概要
静岡県三島市に本社を置き、同県と神奈川県に普通鉄道2路線(駿豆線・大雄山線)、神奈川県に索道線(駒ヶ岳索道線(箱根駒ヶ岳ロープウェー))各1路線を有する中小私鉄。通称「いずっぱこ」。西武鉄道の子会社である。
駿豆線には修善寺温泉などの観光地を控えている関係から国鉄時代より特急「踊り子」が乗り入れてきている。また、現存の中小私鉄としては珍しく自社新製車両の割合が高い(西武鉄道からの中古車も在籍)。この他、伊豆における遊覧船事業や、静岡県沼津市にある水族館「伊豆・三津シーパラダイス」の運営も行っている。
かつては、十国鋼索線(箱根十国峠ケーブルカー)と芦ノ湖遊覧船も有していたが、2022年~2023年に掛けて富士急行グループに譲渡(売却)している。
鉄道路線は小田原や三島の通勤通学輸送も担っているので本数は多い。後述のバスも市街地では頻繁に運転されている。
箱根・伊豆地方においてバス事業も行っていたが現在は分社化(伊豆箱根バス)している。高度経済成長期における西武グループ対東急グループの「伊豆戦争」、西武グループ対小田急グループの「箱根山戦争」の西武側の尖兵でもあった。
日本全国に広まった「ハートのつり革」発祥の地であり、優先席(シルバーシート)を私鉄で初めて導入するなど、なにかと先進的な鉄道でもある。
近年では、テレビアニメ・ドラマ等とのタイアップも盛んに行われている。(関連タグ参照)
鉄道路線
現有路線
- 駿豆線(三島~修善寺)
ラッシュ時8分~15分間隔、日中20分間隔で運行。東京から特急踊り子号も直通している。
ラブライブ!サンシャイン!!のコラボの他、逃げ恥などのドラマにもたびたび登場。
- 大雄山線(小田原~大雄山)
12分~15分間隔で運行。沿線には事業所や工場が多く、通勤客が目立つ。やや離れて小田急電鉄と並行しており、両路線間のバスも存在する。
廃線
- 軌道線(三島田町~沼津)
1906年11月28日開業。駿豆線三島田町・三島広小路と沼津駅前を結んだ路面電車。1961年6月28日に黄瀬川橋を豪雨で流出、その他問題も重なり1963年2月5日に廃止。一部文献には島津線とも。
- 湯河原索道線(湯河原ロープウェイ)
- 駒ヶ岳鋼索線(箱根駒ヶ岳ケーブルカー)→箱根園に移管
- 十国鋼索線 (十国峠ケーブルカー)
1959年10月16日開業。箱根と伊豆を結ぶ十国峠ドライブウェーの途中にドライブインの十国登り口駅と、展望台のある十国峠駅を結んでいるケーブルカー。2022年2月に富士急行へ売却された。
キャラクター
自社キャラ
2010年誕生のゆるキャラ。その名の通り、ライオンに憧れている猫。いつのまにか「ライネコ」と略されて呼ばれるようになった。
伊豆箱根バスが発売している顔がついたバスのマスコット。同社Twitterのアイコンに使用されている他、ポスター等にも描かれ、伊豆箱根バスのキャラクターとして使用されている。
伊豆箱根鉄道が運営する伊豆・三津シーパラダイスのキャラクター。詳細はリンク先参照。
鉄道むすめシリーズ
2016年誕生の鉄道むすめ(トミーテック)のキャラクター。駿豆線の駅務掛。名前の由来は修善寺駅と牧之郷(まきのこう)駅。
2018年誕生の鉄道むすめのキャラクター。大雄山線の駅務掛。名前の由来は塚原駅と、(い)井細田駅、(さ)相模沼田駅、(み)緑町駅の頭文字から。
ステーションメモリーズ!シリーズ
2018年誕生のでんこ。モチーフは5000系。名字の由来は大雄山線の大雄山駅から。
2020年誕生のでんこ。モチーフは7000系。名字の由来は駿豆線の牧之郷駅から。
関連タグ
- 伊豆 箱根 小田原駅 三島駅 中小私鉄
- 伊豆箱根バス 伊豆箱根タクシー 伊豆・三津シーパラダイス
- 岳南鉄道:前身(駿豆鉄道)時代の子会社。現在は富士急行系列。
- 箱根登山鉄道:「箱根山戦争」における小田急グループ(バックには東急)側の尖兵。
- 伊豆急行:「伊豆戦争」における東急電鉄グループ側の尖兵。
- 能勢電鉄:兵庫県の鉄道会社。十国鋼索線はここの機材を再利用している。阪急電鉄(阪急阪神東宝グループ)系列。ちなみに西武は能勢電鉄を子会社に収めようとしたが頓挫している。
アニメ・ドラマ関係
- 逃げるは恥だが役に立つ:ドラマに駿豆線が登場。撮影に使われた3502編成にはその旨のステッカーがある。主演の二人が婚約発表した際には、それを記念したハートのステッカーを追加。
- ごめんね青春!:ドラマに駿豆線が登場。ハートのつり革ネタも。
- 弱虫ペダル:箱根を舞台としているエピソードがある関係で、関連企画を西武鉄道と合同で実施。3502編成にラッピング。
- ラブライブ!サンシャイン!!:静岡県沼津市が舞台となっているが、アニメ本編やCDのMVに伊豆・三津シーパラダイスや駿豆線が登場する。そのため、ラッピング電車(3506編成)、バス(4台)やタクシー(9台)を走らせている。また、関連企画には親会社である西武鉄道も参加している他、かつて「箱根山戦争」で抗争相手だった小田急グループの東海バスと、沼津駅に乗り入れている富士急行系列の富士急シティバスも参加し、各社のバスを並べるイベントも行われている。
- Dr.STONE:舞台が伊豆なことから、7501編成にラッピングするなどコラボを行った。
- ホロライブ:ホロ伊豆ムキャンペーンとしてタイアップ。7501編成にラッピングを行った。