基礎データ
全国図鑑 | No.0598 |
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イッシュ図鑑 | No.176 |
コーストカロス図鑑 | No.070 |
ガラル図鑑 | No.190 |
ローマ字表記 | Nutrey |
ぶんるい | とげだまポケモン |
タイプ | くさ / はがね |
たかさ | 1.0m |
おもさ | 110.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | てつのトゲ / きけんよち(隠れ特性・第6世代から) |
タマゴグループ | しょくぶつ/こうぶつ |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ナットレイ | ナット+唖鈴 |
英語・スペイン語・イタリア語 | Ferrothorn | ferrous(鉄)+thorn(棘) |
ドイツ語 | Tentantel | tentakel(触手)+Hantel(ダンベル) |
フランス語 | Noacier | noix(ナット)+acier(鉄) |
韓国語 | 너트령 | nut(英語でナット)+아령(ダンベル) |
中国語(簡体字) | 坚果哑铃 | 坚果(ナット)+哑铃(ダンベル) |
中国語(繁体字) | 堅果啞鈴 | 堅果(ナット)+啞鈴(ダンベル) |
ロシア語 | Ферроторн | 英語名の音写 |
タイ語 | นัทเทรย์ | 日本語名の音写 |
進化
テッシード(Lv.40) → ナットレイ
概要
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』(第5世代)で初登場したテッシードの進化形。
金属の円盤のような身体を持つポケモンで、鋼の表面には太いトゲが幾つもついている等、進化前からのオナモミ要素も健在。
頭の天辺からは先端が鉄の爪になった3本の蔦が生えており、振り回して叩きつけると大岩も粉砕できる破壊力を持っている。
みんなが待ち望んでいたくさとはがねの複合タイプを持つポケモンで、ポジション的にはフォレトスに似ているが、一部の点ではフォレトスよりも強力。
ちなみに『BW』当時はゲーム中では他のトレーナーが一切使用しないので、図鑑が埋まらず知らなかったプレイヤーもいたとか。
普段は洞窟の天井に張り付き、下を通る獲物に向かってトゲを打ち込み襲い掛かる。攻撃対象が獲物なので恐らく肉食で、植物だがやってくることは巣を張らない蜘蛛のソレ。
「ねをはる」も覚えるので、待ち伏せしている間は地中(天井)からも栄養を取れるのだろう。
何気に110kgもある体重を天井にぶら下がる形で支え続けることが可能な持久力と、その体重を地上では持ち上げる力を持っている結構パワフルな奴である。
無論、移動も可能であり、触手を動かして手足の代わりにすることもある。
『BW』では屋内でも屋外でも天井に張り付いたグラフィックになっていたが、『XY』等の3Dモデルでは地面に張り付いた姿になっている。なお公式イラストは前者。
アニメーションは触手の張力を利用した体当たりで、当たると非常に痛そう。
名前の由来は恐らく工具のナット(または英語で栗を意味するchestnut)+鉄亜鈴と思われる。ドイツ語名はTentantelであるが、触手を意味するtentakelとダンベルを意味するHantelの造語だと思われ、やはり亜鈴が由来なのだろう。
色違いは全体的に灰色がかった体色が黄緑に変わり、緑色の部分が赤色になっている。
ゲーム上の特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
74 | 94 | 131 | 54 | 116 | 20 | 489 |
ぼうぎょ種族値"131"、とくぼう種族値"116"と弱点の少なさに相応しい耐久型のステータスを持つ。そもそもあまり使わない特攻と、逆に長所となるほど下げた素早さの分を耐久と攻撃性能に振った、無駄が無い配分となっている。
タイプは初のくさ×はがね複合。耐性の多さに優れ、弱点もほのおタイプ(4倍)とかくとうタイプ(2倍)しかない。そこにくさタイプは状態異常の粉技・やどりぎのタネ・キノコのほうしが無効、はがねタイプはどくどくを無効するというタイプの特徴も合わさって、タイプだけでもかなり優秀な個性を持つ。
特性は殴ってきた相手のHPを削る「てつのトゲ」。この特性はサメハダーの「さめはだ」と全く同一の効果だが、ナットレイの耐久力のおかげでサメハダーのそれと同一とは思えないほどの効果を発揮する。
また、耐久に秀でているポケモンではあるが何気にこうげき種族値も94あり、習得技も「ジャイロボール」「パワーウィップ」「タネマシンガン」「はたきおとす」「だいばくはつ」など高威力で安定してダメージを与えられるものや優秀な追加効果を持つものが揃っている。特化最大威力の「ジャイロボール」はガブリアスの「げきりん」と同等の火力指数を持つ。「じしん」やいわタイプ技をあまり覚えないこと、「じならし」が「ジャイロボール」と相性が悪いこともあり、Zワザ前提だが「ころがる」も選択肢に入る。
これにより「こだわりハチマキ」を持たせたり、「とつげきチョッキ」を持たせてダイマックスするなどして奇襲するのも強い。耐久と火力を兼ね備えているのでかなり強力。
余談だが何故かは分からないが特殊技は「10まんボルト」や「かみなり」も撃てる。
くさででんき技を覚えるのはでんきタイプを併せ持つロトムを抜けばかなり珍しい事例。はがねタイプは機械的なポケモンなら撃てる事も多々あるが・・・。
補助技も技マシンで「でんじは」「みがわり」、タマゴ技で「ステルスロック」「やどりぎのタネ」「まきびし」と優秀なものばかりで全く無駄が無い。しかしなぜか「メロメロ」を覚えられず、開発途中は性別不明だった可能性が窺える(ちなみに同作で逆に性別不明なのに「メロメロ」を覚える奴が居る)。
なお第8世代になり、ようやく「メロメロ」を習得できるようになった。
すばやさの種族値はたった"20"しかないが、ここまで低いともはや一種の長所。高火力のジャイロボールはもちろん、トリパでも活躍ができ、「のろい」とのシナジーも抜群である。
ただし、この場合やることがバレバレすぎてほのおタイプを無償降臨させてしまうこともしばしばある。
このような性能から、登場当時から現在に至るまで対戦環境での使用率がかなり高く、こいつの為だけに特殊アタッカー「めざめるパワー」炎を採用するトレーナーも多い。素早さをVにできなかった第6世代ですら高速アタッカーにめざ炎を採用するトレーナーが多かった辺りこいつがどれだけ脅威であったか窺い知ることができる。別名めざ炎ホイホイ。
相性が良いポケモンも多く、BW初期ではブルンゲルとの組み合わせで名を馳せ、現在もノーマル、いわ、ドラゴンなどの半減を買われて様々なポケモンとの組み合わせが散見される。
しかも第7世代では特に強いフェアリーの代表格であるカプ神の主力技を複合したタイプだけで全て半減するという個性まで持った。
ここに来て、草タイプの耐性が改めてこのポケモンのお陰で日の目を見たのである(半減出来ないエスパーとフェアリー技も鋼タイプで半減する)。
一方で同タイプのカミツルギが登場したものの、あちらは役割が違うのであまり気にしなくても良い。
更に第8世代にて、なんと技一覧からめざめるパワーそのものが消滅。どうやっても誰も彼も覚えることができなくなってしまった。そのため剣盾においてナットレイをどうにかするには
- ほのおタイプのポケモンを出す
- ほのお技を覚えたポケモンを出す
- なんとかゴリ押す
くらいしかまともな対抗策が無くなってしまった。2倍弱点のかくとうタイプですら対面で嫌な顔をするというのに、環境の変化がこうも追い風になろうとは・・・。
その後多くの準伝説や600族が解禁されると、ぼうふうを習得し環境上位に君臨したサンダーへの対策としても役立ち、味方としての相性補完にも役立つという点で使用率をさらに大きく伸ばした。
そして剣盾シングルバトルの使用率は全ポケモンで唯一28シーズン全てでトップ30入りしているという記録を叩き出した。その記録は最終的に剣盾ランクバトルの全35シーズンまで伸び、見事グランドスラムを達成。
これは、第8世代を代表する強豪で、初期環境から幻解禁戦に至るまで使われ続けたバンギラスですら成し遂げなかった記録である(もっとも、バンギラスの場合は上位禁止縛りで行われたシリーズ6ルールでレギュレーション外であったという事情もあるが。逆に言えば、これだけのポテンシャルを持ちながらシーズン5に至るまでTOP10入りを回避し続けたということでもある)。
登場以来トップメタとなり続けているポケモンであるが、裏を返せばそれだけ対策も練られているという事であり、努力値振りや性格、個体値の厳選にはかなり気を使うポケモンである。
基本的にはHPに252振るのが鉄則であるが、残りの振り方は仮想敵や環境によって幾分か異なってくるため、極振りが正解とも限らない。
また、素早さの個体値が「さいこう!」判定のV(いわゆる最速)ないし「ダメかも」判定の0(最低値となるが、トリックルーム下で最速となる)が基本のポケモンにおいて、第8世代初期でトップメタだったのろいカビゴン対策のために、素早さ個体値が7か8の個体を使う(素早さの実数値が26になり、のろいを2回積んだカビゴンをちょうど抜くことができる)という真の意味での「厳選」まで行われていた。
ちなみにこれだけ優秀なポケモンでありながら、合計種族値は489しかない。最終進化形としてはお世辞にも高いとは言えない数値で、ポケモンにおいて重要なのは、種族値の合計よりもその配分とタイプと習得技だという事がよくわかる一例である。
なお、ナットレイ同士のミラーマッチになった場合、めざパ炎がないとお互いに有効打がなく泥仕合確定となるので注意。
「はたきおとす」があれば多少は違うが互いに互いを傷つけ合うこと請け合い。ところが第8世代ではボディプレスを習得し、幾分良くなった。
隠れ特性は「きけんよち」。
死に特性とまでは言わないが、耐久型であれば通常特性の方が圧倒的に便利である為まずお目にかからない……ところまでは良いとして、入手方法がかなり鬼畜でXYのフレンドサファリ限定(BW時代には隠れ特性存在していない)かつテッシードから進化させないと隠れ特性かどうか分からない(テッシードの隠れ特性は通常と同じ「てつのトゲ」)というとんでもないハードルが待ち構えている。
もちろん孵化した時も同じで、「進化させないと隠れ特性かどうか分からない=孵化した後レベルを39も上げないと分からない」という頭が痛くなる仕様。
殆どのプレイヤーはこの特性をバトルで使うことがないだろうので狙って孵化することはないだろうが、フレンドサファリで高個体値のテッシードを捕まえてから孵化する場合は要注意。
いたずらごころを持つトレーナーが稀にGTSやミラクル交換で隠れ特性をばらまくため、
親に使おうと思った他人産個体や、XYのサファリ産個体は必ず一度進化させてそいつが隠れ特性でないかどうかを確認すること。
でないとせっかくいい個体値のテッシードが生まれても進化させたら「きけんよち」でしたということになりかねない。
ちなみにアタッカー型であれば何度も殴られる必要がないため「きけんよち」もそれなりに有用で、特性が発動しなければ相手は「てつのトゲ」を警戒するが、自分は相手が効果抜群の技を持たないことを把握できるため安全に殴りに行くという立ち回りができる。
第9世代では何とリストラされた。環境に居座り続けたのが問題視されたのだろうか。また、新規の耐久型に世代交代したいという公式の意図があるのかもしれない。仮に内定されればテラスタルによってほのお4倍弱点を消せるようになったため、ある意味では必然か。
この世代ではラウドボーン、キョジオーン、ヘイラッシャなどの物理受けが続々と登場。特にラウドボーンに対しては相性が悪く、キョジオーンに対してもテラスタルを切らなければしおづけで返り討ちにされる。それを差し引いても、仮に内定したとすれば在来通りトップメタとして活躍していたと思われる。
使用トレーナー
ゲーム版
- トウヤ:ポケモントレーナー
- トウコ:ポケモントレーナー
- デント:ジムリーダー(イッシュ)
- キョウヘイ:ポケモントレーナー
- メイ:ポケモントレーナー
- ミカン:ジムリーダー(ジョウト)
- ローズ:マクロコスモス
- カフ:ジムチャレンジャー
アニメ版
漫画版
- ローズ(ポケスペ)
アニメ版
- BW89話:ジュンサーのポケモンで登場。
- コテツのナットレイ
- BW94話のシズイとのジム戦で初登場。ブルンゲルを10まんボルトで倒したが、ブルンゲルの特性である「のろわれボディ」を発動されて10まんボルトを封じられ、マンタインに倒された。イッシュリーグでは予備戦でシビルドンを相手に勝利。4回戦でのサトシとのバトルではチャオブーとの相性もあり、倒された。
- ローズのナットレイ
- 新無印44・45話で、ダイオウドウと共にサトシの前に立ち塞がる。しかし、サトシのリオルがルカリオに進化した事でダイオウドウと共に蹴散らされた。
ゴウのナットレイ
新無印80話から登場。ニトウを襲っていたが、効果抜群の技であるエースバーンの「かえんボール」で倒されゲットされる(しかし後に判明するニトウの正体を踏まえると……)。
- 劇場版「ココ」
- ミリーファタウンのポケモンで登場。
番外作品
- 防御が高く攻撃がそこそこの種族値を持っている。レイドバトルではまずお呼びがかからない。また、ハピナスなどの強豪防衛ポケモンと格闘弱点が被ることや二重弱点があることから、ジム防衛もお勧め出来ない。
- しかし、goバトルリーグでは活躍している。防御寄りの種族値配分がCP制限下ではプラスに働いている。通常技にタネマシンガンを覚えるので、ゲージ技のパワーウィップを12ターンで撃て、基本的にはこの運用をする。開放技はミラーショット、かみなり、ラスターカノンがあるが、どれも特段優秀なわけでもない。炎タイプがとことん苦手なので素直に諦めるしかない。
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