その ポケモンの めを みたもの
いっしゅんにして きおくが なくなり
かえることが できなくなる
その ポケモンに ふれたもの
みっかにして かんじょうが なくなる
その ポケモンに きずを つけたもの
なのかにして うごけなくなり
なにも できなくなる
概要
『ダイヤモンド・パール』(第4世代)で登場したポケモン、ユクシー・エムリット・アグノムの総称。この手の用語としては珍しく公式のものである。
3匹の名前が「UMA(未確認動物)」+「妖精の名前」であることに由来する(一部言語を除く)。
ポケモン界隈ではこのようなグループ(俗に「準伝説トリオ」と言う)にプレイヤー間で独自の俗称を付ける文化があり、本グループにもこの正式名称が広まるまでの間に「湖三神」や「三湖」といった俗称が付けられている。
また外見からやや蔑称気味に「三クラゲ」などと呼ぶ向きもあった。
公式もそこまで使用を徹底していなかったのか、各種報道でもしばしば「湖の三体」といった表現が見られたほか、『ダイヤモンド・パール』のディレクターと作曲担当であった増田順一氏も「UMAコンビ」と呼んでいたことがある(参考)。
「コンビ=二人組」「トリオ=三人組」なので、ある意味表記揺れ以前の問題である。
特に「三湖」に関しては、この方が初代「三鳥」から続く伝統的な俗称に沿っているとして、確信犯的に使い続けるプレイヤーも多く見られる。
ゲーム上の扱い
三種ともエスパー単タイプであり、今のところ「準伝説トリオ」で唯一タイプの差異が無いグループとなっている。
「精霊や妖精の類」が多く集められたフェアリータイプの創設時も追加や変更は無かった。
第4世代当時としては珍しい、本編のストーリーにがっつり絡んでくる「準伝説」であったことは特筆される。
ギンガ団ボス・アカギの野望に必要となる「あかいくさり」を生成するために必要なポケモンとして追い求められた。
それまでの「準伝説」はどちらかと言うとエンドコンテンツに近い存在で、メインルートから外れたダンジョン的な所で佇んでいることが多く、最も距離感の近かった『クリスタル』のスイクンでもサイドストーリー止まりであった。
自傷他害を厭わないネガティブな側面を持つことも当時としては珍しい。
地元のシンオウ地方で語られる伝説からして冒頭のようであり、三種とも最後の自力習得わざが自らひんしになるもの(ユクシーは「おきみやげ」、エムリットは「いやしのねがい」、アグノムは「だいばくはつ」)である。
専用の戦闘曲も「(ディアルガ・パルキアとの対比で)ダウナーな雰囲気にした」と公式に語られており、この方向性はかなり徹底されていると言える。
アニメ版に登場した際にも、自分達を狙う「ポケモンハンターJ」を乗っていた飛行艇ごと湖の中に沈めており、そのまま二度と浮上させなかったため異例の殺人シーンに発展させている(厳密には生死不明扱いではあるが、Jもその他の搭乗者も再登場しておらず生存は絶望的である)。
この点に関して、「UMA」を更にアナグラムするとヒンドゥー教の聖音「AUM」となり、それが表す「トリムールティ」がモチーフに含まれているからとする説がある。
反面、気に入ったトレーナーにはとことん懐くようで、プレイヤーがゲットした時のなつき度は全ポケモン中トップの140に達する。「ヤンデレ」とかそのあたりの属性を持ち合わせているのだろうか……
第4世代ではゲットのタイミングがギンガ団撃破後であったため、なつき度が高いのは主人公の働きに対する感謝の表れと取れないこともない。しかし、そういったイベントの無い後の作品でも同様の仕様が踏襲されており、それだけでは説明が付かない。
トレーナー相手であっても喜怒哀楽はかなりはっきりと見せる方であり、ポケパルレやポケモンキャンプの類では、喜ぶことをすると全身を使ってそれを表明するが、嫌がることをすると今にも襲い掛からんくらいに豹変する。
「準伝説」は土着性の強い種族が多いが、三種は特に強い部類に入っている。
バトル施設には設定なんて知ったこっちゃないとばかりに「準伝説」級を繰り出してくるNPCトレーナーがいるものであるが、三種は誰の手持ちにもなったことがない。
第5世代以降の登場にしても、『ブラック2・ホワイト2』の「こころのくうどう」はシンオウ地方と繋がっている場所、『オメガルビー・アルファサファイア』の「みちのどうくつ」はゲンシカイキの影響で空間が不安定になったことで出現した場所であり、イッシュ地方やホウエン地方に棲息しているわけではないと考えられる。
外伝への登場も『ポケモン不思議のダンジョン』系くらいのもので、そこでもあまり他のポケモンや人と関わらない傾向がある。
大乱闘スマッシュブラザーズ
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALにて「ユクシー & エムリット & アグノム」として登場。ランクはACEと、先輩の三犬や後輩の三闘と同じ。さすがに先輩の三鳥には一歩譲った。憑依ファイターはエスパータイプと言う事でミュウツー。
『ポケモンGO』では
2019年に期間限定の伝説レイドとして実装。
ここでも他の「準伝説」とはやや異なる扱いを受けている。
アジア太平洋地域にユクシー、ヨーロッパ・中東・アフリカ・インドにエムリット、南北アメリカ・グリーンランドにアグノムが登場し、「三犬」などとは異なり時間経過で出現地域が変わることはないとされた。
反面、当該地域内では期間終了後もごく低確率で恒常的に野生出現するともされた。
習得する技は、三種共通で通常技が「じんつうりき」「ねんりき」、ゲージ技が「スピードスター」「みらいよち」となっている。これらに加え、ユクシーは「かみなり」、エムリットは「ふぶき」、アグノムは「だいもんじ」をそれぞれ覚える。
残念ながらプレイヤーからの評判はすこぶる悪い。
理由としては以下が挙げられる。
- そもそも居住地域以外の二種が捕まらない。特に個体厳選をしたり色違いの入手を試みようとするととんでもない難易度になってしまう。
- 2020年にリモートレイドが実装されたため、国外にフレンドを作ることができればチャンスはあるが、それも時差の関係でレイドができないということもしばしば。しかも、2023年にリモートレイドの1日あたりの挑戦可能回数が5回にまで削減された上に価格も引上げられてしまったため、個体厳選や色違いの入手が一層困難になってしまった。
- さらに、2023年の復刻時には、リモートレイドで参加した際に、色違いとの遭遇確率が極端に低く設定されていたという致命的なバグが発覚(この問題は少し前に開催されたバサギリのレイドデイから指摘されていたが、当時は色違いとの遭遇確率が通常よりも引き上げられていたためそこまで大きな問題には発展していなかった)。
- 開発側もさすがにこのままではまずいと判断したようで、全ユーザーに挑戦回数+1枚のリモートレイドパスを無償配布した他、6月11日にリモートレイドの最大挑戦回数を15回に増やした上で、三種のレイド出現率を引き上げる救済措置を取ることを早々に発表している。
- 火力が重視されやすいレイドバトルにおいてユクシー・エムリットは火力が高くなく、アグノムも「みらいよち」のため性能を活かしきれていない。
- ならばトレーナーバトルではと言うと、こちらも技があまり優秀ではないため活躍が難しい。
- ゲットチャレンジ時に異様に距離が近く、しかもサークルも小さいためゲットし難い。
- 2020年に修正されたらしいが、それでもまだ低い。
導入した仕様が悉く裏目に出るという例も中々無いだろう……