「きゅううん!」
「あきらめない いしを たしかめたい」
基礎データ
ずかん | No.482 |
---|---|
英語名 | Azelf |
ぶんるい | いしポケモン |
タイプ | エスパー |
たかさ | 0.3m |
おもさ | 0.3kg |
とくせい | ふゆう |
概要
『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』から登場した伝説のポケモンの一体。
「意志を司る神」と呼ばれる存在であり、遥か太古にアグノムが飛び回って世界に意志という概念をもたらした事で、生きとし生ける者は何かをするための決意や、困難に立ち向かう強さを得たと云われている。
それ故、敵対する者に対してはその力をもって、意志を操り傀儡にしてしまえるらしく、アグノムを傷つけた者は七日にして自分で動くことも出来なくなると畏怖される伝承がある。
同じシンオウに伝わる知恵の神ユクシー、感情の神エムリットとは同じタマゴから生まれた三つ子とされ、現在では揃って湖の地下深くで眠っているが、時折魂が抜け出して水面を飛び回ると言われている。
その三体の力を合わせると、時間を司る神や空間を司る神と互角の力を発揮するとも云われ、何らかの要因でその均衡が崩れた時には、湖から出て「あかいくさり」なるものを生み出し鎮めるという。
名前の由来は、大地の精霊を意味する「グノーム(gnome)」の前に、UMAの「A」を付けたものらしい。
容姿
外見は小型の妖精のようで、足が短くイカ腹な体形、先端がカエデの葉のようになった二尾の尻尾、その尾先と額にある赤い宝石といった構造は他の二種と共通している。
体部分はやや青みがかった白色で、色違いは白色部分が金色となる。
青い頂部は左右斜め後方に尖ったA字状の流線形で、顔立ちは基本目をぱっちりと見開いた表情に乏しいもの。
青い体色や『ポケダン』での扱いもあり、創作では男性・オスとして描写される傾向にある。特に体格から少年キャラにされがちである。
ゲーム上での特徴
「リッシ湖」の中に沈む地下空洞で眠りについていたが、ディアルガ・パルキアを支配下に置くべく「あかいくさり」を狙ったギンガ団に囚われてしまう。
その後、ギンガ団のアジトに乗り込んだ主人公たちに解放され、「槍の柱」でのイベント終了後には地表に出た湖の空洞に戻っている。
そのまま話しかけると、対戦・捕獲が可能となる。
『BW2』にてイッシュにも進出。殿堂入り後、20番道路にある「心の空洞」に行くと邂逅でき、その後23番道路で接触・捕獲できる。
23番道路は10番道路の封鎖によって新たにチャンピオンロードへの連絡口となった道路であり、ポケモンリーグに向かうトレーナー達が通り過ぎてゆく環境はアグノムに相応しい舞台設定であると言える。欲を言えば、挑戦前に出てきてほしかった所だが…
なお、他の二種がランドマークの目立つ場所に「まさに固定シンボル」といった形で現れるのに対し、アグノムは「いあいぎり」で切れる木と「かいりき」で押せる岩に囲まれた小高い丘というなんとも言えない場所に出現する。
『ORAS』ではホウエンに進出。今作では「未知の洞窟」内に他二種と時間差で登場する。アグノムの割り当ては広義の夜間帯からユクシーの1時間を除いた、21~翌4時。
外伝の『ポケモン不思議のダンジョン 時・闇の探検隊』では、「ときのはぐるま」を守る番人として登場する。
男性的な雰囲気を漂わせ、UMAトリオで唯一「ときのはぐるま」を守りきった。
対戦での扱い
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
75 | 125 | 70 | 125 | 70 | 115 |
UMAトリオは他の準伝説トリオと異なり全て単エスパータイプであるが、レベル76と技マシンにて、それぞれ異なる自主退場技と特殊攻撃技を習得するという特徴を持つ。アグノムは「だいばくはつ」と「かえんほうしゃ」「だいもんじ」を覚えられる。
そのいずれもがエスパーとしては希少な技であり、素早さ115という高速と物理・特殊共に125を誇る高火力を活かして、相手の「先手を打つ」戦法を得意とする。特に「だいばくはつ」は4世代当時技威力500という破格の性能を誇っており、半減でも特殊型のサブウェポンでもまともに受ければ致命傷を免れない必殺技であった。
反対に防御面は心許なく、後手に回ればこちらが致命傷を覚悟しなければならないという、典型的な「高速紙耐久」アタッカーである。
もっとも、当初は「だいばくはつ」以外の物理攻撃技がほとんど無く、物理型は半ば爆発自体が目的の特攻機のような扱いを受けていた。
この状況は『プラチナ』で追加された教え技システムによって「しねんのずつき」やいわゆる「三色パンチ」を得た事で解消され、エスパーとしては珍しい「とんぼがえり」と合わせて「分の悪い相手から逃げ回り、隙を見て一気に畳みかける」という戦法に発展した。
5世代に入ると爆発の威力が低下し、耐久水準は上昇する傾向が見え始めたため、徐々に「先発で二枚壁を貼った後、状況を問わずに爆発して後続のエースに繋ぐ」といったサポート的な役割に移行してゆく。
6世代ではファイアロー、ゲッコウガ、メガガルーラといった規格外のアタッカーが大量発生し、「高速紙耐久」全体が凋落。特にエスパータイプのアグノムはゴーストタイプの躍進や「ふいうち」「はたきおとす」の流行にもまともに影響される形となっており、状況は一層厳しさを増している。
そのような中、仕様上「だいばくはつ」が単純強化され、ゴーストと悪の脅威も無くなるさかさバトルが数少ない活路となっており、高速の爆発要員として登場当初を思わせる起用がなされている。
なお、妖精との関係性が示唆されていたが、フェアリータイプの発見以降もタイプに変化は無い。アグノムの場合、炎技によって優位に立てていたハッサム等に返り討ちにされる可能性が出てくるため、タイプ変化は一長一短になるものと思われる。
当然の事ながら「石ポケモン」でもないため、いわタイプとの関係もほとんど無く、「ステルスロック」をUMAトリオ共通で習得する程度である。理論上は宝石状の部分から「パワージェム」を放てるはずで、こちらは実装されていればウルガモス対策等としてアタッカー運用をいくぶん延命できていたかもしれない。
日本名に見られるノーム要素も活かされた事が無く、「だいちのちから」等も使えない。
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