をしてはいるものの、実際のマンハッタン島周辺とは大きく様子が違い、豊かな自然や山々が多く存在する地方である。現実では大都市がある場所に山がデデンと存在するといった話は珍しくない。

どちらかと言うと、『ロングアイランドが大陸本土に直結している状態のニューヨーク州』と言った方が正しいかもしれない。


ただし、ハイリンクだけは日本の皇居がモデルである。

明確なストーリーのあるポケモンシリーズで、自然の少ない地方にはしにくかったという事情から来た苦肉の策とも、もしくははニューヨーク州に他の州の要素を盛り込んだとも言える。

後述の「地名一覧」でモデルが不明となっている場所が多いのも、そういった現実との合致しにくさが原因の一つとなっている。


モチーフの名残をもっとも濃く残しているのは、中央の島の南端にあるヒウンシティで、マンハッタン摩天楼と見まごうばかりの高層ビル群が広がっている。


『ブラック・ホワイト』に引き続き、第6世代以降の新作の舞台はいずれも日本国外の国や地域がモデルとなるようになり、ファンの間ではこれまでの地方を「日本国内」、こちらを「海外」「アメリカ」と呼ぶ事がある。


「イッシュ」という地名は当初は「イングリッシュ」からなどと予想されていたが、実は日本語の「一種」から来ている。これも製作者が明かした。


 この地方では、ポケモンも人も人種も関係なく、

 それが全部集まって“多種”になっているんですね。


 そうです。“多種”でも遠くから見たときに、

 1種類に見えるような地方である、ということから

 「イッシュ」と名付けました。

 その感じもニューヨークにすごく近いんです。


 隣でどこかの国の人たちが大騒ぎでパーティをしていても、

 その隣の人たちは、それを許容している感じがあるじゃないですか。

 あのように多種多様な人たちが集まって、

 ひとつの町でまとまれるのがすごいと思いまして。

 しかも、大きな橋もありますし、

 その意味で、コンサートをやりたいとか、そんなことを超えて、

 ニューヨークはすごくピッタリな場所だったんだなあと思いました。

社長が訊く『ポケットモンスターブラック・ホワイト』より)


英語版での名称は"Unova"。日本語版と全く異なる名前となっている地方は第8世代現在もイッシュだけ。

恐らく"unum"(ラテン語:一つ)、"united"(英語:一体化)、"nova"(ラテン語:新しい)などを組み合わせた造語。「一新・一体化」というのはBWのコンセプトやアメリカらしい理念とも重なるところがある。


イッシュ地方の地名一覧編集

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名前英語名モデル / 推測備考
カノコタウンNuvema Townコニーアイランド
カラクサタウンAccumula Townマリン・パーク
サンヨウシティStriaton Cityカナーシーサンヨウジム
シッポウシティNacrene Cityボアラム・ヒルシッポウジム
ヒウンシティCastelia Cityマンハッタンヒウンジム
ライモンシティNimbasa Cityミッドタウンライモンジム
ホドモエシティDriftveil Cityユニオンシティホドモエジム
フキヨセシティMistralton Cityテターボロフキヨセジム
セッカシティIcirrus Cityリッジフィールドセッカジム
ソウリュウシティOpelucid Cityハーレム+ワシントンハイツソウリュウジム
カゴメタウンLacunosa Townフラッシング
サザナミタウンUndella Townハワードビーチ
ブラックシティBlack Cityロングアイランドシティ
ホワイトフォレストWhite Forestクイーンズブリッジ・ハウシズ付近
カナワタウンAnville Townモリスタウン
ポケモンリーグPokémon Leagueヘンプステッド・ハウス


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名前        英語名モデル / 推測備考      
スカイアローブリッジSkyarrow Bridgeブルックリン橋+レインボーブリッジ
ホドモエの跳ね橋Driftveil Drawbridgeジョージ・ワシントン・ブリッジ
シリンダーブリッジTubeline Bridgeフォース鉄道橋
ビレッジブリッジVillage Bridgeトライボロー橋
ワンダーブリッジMarvelous Bridgeクイーンズボロ橋クレセリア(BW2)

名所編集

名前         英語名モデル / 推測備考          
夢の跡地Dreamyardフロイド・ベネット・フィールドラティオス / ラティアス(BW2)
地下水脈の穴Wellspring Caveマッカレン公園
ヤグルマの森Pinwheel Forestキャッドマンプラザ公園
思索の原Rumination Fieldビリジオン(BW)
リゾートデザートDesert Resortチェルシー
古代の城Relic Castleウルガモス
迷いの森Lostlorn Forestハレット自然保護区ゾロアーク
冷凍コンテナCold Storageユニオン・シティBWのみ
電気石の洞穴Chargestone Caveフレッシュキルズパーク
タワーオブヘブンCelestial Towerメープル・グローブ公園墓地
ネジ山Twist Mountainハッケンサック・メドーランズ・コンサベーション・アンド野生動物保護区レジギガス(BW2)
フキヨセの洞穴Mistralton Caveローレル・ヒル・パーク
導の間コバルオン(BW)
セッカの湿原Moor of Icirrusリッジフィールド or リッジフィールド・パーク 聖剣士イベント
リュウラセンの塔Dragonspiral Towerリッジフィールドパークレシラム / ゼクロム(BW2)
ショッピングモールR9Shopping Mall Nineパリセード・センター
修行の岩屋Challenger's CaveBWのみ
チャンピオンロードVictory Road
試練の室Trial Chamberテラキオン(BW)
Nの城N's Castleヘンプステッド・ハウスレシラム / ゼクロム(BW)
ジャイアントホールGiant Chasmキセナパークキュレム
サザナミ湾Undella Bayジャマイカ湾
海底遺跡Abyssal Ruinsパブロペトリ遺跡
豊穣の社Abundant Shrineハイランド・パークランドロス(BW)
リバティガーデン島Liberty Gardenリバティ島ビクティニ(BW)
ユナイテッドタワーUnity Tower国際連合本部ビル
シフトファクトリーPoké Transfer Labコーネル技術大学ポケシフター
P2ラボP2 Laboratoryガバナーズ島ゲノセクト
ハイリンクEntralinkセントラルパーク

ブラック2・ホワイト2から登場編集

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名前英語名モデル / 推測備考
ヒオウギシティAspertia Cityエリザベスヒオウギジム
サンギタウンFloccesy Townニューアークアデク
タチワキシティVirbank Cityジャージーシティタチワキジム
ヤマジタウンLentimas Townフォレストヒルズ
セイガイハシティHumilau Cityアイランドパークセイガイハジム

名所編集

名前英語名モデル / 推測備考
誓いの林Pledge Groveケルディオ
サンギ牧場Floccesy Ranchブランチ・ブルック・パーク
心の空洞Cave of Beingウィークアヒック湖ユクシー / エムリット / アグノム
タチワキコンビナートVirbank Complexジャージーシティ
ポケウッドPokéstar Studiosハリウッド
ヒウン下水道Castelia Sewers不明
古代の抜け道Relic Passageホランド・トンネル
ジョインアベニューJoin Avenueエンパイア・ステート・ビル or タイムズスクエア
ポケモンワールドトーナメント(PWT)Pokémon World Tournamentユニオン・シティ冷凍コンテナ跡地
リバースマウンテンReversal Mountainフォレスト・パークヒードラン
ストレンジャーハウスStrange Houseメープル・グローブ墓地
マリンチューブMarine Tubeオーシャンパークウェイ
海辺の洞穴Seaside Caveローレンス付近
プラズマフリゲートPlasma Frigate
チャンピオンロードVictory RoadBWと場所が変更
ヤーコンロードClay Tunnel州間高速道路95号線
地底遺跡Relic Passage
自然保護区Nature Preserve
白の樹洞White Treehollowホワイト2のみ
黒の摩天楼Black Towerブラック2のみ


どうろ及びすいどう編集

BW版


BW2版


その他編集

※BW及びBW2には登場しない

名前英語名備考
ブルーベリー学園blueberry AcademyポケモンSV藍の円盤のみ


出現ポケモンの特徴編集

今作からはポケモンが対人戦で頻繁に使われることを考慮されるようになったからか、種族値の配分に無駄が少ない新ポケモンが多数登場した。


綺麗な種族値の配分と言っても定義が様々だが、特に挙げられるのが「こうげきかとくこうのどちらかが極端に低い」「HPの種族値が高め」の2つで、この定義のどちらかあるいは両方を満たしているポケモンが種族値に無駄がないとよく言われる。(どちらも満たしているガブリアスがいい例)

前者を満たしているポケモンとしてはヒヒダルマシュバルゴ、後者を満たしているポケモンとしてはモロバレルブルンゲルなどがいる。


他にも、鈍足のポケモンはとことんすばやさが低く、ぼうぎょととくぼうの種族値が高くなっている傾向があり、ナットレイランクルスなどが該当する。

ちなみに、例として挙げた6体のポケモンは全て合計種族値が500を下回っており、一部は対戦環境で第一線に立っていることから、イッシュのレベルの高さが窺える。

この為、『戦闘民族』というあだ名で呼ばれる事も。


アニメオリジナル編集

アニポケの世界・地方」を参照。



余談編集

ポケモンシリーズ初の外国がモデルの地方であるが、通貨は前作と変わらず「(日本版のみ)」(韓国版では「ウォン」、それ以外の言語では「ポケドル」というオリジナル通貨)が使用されている。


本作で新登場したポケモンたちであるが、その多くがカロス地方以降の地方で野生出現しており、イッシュ地方固有の種と言えるポケモンはそう多くはない。

特にガラル地方とはかなり出現ポケモンの被りがあり、あちらにはイッシュ初出のエスパーやゴーストのポケモンが2匹以外全て出現する。


2023年9月時点で「イッシュ地方初出で、かつ他地方の図鑑に載ったことがない種」は伝説、幻、イッシュ御三家を除くとシママ系統の2種のみ。

シキジカ系統、シビシラス系統は上述のガラル地方にすらいないのでこの仲間かと思いきや、ポケモンSVの発売によりパルデア地方にて出イッシュを果たした。更にクルミル系統も、追加コンテンツ前編「碧の仮面」の実装によりキタカミの里にて出イッシュを果たした。

しかし、シママ系統は後編「藍の円盤」にて登場したが先述した通りブルーベリー学園はイッシュ地方に存在するので現在でもイッシュ地方の完全固有種となっている。


1つのジムに3人ものジムリーダーがいる・バージョンごとにジムリーダーが異なる・2年の歳月の中で複数のジムリーダーが交代するといった関係上、

登場するジムリーダーの総数が14人と歴代の地方でもダントツで多い。


その他の地方編集

ポケモンシリーズ編集


外伝・派生作品編集


関連タグ編集

ポケットモンスター ポケモン ポケモンの世界・地方

ポケモンBW ポケモンBW2

イッシュ神話

ブルーベリー学園ポケモンSVのDLC「ゼロの秘宝」「藍の円盤」の舞台がこの地方にある。(BW、BW2のマップ外の沖に位置する)


アメリカ合衆国 ニューヨーク マンハッタン


別名・表記ゆれ編集

イッシュ 合众地區 unova

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