概要
HUMAN社は本作発売後に倒産し、スタッフはTYO→ジャレコへ、名前はスパイクへと引き継がれた。
斬新な車線変更システムを搭載し、初心者でも楽しむことが出来るように配慮されている。
システム
基本的に全国制覇・男の花道・対戦の3種類が用意されている。
全国制覇
メインストーリー。
主人公は全国を愛車のトラックで巡りながら各地の強敵とバトルし、同時に荷物を運んで運賃を稼ぐ。
その収益を元手に愛車にドレスアップを施し、好みのアートに仕上げて行くことが出来る。
男の花道
作品によってトラッカー劇場、男花道夢浪漫などと名称が異なるが、内容は同じである。
このモードはギャルゲーなどのように紙芝居でストーリーが進行し、その間にレースや喧嘩スロットが挿入される構造となっている。
内容はトラック野郎や爆走トラッカー軍団などの映画をモデルにしたものと、女性キャラクターの恋愛を描いたオリジナルのものがあり、どちらも街道の仁義と惚れたハレたをテーマにしている。
また、単純な1ルートのみの紙芝居と、ギャルゲーのように分岐点が存在しプレイヤーの選択でルートが変化するストーリーの2種類が存在する。
対戦
自車やライバル車輌を戦わせることが出来るモード。
1、芸術伝、2にはロジック設定によるCOMどうしのモードが、芸術伝、2,3,真にはプレイヤーどうしによるバトルが用意されている。
また、3ではミニトラックによる箱庭対決もある。
シリーズ
男一匹夢街道
HUMANから発売された初代である。
CGやフレームレートはPS作品としては極めて優秀である。
作りに愛嬌のある車輌ストラクチャが特徴で、マニアのツボを最低限必要な範囲で徹底的に抑えた良作だ。
パーツは頂点の少ない簡略化されたストラクチャであるが、必要なパーツの代表的なものを殆どを網羅している。
トラック野郎の世界観とトラッカー軍団の世界観を融合させた作風は以降高い評価を受けている。
監修は関口工芸、BGMは北岡ひろしをはじめとする演歌歌手の熱唱。
アップテンポな演歌にのせてブロックの快感を楽しむことが出来る。
パッケージやOP/EDに登場した芸術丸はペイントやパーツだけがモチーフで、車両は架空の物だった。なお実際の芸術丸はダンプベースとなっている。そのほかOPには後述の芸術伝に登場する新たな芸術丸の前の姿の車両も登場する(芸術伝では「芸術丸Ⅱ」という名前で登場しており、本作が発売される2年前に公開された工藤静香主演の映画「爆走!ムーンエンジェル~北へ」では嶋村かおり演ずる夏子がハンドルを握る「風に吹かれて号」として登場している)。
尚、声優として無名時代の田村ゆかりが出演していることが特筆されよう。
- 登場車種
- 4tパネルバン 日野 いすゞ マツダ UD ふそう
芸術伝
前作の制作スタッフによって制作された番外編的だが実質的な続編。
パーツなどの取りそろえは究極に凝られており、旧型車なども登場するなどマニアックさでは歴代1位だ。
しかし、媒体に対して内容を詰め込みすぎた結果容量不足に陥り、CGの質が前作よりも低下したほかUDコンドルや日野プロフィアが省略されるなどの限界超過路程も見られる。
BGMは前作に引き続き北岡ひろしを起用したが、曲調などが前作と大きく変わっている。
オープニングではCGの、エンディングには実写の芸術丸(本作では「芸術丸Ⅲ」と表記)が登場している。この芸術丸は本作のために新たに作られた車両で、99年秋の東京ゲームショウのTYOブースでは実際に展示された。
- 登場車種
- 4tパネルバン 平台 ダンプ 10パネルバン
- 日野(4tのみ) ふそう いすゞ
男人生夢一路
Vail社が制作を請け負い、SPIKE社から発売された続編。
菅原文太氏が監督を務め、北島ファミリーがBGMを担当するなど豪華キャストとなっている。
その結果ストーリーはトラック野郎が基本の世界観となった。
パーツ類はバカパーツは数多く追加された結果マニアには若干物足りない仕様となったが、最低限必要なものだけは辛うじて確保されている。
CGは解像度・フレームレートとも前回を下回り、綺麗とは言えない。
パーツなどに素人臭さを感じるが、全体的には頑張って作られている。
- 登場車種
- 4t/10tパネルバン ダンプ
- マツダ(4tのみ) 日野 ふそう いすゞ
男花道夢浪漫
SPIKE社が制作・販売を手がけた続編。
媒体をPS2へ移し、CGの作画能力が前作よりも大幅に向上したが、オーバースペック気味で時折ゲームに支障が出るほどの処理落ちが生じる。
また、トラックの精度が高いにもかかわらずパーツデザインが粗悪で、殆どまともなアートを楽しめない欠点がある。
内容もヤンキー的な世界観に終始し、街道の仁義などを感じられる部分は少ない。
さらに、ライバル車輌もオリジナルではなく、自分で作れる車体しか登場せず完成度やセンスも極めて低い。
演歌は前作に引き続き北島ファミリーが起用された。
全体的には、デコトラをよく理解しない人が適当に作った印象を受ける作品である。
- 登場車種
- 4t/10tパネルバン
- 日野 いすゞ ふそう UD
天下統一頂上決戦
PS2媒体のシリーズ最終作。スパイクとジャレコによる共同制作。
初代のスタッフを招集して制作された作品でOP映像だけ意気込みの凄まじい作品であるが、内容自体はお世辞にも出来がよいとは言えない。
何故か全て車体側面は日野となっており、パーツもバイザーとミラーやサイドバンパーとリアテールに断裂があるなど、ストラクチャ全体の完成度は極めて低い。
また、コース設計もトンネルの手前に異常な急カーブが存在し、速度によっては挙動に違和感が生じるなど粗が目立つ。
メッキ表現も自車用パーツだけ汚く、ライバルと併走した際にクオリティの低さが目を突いてしまう。
さらに、何故かUDが登場しないなど不満点は数知れない。
しかし、登場するライバル数はシリーズ最多でたっぷりと遊べるなどの利点も存在する。
また、何と言ってもトレーラーや小型車などの多彩な登場車種が見所であろう。
BGMはデコトラ伝説(1作目)と芸術伝のを使用しており、一部楽曲は同じ歌詞でありながら全く違う歌になっている。
本作では新たに大型ウイング車をベースとした芸術丸(Ⅳ)が登場している。
- 登場車種
- 4tパネルバン・平台・ダンプ 2t/10t/牽引パネルバン
- 日野 いすゞ ふそう
ペイントツール
[pixivimange:14836350]
この作品のもう一つの特徴として、自分で任意の絵を描くことが出来る「ペイントツール」の存在が上げられるだろう。
基本的にMS_Paint程度の性能を持つエディタを搭載し、そこで作成した任意のイラストをトラックの荷台へマッピングすることが出来る。
初代では1メモリーカードに1枚しか作成出来なかったが2では各荷台ごとにカンバスが用意され、芸術伝や3では簡易レイヤー搭載、真では画面分割システムが導入された。
尚、2のペイントツールは暫定線と絵画線の表示が全く異なることなどから操作性が極めて悪く、細密な絵を描くことは至難である。