概要
1981年10月に、東京から伊豆急下田方面に向かう特急「あまぎ」と、それに加え修善寺方面に向かう急行「伊豆」を統合して誕生した特急列車。
名称の由来は伊豆を舞台にした川端康成の小説『伊豆の踊子』に因む。当時の一般公募の結果とはいえ文学作品を由来とした列車名称は実は結構珍しい。
運行区間および運用
運行区間はJR東日本の東京駅から東海道本線・伊東線を経由し、さらにその先にある私鉄・伊豆急行の伊豆急下田駅まで。この定期列車「踊り子」は4往復設定されており、この他に定期列車1往復が新宿駅もしくは池袋駅発着となっている。
臨時列車の一部には宇都宮線(東北本線)・常磐線・上野東京ラインを通り、大宮駅・我孫子駅を発着する列車も設定されている。
また、東京駅発着列車のうち平日2往復、休日3往復は、東京寄りの5両を熱海駅で切り離し、丹那トンネルを越えてJR東海管内の三島駅を経由し伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅まで運転している(つまり3つの鉄道会社線を直通している。)。
使用車両
定期列車のみ記載、臨時列車用については下記の「おもな派生列車」を参照。
現在
- E257系 2020年3月14日から投入され、約1年後の2021年3月13日からは修善寺行にも使われるようになった。定期列車は青色の2000・2500番台が使用されているが、一部の臨時列車には波動用の5000番台(緑色)が使われることがある。
- E261系 2020年3月14日よりサフィール踊り子で使用。下記記事参照。
過去
- 183系 特急あまぎ時代に使われていた車両で、1981年から1985年まで使用。
- 185系 1981年の列車誕生時より長らく使用されてきた。2021年3月12日に運用終了。
- 251系 1990年から2020年までスーパービュー踊り子で使用。下記記事参照。
おもな派生列車
運行中
過去の列車
- スーパービュー踊り子:251系を使用。全車指定席。1990年4月28日運行開始、2020年3月13日運行終了。
- マリンエクスプレス踊り子(臨時):「成田エクスプレス(N'EX)」用のE259系を使用した全車指定席の列車。運転時には当該編成の前面に錨をモチーフにしたステッカーが貼り付けられた。2020年3月13日運行終了。
- リゾート踊り子(臨時):伊豆急行2100系「リゾート21EX」および「アルファリゾート21」を使用。全車指定席。2016年5月を最後に運行終了となった。
- シーリゾート踊り子・フルール踊り子:伊豆急行2100系「リゾート21」を使用。リゾート踊り子と違い自由席が設定されていた。現在は運転されていない。
- サロンエクスプレス踊り子(臨時):14系改造のジョイフルトレイン「サロンエクスプレス東京」(後の「ゆとり」)で運転された。全車グリーン車。牽引機はEF58、EF65など。運行終了。
- なお、サロンエクスプレス以外に一般の14系座席車を使った臨時踊り子も運行されたことがある。この場合愛称は踊り子のままで、臨時列車の番号をつけて運行されていた。
停車駅
括弧書きは一部列車が停車。
東京駅 - 伊豆急下田駅間
東京駅 - 品川駅 - (川崎駅) - 横浜駅 - (大船駅) - (小田原駅) - (湯河原駅) - 熱海駅 - (網代駅) - 伊東駅 - 伊豆高原駅 - 伊豆熱川駅 - 伊豆稲取駅 - 河津駅 - 伊豆急下田駅
池袋駅 - 横浜駅間
(池袋駅) - 新宿駅 - 渋谷駅 - 武蔵小杉駅 - 横浜駅
熱海駅 - 修善寺駅間
熱海駅 - 三島駅 - 三島田町駅 - 大場駅 - 伊豆長岡駅 - 大仁駅 - 修善寺駅
備考
大船・小田原・湯河原の各駅には、「サフィール踊り子」を除く東京駅発着の全列車が停車し、新宿・池袋駅発着列車は全て通過する。土休日のみ運行される列車も基本的に同様である(繁忙期のみ運行の臨時列車は除く)。
川崎駅には、同駅を経由しない新宿駅方面発着列車と「サフィール踊り子」を除く全列車が停車する。ただし、繁忙期に運行される臨時列車の一部は同駅を通過する。
網代駅には、3号・4号・13号・16号の2往復が停車する。
5号は、平日が新宿駅始発、土休日が池袋駅始発である。18号は、いずれも池袋駅が終着である。
その他
2021年3月12日まで、伊豆箱根鉄道駿豆線内(三島駅~修善寺駅間)は特急料金不要で乗車できた。2021年3月13日からは、区間に関わらず200円の特急料金が必要。
三島駅は東海道本線から駿豆線へ転線するポイントを通過する際にホームに車体が接触する可能性があることから、ホームの一部が削られている。
E257系導入の際は、185系より車両が長いため、更にホームが削られた。