族車とは、改造車の一種。暴走族風の外観の車両。
概要
よく知られる通り、暴走族には
- 共同危険型
- 違法競争型
の2つがあるが、一般的に『族車』といえば前者で用いられるものを指す。
こちらは、スピードへの関心が後者より薄いらしく、もっぱら派手な外観を志向する傾向にあるが、オートバイであれば、風防(スクリーン)、絞りハンドル、前輪のポールといった定番の改造メニューは、その昔新聞社が原稿や写真フィルムのやり取りのために雇っていたプレスライダーと呼ばれる職業ライダーのスタイルを真似たもの…らしい。こちらも神風タクシーよろしくかなり危険な運転が日常茶飯事だったとか。プレスライダーの全盛期は暴走族といえばとりあえずひたすら飛ばすだけで、『パレード』は副業だったり二の次だったりという具合だった(らしい)が、その後はよくご存知のあんな感じの人たちがメインとなった。
ロケットカウルは1970年代までのレーサー、三段シートやら長いチョッパーハンドルはアメリカからの文化だろうか…
一方で、自動車(四輪車)の場合、丸っこいオーバーフェンダーやら前面に付けられたオイルクーラーは1970年頃のGTカーレース、「出っ歯」と呼ばれた長大なチンスポイラーや巨大なオーバーフェンダー、リアウイングなどは、1980年代のシルエットフォーミュラのスタイルが元と思われる。
とはいえ、免許の有無は別としても自動車を買えるだけの経済力が得られる年齢となれば、大体の場合暴走族を卒業するくらいの年齢(だいたい二十歳くらい)となる。
このため、(例外はあれど)改造の度合いは大人しくなったり、どちらかと言えばそこそこスピードを求めたカスタムとなる事もあるとかないとか。
何にせよ、あのスタイルの多くはかつて暴走族がただスピードと腕を競うならず者だった頃の名残と言えるかもしれない。
外国から見ても奇妙なカスタムと見られることが多いが、デコトラや痛車と並んで曲がりなりにも日本のカスタム文化と認識されているからか、日本のポップカルチャーや日本企業の影響力が強い台湾、インドネシア、タイなどでは日本の族車の真似をしたカスタムを行うグループもいる。