概要
富士フイルムが製造・販売を行う写真撮影用フィルム製品のひとつ。
使い捨て(又は使い切り)カメラと呼ばれることもあるが、正確にはレンズ付フィルムというれっきとしたフィルム製品。これは「カメラ」とすると現像した写真を顧客に渡す際に本体ごと返却が必要となるが、フィルムだとカメラはメーカーが回収できるためである。
銀塩カメラへのフィルム装填はその作業が難しいカメラもあり、最初からフィルム装填済みの「写ルンです」はその手間がかからなくて済む点も初心者には重宝がられた。
一般の銀塩カラーネガフィルムによって撮影を行い、使用後はそのままカメラ店で現像に出す。
使い捨てカメラと呼ばれてはいるが、実際には現像ラボ内でフィルムを取り出した後、カメラ部分(レンズ部分?)は回収されリサイクルされている。
開封には専用の器具と知識が必要になるため、素人がやろうとすると壊してしまう危険がある。
デジタルカメラの台頭によって見る機会は減ったが、「写ルンです」が持つ購入後に開封しすぐに使える、充電不要という手軽さは今なお健在で、コンビニ・キオスク・観光地の売店等(もちろんカメラ店でも)で販売され続けている。一種のアンティークとしても人気。高価なデジカメを子供に持たせるのは心配な家族が、修学旅行の子供に持たせたりもする。
なお画質はあまり良くないので、その点は留意しないといけない。特に暗所に弱く、屋内や夜間はフラッシュを使わないと難しい。
フラッシュはないが水中でも撮影が可能な防水タイプもある。動くものが撮りやすい高速シャッタータイプや、夜間や屋内で背景まで明るく撮影が可能なタイプ、更には望遠レンズ搭載やパノラマ撮影、日付記録可能なものもあった。
「写ルンです」以外にも同様の構造を持ったレンズ付フィルムが富士フイルム社以外からも
販売されているが、語呂が良いせいか「レンズ付フィルム=写ルンです」と呼ばれることもある。
Kodakからは「スナップキッズ」が販売され、コニカミノルタからは「撮りっきりコニカ」の名称でレンズ付フィルムが販売されていた。
ネーミング
「写ルンです」の名は、「こんなに安くて小さくてもちゃんと撮れますよ」というアピールのために付けられた。
開発段階では「パッ撮りくん(パッと取り出してすぐ撮れる+忍者ハットリくん)」、「カメルム(カメラ+フィルム)」といった名称が候補に挙がっていたが、プレゼンの際、開発チームが上司に「本当に写るのか?」と問われて「写るんです!」と答えたのが商品名になった。
「ルン」がカタカナなのは、ルンルン気分で気軽に撮ってほしいという願いから。
関連タグ
209系:JR東日本の電車。造りの簡素さ、使用期限の短さなどから写ルンですに肖り、「走ルンです」と渾名された。
呼び出し先生タナカ:フジテレビ系列のクイズバラエティ番組。記念すべき第1回放送でゆうちゃみが「写ルンです」を「しゃルンです」と読み違えたことが話題となった。