概要
デコトラは元々、八戸港の水産業に携わるトラックがボディの保護を目的としてステンレス鋼板で荷台を覆ったことから始まった。
その後、次第に派手さを増していった水産輸送トラックにヒントを得て企画された東映製作の映画「トラック野郎」が大ヒットした事で、世にデコトラブームが巻き起こる。
パーツは観光バスの払い下げ品のパーツから生まれたものが多く、たまにデコトラなのに「〇〇観光」とついたものはその名残。
デコトラだから大型トラック・・・とは限らず、軽トラをデコレーションしたものもある為トラックの種類があるだけバリエーションは広い。
ただし・・・
荷台のアートワーク程度なら問題ないのだが、ロングバンパーやひさし等の付加物は車体寸法変更、強度試験、安全性等の審査を受け改造申請を行わないと違法となってしまう。
仮にトラックを手に入れてデコトラに挑戦してみたいという場合はあくまで自己責任で。
また、イルミネーションの点灯は走行中は禁止されている。
トラック野郎による影響
先述の通り、トラック野郎シリーズでデコトラの知名度が上がりデコトラ文化は全国に広まった。
映画に登場した一番星号はレストアを重ねて現存しており、半ば伝説のデコトラとなっている。プラモデル化もされ、こちらもヒットした。
トラック野郎の物語でも数多のトラックがデコトラとして登場していたが、現実にも様々なバリエーションのデコトラが現れた。
しかし、運送会社ではデコトラ禁止にするケースが多く、デコトラの所有者は個人経営もしくは愛好家所有が多いという。
自転車をデコトラ化する『デコチャリ』がトラック野郎の虜になった小中学生の間で流行した事もあり、現在でもデコチャリを作る人も少なからずいる。ちなみにデコチャリそのものは俗に言う『痛自転車』とは一線を画す似て非なるものであるジャンルである。
勿論、デコトラ/アートトラック自体も『痛車』とは全く異なる分野である事も留意したい。ただし、デコトラにも痛車との境目が曖昧なものがある為無関係とは言い難い。さらに昨今では主に小型トラックのハコ車を用いた痛車も出現しており、デコトラと痛車の境界は明確なものではなくなっている。
類ずるもの
- ジープニー(ジプニー) : フィリピンの庶民の足である乗合タクシーの総称。ジープをベースにした改造車から始まった事により、ジープニー(ジプニー)と呼ばれる。デコトラと同じく人々の目を惹くド派手な装飾(ペイントからアクセサリーに至る)が特徴。ド派手になっていったのはフィリピンでは派手なものが好まれているらしく、派手に派手にと競争していった結果こうなったという。ド派手ではないもののジープニーのスタイルで自家用車にしているものもあるらしい。
- マツダ(キンキラバス):パキスタンカラチの庶民の乗り合いバスの総称。キンキラバスは現地在住日本人からの通称であり、現地ではマツダと呼ばれるがこれはマツダ製のバスを改造し始めたのが発端であるからである。経緯はジープニーと同様。