レースゲーム
れーすげーむ
エレメカ時代
起源はエレメカによるアーケードゲームで、1932年にイギリスのマイヤーズ社が販売した『Road Test』が最初とされ、スクロールする布製のコースをハンドルコントローラーで車の模型を左右に動かして通過していくというものであり、以降はそのフォロワーゲームが続いていった。
この頃は機能的に競い合う車両の表現は難しく、「ドライブゲーム」と称するのが妥当であろう。
日本に於いては、1958年にKasco(関西精機製作所)が製作した上記のフォロワーゲーム『ミニドライブ』が初の日本製ドライブゲームである。
kascoはまた、1968年に自車とコースをセルロイドフィルムに変え、影絵のように投影する方式の『インディ500』というゲーム(セル画のインディカーを操作し、回転するセル画のコースに描かれた敵車を避けながら進むというもの)を販売し、共に2000台以上を出荷するヒット作となっている。特にインディ500は、アメリカのシカゴコイン社がkascoの許諾を得て『SPEEDWAY』というコピーゲームを販売すると、アメリカで10,000台を売り上げる大ヒット作となった。
kascoは更に1979年、東映製作による8mmフィルムの実写映像を使用したLDゲームの前身となるゲーム『ザ・ドライバー』を販売している。
ビデオゲームとして
ビデオゲームが誕生し普及し始めるとドライブゲームもそちらへシフトし、競い合う表現が可能となり”レースゲーム”として世に出回り始める。
日本における最初のレースのビデオゲームは、『スペースインベーダー』の開発者として知られるタイトー(当時はパシフィック工業)の西角友宏氏が1974年に開発したトップビューによる『スピードレース』で、この視点がセガが1979年に販売したフォロワーゲーム『モナコGP』にも用いられるなど、ビデオゲーム黎明期には常套化する。
それを改めたのが、1982年にナムコが販売したラスタースクロールを用いた疑似3D視点による『ポールポジション』で、約2年の歳月をかけてその表現を成功させたという。
3D視点自体は1975年にドイツのライナー・フェルスト博士が、ドライブシミュレーター研究開発の一環としてゲームで販売した『Nürburgring 1』、並びにそれに影響されてその翌年に販売されたアタリの『Night Driver』やミッドウェイの『Midnite Racer』があるが、真っ黒な背景に白い棒のみでコースが表現されて敵車も存在せず、レースゲームというよりはドライブゲームに類すべき内容であった。
ともあれ以降は、トップビューによるゲームも残りはする一方、販売される殆どが実車の運転に近しい3D視点に占められ、主流がドット絵から3DCGに移行するとその傾向は益々顕著となる。
その3DCGによる世界初のアーケード用レースゲームは1989年にナムコが販売した『ウイニングラン』で、その2ヶ月後にはアタリも『ハードドライビン』を販売している。
実車の登場
初期のレースゲームは基本的に実車は登場せず、登場しても版権取得すらしていないので実名を出さないことで存在を誤魔化す(あるいは一部をこっそり変えてそれっぽく似せる)という、「訴えられたらアウト」という状態であった。
そんな中、1989年にナムコが自動車メーカーのMAZDAと組んで『ユーノスロードスター・ドライビングシミュレーター』を開発する。ただし、タイトル通りゲームではなくシミュレーターであり、またユーノスの一部販売店に設置されるのみというものではあったが、ゲームメーカーが正式に実車を用いた最初の製品だといえる。
丁度その頃、フジテレビによる「F1グランプリ」のテレビ放送がブームとなっており、その版権を取得したアーケードゲームが各社から販売された。1991年に基板ベースではビデオシステムが『F1 GRANDPRIX』を、筐体ベースではタイトーが『グランドエフェクト』、ジャレコが『F-1グランプリスター』、セガが『F1スーパーラップ』を販売するなどしている。ただし、各参戦チームやメーカーとの版権契約ではなくフジテレビを通じて当時のFIA(国際自動車連盟)やFOCA(フォーミュラ・ワン・コンストラクターズ・アソシエーション)との許諾契約を結んだ形を取っている。
また、その後『セガラリーチャンピオンシップ』など自動車メーカーと契約し実車が登場するゲームも販売されるが、宣伝の名目であり版権料は支払われていない。
初めて自動車メーカーへ版権料を支払ったゲームは、1996年にタイトーが販売した筐体ゲーム『サイドバイサイド』で、実際に販売されている複数の車両を選択可能という意味に於いても画期となる製品となった(企画者の酒匂弘幸氏曰く、「版権料を支払うという慣例を作ったため、開発費がその分上乗せされることもあって他社からは結構恨まれた」旨を述べている)。
また、サイドバイサイドのようなゲームの構想は『グランツーリスモ』シリーズを手掛ける山内一典氏も持っており、SCEIへ企画書を提出したものの、まだ自動車メーカーに版権料を支払うということが非現実的とされ、当時は上層部に受け入れて貰えなかったという。それが形となったのはサイドバイサイド発売の翌年であった。
以降、メーカーへ版権料を支払い実車を登場させるゲームが主流となっていくが、ゲームの内容如何ではメーカーから許可が下りないケースも間々ある。殊に危険運転や車が大破するような内容のものは許諾が下りづらく、ホンダに限ってはアザーカーが存在する内容に対して大変に厳格である(詳細はアザーカーの項目にて)。
また、実在する一般公道を模したコースには、メーカーロゴの看板や垂れ幕などを設置するなどして、レース場であるかのような表現をすることがメーカーからは求められる。
アーケード - 実際の車の様にハンドルとブレーキ、アクセルがあるものが一般的。時間制限内にゴールする仕様のものが大筋を占める。
据え置き - 主に家庭用ゲーム機の純正コントローラーを使うが、リアリティーを追及するものはハンドルとアクセル、ブレーキのコントローラーが使用できるものがある。
あ行〜さ行 | た行〜わをん |
---|---|
関連記事
親記事
子記事
兄弟記事
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見る- 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.9「New Challengers(新たなる挑戦者たち)」
第9話です。 新たなる峠への誘い… そして時雨の中の何かが蠢きだします。13,692文字pixiv小説作品 - GTSPORTへの要望
GTSPORTに登場して欲しいコース
淳烈「君と僕は友達だ。これらのコースを追加してよ」 山内「出来ません!私の仕事は新しいグランツーリスモを開発することです!」 淳烈「違うよ、君の仕事はこれらのコースを追加することだよ」 車種に引き続き、追加して欲しいコースたちです253文字pixiv小説作品 - コラクロJ組~楽・都・戦・記~ STAR
曖・昧・心・情(231話・ウルノヴァ編其の三)
曖昧mind… リミブレが心に秘めた不穏な思い、今明かされる その瞬間、大グレン団は力を貸したのだった ※劇中に出るブーストファイアーなどの技術面に関してはロクさん監修(ネタ提供)してくださいました!ありがとうございます!9,234文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.4「Return of Afro(アフロ再び)」
第4話、ついに神風連合との戦いが始まります。11,335文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.14「Invitation(お茶会への招待状)」
第14話です。 新たな峠からの挑戦。 時雨の中でも更に何かが疼きだします。19,497文字pixiv小説作品 - ゲーム系
レースゲームのクルマと"数字"
徹頭徹尾爺ィの独り言、随分更新出来てなくて更新したらこれか……というのは正直なところ堪忍していただきたい() 速すぎるクルマもそれはそれで面白くなくない?っていうだけのお話。 [6/15追記]しれっと誤字の修正とシリーズの組み替え。957文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.10「Knowledgeable(峠の情報通)」
第10話です。 マサヤに続きシゲルとバトルすることになります。 そして時雨にある現象が…14,342文字pixiv小説作品 - ゆるライダー劇場
ゆるライダー劇場 03 (アスファルト9バージョン)パラサイト
白熱のマシンバトル!! カンタン操作で、ダイナミックアクション!! ゆるライダークラブに入団して頂点を目指せ!! ニンテンドースイッチで出来る無料ダウンロードゲーム 《アスファルト9》で遊んでいる 《 ゆるライダー劇場 》を公開!!2,862文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.7「Twin Blade -Second Half-(葦柄の双剣(後編))」
スピード更新で第7話投稿です。ターバンのケンと部下たちの戦いです。 純粋に考えればターバンのケンの方に分がありますが、果たして時雨は勝てるのか? 今回はアンケートもあります。ご協力をお願いします。11,005文字pixiv小説作品 - コラクロJ組~楽・都・戦・記~ STAR
究・極・新・星(230話・ウルノヴァ編其の二)
Ultranova… 究めに極めた速さを競うゲームが今始まる その瞬間、大グレン団は立ち上がったのだった9,559文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.3「The World of Cars(箱根の実情)」
3話です。 箱根のルールを中心に書いていこうと思います。14,815文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.15「Machine and Shadow(新たなマシンと忍び寄る影)」
第15話です。 遂に時雨にニューマシンが。 私のやりたいことの1つが叶いました。16,722文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.13「Top Driver(一流のドライバー)」
第13話です。 早乙女峠編もクライマックス。 そして時雨に悲劇が…33,456文字pixiv小説作品 - 「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-
act.16「Intimidation(脅迫状)」
第16話です。 四天王の一人に会うようにするべく、時雨と「マネージャー」とのバトルが行われます。15,002文字pixiv小説作品