概要
ポケモンは種族ごとに、1、2種類のタイプが、技には1種類のタイプが必ず付加されている。
そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の一つ。
ドラゴンタイプのカテゴリーに分類される特徴としては、その名の通りドラゴンや竜(龍)をイメージしたポケモンが入れられる。
ドラゴンという神秘的なイメージを持たせるためか、シリーズにごとに追加されるドラゴンタイプのポケモンは少なく、現在も全体的にも多くはいない希少種となっている。
特に第1世代ではカイリューの進化系統のみであった為に、知名度自体がかなり低く、その時期にドラゴンタイプについて話題になっても「ドラゴンタイプって何?」という返答で返ってしまう場合が多かったと思われ、四天王のワタルが登場し、ドラゴンタイプについて言及された事で初めてドラゴンタイプの存在を知った者も多いだろう。
しかも、カイリュー系統を自力で手に入れるには、ストーリーの後半でバトルでの捕獲が出来ないセキチクシティのサファリゾーンの水路にて、「すごいつりざお」で幼年期のミニリュウを釣り上げて捕獲し、Lv.15からLv.55まで根気よく育てるしかないと、もはや殆ど隠しキャラな扱いな上に、育てる所か捕獲にも非常に苦労させられる事に(おまけに当時は「がくしゅうそうち」の仕様が今と違う上、トレーナー再戦機能やしあわせタマゴは存在しない)。
この他、タマゴグループ「ドラゴン」が爬虫類をイメージさせる為か、爬虫類モチーフや恐竜も多いが、ドラゴンから縁遠いサメに亀、ナメクジや両生類モチーフも増えている(フォローしておくと、バクガメスやヌメルゴン、アップリューなどは世界のドラゴン伝承との関連が指摘されている)。上記イラストの通り、リザードン・ギャラドス・ミロカロス等、どう見てもドラゴンっぽいのにドラゴンタイプでないポケモンが(初代の頃から)ちらほら見られる。それほどゲーフリはドラゴンタイプを貴重なタイプとして扱いたかったのであろう。
各世代一般ポケモン中で最高級の能力を持つ所謂600族はその多くがドラゴンタイプを持っている。また、伝説のポケモンにもドラゴンタイプが多い。
その他タイプ耐性が4つもある他、そのうち3つは御三家のタイプという恵まれたアドバンテージを持っており、複合によっては弱点が少なくなる場合も多い。
弱点は第5世代までこおりタイプ・同じドラゴンタイプの2つのみであったが、第6世代では3つ目の弱点としてフェアリータイプが追加されてしまった。
まあ、ドラゴンタイプは一種のバランスブレイカーであった事実も踏まえれば、遅かれ早かれフェアリータイプのようなゲームバランスを保たせる為の弱点タイプが生み出されるのは、必然であったとも言えるが…。
幸い、どのポケモンもドラゴン以外の攻撃技が充実しているが、第7世代になると種族値の高いフェアリータイプが増加し、かつてのような安定感は落ちてしまった。
又、フェアリータイプとこおりタイプはサブウェポンとして人気が高く、みずタイプだからといって安心しているとれいとうビームやれいとうパンチ等の氷技を出されて撃沈も珍しくない。
くさタイプに関してもじゃれつくやマジカルシャイン等のフェアリータイプの技を持っている場合が多く油断出来ない等の問題を抱える。
技で見た場合、自らの持つ力を体の一部や超常現象に乗せて放つものが多い。竜巻を起こしたり流星群を降らせたり、果ては時間に干渉したり、空間を切り裂いたりと、割とやりたい放題である。
中堅技は物理にドラゴンクロー・ワイドブレイカー(第8世代から)、特殊にりゅうのはどうがあり、大技は物理にげきりん・ドラゴンダイブ、特殊にりゅうせいぐんがありいずれもリスクはあるものの使い勝手は悪くなく、これらの技が積極的に主力技として使われている。
ちなみに、たつまきは漢字表記からこのタイプに属しており、ひこうタイプには属さない。
実際、ドラゴンタイプの技で抜群を取れるのは同じドラゴンタイプのみなので、素の威力で押し切らないといけない場面が多々あるのが実情であり、サブウェポンとしてドラゴン技を採用することはほぼないと言ってよい。
一方ドラゴンに耐性を持つタイプも少ないので、総じて高いパワーとスピードで上からゴリ押す事に長けたタイプと言える。
逆に言えば、スペックが足りずそれが出来ないドラゴンは一気に不遇に晒されるという事でもあり、対戦上で使われる種族をほぼ600族が占めているのもその為。
この辺りはエスパー・フェアリーと似た事情を抱えているとも言え、エスパーは第1世代、フェアリーは第7世代でバランスブレイカーの如く大暴れしていた点でも共通している。
軽減できる数少ないタイプとしてははがねタイプとフェアリータイプがある(はがねに半減され、フェアリーには無効化される)。
フェアリータイプがなかった第5世代までは、ドラゴンタイプとじめんタイプあるいはほのおタイプの技を同時に覚えられればヒードラン以外のあらゆる相手に等倍以上のダメージを与えることができた。
その上で高威力技をバンバン連発するのだから相手からすればたまったものではない。
とはいえ、これらのロマンある技に対して平気な顔をできるフェアリータイプも十分おかしいが。
なお、ドラゴンタイプは共通して最終進化までには多大な経験値を必要とする種が多い。
ジヘッドからサザンドラへの進化レベルに至っては全ポケモン中最高の64。
その為NPCや敵トレーナーがドラゴンタイプの最終進化形を使う場合、パーティレベルを調整した結果どうしても本来の進化レベルより低い個体を繰り出してくるケースが多々ある。
具体的にはワタルのカイリュー、ゲーチスのサザンドラなど。
ただし最近はこうした低レベル個体が野生で出現することもある。
GSCではレベル10のハクリューを釣れたり、XYでは野生のサザンドラがレベル59で現れたり、SMでは乱入バトルでレベル10代のボーマンダが現れたりする。
一体どうやって進化したのだろうか…。
基本的に生まれた時からドラゴンタイプを有している個体が多く、正に選ばれたものに相応しい希少種といった感じであったが、第3世代以降は進化してドラゴンタイプを獲得するポケモンが珍しくなくなった。
アローラナッシーの図鑑を見るに、眠っていたドラゴンの血が進化の影響で覚醒したのかもしれない(リザードンやデンリュウがメガシンカしないとドラゴンタイプが発現しないのはメガシンカ程の強い刺激がなければドラゴンの血は覚醒しないと言った所であろうか?一方で、明らかに東洋龍の要素があり、タマゴグループも『ドラゴン』であるギャラドスがメガシンカしてもドラゴンタイプを得られない理由は未だに不明である)。
上記からわかる通り、ドラゴンタイプと言えば第5世代までは基本的に最終盤になってから登場する強ポケであり、シナリオクリアのお供などとんでもないという状態が長く続いていた(RSEのチルットやナックラー、プラチナのフカマルなどは捕獲が容易なため、不可能なわけではないが、初見ではドラゴンに進化することに気づかなかったり、出現場所を見落とすこともよくあった)。
だが第6世代以降は、タツベイ(XYおよび第7世代)、キバゴ(XYおよび剣盾)、オンバット(USUMおよび剣盾)といったポケモンが序盤に必ず通る場所に出てくるようになったり、序盤のイベントでもらえるポケモンがメガシンカによりドラゴンタイプを獲得するケースが出てきたりして、一緒に旅をする難易度は以前よりぐっと下がっている。
USUM・剣盾ではシナリオ上必ず通る場所にオンバットが出現するようになり、見つけづらさもある程度緩和された。
そして剣盾のDLCが解禁されると、ダイマックスアドベンチャーの登場によりバッジ0個の時点でシンオウ三龍とイッシュ三龍、ジガルデを捕まえられるようになった(大抵のプレイヤーはDLC前に1周目を終えていたので、2周目以降に採用した者が多かっただろうが)。
ドラゴンタイプが好きな人はぜひ、旅パに彼らを連れ歩いてあげよう。
余談だが、"流"星と"龍"のシャレからか、流星や隕石と結び付けられる事がしばしばある。
タツベイは流星の滝に出現し、レックウザは流星の民に信仰され(隕石を食らうという生態がある)、ムゲンダイナは隕石に乗って地球にやってきたという疑惑があり、ドラゴンタイプ全体の最強技としてりゅうせいぐんがあるといった具合である。
一方で地面を流れるエネルギー『龍脈』と関連したポケモンはあまりいなかったりする。
ポケモンカードゲームでは初期の『ポケットモンスターカードゲーム』からBW期の『ポケモンカードゲームBW』の一時期まで無色タイプに分類されていたが、ポケモンカードゲームBW拡張パック『ドラゴンセレクション』において金色をイメージカラーとした「ドラゴンタイプ」が設定され、以降ドラゴンタイプのカードは無色タイプではなくこちらに分類されるようになった。(ノーマルやひこうとの複合タイプはそちらを優先し以降も無色タイプとして収録されることがある)
また、すべてのタイプのエネルギーカードで代用できる無色タイプと並んでわざに対応する基本エネルギーカードが存在せず、強力なわざを使うには複数の異なるタイプのエネルギーを求められる傾向がある(この傾向はドラゴンタイプとして独立する前から見られた)。そのような特殊な立場のタイプのため唯一ドラゴンタイプのアイコンが描かれたエネルギーカードである特殊エネルギー「ダブルドラゴンエネルギー」の効果は「ドラゴンタイプにのみ付けられ、すべてのタイプのエネルギー2個分としてはたらく」というものである。
世代別の特徴
第1世代
初登場にして大寒波のごとく大冷遇時代。
上述の通り、この時代にいたドラゴンタイプはカイリューの進化系統のみであった。
だが、肝心のドラゴンタイプの技がダメージ固定技の「りゅうのいかり」のみであったこと、当時ぶっ壊れ技として猛威を振るっていたこおり技の「ふぶき」で4倍のダメージを食らう事もあって肩身は狭かった。
公式大会に出ようにも、当時のルールはレベル50~55まで・選出する3匹の合計が155以下という縛りがあり、
カイリューを出す場合レベル55進化が災いして他のポケモンをレベル50にしなければならず、そこまでしてもタイプ不一致技しかないせいであまり強くないという悲しみを背負っていた。
第2世代
大寒波の冷遇は弱まった。
この世代で追加されたのはシードラから進化したキングドラのみ。
ジムリーダー・イブキの切り札として登場し、弱点がドラゴンタイプだけな事と道中でドラゴンタイプの技が用意出来ないこともあり、多くのプレイヤーを絶望させた。
だが対戦ではあまり特徴がなく使われることは少なかった……この時点では。
前作で猛威を振るったこおりタイプが弱体化したため、以前よりは動きやすくなり、漸くまともな攻撃技として「たつまき」「りゅうのいぶき」「げきりん」の3つが増えた。
だがどれもこれも性能はそこまで高くなく、特に今でこそ強い「げきりん」はこの時代は威力90。
しかもドラゴンタイプの技は全て特殊技扱いであったため、交代できないデメリットがあるこの技がまともに使われることは少なかった。
第3世代
スタートライン突入。
今世代ではナックラーから進化するビブラーバ系統、チルットから進化するチルタリス、タツベイ系統、ドラゴンタイプ初の伝説のポケモンであるラティアスとラティオス、『エメラルド』のパッケージポケモンであるレックウザと、一気に9種族も追加された。
これ以降、ドラゴンタイプの伝説のポケモンは毎世代必ず一種類以上は登場するようになっている。
「ドラゴンクロー」が新たに追加され、漸く安定して攻撃ができるようになったが、追加された種族は多くがこうげき≧とくこうであり、特殊技扱いのドラゴン技が積極的に使われることは少なかった。
それよりも強いのは「りゅうのまい」で、「こうげき」と「すばやさ」を同時に上げるというそれまでにない強力な積み技であり、習得者が軒並み躍進した。
新規勢の内、600族のボーマンダは高い「こうげき」「とくこう」を持ち、多彩な技を駆使し大活躍を見せた。
この他、チルタリスは能力がやや低いが、「ほろびのうた」「オウムがえし」など他のドラゴンにはない技を持つ。じめんタイプ複合ではがねタイプに強いフライゴンは積み技こそないものの、素早いじめんタイプとしてかなりの需要があった……この頃までは。
ラティアス、ラティオスは、初めて4倍弱点を抱えない合計種族値600組でもあり、かつドラゴンタイプ最速を更新し、多彩な技を活かして対戦の中心に躍り出た。
禁止伝説のレックウザは「りゅうのまい」の他先制技「しんそく」も持つ。
既存のポケモンではキングドラが特性「すいすい」を手に入れ、特性「あめふらし」や技「あまごい」との組み合わせで一気に躍進した。
カイリューは同じく「りゅうのまい」を手に入れたが、ボーマンダの陰に隠れてしまった上に公式大会のレベル制限が50打ち止めになったせいで出場禁止になってしまった。
なお、この世代からドラゴンタイプを主に使用する一般トレーナーにドラゴンつかいが追加された。
第4世代
ドラゴン天下の時代が始まった。
新規ポケモンではじめん複合のフカマル系統、伝説枠は軒並み禁止級伝説かつパッケージ伝説であり、『ダイヤモンド』の看板ではがね複合のディアルガ、『パール』の看板でみず複合のパルキア、『プラチナ』の看板でゴースト複合のギラティナが登場した。
じめん複合の600族ガブリアスは隙のない能力に優秀な技や特性を揃え、以降3世代にわたって対戦界の中心的存在であり続けることとなった。
……同じタイプであるフライゴンが草葉の陰で泣いている。
禁止級のディアルガ、パルキア、ギラティナは、前作登場のレックウザと異なり3匹ともタイプ耐性や能力が優秀で、技にも恵まれ固有の役割を確立でき、互いが互いに強いとも弱いとも言えるという奇跡なバランスを形成していた。
既存勢力も順当に強化され、特にボーマンダやラティオスはこれまで以上にあちこちのバトルで多く見かけるようになった。
また徐々にレベルフラットルールが導入されたことで、カイリューが再び出場可能になっていった。
今世代では技方面がかなり充実し、かつ物理特殊の分化で両方に振り分けられた。
物理技には「ドラゴンダイブ」が登場し、「げきりん」「ドラゴンクロー」が特殊から変更。特殊には「りゅうのはどう」「りゅうせいぐん」が追加された。
更には「げきりん」がまさかの威力120に増強され、大幅な火力増強がなされた。
「りゅうせいぐん」「げきりん」は教え技になり、ありとあらゆるドラゴンタイプに配られた。
結果、あちらでもこちらでも「げきりん」や「りゅうせいぐん」が飛び交う状態がこの世代から始まったのであった。
第5世代
恐らく、ドラゴンタイプ最盛期。
初めての最終形で単ドラゴンタイプのポケモンであるオノノクス、同じく最終形でドラゴンのみかつ伝説外で初の無進化となるクリムガン、更には初のあく複合である600族サザンドラが加わった。
禁止級伝説にはレシラム、ゼクロム、キュレムいずれも初の複合タイプを持つ3種類が加わった。『ブラック2・ホワイト2』ではキュレムが前2匹どちらかと吸収合体し、全ポケモントップクラスの火力を持つブラックキュレム・ホワイトキュレムにフォルムチェンジできるようになった。
既存ポケモンではカイリューが隠れ特性「マルチスケイル」を獲得。
これにより元から高かった耐久が飛躍的に上昇し、「りゅうのまい」が使いやすくなったことで一気に最前線に到達した。
一方、この世代ではそれまでブイブイ言わせていたボーマンダが数を減らした。
原因は物理特化のオノノクスと特殊特化サザンドラの登場で相対的に攻撃性能が中途半端になったこと、カイリューの「マルチスケイル」獲得による耐久性能での見劣りなどが挙げられる。
特にシングルで顕著で、ボーマンダのいた枠がそのままカイリューに置き換わるという事態に見舞われた。
一方ダブルでは固有の役割があり健在だった。
だがいずれにせよ、前世代から続いていたドラゴン隆盛はこの世代も止まらず、あちこちで「げきりん」「りゅうせいぐん」が飛び交う戦場と化していた。
第6世代
ドラゴン天下の時代はまだ終わらない。
新規勢力では、初のどくタイプ複合でフェアリー弱点ではないドラミドロ、ドラゴンタイプ最速を更新したオンバーン、「いしあたま」+「もろはのずつき」が強力な初の化石組のいわタイプ複合のガチゴラス、「とくぼう」が物凄く高い600族ヌメルゴン、禁止伝説にして専用特性「オーラブレイク」が特徴のジガルデがおり、どれも個性的な面々である。
このうちジガルデはアニメでジガルデ・コア、ジガルデ・セル、10%フォルム、パーフェクトフォルムという4つの形態が追加登場。特にジガルデ・コアZ1(通称プニちゃん)はレギュラーメンバーとして加入し、キープ主のユリーカ共々大活躍を見せた。
またこの世代ではメガシンカが導入され、この形態でのみドラゴンタイプになる者もいくつか現れた。
中でもメガリザードンXはもう片方とどちらにシンカするのか全く読めず、かつどちらも強いことから高い使用率を誇った。
また、レックウザもリメイク版のORASでメガシンカを獲得。
なんとメガストーンを必要とせず、ガリョウテンセイを覚えるだけでメガシンカ可能という名実共に最強クラスの伝説のポケモンとして大暴れすることとなる。
……その一方で、メガラティアス・メガラティオスはデザイン面で、メガガブリアス・メガジュカイン・メガデンリュウは性能面で何とも言えない状態だったが。
まあ単体から見れば癖が強いだけで、ハマれば強い事に変わりはない。
ちなみに、メガシンカなど戦闘中にのみドラゴンタイプになるポケモンに「りゅうせいぐん」を覚えさせることができないという致命的な弱点がある。
このためこれらのポケモンは特殊型にさせにくく、物理火力が強くないと非常に使い辛い。
今世代はこれまでと違って序盤で出現することが多くなり入手は容易になったが、ドラゴンを無効化し、かつ弱点も突いてくるフェアリータイプが登場した。
これによって完全に駆逐される……かと思いきや、前述の通りドラゴンタイプはドラゴン以外のサブウェポンも充実している。
従ってドラゴン以外のタイプの技を使ってしまえば問題ないのである。
この考えから、じめんタイプとしても十分強いガブリアス、フェアリー4倍とかなりの痛手をこうむったもののあくタイプの相性見直しや相性のいい相方の追加でサイクル戦で強くなったサザンドラ、メガシンカで一気に息を吹き返したボーマンダ、同じくメガシンカで前線に躍り出たチルタリスなど、フェアリーお構いなしと言わんばかりに活躍し続けた。
特にガブリアスはそれまで使用率の低かったダブルバトルでも採用が増えるなど、全ルールにわたる活躍を見せ始めた。
一方エスパータイプまでも弱体化を食らったラティオス・ラティアスは大きく数を減らし、前世代で大飛躍を遂げたカイリューもメガシンカを習得する事はなく埋没した。
因みにこの世代は新技なしである。
……バランスを抑えられたにしてもやられすぎである。
第7世代
ドラゴン天下の時代、終焉。
今回の新規ポケモンは、ドラゴン初の「からをやぶる」を持つほのお複合のバクガメス、特性「ノーてんき」により天候へのアンチとなるノーマル複合のジジーロン、600族かつ「はらだいこ」を持つかくとう複合のジャラランガそして、まさかのリージョンフォームでナッシーがドラゴン化してしまった。
UBの一種で圧倒的なHPを持つあく複合のアクジキング、そしてUSUMで初登場の新規UBにしてドラミドロ以来のどく複合であるアーゴヨンが登場。
更に単エスパータイプの禁止級伝説であるネクロズマが、『USUM』では新たにエスパー・ドラゴン複合のウルトラネクロズマという姿にフォルムチェンジできるようになった。
前作登場のジガルデはアニメで先行登場した形態がゲームでも使えるようになった(ポケモンとしての登録は10%・パーフェクトの2つのみ追加)。
しかし「アローラ地方に散らばるコアとセルを100個も集めなければパーフェクトフォルムになれない」とあまり評判は良くなかったが、USUMでは入手条件が緩和されたことで事なきを得た。
その一方、第7世代は強力なフェアリーポケモンも大幅増加しており、正直なところドラゴンタイプは肩身が狭かった。
特に、特性サイコメイカーで先制技を封じてくる上に火力も高いカプ・テテフや、特性ばけのかわで必ず一撃耐えてじゃれついてくるミミッキュは天敵。
そしてフェアリーメタとしてはがねタイプの需要もかなり高くなっており、ドラゴン技をただぶっ放しているだけでは平気で受けられるどころか起点にされて負ける時代にまでなった。
5世代までの栄光はどこへやら……
メタ的な言い方をすると、フェアリータイプの大幅な増加の原因はガブリアス抑制のためだと思われる。
…というか今までがおかしいぐらいに強すぎたとしか言い様がないだろう。
なので、どちらかと言うとドラゴンタイプは耐性を活かす方向にシフトし、攻撃は副属性を活かした立ち回りが中心になり始めている。
ドラゴン隆盛時代と比較すると大分落ち着いてきたと言えるだろう。
かのガブリアスですらレーティング使用率2桁台に転落するなど、少なからぬ影響が出ている。
その他のドラゴンタイプも第6世代以前と違い、天敵のフェアリータイプに対する対抗手段があっても辛い。
そんな中、メガボーマンダは元々ひこうタイプとしての役割が強かったため他のドラゴンポケモンほど影響を受けず第7世代の調整でメガシンカ直後の素早さが反映されるようになり、大幅に躍進。
『USUM』ではフェアリーに強い新鋭のアーゴヨンの活躍に加え、全体攻撃かつ全能力1段階上昇、「まもる」「みがわり」両方貫通というチートめいた専用Zワザ「ブレイジングソウルビート」が加わり大幅に強化されたジャラランガがダブルバトルでメジャーなポケモンとなった。
Zワザを使えばリスクのある大技を一度だけノーリスクかつ必中で撃てるようになるため、火力頼みの場面では重宝するようになった。
フライゴンに「りゅうのまい」が与えられる等、ドラゴンタイプ間での格差の是正も行われている点も特徴と言える。
一方で強ポケの巻き添えを喰らう形で大幅に弱体化を掛けられてしまった哀れなドラゴンもいるが……。
第8世代
ドラゴン天下に返り咲くか、はたまた大寒波に見舞われるか。
新規はくさ複合のカジッチュ系統(アップリューとタルップルへの分岐進化)、はがね複合の無進化ジュラルドン、ゴースト複合の600族ドラパルト、「カセキのリュウ」から復元するウオノラゴンとパッチラゴン、そして伝説ポケモンのムゲンダイナ。
さらにDLCで新たなレジ系としてレジドラゴが登場する事となった。
キョダイマックスはアップリュー・タルップル・ジュラルドンが持つ。
ドラゴンタイプのダイマックス技「ダイドラグーン」は「こうげき」低下の追加効果を持つ。
カイリューやボーマンダ、ガブリアスといった人気のドラゴンが悉く不在の一方で、新規勢は個性的なものがそろっている。
また、今世代は使えるポケモンが著しく制限され、段階を経て増えていくという形式を採っているため、同世代内でも段階によってドラゴンタイプの地位は微妙に変化している。
剣盾初期
この世代では何と言ってもギラティナ以来となるゴースト複合を持つドラパルトの活躍が目を引く。
600族ならではの技範囲の広さと、素早さ種族値142という600族ぶっちぎりのスピードを生かして、先手を取り上から圧力をかけていく立ち回りで初期環境を席巻していた。
他には、先手を取ることで威力が2倍になる専用技を持つパッチラゴン・ウオノラゴンが圧倒的な火力で環境にいる他、はがね複合によってドラゴンタイプの弱点を全て等倍に出来るジュラルドンも特殊アタッカーとして活躍している(はがね・ドラゴン複合は既存ではディアルガが居たが一般ポケモンでは初)。
専用キョダイマックス技の「キョダイゲンスイ」はPP減少の追加効果を持つが、ダイマックスとの噛み合わせの悪さから通常個体のほうが使われることが多い。
また、マックスレイドバトルにおいては、ボスとして出現するダイマックス・キョダイマックスポケモンに対して安定した高ダメージを与えられることから、前述のウオノラゴンおよびムゲンダイナの採用率が高い。
また、既存勢ではフェアリーが減ったことで動きやすくなったサザンドラが、同じくフェアリー減少かつミミッキュに強くりゅうのまいとも相性が良いオノノクスが対戦環境に一石投じることとなる。
他の600族の陰に隠れがちなヌメルゴンも、新技「いのちのしずく」を習得した事によりサポート役としての運用もし易くなっている。
ただ一方でジャラランガは新技『ソウルビート』や『ボディプレス』を習得、フライゴンは競争相手が不在だったものの、ミミッキュが環境的な意味で全く衰えておらず、思うように数を増やせていない。
オンバーンは自分より早いドラゴンであるドラパルトの登場で仕事を奪われている。
鎧の孤島
「鎧の孤島」ではキングドラ、クリムガン、ドラミドロが復帰。
追加された教え技は「スケイルショット」で、ドラゴンタイプでは初めて2~5回の連続攻撃技になっている。
……のだが、攻撃後にぼうぎょが下がりすばやさが上がるという変わった効果を持つ。
全員覚えるかといえばそうでもなく、これといってウロコを持たないオンバーンなどは覚えない。
習得者に特性「スキルリンク」を持つポケモンはいないため、必然的にランダムダメージになるのがもどかしい。
特にドラゴンタイプミラーで2発しか当たらなかったらもう。
ドラパルトは相変わらず猛威を振るい続けていたが、シリーズ6で出禁となってしまった。
同時に苦手とするポケモンもシリーズ7まで軒並み出禁になったことで、パッチラゴンがシングルバトルの使用率1位に輝いた。
冠の雪原
「冠の雪原」では、伝説も含め全タイプ中で唯一全てのポケモンが復帰を果たした。
同時に環境を席巻したカプ神も復帰したものの、カプ・レヒレ以外が軒並み弱体化されことにより、前作と比べて動きやすくなっている。
レジドラゴは特性「りゅうのあぎと」とドラゴン版の「ふんか」である専用技「ドラゴンエナジー」を持つ。
カイリューは隠れ特性の「マルチスケイル」とダイマックスとの相性の良さ、通常特性の「せいしんりょく」の強化もあって使用率が上昇した。
ボーマンダはメガシンカ消滅とカイリューの躍進により大きく数を減らし、同タイプのチルタリスも同じくメガシンカを失い第一線から退いた。
ガブリアスは素早さを自力で上げられる手段に乏しく、解禁初期は厳しい立ち位置だったものの、対戦環境の変化と研究が進むにつれて前世代とほぼ変わらない使用率をマークした。
また、ランクバトルの竜王戦ルールでは禁止級が1匹だけ使用可能となり、ムゲンダイナが禁止級ドラゴンのエースとして活躍している。
レックウザはメガシンカを失った事でで大きく弱体化し、ギラティナも同タイプのドラパルトに出番を奪われてしまっていた。
ジガルデは「しんそく」が没収されたものの、ジガルデキューブを入手するだけで特性と姿を瞬時に切り替えれるようになった。
若干不遇気味であった前作の分も取り戻さんとばかりに、今作は対戦・レイドのいずれにおいてもドラゴンポケモンの活躍が目覚ましく、ドラゴンポケモンファンにとってはたまらない作品になっていると言えるだろう。
天敵のフェアリータイプも対戦環境の変化による他タイプの台頭によって、決して一強とも言えなくなっているのも追い風。
ただ、ドラゴンタイプ全体が好きな人には春が来ているが、弱体化しているポケモンも多いため、一部の特定のドラゴンタイプが好きな人にとってはそうでもないと言ったところか。
外伝作品
ポケモンGO
原作で種族値の高いポケモンが多かったため、CP(総合的な基礎パラメータの指標)が高い。更に技の性能も良く、タイプ相性を考慮しなければDPSは非常に高い。
ドラゴンタイプが最も輝くのはレイドバトル。
二重弱点を持たないドラゴンタイプ(パルキア、ギラティナ等)に対してはドラゴンタイプで攻めるのが最適解となる場合が多く、バトル開始と共に味方のドラゴンタイプのポケモンがずらりと並ぶ姿を見ることも珍しくない。
とはいえ、相手もドラゴンタイプの技を持っていたら返り討ちに遭いやすいため、流石にフェアリータイプの出番になるが。
ジム侵攻においてはレイドバトルよりも活躍の機会は減るが、高性能な技と等倍範囲の広さで、置かれているポケモンの弱点が揃っていない時でも堅実な活躍が期待できる。
一方でジム防衛では二重弱点を持つポケモンが多いためあまり好まれない。
トレーナーバトルにおいては、等倍範囲の広さが強力な武器となり、結果としてどのリーグでも見る機会が多くなっている。
ここでは(マスターリーグ以外は)「種族値が極端すぎないこと」が重要であるため、活躍できるポケモンはジムバトル・レイドバトルと大きく異なる。
中でも、CP制限の厳しいスーパーリーグでは理想的な種族値配分を持つチルタリスが、ハイパーリーグ以上でははがねタイプにもゴースト技で等倍を取れるギラティナが高い評価を受けている。
タイプ相性と特性
タイプ相性
攻撃側 | タイプ |
---|---|
抜群(2倍) | ドラゴン |
今ひとつ(0.5倍) | はがね |
効果なし(無効) | フェアリー |
防御側 | タイプ |
抜群(2倍) | こおり、ドラゴン、フェアリー |
今ひとつ(0.5倍) | ほのお、みず、でんき、くさ |
効果なし(無効) | - |
タイプ特性
特になし
タイプ相性考察
ドラゴンタイプの有利不利の理由について考察すると以下のようになるものと思われる。
弱点編
- ドラゴンの爬虫類的なイメージから変温動物が苦手な寒さに弱い=こおりタイプが弱点
- 恐竜が滅びた原因として地球の気温が低下したからという説がある。
- ドラゴンは強大な存在である為、自分と並び立つ存在は脅威となる=ドラゴンタイプが弱点
- なお、フェアリータイプに攻撃を無効化されて一方的に殴られる理由には諸説あり、当時猛威を振るっていたドラゴンタイプへのカウンターという説が濃厚。
耐性編
- 龍は古くからの自然現象の化身であるため、自らが支配するほのお、みず、でんき、くさの攻撃は通じない。
- それなら、地面や岩や飛行に耐性があってもおかしくないが、そこはゲームバランスの問題というヤツであろう。
ドラゴンタイプのポケモン一覧
※剣盾(ポケモン剣盾に登場するか否か)が◎になっているものは追加DLCで出現しポケモンホーム開始とともに剣盾に送れるもの、△になっているものは今後のDLCで登場予定となっていることを表します。
伝説のポケモン・幻のポケモンは太字で記載。
第1世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
147 | ミニリュウ | 148 | ハクリュー | 149 | カイリュー | ◎ |
第2世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
230 | キングドラ | ◎ |
第3世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
329 | ビブラーバ | 330 | フライゴン | 〇 | ||
334 | チルタリス | - | - | ◎ | ||
371 | タツベイ | 372 | コモルー | 373 | ボーマンダ | ◎ |
380 | ラティアス | - | - | - | - | ◎ |
381 | ラティオス | - | - | - | - | ◎ |
384 | レックウザ | - | - | - | - | ◎ |
第4世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
443 | フカマル | 444 | ガバイト | 445 | ガブリアス | ◎ |
483 | ディアルガ | - | - | - | - | ◎ |
484 | パルキア | - | - | - | - | ◎ |
487 | ギラティナ | - | - | - | - | ◎ |
第5世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
610 | キバゴ | 611 | オノンド | 612 | オノノクス | 〇 |
621 | クリムガン | - | - | - | - | ◎ |
633 | モノズ | 634 | ジヘッド | 635 | サザンドラ | 〇 |
643 | レシラム | - | - | - | - | ◎ |
644 | ゼクロム | - | - | - | - | ◎ |
646 | キュレム | - | - | - | - | ◎ |
第6世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
691 | ドラミドロ | - | - | ◎ | ||
696 | チゴラス | 697 | ガチゴラス | - | - | ◎ |
704 | ヌメラ | 705 | ヌメイル | 706 | ヌメルゴン | 〇 |
714 | オンバット | 715 | オンバーン | - | - | 〇 |
718 | ジガルデ | - | - | - | - | ◎ |
第7世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 | 剣盾 |
---|---|---|---|---|---|---|
776 | バクガメス | - | - | - | - | 〇 |
780 | ジジーロン | - | - | - | - | 〇 |
782 | ジャラコ | 783 | ジャランゴ | 784 | ジャラランガ | 〇 |
799 | アクジキング | - | - | - | - | ◎ |
804 | アーゴヨン | - | - | ◎ |
第8世代
No. | 初期 | No. | 中間 | No. | 最終 |
---|---|---|---|---|---|
840 | カジッチュ | 841 | アップリュー | - | - |
842 | タルップル | - | - | ||
880 | パッチラゴン | - | - | - | - |
882 | ウオノラゴン | - | - | - | - |
884 | ジュラルドン | - | - | - | - |
885 | ドラメシヤ | 886 | ドロンチ | 887 | ドラパルト |
890 | ムゲンダイナ | - | - | - | - |
895 | レジドラゴ | - | - | - | - |
メガシンカポケモン
ポケモン |
---|
メガリザードンX※1 |
メガデンリュウ※2 |
メガジュカイン※2 |
メガチルタリス |
メガボーマンダ |
メガラティアス |
メガラティオス |
メガレックウザ |
メガガブリアス |
※1:ひこうタイプからドラゴンタイプに変化する。
※2:メガシンカすると、ドラゴンタイプが追加される。
リージョンフォーム
ポケモン | タイプ(変化前) | タイプ(変化後) |
---|---|---|
アローラナッシー | くさ・エスパー | くさ・ドラゴン |
ヒスイヌメイル | ドラゴン | ドラゴン・はがね |
ヒスイヌメルゴン | ドラゴン | ドラゴン・はがね |
フォルムチェンジ
No. | ポケモン | フォルムチェンジ |
---|---|---|
493 | アルセウス | りゅうのプレート |
773 | シルヴァディ | ドラゴンメモリ |
800 | ネクロズマ | ウルトラネクロズマ |
ドラゴンタイプポケモンの主な使い手
ワタル | イブキ |
---|---|
ジムリーダー(ジョウト) | |
ゲンジ | シャガ |
四天王(ホウエン) | ジムリーダー(イッシュ) |
アイリス | ドラセナ |
四天王(カロス) | |
ヒガナ | リュウキ |
伝承者(ホウエン) | ポケモントレーナー(アローラ) |
キバナ | |
ジムリーダー(ガラル) |
その他のタイプ
ノーマルタイプ | ほのおタイプ | みずタイプ |
でんきタイプ | くさタイプ | こおりタイプ |
かくとうタイプ | どくタイプ | じめんタイプ |
ひこうタイプ | エスパータイプ | むしタイプ |
いわタイプ | ゴーストタイプ | ドラゴンタイプ |
あくタイプ | はがねタイプ | フェアリータイプ |
余談
如何せんドラゴンタイプの総数が少ない為か、ワタルやナックルジムの面々はドラゴンタイプのエキスパートなのにそれ以外のポケモンを使っていることに対し、ツッコミが上がることも少なくない。
だが例えばギャラドスは卵グループがドラゴンで、プテラは全盛期はドラゴンタイプだったという学説がある。リザードンは元より、デンリュウやナッシーなどもドラゴンの因子を宿す生物だった事が後々の世代で判明している。
つまり作中世界ではドラゴンの要素を持っているポケモンをドラゴンタイプの有無を問わず、広義で『ドラゴンポケモン』と呼んでいるようだ(燃えよドラゴンタイプ!『ドラゴン使いに聞く!』)。
関連タグ
ポケモン ポケモン一覧 ポケモンのタイプ一覧 ポケモン技絵
RGBP GSC RSE FRLG DPt HGSS ポケモンBW ポケモンBW2 ポケモンXY ORAS ポケモンSM ポケモンUSUM LPLE ポケモン剣盾 BDSP
シンオウ三龍 イッシュ三龍 ドラゴンつかい←ポケモンGOの実績にも使われている。