三島は近年ひらけたる
豆相線路のわかれみち
驛には此地の名を得たる
官幣大社の宮居あり
(『鉄道唱歌』第一集「東海道篇」十六番)
雲井を凌ぐ白妙の
富士と富士見の滝つ瀬を
うしろに三島立出づる
豆相線路の汽車の旅
(『豆相鉄道唱歌』一番)
概要
静岡県三島市にあるJR東海及び伊豆箱根鉄道の鉄道駅。JR東海の東海道新幹線・東海道本線と、伊豆箱根鉄道の駿豆線が発着する。
熱海駅や沼津駅と共に、静岡県東部(駿東地域)の鉄道の拠点として扱われることが多い。
これは当駅に東海道新幹線や伊豆箱根鉄道駿豆線がある事、伊豆箱根鉄道とJRが別駅になっている為、新幹線利用者を中心に乗換利用者も多い事が影響している。
在来線側の南口駅舎は富士山と三嶋大社をイメージしたデザインになっている。
ちなみに駅の(在来線側)南口と(新幹線側)北口を結ぶ自由通路は無い。入場券を購入しない場合は構内端のガードまで迂回するのに徒歩10分くらい掛かるので注意。出口を間違えないように。
なお、近隣の熱海駅は会社間の違いで交通系ICカードを跨っての利用が出来ないため、在来線で東京方面へ行く場合は特に注意が必要(現金で従来の切符を買った方が無難)。首都圏側からの場合は乗り越し精算機が用意されてはいるものの、いつも列が出来ている状態である。
歴史
1889年(明治22年)2月1日、官設鉄道(後のJR東海)の鉄道路線として国府津駅 - 静岡駅間が開通した。この区間は1895年(明治28年)4月1日に東海道線、1909年(明治42年)10月12日に東海道本線と命名される路線(新橋駅 - 神戸駅間)の一部だが、このうち国府津駅 - 沼津駅間は山北駅・御殿場駅経由のルートで敷設された。
1898年(明治31年)6月15日、豆相鉄道線(後の伊豆箱根鉄道駿豆線)の三島駅(初代) - 三島町駅間が延伸され、官設鉄道の佐野駅 - 沼津駅間と接続。この時に開業したのが初代の三島駅である(『鉄道唱歌』で歌われている三島駅はこの駅)。
1934年(昭和9年)10月1日に初代の三島駅は下土狩駅に改称。同年12月1日に丹那トンネルが完成し、熱海駅 - 沼津駅間が開通。熱海線(国府津駅 - 熱海駅間)と共に新規開業区間が東海道本線に編入され、国府津駅 - 沼津駅間が現行のルートである新線(小田原駅・熱海駅経由)に切り替わった(下土狩駅を含む旧線は御殿場線として分離)。この時に開業したのが現在の三島駅(2代目)で、駿豆鉄道(後の伊豆箱根鉄道)も下土狩駅 - 三島広小路駅間が廃止され、三島駅(2代目) - 三島広小路駅間が開通した。
東海道新幹線は1964年(昭和39年)10月1日の開業時点では駅が設置されていなかったが、1965年(昭和40年)9月27日に在来線に隣接する地点に東海道新幹線の三島信号場が開設され、折り返し線と引き上げ線を設置(後に電留線も設置)。そして、地元の強い要望もあって1967年(昭和42年)11月8日に国鉄理事会で三島信号場の駅への昇格が正式に決定。1969年(昭和44年)4月25日、新幹線の駅としては初の追加新駅として東海道新幹線の三島駅が設置された。このような経緯から、三島駅は東海道新幹線では唯一の単独島式ホームとなっている。
1992年(平成4年)3月1日、踊り場付きエスカレーター「ゆうロード・三島」が地下通路に設置される。
1993年(平成5年)2月6日、在来線改札口に自動改札機を設置。
1995年(平成7年)12月27日、東海道新幹線5番線にて人身事故が発生。安全対策が問題となる。
1998年(平成10年)11月10日、新幹線改札口に自動改札機を設置。
2001年(平成13年)、「中部の駅百選」に選ばれる。
2002年(平成14年)3月15日、伊豆箱根鉄道改札口に自動改札機を設置。
2007年(平成19年)5月、東レ専用線の廃止により三島駅の貨物営業が終了。2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正で、三島駅を発着する貨物列車の設定が正式に廃止された。
2008年(平成20年)3月1日、Toicaエリア駅になる。
2013年(平成25年)8月、駅舎の耐震補強工事が完了し、駅舎がリニューアル。
2018年(平成30年)12月13日、伊豆箱根鉄道ホームに発車メロディ(HAPPY_PARTY_TRAIN)導入。日中のみ使用。
2020年(令和2年)6月30日、伊豆箱根鉄道駅舎側に東急ホテルがオープン。
乗り入れ路線
JR東海:東海道本線 東海道新幹線(こだま全列車とひかりの一部が停車する)
駅構造
JR東海
在来線
島式2面4線の地上駅。
駿豆線に乗り入れる踊り子は上下線とも1番乗り場から発着する。
1・4番乗り場は待避線であるが、1番乗り場は事実上踊り子専用ホームで、踊り子以外は回送列車しか停車しない。
なお、駿豆線への連絡線は1番ホームの中程にあるため、ポイントが設置されている部分は列車がホームにぶつからないように少し削られている。
4番乗り場は当駅始発の電車(主に御殿場線直通列車)として発着する。
3・4番線には立ち食い蕎麦屋がある。
1番線の南側には留置線が2本あり、伊豆箱根鉄道の甲種輸送車両の留置などに使われている。
4番線の北側には側線が1本あり、遅延した貨物列車などが稀に利用している。かつては東レ工場への専用線と留置線があったが廃止(撤去)されている。
乗り場 | 路線 | 方向 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 駿豆線直通 | 下り | 大場・修善寺方面 | 踊り子専用ホーム。 |
東海道本線 | 上り | 熱海・小田原・横浜・東京方面 | 踊り子専用ホーム。 | |
2 | 東海道本線 | 下り | 沼津・富士・静岡・浜松方面 | |
3 | 東海道本線 | 上り | 熱海・小田原・横浜・東京方面 | 東北本線宇都宮駅まで直通。 |
4 | 東海道本線 | 下り | 沼津・富士・静岡・浜松方面 | 当駅始発 |
東海道本線 | 上り | 熱海・小田原・横浜・東京方面 | 1日1本のみ。 |
新幹線
島式1面2線の高架駅。
新幹線では唯一の外側に通過線を持つ島式ホームの駅である。
当駅に三島車両所(留置線や検修線)があるため、三島駅を始発・終点とするこだま号が朝と夜を中心に運行されている。
保線基地も在来線側に設置。
伊豆箱根鉄道
頭端式2面3線の地上駅。普通列車のみ乗り入れる。
特急踊り子はJRの1番乗り場から発着。
乗り場番号はJRから引き継いでいるが、ホームはJRの駅より南側に位置する。
基本的に8・9番線を使用し、7番線は臨時列車や9番線が甲種輸送で使用できないとき等に使われる。
ドラマ版逃げるは恥だが役に立つのロケ地は7番線。
利用状況
近況
JR東海
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗車人員は27,679人である(移動等円滑化取組報告書 2023 第2号様式 移動等円滑化取組報告書(鉄道駅)より)。
- 静岡県の駅では静岡駅、浜松駅に次いで3番目に多く、上記の通り駿東地域では利用者最多。
伊豆箱根鉄道
年度別利用状況比較表
事業者名 | JR東海 | 伊豆箱根鉄道 | |
---|---|---|---|
年度 | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 30,210人 | 60,420人 | 18,511人 |
2009年(平成21年)度 | 29,198人 | 58,396人 | 17,570人 |
2010年(平成22年)度 | 29,314人 | 58,628人 | 17,384人 |
2011年(平成23年)度 | 29,214人 | 58,428人 | 16,734人 |
2012年(平成24年)度 | 29,686人 | 59,372人 | 17,234人 |
2013年(平成25年)度 | 30,567人 | 61,134人 | 17,286人 |
2014年(平成26年)度 | 29,670人 | 59,340人 | 16,716人 |
2015年(平成27年)度 | 30,318人 | 60,636人 | 16,968人 |
2016年(平成28年)度 | 30,457人 | 60,914人 | 16,829人 |
2017年(平成29年)度 | 30,859人 | 61,718人 | 17,000人 |
2018年(平成30年)度 | 31,112人 | 62,224人 | 17,029人 |
2019年(令和元年)度 | 30,622人 | 61,244人 | 16,899人 |
2020年(令和2年)度 | 18,993人 | 37,986人 | 11,657人 |
2021年(令和3年)度 | 20,852人 | 41,703人 | 12,640人 |
2022年(令和4年)度 | 24,934人 | 49,868人 | 14,226人 |
2023年(令和5年)度 | 27,679人 | 55,358人 | 15,051人 |
隣の駅
JR東海
東海道新幹線
新富士駅 - 三島駅 - 熱海駅
東海道本線
沼津駅 - 三島駅 - 函南駅
伊豆箱根鉄道
三島駅(IS01) - 三島広小路駅(IS02)