ゲーム概要
「もしも、現実の街で巨大ロボットを操縦できたら・・・」
『リモートコントロールダンディ』とは、ヒューマンが1999年7月22日に発売したプレイステーション用のロボット操縦アクションゲームである。
ストーリー
1999年、全長50メートルの巨大ロボットがニューヨークに出現。わずか3日で廃墟と化す。
人類は兵器で攻撃を試みるが、ロボットに傷1つつけることができない。
それだけではなかった。そのロボットとは別に複数のロボットが各国首都に次々と現れ、
人類の手で繁栄した都市が壊滅していった。
世界最大の財閥「王座」はこれに対抗するため、”リモコンで操縦する巨大ロボット”を開発し、次期総帥の王座守にそのリモコンを託し、日本の港町”鶏野”への移住を命じた。守は新会社「株式会社 鶏野警備隊」のオーナーに任命されることとなったのだ。
かくして守は、世界の運命を賭けた戦いに挑むこととなる。
ゲームシステム
このゲームの最大の特徴は、両手両足に対応するボタンを押すことで、ロボットに行動をさせるという点である。例えば、ロボットを前進させる動作は、右足前進に対応するR1と左足前進に対応するL1を交互に押すことで実現できる。
また、ストーリーモードでは、ミッション終了時に決算を行い、それに応じて弁償金を払わなければならない。もちろん報酬金も用意されているが、しっかり防衛しないと赤字になってしまうこともある。 住民支持率も用意されており、一定数以下まで落ち込むと反対運動が発生する。
登場キャラクター
鶏野警備隊
- 王座守(CV:高山みなみ)・・・このゲームの主人公で、王座財閥御曹司の12歳。最初は冷めた面が目立つが、仲間たちとの交流を通じて本来の熱血な性格を取り戻していく。
- 南優子(CV:小林優子)・・・鶏野警備隊の参謀。連合軍出身の身であり、経営も担当する「なんでも屋」。印象としては「怖い姉御」だが、守の身を案じる母性的な一面も。
- 柳博士(ジャナッシュ柳) (CV:子安武人)・・・ロボット工学の天才科学者で、鶏野警備隊のロボットの設計・兵器開発に携わる。 基本的にクールだが、時々マッドサイエンティストな性格も垣間見える。
- 美村美幸(CV:野上ゆかな)・・・鶏野警備隊のオペレーター。12歳にしてデータ分析を行えるなど、優秀な面もあるが、かなり天然でもある。実は暗い過去があり・・・
王座財閥
北領軍
- クラウス柳(CV:石井康嗣)・・・柳博士の兄で、北領軍の首領。終盤に鶏野警備隊に宣戦布告を行うが・・・
- 東野佐織(CV:佐久間レイ)・・・守の通っている中学校の教師。正体は北領軍の鶏野支部長であり、守の心の隙を突こうとしていた。
その他
登場ロボ
鶏野警備隊
王座財閥が開発したジェットロボで、このゲームの主役機。
格闘戦能力が非常に高く、ロケットパンチよろしく腕をジェット噴射で射出する必殺技「シャトルパンチ」、ジェットの力で相手をなぎ倒す「ブースト・フック」、ジェット噴射で空中に舞いあがりそこから急降下しつつ蹴りを放つ「ジェット・ダイブ」など、多様な攻撃技を持つ。また、両肩・かかとからジェット噴射することで高速前進を行う移動技「ジェットダッシュ」も持つ。最終奥義は腕部強化技「トルネード・アーム」からの溜めシャトルパンチもとい「アルティメット・シャトルパンチ」。
ガレス、ライオネル、ペルスヴァルが使用可能になった後も、ヴォーダンで出撃する機会は多々ある。
鶏野警備隊第2のロボット。中国で開発されたロボットで、石炭で動く。
パワーはヴォーダンに劣るが、コストに優れ、他の味方ロボにはないキック攻撃ができる。
必殺技は、両足の「大戦輪」を稼働させ、相手にたたきつける「大戦輪キック」と飛び蹴りで大戦輪を相手にぶつける「ハルマゲドン・ニーキック」。
ストーリー後半で、大戦輪を車輪のようにして走らせる高速走行形態が追加される。またプレイヤーの開発次第では、この状態から突進することでどんな敵をも葬ることができる「ガレスブレイク」が使えるようになる。
フランスで開発された鶏野警備隊第3のロボットで、原子力エンジンを搭載。
圧倒的なパワーと装甲を持つが、出撃に莫大なコストがかかる。
腕を変形させることで格闘戦能力を増したり、熱線を撃てるようにしたりすることができ、それを用いた必殺技「バスターボール」が十八番。また、安全装置を解除することで右手の攻撃力を4倍にするが、60秒後にミッションを達成しないとメルトダウンしてしまう「ファイナル・カウントダウン」が開発次第で使えるようになる。
日本で開発された鶏野警備隊第4のロボット。 メガ・バッテリーを搭載し、電気エネルギーで動く。4体のロボットの中で最も高い機動性・歩行速度を持つが、その分装甲が薄い。
上半身と下半身を分離して飛行する形態を持つほか、腰を360°回すことができ、回転数に応じた必殺技を出すことができる。メインウェポンは1億ボルトの電撃を放つ「ライトニング・キャノン」。プレイヤーの開発次第では、10億ボルトの電撃光線を放つ「ペルス・コレダー」と全エネルギーを消費して怒涛の回転攻撃を行う「ペルス・タイフーン」が使えるようになる。
対戦モードのCPUは回転しなくてもこれらの必殺技を出せるため、最も手ごわい相手の1機となる。
怪ロボット
人類が最初に目撃した怪ロボットで、メタンガスによって動く。
音を出しながら腕をあげるモーションと突き上げるようなアッパー以外に特徴がなく、怪ロボットの中では最弱である。
モードルの改良型で、ステルス機能を持つ。 機動力が地味に高く、ヴォーダンと同じ歩行速度である。ストーリー中では当機体が鶏野発電所間近まで接近していたため、鶏野警備隊は機動力に優れたペルスヴァルの投入を決定する。
モードルの亜種。 色が水色になった以外はモードルと変わりはないが、二体同時に出現し、鶏野を襲う。対戦では一人っ子。
モードルの強化型。両手・両肩に巨大な盾が装備されており、正面からではありとあらゆる攻撃が効かない。しかしながら背面の装甲は脆弱。 盾を突いて相手を攻撃する「バビロン・プレス」を持つ。
第2の怪ロボットで、ディーゼルエンジンを動力とする。
必殺技「稲妻掌砲」は高い攻撃力を持っており、防御を行わない限り大ダメージは必至である。また、ミサイルやバルカン砲も搭載しており、雑魚ロボットにしては技が多彩である。
- ガラハッド・ハンマー
ガラハッドの改造型で、右腕がハンマーに換装されている。その分右腕のダメージが増しており、右腕から出される稲妻掌砲もとい「稲妻神砲」は非常に高い攻撃力を持つ。なお、ガラハッドに備わっていた飛び道具はオミットされている。
- ガラハッド・キャノン
ガラハッドの改造型で、今度は左肩に重力兵器「グラビトン砲」が装備されている。この砲は非常に強力であるが低速であり、また姿勢を低くするだけで避けられてしまう。何故かこの機体だけガラハッド系統特有の胸を叩くポーズが実装されていない。
- ステルス・ガラハッド
ガラハッドの改良型で、ステルス性能を持つ。飛び道具は持たないが、ストーリーでは守を執拗に追い回す。
ロシアで開発された原子力ロボ。本来は鶏野警備隊のロボットになるはずであったが、突然暴走した。ビーム砲や火炎放射など、強力な技を持つが、迂闊に攻撃されればメルトダウンの危険がある。ストーリー中では試運転中だったサハリン2が燃料切れになるまで持ちこたえることとなる。
水素エンジンを動力とする装甲ロボ。このロボットが持つ装甲は通常攻撃の前にはびくともしない。そこでシャトルパンチの投入が決定され、それを実装されたヴォーダンにより倒された。その後、改良型が出現。ヴォーダンの改良されたシャトルパンチを弾き飛ばし、新たに装備された強力ビーム砲「キャメロン砲」で反撃した。その後、ライオネルのバスターボールにより倒される。
- ニセヴォーダン
首回りが赤色であること以外はヴォーダンと瓜二つなジェットロボ。攻撃も本物と遜色ないが、ヴォーダンの一部の技を使うことはできない。
レナが操縦するロボット。太陽光を動力源とする。 厳密には怪ロボットではない。
上半身と下半身を分離させることができ、回避だけでなく上半身を回転させながら落下してくる「ランスストーム」を使うことができる。必殺技は光の粒を発生させ、敵目がけて発射する「パラダイス・サン」。ストーリーの展開次第で守の代わりにレナがランスを使い敵を撃破することになる。
ゼンマイで動くロボット。 これでも立派に動くことができ、むしろ雑魚として登場するロボットの中では最強とも考えられるほどである。
腕を自由に伸縮させることができ、これを用いて相手のリーチ外から一方的に叩きのめすことができる。ストーリー後半では、ゼンマイ仕掛けの魚雷を発射する技「クロックワーク・トゥフェドー」を持つようになり、火力の面での不足がなくなる。
ヴォーダンの兄弟機で、ドイツ製のガソリンエンジンで動くロボット。 安定した格闘戦能力を持ち、腰を回しながら3回攻撃を放つ「トリプル・タイフーンパンチ」を持つ。更にエネルギー兵器も内蔵されており、エネルギーをブーメラン状にして投げる「ライフェン」や両腕からエネルギーを出して攻撃する必殺技「シュトゥルム・アングリフ」を持つ。遠近ともに高い戦闘力を持つロボットである。
超古代文明の守護神。北領軍の切り札として起動したが、「破壊神」の存在を感知したため北極基地を破壊して鶏野に向かった。その正体は装甲を纏った人造人間で、その筋肉による他のロボットとは一線を画す俊敏な動作が特徴。格闘戦能力も非常に高く、高威力かつ高速なフックや回し蹴りなど、強力無比な格闘技を持つ。また、気を爆発させて周囲を吹き飛ばす技「ダイナマイト・ハウル」を備えており、一度近づかれると手に負えない。 装甲も厚く、一筋縄ではいかない敵となるであろう。
その圧倒的な格闘能力と俊敏性から、対戦モードでは最強のロボットと言える。
古代文明が作り出したエネルギー装置「D機関」を搭載するロボット。ダークマターを動力とする。終盤に北領軍によって強奪されるが、その後暴走、北領軍の強奪工作員を全滅させた。
メインウェポン「デモン砲」は非常に高い威力を持ち、鶏野警備隊のロボットに大ダメージを与える。また、裏拳「デモン・スクリュー」やバリアフィールド「デモン・バリア」を持ち、攻防両面で優秀である。
ダークマターの減少による天変地異と同時に異次元から来たロボットで、古代文明を滅ぼした破壊神。
瞬間移動を持ち、任意のタイミングでワープすることができるほか、格闘系の技を受けた時もワープする。また防御壁を発生させることができ、物理系の飛び道具を防ぐ。
攻撃系の技は打撃三連打の「ミゴス・ラッシュ」と、光り輝くビームを発射する「トワイライト・ビーム」の2つだが、どちらも火力に恵まれない。そのため、破壊神という名を冠しているが、実際は防御力重視の機体と言えるであろう。
備考
このゲームの発売の後、HUMANが倒産。HUMANに所属していた本作の制作スタッフたちは新たに会社を立ち上げた。それが現在のサンドロットである。
1999年9月にはサウンドトラックが発売された。音楽CDに加え、ツッコミ要素満載のおまけストーリーを収録したゲームCDも入っている。
関連タグ
ギガンティックドライブ サンドロットが開発した後継作品。
地球防衛軍6 サンドロットの作品。とあるマップには本作品をモチーフにしたアーケードゲームやクレーンゲームが置いてある。
歩行要塞バラム バルガ(地球防衛軍5) 本作品のロマンを受け継いだサンドロット作品の巨大ロボット達。
鉄人28号 リスペクト元となった作品。サンドロットは本作品で培った技術を発展させ、後年ゲーム版を開発することとなった。
マジンガーZ リスペクト元となった作品(その2)。設定や技名が共通している。
パシフィック・リム 後年に創り出された映画作品。一部設定に本作品と共通のものが見受けられる。