概要
「ポケットモンスター」シリーズ内で登場する人物の肩書の一つ。
「野生ポケモンを無理やり捕獲して''商品''として売りさばく」という違法行為を行う犯罪者達の事を指す。
「珍しいポケモンや使用できない技術を使用しているポケモン・幻のポケモン・伝説のポケモンが非常に高く売れる(良い商品)からだ」と常に語っている通り、基本的にポケモンに対し愛のない連中ばかり目立つ。
作品によっては細かい名称などが代わって登場することもある(例:ポケモン「バイヤー」など)ため、シリーズ内外問わずその出番やエピソードは多い。
実際、当初はTVアニメ版内でのみで存在するものであったが、後の原作ゲームシリーズにおいて似たような存在が仄めかされている。
ポケモンハンターとは対照的に野生ポケモンや自然環境の保護を行うポケモンレンジャーとは対立する事も多い。(アニメ版『DP』ではポケモンハンターのJがポケモンレンジャーとリオルを巡って対決している。)
その実力
その実力はピンキリで、商品であるはずのポケモンに大けがを負わせたり、どく、やけどといった状態異常に追い込む等、腕の悪いモグリのハンターもしばしば。
主な捕獲方法としては、モンスターボールを使わず、野生ポケモンをトラップで生け捕りにして檻に拘束するケースがほとんど。
あえてモンスターボールを使わずに捕獲するのは、自分がそのポケモンの「トレーナー」となってしまい誰かに売り飛ばした際に(トレーナーが変わった事により)指示を聞かなくなる事態を避ける為と思われる。
※というのも、ポケモンは主としての甲斐性を全く見せない人間に対しては、相当健気な性格でもない限り、モンスターボールを用いたとしても従おうとしないので、ポケモンハンターにとってはリスクでしかない。
上記の理由から、当然ハンターには生け捕りにする為の戦力が求められ、また拘束する檻やトラップ等、幾つかの機材やそれらを扱う技術・知略も必要とされる。
また、基本的にモンスターボールによる捕獲と異なりポケモンバトルをする必要がないため、手持ちポケモンはアニメDPのJや、めざポケに登場したハンターのように護身用として高い実力を持つポケモンをごく少数所有しているケースがあるが、中には全く所有していない者も多い。
同じ様にポケモンを強奪するロケット団をはじめとする犯罪組織とは商売敵として対立する事が多いが、利害さえ一致しているならばそれらの犯罪組織からの依頼も請け負う。実際に『DP』ではポケモンハンターJがギンガ団からの依頼を受ける形で、伝説のポケモンであるユクシー・エムリット・アグノム(UMAトリオ)の捕獲を行っていた。
ポケモンハンターへの依頼者
ハンターに捕獲の依頼をする者の大半はポケモントレーナーではなく、単純にポケモンをコレクションにしたい富豪や権力者、またはポケモンを使った非道な実験をしようとする研究者等と、真っ当ではない者達が多い。
例外として「波導のリオル」に登場する依頼主は「手塩にかけて育ててやる」等とあくまでトレーナーとしての心構え自体は正しかった(これは「もしかして(やり方はともかく)本当はこちら側が正義なのでは?」と思わせる為のミスリード、もしくは「良心を持ち合わせていたり心構えが正しくてもやり方が間違っている時点で一切の同情の余地の無い奴」というキャラクター性を強調する為の演出の可能性もある)為、ポケモンハンターへの依頼という手段そのものがかなりの重罪という事になる。
各コンテンツによる扱い
TVアニメシリーズ
現時点では全ての本編シリーズに登場している。
サトシ編(第1~第7シリーズ)に登場しているポケモンハンターで有名な所では、『ダイヤモンド&パール』で複数回に渡って登場したポケモンハンターJだが、映画の『セレビィ 時を超えた遭遇』に登場したハンターや『無印』終盤でバンギラス・ヨーギラス親子を狙った密猟団「ポケモンハンターブラザーズ」を思い出す人も多いかもしれない。
また、映画『幻のポケモン ルギア爆誕』に登場したジラルダンもボールを使わずポケモンを生け捕りにしていたため、これも広義のポケモンハンターと言える。
『DP』165話に登場したゲストのマスターも元・ポケモンハンターであり、改心する前の自分を悔やんでいた。
その後、サトシ編の世界観との繋がりが不明であるリコロイ編(第8シリーズ)でも、第35話で初登場した。
原作ゲームシリーズ
『ウルトラサン・ウルトラムーン』におけるポケモン図鑑では、『ウルトラサン』のピッピの項目にて「貴重で、無暗に見せびらかすと泥棒に狙われる」、『ウルトラムーン』のペルシアンの項目にも「額の宝石を狙ってハンターに狙われる」といった表記がある事から、ポケモンハンターの類が存在している事が覗える。
なお、外伝作品の一つ『ポケモンコロシアム』の主人公レオも過去にポケモン窃盗団「スナッチ団」に所属していたので本来はこの扱いとなるのだが、速攻で離反した上素性を知る者が少ないためか、ゲーム中で捕まることはない。
しかしその後のオーレ地方に彼の姿がないことを思うと身元が割れる前に他の地方へ高飛びしたのかもしれない。(今もスナッチマシンを片手に虐待や兵器として利用されているポケモンを悪質なトレーナーより奪い取っているのかは不明である。)
ポケモンハンターの違法性
法的な扱い
前述通り、ポケモンハンターはモンスターボールによって捕獲し自分で育成を行うのではなく、ポケモンを強引に拘束する形で捕獲し、それを依頼主に高値で売りつける事を目的に生業としており、アニメポケットモンスターの世界観では、それらの行為は「ポケモン保護法」に反する明確な「違法」とされている。
実際にポケモンハンター以外でポケモンを売買をする者は殆どおらず、例があるとすれば『無印』~『DP』に登場していたコイキングを売りつけていたインチキ親父ぐらいであるが、それもサイドストーリーの4話でオーキド博士が「ポケモンを売るとは何事じゃ!」と激怒している。
ポケモン捕獲を阻止されたポケモンハンターやそれに協力したポケモン達はジュンサー達に引き渡され、ポケモン保護法違反で「犯罪者」として逮捕される。
ただし、あくまでも悪いのはポケモンを違法に捕らえようとする主犯のハンター達にある為、ハンター達によって悪事に加担させられていたポケモン達も基本的には「被害ポケモン」扱いされており、一定期間の再教育(無暗に他のポケモンや人間を傷つけない等)による更生を経た後、野生へと返される手筈になっている。
ターゲットにするポケモンの傾向
基本的に狙うポケモンは野生のものなのだが、保護区域…つまりは『モンスターボールを使ってでも野生のポケモンを捕獲してはいけない特殊な区域』などに侵入して乱獲するといった描写も多い。
中にはそこでポケモン捕獲の為の危険なトラップを仕掛け、たまたま入ってきた人間や無関係なポケモン達に危害を加えてしまう事も厭わない悪質な輩も多く、依頼主の意向や自らの利益に繋がるならば、ロケット団やプラズマ団と同様、他人のポケモンを奪い取る事も厭わない者もいる。
本編の話の中では正規の方法で捕まえようとせずに、ポケモンを乱暴に扱おうとする事自体登場人物達から非難されることがほとんどであり、真っ当なポケモントレーナーやジムリーダー・四天王・ポケモン研究者等から見れば、金儲けの為だけにポケモンを捕獲しているポケモンハンターには不快感を感じずにはいられないのも当然といえば当然である。
BW編では、守り神とされているウルガモスの捕獲を狙うだけでなく、目的の為に手段を選ばないハンターのリンゾーが、ジムリーダーのハチクから「許さんぞ、人間のクズめ!」と唾棄されている事からも、ポケモンハンターがいかに卑劣で忌み嫌われた職業であるのかが、明確に理解できる。
現在確認されている主なポケモンハンター
第1~第7シリーズ
- デボ率いる密猟団
- ポケモンハンターブラザーズ
- リョウ
- ポケモンハンターJ
- リンゾー
- ダンク
- アメール
- ニトウ
- ダズ(正確にはポケモンバイヤーである)
- ドサイドンを所持している男(XY編第63話)
- ガマゲロゲを所持している男(SM編120話)
- スイクンを狙った5人組(新無印編第53話)
- めざポケ第10話に登場したハンター
第8シリーズ
- 35話に登場したお嬢が率いるハンター達
- 42話のイメージシーンに登場したハンター達
関連タグ
ジラルダン:映画版に登場した自称「ポケモンコレクター」だが、やっていることはポケモンハンターと変わりない人物。
ポケットモンスターハンター:こっちは某狩猟ゲームとのコラボタグ。