概要
ゲーム中に登場する100体以上のマリオネーションギア (MG)という巨大ロボットを動かして様々なミッションをクリアしていく3Dアクションゲームであり、70〜80年代のロボットアニメを髣髴とさせる雰囲気を持つ。
50種類以上もの各MGには個性的なコックピットが設定されており、下画面をこれらのコックピットに見立てて操作する。
それぞれに対応したタッチアクションを行うことで攻撃などのアクションを行うことが可能。
ボタンでのアクションは移動のみであり、攻撃・変形・(車型MGなどの)運転・自爆などのアクションは全てタッチパネルで行う。
コマンドの難しいMGも存在するが、総じてシンプルかつ易しい操作に設定されている。
ミッションの数も多く、敵を倒すものだけでなく、障害物の破壊や運搬、車型MGによるレースなど様々なものが用意されている。
ストーリーの進行に関わるメインミッションのほかに、膨大なサブミッションが用意されており、ワールドマップ上を移動して自由に選択し進めていくことができる。ステージごとに、イージー(E)、ノーマル(N)、ハード(H)、スーパーハード(SH)の4段階の難易度選択が可能なほか、一度クリアしてもいつでも再チャレンジできる。
難易度によって、敵の攻撃力と装甲はもちろん、スピードやアルゴリズムも強化される。
また、配置される敵の数が増えたり、より強力な敵に差し替えられたりする場合もある。
制限時間があるミッションの場合、制限時間が劇的に短縮される事が多い。
ミッションをクリアすると、MGやパーツの購入・製作に使える資金が稼げるほか、MG本体や設計図などのアイテムも入手できる。また、特定のミッションをHやSHでクリアした場合にのみ購入可能になるMGもある。
MGの数は多岐にわたるが、簡単に手に入るものだけではなく、出現確立の低いMG設計図(MGを作る為の全てが記された、人形師が命より大事にする物。AとBの2つに分けられており、両方を手に入れないとMGが完成しない)を手に入れる必要のあるMGもある。
ストーリー最終盤以降は、レアなMG・強力なMGを手に入れようとすると設計図からの製作が必須になるが、ミッションごとに入手できる設計図が決まっているため、ギャンブル感は薄い。
ただクリアすれば必ず手に入るというわけではなく、しかも難易度によって出現確率が変動するため、高難易度の地獄ミッションに何度も挑む必要があったりする。
また、プレイデータ毎に一部の高性能機の設計図の入手率が異なる場合があり、とあるプレイデータではミッションを500回クリアしても入手出来なかった設計図が、別のプレイデータでは1回で入手できた、といった事も少なくない。これは、通信による交換を促すためのバランス調整であると考えられている。ちなみに1つのプレイデータだけで全機体を揃える事自体は可能である。
NintendoDSというスペック的には決して高くないハードのソフトだが、ビルの立ち並ぶ街や、機械が支配する不気味な工業(?)地帯、風情溢れる洋風・和風の街、荒れ果てた荒野、草木の茂った平原など、様々なステージがフル3Dで描かれており、巨大ロボを操る快感を十分に味わえる。
ただし開発がサンドロットなので、特有の処理落ちもまた健在である。
そしてビルを壊し町を瓦礫に変えられるのもお馴染みである。
発売から7年が経過した2013年現在でもファンは多く、Nintendo3DSやWiiUなどでの続編製作を望む声も大きい。
ちなみに、CMには水木一郎が起用され、熱い歌声でこのゲームの魅力をアピールしまくっていた。
舞台となる作中の世界は、蒸気機関からエンジンへの技術転換が行われる過渡期にあり、
いわゆるスチームパンクとしての側面を持つ他、機械が自ら思考して、自身を超える知能を持つ機械を生み出すシンギュラリティとしての要素もある。
ちなみに作中に登場する蒸気人形ドーヴァーは、石炭をボイラーにくべて蒸気バルブの調節により攻撃を制御するバリバリの蒸気機関ロボであるが、その連撃の凄まじさは作中最強との呼び声も高く、登場ミッションのタイトルから蒸気王の名で親しまれている。
ただし操作は非常に忙しく、尚且つ最高攻撃速度に達するまでが遅いスロースターターもある。
また、その他の旧型機も、動力は蒸気機関とゼンマイの複合である事が多い。
ミッションの種類
- 戦闘ミッション
敵を全滅させれば終了。最もポピュラーなミッションだが、ストーリーの節目には複数のステージを連続で攻略する連戦になる場合も。敵を倒すと増援が来る事もある。
また、出撃機体が低性能な機体や古い機体に固定されるミッションもある。
敵の数が多い場合は、逃げ回って同士討ちや爆風による自滅で数を減らすのがセオリー。
- 護衛ミッション
護衛対象を守りつつ、敵を全滅させれば終了。高難度だと難しいミッションのひとつ。NPCやオブジェクトが主な護衛対象で、避難誘導が必要なものもある。
NPCが護衛対象の場合、NPCが敵に集中攻撃されるので時間との勝負にもなる。
オブジェクトを護衛する場合は、安全な場所まで運んで離れて戦うとよい。
- 運搬ミッション
オブジェクトを規定の黄色い枠内に納めるミッション。制限時間のある物が多い。
特定のオブジェクトを壊すとミッション失敗になるパターンもある。
当然ながら、運搬能力のないMGではクリアできない。出撃機体が操作性の悪い機体に固定されるミッションもある。
- 撤去ミッション
オブジェクトを黄色い枠内から外に運び出すミッション。基本的に制限時間がある。
こちらは運搬してどける以外に、撤去対象を破壊してもよい。ただし撤去対象とは別に、破壊するとミッション失敗になるオブジェクトが存在する事も。
- ポール倒しorトーテム倒しミッション
ポールを倒した本数をライバルと競い合うミッション。
早さを競うため、主に車両型でポールに突撃して倒すのが基本。
トーテム倒しの場合には、制限時間がつく。高難度だと難しいミッションのひとつ。
- レースミッション
車両型でレースを行うミッション。まともにやるとシビアだが、ライバル機を破壊したり、ビル等で道を塞いで足止めしたりと、反則技を駆使すればさほど難しくはない。
矢印ブロックに従って規定の回数を周回すればクリアとなる。
確認は出来ないが、矢印ブロックの付近一帯が通過ポイントとなっている場合が多く、順番に通過ポイントの上を通過する事で次の通過ポイントのフラグが建つ仕組みとなっている。通過ポイントを無視して大幅なショートカットをしても無駄なので注意。なお、通過ポイントの判定自体は比較的甘いので、車体が丸ごと道路の外にはみ出ている程度なら通過ポイントの上を通過したとカウントされる。
使用機体は、レーシングカータイプの最終型がスピードがあり、レースに向いている。人形武者ガウロスと神槍人形ハダンを、車輪系でレースに特化させてローテーションすると良い。
難易度自体はともかく、周回の回数が多いと時間がかかるのがネック。
ストーリー
人形師たちの技術と努力によって生まれた糸操り人形(マリオネット)、機械仕掛けの巨大人形『マリオネーションギア』。ある日、クロノタウンに住む人形師見習いの主人公は旧式のMGに乗ることを許された。しかし、生まれて初めてMGを操縦する主人公の前に無人のMG『オートマン』が現れ破壊活動を始める。あれを倒せば人形師としての腕を認められると考えた主人公と親友のケイはオートマンとの勝負に出たのであった。
主な登場人物
ガロイ工房
- 主人公
人形使いを目指す13歳の少年。クロノタウンの学校に通いながらガロイ工房で見習いとして働く。
普段はのんびりしているが、強い意志と大きな才能を秘めている。
プレイヤーの分身という向きが強く、殆ど台詞がない。彼の発言は「……」で表現されることが多く、かなり寡黙な子という設定にも、その発言内容を完全にプレイヤー自信に委ねているとも受け取れる。
ゲーム雑誌『ファミ通DS+Wii』内で連載されていた漫画ではジンという名前になっている。
- ケイ
人形技師を目指しガロイ工房で修行している13歳の少年。主人公とは親友同士で、共に夢を追いながらいつも一緒に行動している。
古い人形や技術に対して偏見を持っており、最新の技術や人形を好んでいる。
主人公とは対照的に喜怒哀楽が激しく、明るいお調子者といった少年である。具体的な内容を一切喋らない主人公に代わって、よく喋り物語を進めてくれる。
- ガロイ
ガロイ工房の主で、人形の修理や整備を行っている技師。
かつては世界中を放浪していたらしく、八工房の人形師たちとも親交がある。
1年前から弟子(主人公とケイ)を育てるという大役に挑戦中。
設計図と資金さえあれば、瞬く間に人形を製造して見せる他、出撃していない全人形の
応急処置を同時に行っている。火龍水というエナジードリンクを飲む事で不眠不休で
整備を行い、全人形を完全に整備された状態にする事ができる。
- メリッサ
ガロイの一人娘。少々男勝りな性格で父の工房を手伝って育った。
MG運搬車両「オメガ・カーゴ」の運転ライセンスを持つ。
カッコイイ男性に弱いが、暴力的な考え方は苦手である。
- アンマリー
本名:アンマリー・ダンクール。
人形使いの名門、ダンクール家の娘。ヒロインの立場に一番近い。
幼い頃から厳しい訓練を受けてきたため、13歳とは思えないほど人形の扱いに長けている。
自分の腕に過剰な自信を持ったわがままな性格だったが、主人公に4つの勝負全てに負けたあとは少しおとなしくなり、だんだんと仲良くなっていく、というわかりやすいツンデレキャラ。
途中から失踪するが、愛機となる剣銃士ダルタニアで主人公のピンチに颯爽と駆けつけた。
人形使い
- エリー
本名:巫女川エリー。
からくり人形の技を伝える巫女川家の一人娘で13歳。もう1人のヒロインポジション。
弓工房に所属する人形使いで、口数が少なく、やや不愛想でプライドが高い。
弓工房に所在地であるアーストンが、オートマンに襲撃された際に主人公に助けられ好意を寄せる様になる。以降は、大規模襲撃の際に共闘したり、レースで対決するなど頻繫に登場する様に。
長弓人形オーファを愛用していたが、中盤以降は投刃人形ベルメランに乗り換える。
- リュー
本名:リュー・ガウゼン
バトルトーナメントの前年度優勝者で14歳。自称炎の人形使い。といっても炎は使わないが。
山籠もりで特訓するなど典型的な熱血漢。
大規模襲撃などでは主人公と共闘する事もある。愛機は斧人形ギール。
- アイン
黄金都市ジャグルールの人形使い。12歳。速工房の機体に乗る唯一のネームドキャラ。
双棍人形プロトダイガで主人公と共闘する事もある。
最終的に拡散銃士レヴンに乗り換えた。
- ジャン
本名:ジャン・ジャック・ダンクール
アンマリーの弟でダンクール家の後継者。慇懃無礼だが小生意気なガキんちょ。
搭乗機体はガウスの強化型である、赤い人形武者ガロス。
初登場時に謎の人形使いとして主人公と共闘する。
対決時には射撃方面に欠点を抱えるガウス系共通の弱点を突かれ、射撃機体でフルボッコにされる事が多い。イベントで人形獣王にもフルボッコにされている。
格闘戦ならば、なかなかの強敵。
- ジャワー大佐
軍に所属し、マリオネーションギアでオートマンの襲撃から街を守るのが役目。あまり人の話を聞かないタイプで激高し易いが、悪人ではない。
部下ともども円工房のスプリンガに搭乗する。
- ハンターL
傭兵部隊ナイトシェイドの副官で、気性の荒い女性。傭兵部隊とは言うものの、実態は無法者の強盗集団である。
部下と同タイプのコマンドティーガーに搭乗する。専用機はない。
- ハンターJ
傭兵部隊ナイトシェイドの隊長。冷酷で残忍らしい。
100機を超えるコマンドティーガー部隊を従え、各地を荒らし回る。
専用カラーのコマンドティーガーに搭乗する。
人形師
- オーギュスト
車両型のMGを製造する輪工房の工房主。ビジネス感覚に優れると共にデザインセンスにも
優れ、輪工房を世界一メジャーな工房へと押し上げた。
また、弓工房や十文字禅岳など、外部とのコラボにも意欲的である。
- ドラン
重機型のMGを製造する重工房の工房主。ガロイとは親友で、重機型一筋の職人気質。
ガタイのいいおっさんだが、製造するMGは精密な作業を得意とする。
- モクヨウ
昆虫・甲殻類などの生物型MGを製造する木工房の工房主。格闘・射撃・運搬のいずれもが高い水準のMGを製造するが、変わり者らしい。
弟子のアンジェリカの事は、べた褒めしている。
- バルフォー
飛び道具を扱うMGを製造する弓工房の工房主。
若いが、優れたMGを製造すると評判は良い。輪工房との技術提携により
車両型に変形する機体も扱うようになる。
- サイゾウ
忍者・侍型のMGを製造する忍工房の工房主。自身も忍者の頭領である。
この工房がある里ではMGをクグツ、人形師をクグツ師と呼ぶ。
- フランバート
爆発物を扱うMGを製造する爆工房の工房主。超兵器の実験中に工房が消滅した経緯があり、
現在は人気のない山奥に工房を構えている。爆弾を扱う危険なMGを製造しているが、本人はあくまでも平和利用の為の機体だと考えている。
- ネストラ
銃弾を扱うMGを製造する弾工房の工房主。本人は明るく陽気な人物ではあるものの、
武器を扱う事に関する意識は世間とは ややズレている。
- コフー
昔ながらの技術を用いたMGを製造する円工房の工房主。伝統を重んじる人物で、内燃機関(エンジン)を嫌い、バネやゼンマイ、蒸気機関を動力とする事を良しとする。
- ポー博士
特撮的な意匠のMGを製造する特工房の工房主。ロケットパンチ・ドリル・メーザー砲等の未来的な武装を好む。コフーの弟子だったが意見が合わず、袂を別ち自分の工房を立ち上げた。
だがMGのデザインの根幹には円工房の影響が見て取れる。
- アンジェリカ
動物型のMGを製造する牙工房の工房主。モクヨウの弟子で天才と評されている。
木工房とは共同で蜂型の遠隔操作人形マリオネーションビーを製造している。
牙工房は、とある人形を完成させる為に立ち上げた。
- 十文字禅岳
特定の工房を持たない流浪の人形師で、十字型レバーの発案者。
十文字流・免許皆伝のサムライでもあり、輪工房・忍工房と関わりが深い。
- 人形師ファウスト
元・闇工房の工房主。自動人形(オートマン)の研究開発に心血を注いでいたが、オートマンの暴走事故により責任を問われ、ゲーム開始時点には既に収監されている。
その他
- ランバート
MGに取り付ける強化用のパーツを製造するパーツ職人でガロイの古い知人。金でパーツが手に入るという有難みはあるがレアなパーツは扱っていない。
彼がタダで譲ってくれる爆人形ランディスはビル解体で活躍する。
- フィン・ディー
眼鏡をかけたマリオネーションギア協会の職員で、メリッサの親友。協会を訪ねるとMGの歴史や最新の事情について教えてくれる他、イベントの司会などもやる。
- エドゥアール館長
博物館の館長。非常に話が長い。この博物館は、入手した機体をまとめて閲覧できる他、ゲームクリア後には敵機体も閲覧できる。未入手の機体を確認するのに便利。
この館長に関連するミッションは、使用機体が低性能な機体に固定されるミッションが多くめんどくさいものが多い。
- ミオ
主人公とケイのクラスメイトの少女。だが、断じてヒロインではない。両親が経営する喫茶店「カフェ・アリス」のウェイトレスを務める。
オートマン襲撃のドサクサに紛れて無茶な依頼を要求する。例としては喫茶店を襲撃のドサクサで駅前に移転して欲しい、邪魔なライバル店を襲撃のドサクサで遠くに移転(破壊しても可)して欲しい、等である。その無軌道外道っぷりから、クリア条件達成から帰還までの僅かな時間にカフェ・アリスを破壊するプレイヤーが後を絶たない。
ちなみにミッションNo.59 「カフェアリスの物語 第一幕」であれば、カフェ・アリスを破壊してもクリア条件は満たされる(台詞は変化する)ので、存分に破壊できる。
- アニー・ハックスハウゼン
世界一の大富豪、ハックスハウゼン家の一人娘で、主人公とケイのクラスメイト。高額ミッションを依頼してくれるお得意様。
彼女の屋敷は核の直撃でも破壊できない超硬度を誇り、武器として振り回したり、投げつけたりと対マリオネーションキラー戦で活躍する。
余談
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、『大乱闘スマッシュブラザーズX』以降、「ノルフェア」などでこのゲームタイトルの名を冠したアレンジBGMが使われた。また、『大乱闘スマッシュブラザーズX』では人形武者ガウスがフィギュアとして、人形武者ガウス
、人形甲虫ヴィーガル、剣銃士ダルタニア、人形重機ローザーがシールとして登場している。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』でも人形武者ガウスがスピリットとして登場している。