データ
概要
『ポケモンDPt』(第4世代)で登場した、いわタイプの特殊技。
「宝石のように煌めく光を発射して相手を攻撃する」とされるが、作品によって描写が異なる。
大まかに2D時代(~第5世代)と3D化以降(第6世代~)に分けられ、前者が「煌めく六角形の物質を多数放って切り付ける」、後者が「自身の周囲に八面体の物質を多数展開し、そこから光を発射する」というものになっている。
「威力70・追加効果一切なし」という、当時の「めざめるパワー」の最大威力と同性能でしかなかったが、これでも(アルセウスのプレート「さばきのつぶて」を別とすれば)長らくいわ特殊最強の技であった。
もっとも、いわ特殊技は長らく「げんしのちから」との2択でしかなかったのだが。このタイプが不遇と言われた一因である。
主な使用ポケモン
この技は身体に宝石状の構造を有するポケモンしか習得できないイメージ最優先の技になっており、そもそもいわタイプの習得者がほとんどいなかった。
特殊アタッカーとして起用されていたオムスターやマグカルゴが容赦なく弾かれ、当初タイプ一致の使い手はサニーゴただ一種。『Pt』でようやくダイノーズが加わるという酷い有様であったのである。
しかも宝石状であれば必ず覚えられるというわけでもなく、例えばエーフィやUMAトリオなどは弾かれた。
そのためサブウェポンとしても正直使用は限定的で、たまにスターミーやヤドキングが使用する程度に留まっていた。
第5世代でも基本的に物理型のギガイアスが増えたのみでほぼ改善されず。
第6世代で威力が80に上昇。
「めざめるパワー」も威力60固定になったため、一応完全上位互換にはなった。
しかし厳しすぎる習得条件は全く変わっておらず、それらしき風貌をしたアマルルガが登場したものの、「氷の結晶に過ぎず宝石とは言えない」と判断されたようで、無慈悲に弾かれた。
ちなみに待望の宝石ポケモンとしてメレシーが加わったが、またもや防御型で使いこなせているとは言い難かった。
しかも、その突然変異種とされダイヤモンドとの関連が明言されていたディアンシーは習得不可能であった。これら2種は習得技も似通っていたのだが、メレシーが「パワージェム」を習得するレベル46には何故か「トリックルーム」が入っていたのである。
ちなみに「トリックルーム」はわざマシンにも収録されており、メレシーもそれでいくらでも習得できていたので、本当に何の意味も無い措置であった。
結果、当時この技で一番火力を出せたのはでんき・ドラゴンタイプのメガデンリュウであった。
第7世代で「とくこう」の高いメテノとウツロイドがこの技を持って登場したことで、ようやくまともに使いこなせるいわタイプになった。
最高火力も「こだわりメガネ」所有時のウツロイドが更新している。
さらに習得条件も少しだけ軟化し、先述のディアンシーとルナトーンも対象に加わった。
第8世代ではわざレコードに選ばれたが、新規習得者はギアル系統・ミュウのみ。リージョンフォームを含めてもガラルサニーゴ系統程度。
しかも、ルナトーンは前世代に自力習得できていたものが何故かわざレコード限定に退化した。
サニゴーンはともかくギアル系統もまた物理型なので、実質習得者は増えていないようなものであり、「わざレコード63は換金用アイテム」とまで言われる始末だった。
DLCにおける新規習得も不一致かつ原種の流れであるガラルヤドキング程度で、結局わざレコードの存在意義はほとんど見出せなかった。
なお、このDLCで威力120の「メテオビーム」が登場し、癖は非常に強いものの最強技の座を明け渡している。
ここまで低迷が続いていた「パワージェム」だが、遂に第9世代で大幅改善が成された。
SVではわざマシンに収録され、先述のマグカルゴやエーフィに加えて、一致ではバンギラスやセキタンザン、不一致ではゴルダックなどが新たに習得できるようになった。
「宝石を集める」という習性が決め手になったと思われるガバイト、「光を利用する」という戦闘スタイルが決め手になったと思われるマスカーニャ(新ポケモン)など、解釈にも柔軟性が見え始めた。
そしてなにより、キラフロルの登場が大きい。
これは文句なしにウツロイド以来の適任と言え、久々の最高火力更新でもあった。