概要
駅番号は東海道本線がCA03、御殿場線はCB18。
JR東日本から直通する普通列車(※1)の最西端の終着駅になっており、朝方と夜間に東京方面への直通列車の設定がある。
駅構造
3面6線のホームを持つ地上駅。ホームは南側から1番線、2番線で、一番北側が6番線。
南口側(メインイラスト)が表口で、2階建ての駅ビルアントレがある。南側には仲見世商店街や上土商店街、アニメショップなど、商業施設が多い。かつては駅前に富士急百貨店、西武百貨店などのデパートが立ち並んでいたが、ほとんど閉店。パチンコ店に姿を変えた西武新館を除き解体された。
北口の駅舎は簡素な構造で、窓口(きっぷうりば)と駅売店があるのみ。こちらは主に住宅街であり、北口前のかつての沼津機関区だった場所には現在は商業施設やイベント施設が建てられている。(後述)
近年、北口側にはビジネスホテルが立ち並ぶようになった。
南口と北口は駅西側の跨線橋で結ばれている。
東海道本線のホームには桃中軒の立ち食いそば屋がある。
東海道線と御殿場線を直通する列車等、一部3番線から御殿場方面の列車、6番線から三島方面の列車が存在する。
沼津運輸区があるため、当駅止まりの東海道線もある他、列車の分割併合作業も行われており、また始発が早いことでも知られる。(4:55発熱海行き)
御殿場線(東海道線直通列車除く)と東京経由普通列車は当駅が終着駅。なお東京方面の東海道線直通列車においても遠方まで行かない「小田原行き」「上野行き」が混ざっているので注意。
ホームライナーや寝台特急サンライズ出雲・瀬戸など、優等列車停車駅。
駅構内には複数の側線があり、貨物列車の停車や夜間留置に使われているほか、駅東側の御殿場線沿いには沼津運輸区の電留線が広がっている。
駅西側の東海道線沿いには、JR貨物の沼津貨物駅がある。他の貨物駅に比べて化成品や化学薬品などの取り扱いが多いという。また山側には変圧器メーカーの明電舎沼津事業所に繋がる引込線がある。
歴史
1889年2月1日に官設鉄道の東海道本線の静岡延伸に伴い開業。
かつては峠越えに備え駅北側に扇形車庫を持つ沼津機関区が隣接しており、丹那トンネル開通前の東海道本線(現在の御殿場線)の客車・貨物運用を担う蒸気機関車が多数所属する要衝であった。
この頃は当駅で機関車の付け替えを行う為に特急「燕」を含む全列車が停車していたので、当駅で弁当や土産物を買う乗客も多く「沼津まではヌマズクワズ(飲まず食わず)」という詞も生まれた程だった。この機関車付け替え作業は、1949年2月に電化区間が静岡駅へ延伸されるまで続いた。
1934年(昭和9年)の丹那トンネルの開通と電化後は電気機関車も配置された。流線形の最新鋭機だったEF55(ムーミンの愛称で有名)が沼津機関区に新製配備されたのを始めとして、戦後もEF58・EF60・EF65といったそれぞれの時代の最新鋭機が配置され、優等列車の担当も多かった。
国鉄民営化間近の1986年に廃止されてからは跡地の再開発が行われ、現在は商業施設Bivi沼津やイベント施設プラザヴェルデが建てられている。
駅南には、沼津機関区の存在を後世に伝えるために作られた記念碑がある。
1906年11月28日には、駅前より路面電車(伊豆箱根鉄道軌道線)の停留所が出来た。国立病院前を経由して三島駅までを結ぶ路線であった。
しかし1961年6月28日に同路線の黄瀬川橋梁が台風で流失、電車が来なくなりそのまま1963年2月5日に廃止されている。
かつては、沼津港へ伸びる蛇松線があり、鉄道建設時に資材運搬に使用された後、貨物線に転用され沼津港からの鮮魚を貨物列車で運んでいた。1974年11月1日に廃止され、廃線跡は蛇松緑道という遊歩道になっている(一部区間に線路が残る)。
1913年3月3日と、1926年12月10日に、2度の沼津大火により駅舎焼失した他、1945年7月16日にも、太平洋戦争下のアメリカ軍による空襲で駅舎焼失と、3回も駅舎を焼失している。
ホームは現在も蒸気機関車時代の姿を色濃く残しており、長いホームの他、装飾がされたホーム屋根など大変貴重である。
1991年3月16日~2012年3月16日の間は、3番線より御殿場線の特急あさぎり号(小田急新宿駅行き)が発着しており(後に区間短縮により廃止)
沼津駅に私鉄特急電車が乗り入れいた。
あさぎり号は全席指定だが、御殿場駅までは乗車券・定期券に310円の特急券を購入すれば、6号車の空席に限り乗車できた。
交通系ICカード
2022年現在、TOICAエリアであるが会社間の違いにより熱海駅までしか使えないため、小田原・東京方面へ行く場合はあらかじめ乗車券を現金で購入するか、御殿場線で松田駅まで行き、小田急小田原線(新松田駅)に乗り換える必要がある。御殿場線に乗車した場合でもTOICAは国府津までしか使えない。
またSuica対応エリアも同じく熱海までである為、小田原方面から沼津まで行く場合(熱海での乗り換えも含む)は同じく現金で乗車券を購入する必要がある(但し、熱海駅で下車する場合は専用改札を通過する事でICカードの利用が可能)。
また、Suicaグリーン券や自動券売機購入も非対応のため、事前に目的地までのグリーン券をみどりの窓口で購入する必要がある。
また、アデンタントも熱海までは未乗務の為車内購入も不可となる。
利用状況
2018年(平成30年)度の1日平均乗車人員は20,829人である(静岡県統計書より)。
静岡県内のJR東海の駅では静岡駅、浜松駅、三島駅に次いで4位である。
御殿場線乗換駅且つ駿東地域の中心駅であるが、近年は様々な要因から利用者が減少傾向にある。(これについては後述)
バス路線
南口
0番乗り場から11番乗り場まであるバスターミナルがある。
0~6番のりばには伊豆箱根バスと東海バスの路線が発着し、主に沼津港、沼津市南部、三島、西伊豆方面などへの路線バスが運行している。
内浦地区へのバスが多く発着する3番のりばのバスポールには、『ラブライブ!サンシャイン!!』のラッピング仕様。
7~9番のりばには富士急シティバスの路線が発着し、沼津市西部・北部方面などへの路線バスが運行している。
北口
北口にもバスターミナルがあり、高速バス路線と伊豆箱根バス・富士急シティバスの一部路線および特定輸送のバスが発着している。
高架化事業
当駅は静岡県東部の中心地である一方、三島駅と同じく地上駅ゆえに南北の往来が不便であり(南北連絡自由通路がないため、駅西側のあまねガードを通る、もしくは入場券を買って駅構内を通る必要がある)、鉄道をくぐるガードが狭い上に駅を迂回する交通が集中するため慢性的な渋滞の原因になっている。また、大雨のときに冠水する(特に駅東側の三つ目ガード)などの理由から、高架化が決定。この高架化で13箇所の踏切が無くなる予定である。
静岡県が事業主体となり、1991年11月から基本構想の策定に着手、2006年11月に高架事業の認可を取得した。
この高架化は度々、推進廃止を廻って沼津市長選挙の争点となるほど感心度が高く、現在は高架化推進派が勝利を収めている。このため、長年用地問題(特に沼津貨物ターミナルの移転用地)による計画の遅れが問題となっていたが、2021年2月に行政代執行が行われ、全ての用地が確保された。この高架化の遅れや道路環境の変化による車社会の進行による影響で沼津市街地の空洞化が進み、東隣の三島駅より利用者が少なくなっている。前述の通り駅前の商業施設の閉店やテナント撤退が相次いでおり、2021年閉店のイシバシプラザ跡地の利用を含めた利用客改善の駅周辺整備を求める声も上がっている。
上記の通り出口を間違えた場合う回路がかなり限定され遠回りになってしまうので、目的地へ出られるのは駅の南口か北口かを確認してから改札を抜ける事を強く推奨する。
高架化完成後は以下の配線の予定になる。
事業全体の完了は2041年度の予定。またJR貨物の沼津貨物駅は東海道本線の原駅~東田子の浦駅間に移転、コンテナを本線上の列車から積卸しする「E&S方式(着発線荷役)」に改められる。
ラブライブ!サンシャイン!!舞台駅として
『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台が沼津市であり、2016年~2017年放送のテレビアニメや、スマホアプリスクフェスAll_STARSに当駅が登場したこともあった。
以降、聖地巡礼に多くのラブライバーが訪れるようになり、駅周辺には駅前にコラボカフェがある他、商店街にフラッグやキャラクターのパネルなどが設置されている。
沼津駅を管理するJR東海は、当初は直接は関わってはおらず、アニメなどでもJRのマークが消されている、登場する車両がJR東日本のE231系など、JR東海に関するものは駅そのもの以外は出てこなかった(この間、沼津駅ビルを管理する子会社等を通じての間接的な関わりはあった)。
※ただし、駅構内に広告としてラブライブ!サンシャイン!!のポスターはアニメ化された当初から南口改札付近に貼られていた。
2019年に入り、JR東海が幹事となって開催された静岡デスティネーションキャンペーンにおいて、西伊豆地区のポスターにAqoursを起用した上、駅構内に掲示されるポスターをそのポスターに統一する「ポスタージャック」を行った。また、駅北側に国木田花丸のマンホールが設置されている。
ちなみに、駅南口にある桃中軒(駅弁屋)は、2020年よりまちあるきスタンプを設置しており、オリジナル缶バッジ販売されており、寝そべりぬいぐるみも飾られている。
そして2023年、前述の高架化工事協定締結と前後する形で、まさかの直接コラボが実現。JR東海の旅行商品「推し旅 UPDATE」とのタイアップキャンペーンとして行われている(※2)。主な中身は駅構内での特設展示や、9時半頃から16時頃にメンバーによる駅構内放送の実施など。キャンペーン開始前日には小林愛香・斉藤朱夏が沼津駅で一日駅長を務めた。
これにあたり、段階的に駅舎各所に装飾が行われており、最も大きなものでは南口壁面に1期edのワンシーンと「私たちのふるさと、沼津。」と描かれた装飾がなされた。これ以前に設置された北口壁面や駅舎内2階、跨線橋のポスターなどと合わせてキャンペーン終了後も当面継続している。
注釈
※1…JR東海管内では「東海道線東京経由、東北本線直通・宇都宮行」の様に正式名称で案内され、JR他社独自名称は案内されていない。これは東海道新幹線での乗り換え案内でも同様である。
※2…旅行商品とのタイアップ企画は、名古屋地区で行われた映画「五等分の花嫁」関連企画に続く第2弾企画となる。
隣の駅
東海道本線
ホームライナー
沼津 - 富士駅
サンライズ出雲・瀬戸
御殿場線
大岡駅 - 沼津駅