富士フイルム
ふじふいるむ
正式社名は「富士フイルム」であり、読みも「ふじふいるむ」が正しい。
「富士フィルム」表記は誤記だし、「ふじふぃるむ」という読み方も誤読。
本社を2箇所に置くという珍しい形態を持つ企業であり、東京都港区内の東京ミッドタウンと西麻布の同じエリア内の2箇所に本社を設置している(リスク分散の為に通常ならそれぞれ異なる都道府県のいずれか2箇所に置くのが常識なのだが)。
三井グループに属する。
持株会社の富士フイルムホールディングスが親企業で、コピー機やプリンターを手掛ける富士ゼロックスは同社と英国ランク・ゼロックス(現ゼロックス欧州法人)との合弁会社。2018年に富士フイルムHDが米国ゼロックスを買収する事により、全世界のゼロックス系企業が富士フイルムHDの傘下に収まる筈だったが、ゼロックスの物言う株主が米国で裁判を起こした結果、買収が無効となった為にその野望は潰えてしまったと同時にゼロックスとは喧嘩別れする形で解消する事となった(富士ゼロックスは2021年4月1日より社名を『富士フイルムビジネスイノベーション株式会社』に変更)。
ロゴの左に「FUJI」をモチーフした赤色マークが1980年より長らく使われたが、2006年に廃止され、現行のCIロゴに変更された。
長年、写真フィルムで国内トップシェアを有しており、米国コダックやドイツ・ベルギーのアグフア・ゲバルトと共に世界の3大写真フィルムメーカーの一角だった。更に戦後間もない1948年からカメラの製造販売を手掛けている。デジタル化の進んだ現在もカラー・白黒の写真フィルムとレンズ付きフィルムの写ルンですの発売を継続している。
2000年以降のデジタル化の流れの中で同業のコダックやポラロイドが経営破綻し、アグフアやコニカミノルタが事業を縮小し写真事業から撤退する中で写真フィルムの製造販売を続けつつもデジタル分野への進出を成功させた事でも知られる。デジタルカメラなどのイメージング事業だけでなく、工業材料や医薬品、医療機器、化粧品等の他分野の進出にも取り組み、現在は写真フィルムの売り上げは1%に満たない。特に液晶ディスプレイに使用される偏光層保護フィルム(フジタック)は世界シェアの80%を占めている(残りはコニカミノルタ)。
デジタルカメラ事業では価格競争に苦戦していたが、FUJIFILM Xシリーズのヒットやハイエンドの中判ミラーレスカメラを主力化し、一躍黒字転換を果たした。また、デジタルインスタントカメラのチェキは「ポラロイド」にかわりインスタントカメラの代名詞となっている。
しかし近年は商品の供給体制に問題を生じており、同じ製品でも海外向けには潤沢に供給されているのに対して、日本向けの供給量が非常に少ない為に多くのユーザー離れを引き起こしている。これはデジカメだけでなく複合機や「写るんです」までも広範囲に広がっている。
(✝)は展開終了ブランド