8ミリとは、ムービーフィルムの規格を指す俗称。
一般的には8ミリフィルムを使用する映画用カメラや映像作品などを指す。
この他に、家庭用ビデオカメラ向けのカセットテープである「8ミリビデオ」を指すことも。
概要
主にアマチュア映像作家やホームムービー向けの規格である。
もともとは16mmフィルムを走行方向に半分の幅で撮影し、フィルムの最後まで撮影が終わるとフィルムを逆回転させて隣に撮影。現像時に半分に切って再生するというものだった。
しかし、この方法はスプール直巻きのフィルムを遮光用の袋の中で手探りで反転させる必要があり、不作為の露光のリスクなどが大きく、手軽とはいえなかった。
この方法は後に「スーパー8」「シングル8」登場後に、レトロニムとして「ダブル8」と呼ばれるようになった。
1935年にベル&ハウエル社が最初から8mm幅の「ストレイト8」が発表されたが、ポケットサイズの(後のVideo8の「ハンディカム」よりも遥かに小さい、マジで普段着のポケットに入るサイズ)のカメラに収めようとした為、フィルム長が確保できないわ大きいレンズが採用できないので露光量が足りなくなりがちだわ時期が最悪だわでほとんど普及せずに終わった。
1965年に富士フイルムから「シングル8」、コダックの「スーパー8」がほぼ同時期に発売された。カセット式で、シングル8はカセットテープのイメージに近い2リールのカセット、スーパー8は日本人にはあまり馴染みのない1リールのカセットを採用している。
この為撮影カメラは全く互換性がないが、パーフォレーション(フィルムを駆動するための穴)のピッチと映像の縦横比は共通で、映写機は共通で使用できる(ダブル8やストレイト8はパーフォレーションが異なるため、シングル8・スーパー8用の映写機にかけることはできない)。
ただし、フィルム厚が異なるため、シングル8とスーパー8のフィルムをつなげて1本のフィルムにしていると、接続点を通過した時に映写機のフォーカスが変わってしまいピンボケ映像になってしまう
日本では簡便性の高いシングル8が席巻したが、小西六はライバルであるフジの規格に載ることを良しとせず、スーパー8を採用している(当時はサクラカラーブランド)。
Video8の登場以降急速に廃れていったが、リバーサルフィルムであるためエフェクトをかけることがアナログ磁気ビデオより容易く、その用途で生き残った。
しかし、個人レベルでもパソコンで動画加工が簡単にできる時代になると、その最後の用途も失
シングル8は規格元のフジフイルムが2013年にすべてのサービスを終了し、事実上途絶えている。
一方スーパー8はコダックは生産を続ける方針をとっていたが、8ミリフィルムも含めて銀塩フィルムにこだわりすぎて経営が悪化、2013年に連邦倒産法第11章(日本の会社更生法に相当)適用を受け倒産してしまい、この関係でスーパー8フィルムも個人向けのカラーリバーサルフィルムは生産中止となっている。
日本のレトロ・エンタープライズ(Webサイト)が独自にシングル8・スーパー8のフィルムを製造・販売しているが、あくまで零細企業によるサービスでフジやコダックのような大企業レベルのサービスは期待しないほうが良い(フィルムは35mm写真フィルムを切断して製造したもの)。
なお、トーキーフィルムの新品は存在していない。