概要
エニックスが2002年に発売したプレイステーション2ソフト。
開発会社はサンドロット。
かつてサンドロットのスタッフが手掛けた『リモートコントロールダンディ』と同様、巨大ロボットをラジコン操縦し、リアルスケール3DCGで作られた街並みの中で自由に暴れさせることが出来るロボットアクションゲーム。ストーリー、演出面においてもロボットアニメの王道を踏襲している一方、好き勝手に街を破壊し尽くす事が出来るバカゲーでもある。
なお、本作のゲームエンジン等を流用して低予算で作られたゲームが、後の大ヒット作『地球防衛軍』シリーズである。
ストーリー
ネクタル放射線と呼ばれる有害な宇宙線の存在により、人類の宇宙進出が不可能になり、地球外生命体との遭遇が不可能と思われていた世界。
2002年、千丈市にヴォルガーラと呼ばれる謎の巨大ロボットが出現した。ヴォルガーラの攻撃で街が火の海と化す中、主人公は文明保全財団が作った巨大ロボット・機人のコントローラーを託される。通常兵器の効かないヴォルガーラに機人は格闘攻撃で対抗し、見事に勝利を収めた。
しかし、それはヴォルガーラとの長きに渡る戦い、そして三千年委員会と呼ばれる組織の陰謀の始まりに過ぎなかった……
登場人物
- 主人公
月岡直人(演:鈴村健一)、月岡涼(演:千葉進歩)、月岡結衣(演:ゆかな)のいずれか一人を選択する。性格はそれぞれスポーツ万能な熱血漢、喧嘩が強いクールな青年、ロボットアニメ好きの優しい美少女だが、口調が違う程度でストーリー展開はほぼ同じ。また、結衣は同性とのエンディングを迎える事も可能。
父が遺した組織「文明保全財団」の理事長であり、機人を操れる唯一の存在。しかし、月岡家没落の原因となった機人の存在を快く思っておらず、心の底に破滅願望を秘めている事が精神世界を通して描かれる。実際、機人やグレネードで街を自由に破壊する事が可能。
- ヘルマン・ウィルツ(演:小杉十郎太)
機人開発者の一人で作戦立案や指揮を行う科学者。
主人公の事を理事長と呼ぶ一方、戦闘中などは命令口調で話しかけることが多い。
- 木南薫子(演:雪乃五月)
機人をサポートする通信オペレーター。
仏の木南と呼ばれるほど優しい性格だが、住んでいるマンションを破壊してしまうと……
- 京野沙希(演:浅川悠)
文明保全財団の経理担当。施設防衛の報奨金によって機人の装備開発予算を捻出する。
鬼の京野と呼ばれるほど厳格だが心臓が弱く、防衛対象が破壊されると発作を起こす。
- 奈々穂(演:有島もゆ)
ヒロインの一人。主人公の同級生で、ある事情により実家を離れて祖母と二人暮らししていた。ヴォルガーラの襲撃で祖母と帰る家を失い、パンの耳スープを啜るほどの極貧生活を強いられる。彼女のアルバイト先を破壊すれば更なる苦境へ追い込むことも可能(しかもその結果、プレイヤーは多額の装備開発予算が得られる)。
さりげなく苗字が伏せられているが、実はある人物の親族でもある。
- エレン・ブルノーズ(演:今井由香)
ヒロインの一人。軍需企業ブルノーズ重工の社長令嬢であるフランス人金髪巨乳美女。男性主人公を選択した場合は主人公の元許嫁だが、月岡家の没落により婚約解消されてしまった。しかも後述の勝との婚約を無断で決定されてしまい、実家に反発して千丈市の市民を守る避難誘導隊に所属している。口調が男っぽいが、本人は美しい日本語を話しているつもりらしい。
- 三咲勝(演:私市淳)
軍需企業三咲重工の御曹司で次期社長。エレンの現婚約者であり、彼女に惚れているが軽薄な態度故にうっとおしがられている。元婚約者の男性主人公とも仲は悪いが、その一方で彼なりの使命感を持って仕事に取り組んでいる。個別エンディングはないが、ストーリー分岐には関わってくる。
- 奏也(演:小西克幸)
黒い機人ヴァルドルを操る謎の青年。
窮地に陥った主人公を救う一方、何故か戦いを挑んでくるライバル的な存在。
結衣を選択した場合のみ、彼とのエンディングを迎える事も可能。
- 蓬莱博士(演:石塚運昇)
機人の開発者にして文明保全財団の前身、「三千年委員会」の創立者でもある科学者。
主人公に機人のコントローラーを渡した直後、死亡したかに思われたが……
- 番原美香(演:平松晶子)
機人とヴォルガーラの戦いを実況中継する新人リポーター。戦場に乱入してきた彼女を護るミッションが三回も続くほか、終盤のミッションで彼女の乗るヘリを撃墜すると死亡退場してしまう。なお、彼女の母親か祖母と思しきラジオ司会者が昭和期に確認されている。
機人
- 機人ヴァヴェル
唯一つ完全なる機人。格闘戦を得意とするバランスタイプの性能を持つ。
変形機能が無い代わりに3分間だけ機体能力を強化する「ヴォルカニックモード」を発動可能だが、制限時間が経過すると自壊してゲームオーバーとなる。ゲーム後半では人類種滅殺形態と呼ばれる更なる強化形態「ジェネシスモード」が解禁され、ストーリーにも大きく関わってくるなど主人公機的な存在。
必殺技は「アサルト・ナックル」、「ラヴァ・ストリーム」など王道的。
ジェネシスモード発動中のみ最強技「破滅の咆哮 ジェネシス・クライ」を使用可能。
- 要塞機グラング
三咲重工製の実弾火器を大量に搭載した大地の機人。戦車型のフォートレスモードに変形し、地上を高速で走行する事も可能。装甲が厚く格闘の威力も高いが、動作が非常に鈍い上に飛び道具は後述の理由でヴォルガーラに無効化されやすいのが難点。
必殺技は強力なビームを発射する「ガイア・バスター」、全火器を乱射する「全弾発射」。
最強技は「大鉄槌”神壊”」を装備して放つアッパーカット「アイアン・タスク」。
- 制空機ライオール
ブルノーズ重工の協力で開発された空の機人。フォートレスモードに変形することで空中を飛行する事が可能。素早い動作が特徴だが、パワーや装甲では他の機人に劣る。
必殺技は両腰部のビーム砲から光波を発射する「エアリアル・コレダー」。
最強技は両腕から光の刃「魔剣"神薙"」を展開し、あらゆる敵を斬り裂く「滅昆」。
- ヴァルドル
奏也が操る第四の機人で、黒い(青い)ヴァヴェルというべき存在。
設定上は水中戦の得意な海の機人らしいが、格闘戦でもヴァヴェルと同等の性能を誇る。
ヴァヴェルと同様の必殺技と、「ヴォルカニックモード」、「ジェネシスモード」を持つ。
ヴォルガーラ
ヴォルガーラ人と呼ばれる異星人が操る巨大ロボットの総称。
地球に存在しない超合金「レプトン・カーボナイト」で造られているうえ、「ファントム・システム」と呼ばれる瞬間移動機能を持ち、砲弾やミサイルなどの熱源を察知して回避する事が可能。それ故、ヴォルガーラには通常兵器が通用しない。機人が必殺技を撃ち込むには、格闘攻撃でダメージを与えてシステムを停止させるか、「サテライトマシン」と呼ばれる転送補助用の小型端末を破壊する必要がある。
「生命体の宇宙進出が不可能な世界でヴォルガーラが現れた理由」が物語を巡る大きな謎になっており、それが機人の製造目的にも関わっている事が明らかになっていく。
- レイバラー
名前の通り労働者階級にあたる機体。
装甲は薄く機動力は平均的で、武器も牽制用のレーザー「スパイト・レイ」程度しか備えていないが、それでも人類側のあらゆる兵器が通用せず、自衛隊を壊滅させてしまった。
終盤には2体ずつ計4体と戦うステージがあり、とにかく数が脅威と言える。
- ドリル・レイバラー
レイバラーの腕を白兵戦用のドリルアームに換装した個体。
必殺技は相手を突き刺すパンチ「ドリル・クリプト」。
- ファイア・レイバラー
レイバラーの腕を長距離攻撃用の熱線砲に換装した個体。
必殺技は熱線砲を発射する「ヒート・ビーム」。
- サイレン
戦闘能力はレイバラーと同じだが、機人の操縦を妨害する電子戦機能を備えた個体。
- ハーリアー
やはり労働者階級にあたるヴォルガーラ。
丸みを帯びたフォルムが特徴で、レイバラーよりも機動力は低いが防御力が向上している。加えて格闘能力も増しており、武装の面でも大きく強化されている。
必殺技は上半身を回転させて殴りつける「デモン・シザース」、拡散ビームを降り注がせる「エクスプローシブ・ストーム」、高威力のミサイルを発射する「スター・トーフェドー」。
- サイクロン・ハーリアー
ハーリアーの腕を鎌状のクローに換装した個体。
必殺技は腕を広げて上半身を高速回転させる「キラー・ファン」だが、機人のパンチで殴り倒せば容易に止める事が可能。
- ハーリアー2
ハーリアーと見た目は大差ないが、格闘戦用の強力な武器を内蔵した個体。
必殺技は機人を貫く槍を射出する「テンペスト・スピア」。
- ガーディアン
ハーリアーの強化型。機人のあらゆる攻撃が通用しない理不尽な重装甲を誇る個体。
この脅威を前に、機人は封印されていた切り札(最強技)の解放を余儀なくされる。
- センチュリオン
初めて確認された戦闘用のヴォルガーラ。当然今までの個体より高い戦闘力を誇る。
必殺技はヴォルガーラ版アサルトナックルと言える「フィスト・キャノン」、羽からナノマシンを散布して攻撃を行う「セラフィック・エッジ」。
- 宇宙怪獣ダンタリオン
ヴォルガーラが遺伝子情報を基に地球で造り出した宇宙怪獣。某怪獣王を細くしたような見た目通り、地球の生物の常識では考えられないほどの戦闘能力を誇る。
必殺技は頭突き攻撃の「キラー・ホーン」、角で突き上げる「ワイルド・アッパー」、口から火炎を吐き出す「ファイアー・ブレス」、強力な体当たり「スピット・チャージ」。
- 岩洞神バロウ
追い詰められたヴォルガーラが起動した4機の戦闘用ヴォルガーラ「軍将機」の一機目。
射撃武器を持たない代わりに格闘戦では無類の戦闘能力を誇る。
必殺技は上半身を回転して殴りつける「ダブルタイフーン・パンチ」、素早く繰り出される強襲性能の高い飛び蹴り「ハルマゲドン・ニーキック」、垂直落下キックを繰り出す「ヘル・ダイブ」。
- 幻神フォー
2機目の軍将機。戦闘能力は低いが、格闘攻撃すら回避可能なファントム・システムを持つ。
ファントム・システムを破壊しなければ機人の攻撃を当てる事は叶わないが……
必殺技は相手を強制的にダウンさせる「トワイライト・ビーム」。
- 風神フーガ
3機目の軍将機。化学兵器「レプトン・ガス」を散布しての無差別攻撃を行い、世界各地に被害を与えた非道なヴォルガーラ。
広範囲を攻撃する竜巻を放つ必殺技「デモニック・ブーメラン」も強力。
- 暗黒神バロゥ
ヴァルドルをも撃破する程の性能を誇る最強の軍将機。
両肩から暗黒の球体を発射する「ブラックホールキャノン」が必殺技。
肩書や前評ほど強くないと評される事が多い。
- 終末兵器アスモダイ
本作のラスボスにしてヴォルガーラの最終兵器。
強力な内蔵火器「エーテル砲」を始め、機人では勝ち目が無いと言われる程の性能を誇る。
設定上はヴォルガーラの軍神を模しているらしく、地球侵攻を担当した指導者個体が一体化していると言われている。文字通り最強最後の敵である。
必殺技はミサイルを発射する「ヴォル・ミサイル」、連続パンチを繰り出す「デモン・スクリュー・ラッシュ」、エーテル砲から巨大な火球を発射する「エンド・ブラスター」、エーテル砲から無数の火球を乱射する「エンド・バースト」。