モトトカゲ
もととかげ
ポケットモンスター 第9世代『スカーレット・バイオレット』から登場。
コライドン/ミライドンを小型化させたような姿の、深緑の体色を持つトカゲポケモン。目の後ろにはイグアナの鼓膜下大型鱗に似た丸い器官が見られる。
古くからパルデア地方の多くの家庭で人と一緒に生活してきた種族で、穏やかな気質のもと、日常的に人間を背中に乗せ移動するライドポケモンとして親しまれている。
騎乗のためのハンドルやライト等が着いた専用装備を身に着けている個体も多く、街には専用の駐輪場ならぬ駐竜場まである程。
本来希少種であるドラゴンタイプでこうした性質は珍しく、人を乗せる事を嫌がらないのは、搭乗者の体温で苦手な寒さをしのげるかららしい。
胸には大きなタイヤ風の喉袋があり、走る際は尻尾も内側に丸めて後輪じみた形にした、全体的に生物バイクっぽい四足姿勢となるのが特徴。
この状態は学術上でライドフォルムと定義され、二足で立ち上がった臨戦状態がバトルフォルム、それ以外の日常時がデフォルトフォルムと呼ばれているが図鑑では区別されない。
少なくとも1万年前には人間と共生していたらしく、当時の壁画にその様子が描かれている他、200年前の某著名人もモトトカゲを相棒とし、探検に同行させていたという。
無論足腰は強靭で、走行スピードは人を乗せた状態でも、時速120kmほどの最高速度を誇る。
非常に硬い頭部としなやかで太い尻尾は、走行時の衝撃を和らげバランスを取るために役立つのはもちろん、バトルでも強力な攻撃手段として活用できる。
色違いは金色っぽくなり、メタリックな感じになる。
東1・2番エリア、西1番エリア、プルピケ山道、ナッペ山に生息。ロースト砂漠にはひこうタイプにテラスタルする個体が出現する事も。
設定を反映してか、フィールドにいる野生の個体は物凄い速さで走り回る。
追いかけるにしても逃げるにしても、コライドン/ミライドンのダッシュじゃないと追いつけないor振り切れない。たまに立ち止まるので、止まったところを狙うのがベスト。
色違いだろうと、モタモタしていると一瞬で距離を離され消えてしまうので、見つけたら素早い判断と行動が必要となる。
おまけにモトトカゲが出現するエリアには、モトトカゲ出現の障害となる野生ポケモンの群れがウザいレベルで出てくるので、あっという間に表示上限に達してモトトカゲが出現しないといった事が多発するため、食事パワー無しで厳選しようとするとかなりの苦行と化す。
倒すと素早さの努力値を2つ貰えるので、序盤ですばやさを上げたい時におすすめ。
ドロップできる「モトトカゲのウロコ」は、ワイドブレイカーのわざマシンを作る為の素材となる。
モトトカゲに騎乗する際は、バイクのようにハンドルとライトが付いた鞍を取り付ける。残念ながら主人公が乗り回す事は出来ない。
スター団達も主な移動手段として用いており、鞍に族車よろしく派手な改造を施されているのが特徴。クリア後には団ラッシュのバトル要因としても繰り出してくる。
種族値
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 95 | 65 | 85 | 65 | 121 | 501 |
攻撃がそれなりに高く、素早さが大きく伸びるといった数値。
比較的序盤でもゲット可能であるにもかかわらず、恐ろしいことに素早さの数値は121。
これは禁伝を除くドラゴンタイプではドラパルト、オンバーンに次ぐ数値で、アーゴヨンと同率の3位タイ。禁伝を除くノーマルタイプとしてもオオスバメに次ぐ2位の座に就く。
地味に通常の無進化ドラゴンとしても合計種族値は高い方の501で、同じ無進化のクリムガン、進化系ドラゴンのチルタリスやドラミドロなどを上回っている。
耐性としては地味だがノーマルタイプを持つためゴーストタイプが無効なのが嬉しい。
おまけにレベル40で素早さが2段階、攻撃が1段階上がるギアチェンジを習得するのでガブリアスには許されなかった疑似竜舞戦法が実現可能。AS同時上昇は先祖・子孫であるコライドンやミライドンにも無い強みであり、攻撃が100を超えていないのはバランス調整のためといえよう。
ドラゴンクローやげきりんといったドラゴンタイプの基礎技やすてみタックルが習得でき、メインウェポンとなる。どちらも通らないはがねタイプへの攻撃技は物理型であろうが特殊型であろうがオーバーヒート一択。
おまけにドラゴンテールも覚えるので苦手な相手を強制退場させるのもあり。
サブウェポンとしてはフェアリー対策にアイアンヘッド、それ以外のタイプ用としてかみくだく、ワイルドボルト、アイススピナーなどが候補に挙がる。
一応攻撃のほうが高いのだが物理技はどうしても大ぶりで動きづらいものが多く、うち逃げしたり小回りのきく技は特殊技のほうが多い。
新技として「みがわり」を発動しながら控えに戻る「しっぽきり」を習得する。離脱用としてとんぼがえりも覚えるが、ダメージを受けたくないなら後者を取るのも手。
両者に共通してさいせいりょくの恩恵を受けやすいという共通点がある(前者の場合はしっぽきりの代償となるHPの回収目的としての使用が想定される)。
使った後に特攻のランク補正が下がる「りゅうせいぐん」は交代技である「しっぽきり」と好相性。自身の特攻も最低限レベルは備わっているため、ただ面白いだけの動きにとどまらずきっちり仕事になる組み合わせと言えよう。
ノーマルタイプであるため技範囲はなかなかに広いものの、種族値的にも習得技的にも微妙に安定感に欠ける点が弱点となる。一致技となるノーマル・ドラゴン技ではドラゴン相手にしか弱点を突けないため等倍を火力で押し切る必要があるのだが種族値が足りず、不一致技で弱点を突くには技の威力や命中が心もとない(特に3色パンチがないのは致命的)。そのため単にギアチェンジして殴るだけなら他のドラゴンタイプがりゅうのまいをする方が結局大体の場面では強い。
単なるアタッカーとしての運用は厳しいが、試合の流れを変えうるしっぽきりの存在をいかにチラつかせて相手に行動を読まれないようにするかが重要になる。上手いこと後ろに身代わりを残しながら登場させれば、一気に逆転のチャンスを作れるかもしれない。
ギアチェンジを使った積みアタッカーとしては、うまく読みあいで裏をかくか、高い素早さなどを上手く活用できればあるいは、といったところか。
俊足でパワーも最低限あるので、「しっぽきり」や「とんぼがえり」を覚えさせつつ「すてみタックル」や「げきりん」を仕込んだ「こだわりハチマキ」型として育てるのも1つの手。
勿論反動のある「すてみタックル」や一度使うと2ターンから3ターンは強制的に使うことになる「げきりん」は「しっぽきり」とアンチシナジーだが、この内「すてみタックル」は「しっぽきり」対策として安易に出てきたニンフィアを狩るのに役立つ。
「フェアリースキン」+「ハイパーボイス」を行う暇も与えず、相手が余程HBに厚く振ったりテラスタルでノーマルに耐性を持たせたりしない限り1発で落とせるのが大きい。
この他にもストーリー戦でのタイプ補完としてはありだが、威力こそ微妙な技としてほのおのキバ、かみなりのキバ、くさわけ、つばめがえしを、威力は高いが命中が安定しない技としてアクアテール(タマゴわざ)、パワーウィップ(タマゴわざ)、アイアンテール(タマゴわざ)、ギガインパクトを覚える。
なお、からげんきが習得できるものの、だっぴ型とは相性が悪いので候補から外れる。
とくこうは攻撃よりもやや低めに設定されているが、ガブリアスより"5"高い。バイクがモチーフなだけにオーバーヒートを習得できる。
一方で耐久はガブリアスほど高くなく、弱点タイプもアタッカーが多いのでギアチェンジを積む際には道具などで補うと良いだろう。なお、微妙に足りない火力を補おうといのちのたまを持たせてすてみタックルを連発しようものなら一瞬で先制技圏内に入るため注意が必要。消滅したあの技があれば…
一緒に組むならパルシェンなどの先制攻撃技に弱い積みアタッカーがベターである。「しっぽきり」で用意したみがわり人形を盾に積み技を積めば本体のHPを温存できるため、先制攻撃技による事故死の確率を下げることができる。
アニポケ・第8シリーズ
- 第9話『パルデア到着!』
テーブルシティを移動するモブのライドポケモンとして初登場。この個体はかなり荒っぽい性格で、バイクのエンジンを吹かすような鳴き声を頻繁に挙げていた。
- 第16話:モブで登場。
- 49話・50話:モブで登場。
- 63話:回想でグルーシャのチルタリスとバトルしていた。
- ヘザーのモトトカゲ
第71話『てらす池の出会い』にて、原作にもスカーレットブックに写真が載っていたヘザーとモトトカゲがアニメにて登場。
放課後のブレス
こちらでも各話にモブのライドポケモンとして登場。
第16章でライドポケモンで登場。アカデミー教師とのレースにおいて、ロトじぃ(スマホロトム)がインストールしたポケモン図鑑で説明を聞いたバイオレットがホゲータの「ひのこ」でモトトカゲ達の背中を温めた事で興奮し制御不能になり、木に激突した(結果としてバイオレットが探していたペパーを見つけている)。
その後もライドポケモンで登場。
三重県鈴鹿市に地域応援ポケモンであるミジュマルと共にデザインされたポケモンマンホールが設置された。
鈴鹿市には鈴鹿サーキットがあり、バイクモチーフのライドポケモン・モトトカゲが抜擢されたのが理由だろう。
いかにも今作の伝説ポケモンであるコライドンとミライドンに関係がありそうな容姿だが、これは両者が時空を超えやって来た先祖たる古代種と子孫たる未来種だからである。
本作では同様に現代のポケモンの古代種/未来種と思しきポケモンが登場しているが、劇中ではモトトカゲ一族のみが遺伝子検査と行動パターン解析により血縁関係にあると言及されている。
この事から、モトトカゲを「ゲンダイドン」「ナウイドン」等と呼ぶユーザーもちらほら。
ネモが初めてコライドン/ミライドンと邂逅した際には「モトトカゲに似ている」という感想を漏らしている。
コライドンのカラーが可視光線における赤外線、ミライドンが紫外線と考えると、モトトカゲがその中間色である緑、即ち過去と未来の中間である現代を表していると言う意見もある。
子孫や祖先と比較すると、フォルムはミライドン寄りで動きはコライドンに近しい事がわかる。
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